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潜水艦が最強と言われるのはステルス性だけが理由ではありません。現代の魚雷は戦場では非対称な強さを持っています。
自立誘導魚雷の登場以降、それを欺くためにあらゆる種類のデコイが開発されてきました。しかし現在ではその多くが十分に機能しないことが知られています。魚雷の探索アルゴリズムはデコイを無視するか、敵を逃しても再び戻ってきて攻撃するように設計されています。つまり、攻撃側にとって非常に有利です。
これらの非対称性はゲームを作る上でもちょっと厄介です。過去の作品を振り返ってみると、アンバランスな武器が戦場を台無しにするのは経験的に明らかです。
そこで私は次の方針を定めました。
・魚雷の探索アルゴリズムを高度化させすぎない。
再攻撃時の機動パターンを単純化することで防衛側の回避が可能になります。また、画像認識のような高度な目標識別機能もありません。ただし、ワイヤーが接続されている間は手動で誘導することができます。これはつまり、魚雷の誘導性能がプレイヤースキルに依存することを意味します。
・射程、速力、旋回性能を適度に調整する。
一部の魚雷の射程は50kmにも達します。一方、典型的なゲームマップは100km四方であるため、マップの中心部で戦闘が発生した場合はプレイエリアの限界まで逃げても魚雷が追ってくることになってしまいます。ちょっと強すぎる気もします。そのため、魚雷の主要な性能パラメータはテストプレイを通じて適切なバランスになるよう調整されます。
典型的な魚雷の探索パターンを示します。
発射されたばかりの魚雷にはワイヤーが接続されており、手動制御モードが有効になっています。
ワイヤーが限界まで引き出されると自立探索モードに切り替わります。このモードでは直線、S字または円形のパターンを描きながら目標を探索します。
目標を発見すると追尾モードに切り替わり、ターゲットへのアプローチを開始します。
目標を見失うと再度探索モードに移行しますが、見失う直前に信号を捉えていた方向に向かってサークル探索パターンを実施します。このサークル中に目標を発見すると再度アプローチを試みます。
これは説明のために簡略化した図なので、実際に開発中のバージョンはもう少し複雑です。また、魚雷にはパッシブセンサーとアクティブセンサーが搭載されており、それぞれで探索能力に差があります。また追尾モードでの挙動も微妙に異なり、命中する場所も異なります。
他にも様々なタイプの魚雷を実装したいと考えています。スーパーキャビテーションを利用したロケット魚雷なんかがあれば嬉しいですが、それはまだ先になるでしょう。
しかし、まずは3Dモデルを作らなければなりません。私はコーディングとモデリングを同時に一人で行っているため(そして昼間は学校へ行くため)、作業にはもう少し時間がかかります。そのため、友人にモデリングを手伝ってくれるよう頼んでいます。
公園で鳩を眺めたり、P≠NP予想の解決に取り組んだりして時間をつぶすと良いでしょう!
2024年6月