エピジェネティクスや遺伝子発現制御を研究しています。エピジェネティクスはDNAの配列変化を伴わずに起こる形質変化を探求する学問であり、近年は分子レベルで様々なことがわかってきています。
ヒトを含む真核生物の染色体DNAは、ヒストンタンパク質に巻き付いたヌクレオソームを基本単位とするクロマチンとして核の中に収められています。ヒストンやDNAの化学修飾がゲノムワイドに規定され、巧妙に維持されることで細胞のアイデンティティが保たれます。転写産物のエキソン構成や翻訳制御も重要です。本来のアイデンティティを失い暴走したがん細胞ではエピゲノムやトランスクリプトームの破綻が頻繁に観察されます。
NGS(次世代シーケンシング)の発展により、ゲノムワイドに様々な現象が観察されるようになりました。生化学と遺伝学に加えてインフォマティクスが駆使されるようになり、エピジェネティクス制御の理解も深まってきました。しかし、まだまだわからないことが沢山あります。
より難しい現象を理解するためには、より単純な系で根本原理を解明する必要があります。遺伝学による突破力に優れ、遺伝学的純系の一倍体を利用でき、ゲノムサイズが小さな酵母は優れたモデルを提供します。国内外の基礎系・臨床系のグループと共同研究を展開しており、酵母に限らずヒトやマウスなども対象としています。基本原理の探求によって医学・生命科学に貢献することを目指しています。
医学科1年生の分子細胞生物学Iなど、分子レベルでの病態の理解に欠かせない基礎科目を担当しています。3年生の研究室配属も受け入れています。
研究に興味のある学生さんには学年を問わず門戸を開放しています。生化学、遺伝学、インフォマティクスを駆使する研究を体験できます。
冬の北風は強いですが、日差しが柔らかく、食べ物が美味しく、人が優しい町です。自然豊かです。日本海に沈む夕日も綺麗です。夜には天の川や流れ星、蛍を目撃できます。古代出雲の遺跡や出土品も魅力的です。
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
島根大学 医学部 基礎研究棟
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(一畑バス出雲管内 大社線:上塩冶車庫方面)
タクシー:JR出雲市駅南口から南に 2 km ほど
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