Engineering of Are you a Werewolf?
この簡単な3つは押さえるだけでだいぶ違います。
人狼ゲームは心理を読む推理ゲームと言われることがあります。しかしながら、それは懐疑的な見方をされることもしばしば。「人狼オンラインX」で当てはまるものでしょうか。
この数字は、文章のみで相手のことを知れると言われるパーセンテージです。残りは表情や仕草や声色などで占められています。
ここで押さえて頂きたいのは、わずか7%しか伝わらない相手のことを「読む」と呼んでいるなら、それは傲慢ではないかということです。
その結果、現在のネット人狼ゲームに蔓延るのが心理の読み合いと自称した「私があなたならこうする。よってあなたは人狼だ」論です。この記事を見ている人はされたことがあるはずです。そして、過半数は外れていると思います。
はい。そこで頼りになるのが確率論、統計論、そして数学知識です。人狼工学ではその名のモチーフの金融工学などと同様、徹底的に黒率の高い当て方を洗い出しました。
人狼オンラインXのみ対応の戦法です。他では通用しません。人狼オンラインXは「役欠け無し」という素晴らしいシステムで運営されています。
どういうことかというと、役欠けが無いことで完璧な確率計算が可能であるということです。役欠けがあれば人狼工学は破綻する戦術です(そもそも、同様の計算が有効でありマンネリ化してしまうために人狼ゲーム界に役欠けシステムが生まれました)
初日ベグ(2-1など初日に真占い師と狂人が占い師露出した際、人狼側がどちらかを噛むこと)はありです。初日ベグ禁止は特殊村だと考え、考慮していません。
村人も限りなく賢い前提で進行します。論理的推理の不可能な参加者の多い村では、人狼工学は通用しません。参考としては人狼オンラインXの評価で300はあれば十分です。
以上、ご留意下さい。
人狼工学を知らない人が10,000回やって5,000回勝てるとしたら、人狼工学を知る人は6,000回は勝てる見込みがある。
なぜ4,000回も負けるかというと、根拠のない無差別指定投票(いわゆるセンサー指定)など運の要素がつきまとう不可抗力のため。
麻雀は運の要素が強いが、捨て牌を覚え確率計算をすれば確実に勝率は上がる。人狼工学はそれと同様である。
進行
初手占い師ローラーの黒ストップが最適解です。灰色を吊ってはいけません。もし初手吊りが白なら完遂しましょう。
加えて、あてにならない占い結果を出す者が2名いるので占い師は見限ったほうが良い。
騎士
霊能者護衛安定。3-1においては霊能者の役職価値が占い師をはるかに上回る。
占い師内訳:狂人、人狼、人狼で真占い師潜伏などのレアケースは考慮外。そうした場合は逆にどうやっても村有利なため言及するまでもなし。
人狼側
7人村で突然死無し・噛み合わせ無し・占い師と狂人はあてにならない(これは村騙りが可能なことが普通な上級7人村の性質上、全役職の価値が平坦化するため)と仮定する時、人狼側の単純勝率は6/7*4/5*2/3≒46%で、加えて人狼は有利を見込めば噛み合わせの選択も可能なためこれより高くなる。
人狼1人制の7人村での村側の最適戦略は、人狼側での都合を先に理解するとわかりやすい。
人狼側はとにかく他者を犠牲にして吊られないことを考えれば勝てる。その為に次の3つを守れば勝率が高くなる。
初日に吊られれば、それは運が悪いか、あるいは人狼役を引いたために力を出せず寡黙になるなどし、吊られたかである。運が悪い場合は気に病む必要はない。
村側の進行
キャタピラが最も口論がなく最適解。
しかし、キャタピラ禁止の村も多いため同様の効果の代替案も。常にランダム投票を行えばキャタピラに次いで村の勝率が高くなる。
翌朝票開示は必須。人狼の最適解はとにかく自分が吊られないことであるため、他者の投票に合わせることが最適解である。これは人数が減るごとにメタ戦略を取れなくなる人狼側の最適解である。よって、人狼の投票先は2票以上になることが非常に多い。つまり1票しか入っていないところへ投票した者は人間である可能性が高い。
票騙りをされると推理破綻するため、票計算される前に朝イチで票開示するのが有効。逆に言うと、票開示を拒む者は狼利行動であることは押さえておくべきである。
1人狼しか存在しない村で15人村の感覚で指定制の進行をしようとする者もいるが、悪手。
進行制も自由投票制も確率論では同じである。よって、嘘を暴ける推理材料が落ちる自由投票制が村に有利に働く。それから人狼工学の見地から言えば、進行者自身を意図的に投票候補から省くイコール他者さえ吊れれば良い人狼の動機と同様で、突き詰めると進行役は人狼率が高い(実際の現状ではここまでの知識に到達せず、15人村の感覚で進行意欲を見せる者が多いためその限りではないが)
人狼工学とは関係ないが、村側で進行しようとするのは自分のエゴで他者の意志を奪うことと同義であり、道義に問題もあることは自覚するべき。
先程の一例とは対照に、参加者皆が限りなく賢くあらゆる戦法を知っている状況などの、突き詰めて考えると使えなくなる人狼工学技である。
人狼オンラインXは投票メニューの初期位置が村民リスト(便宜を図りこう呼ぶ)の一番上で固定されていることは知られている。
現状では人狼・狂人は進行役の指定に従うインセンティブが低く、人狼はシステムの投票セット欄が2つあることと、短期の村では基本的にわずか5分間しか与えられない人狼チャットで忙しいことの関係で吊り投票を初期状態にセットする(いわゆるサボり投票)傾向が全体として見て取れる。
人狼工学では心理を取り扱わないが、今まで集めたデータで看過できない人文科学分野の傾向として、これに加えて仲間に投票しづらいという事実がある。
これら2つの要素から、初手投票は次の3つのケースが多い。
1のケースでは、票からなにかを見て取ることは不可能で、この考察は使えない。
2はサボり位置が人間である可能性が比較的高い。しかし、村側でサボる村人の多さなど総合的に判断する必要がある。
3はサボり位置が人狼の可能性が高い。拡散があるというのは、例を出すと
指定先:10票。サボり位置:1票。A:1票。B:1票。C:1票。D:1票。
などのように本来投票される理由のない1票が多く散らばる状況のことである。もちろんこれは、人狼がサボり位置の仲間から投票を外すために投票メニューから適当に「回す」結果である。
確実性は薄いが、私の直近100戦(上級村のみ)を洗ったところ、3のケースでサボり位置が人狼だったのは約40%であった。過半を割る結果で恐縮だが、単純計算で標準的な2-1の真狂占い師のケースでのサボり位置が人狼の確率が25%、真狼の2-1で17%なことを考えると驚異的な数字である。
(2017年9月8日加筆:上記25%,17%は計算ミスでした。確率はもっと低いです。後日時間がある時に修正します)
この簡単な3つは押さえるだけでだいぶ違います。
エンジョイ人狼Xライフ。
投稿日:2017年8月1日
1-1平和村、たまにある陣形です。
しかし、2日目以降に対抗占い師が出現することがありますね。村としてはどう考えていけば勝率が上がるのでしょうか。
結論、2日目以降のCOで平和村を崩す占い師は信用しないことです。これが確率論での結論です。
まず、初日で1-1だったということは、騎士の人狼工学上の護衛最適解は出ている占い師一択です。平和村に於いて霊能者の価値は極端に低いためです。細かい計算はしていませんが、仮に真平和村で騎士が占い師護衛鉄板をすれば、概算で低く見積もっても65%以上勝てます。低いと思われましたか? これはかなり高確率です。
さて、そのような最適解があることで、潜伏している占い師が出ないことにより騎士の選択に制限を与え、意志をコントロールしてしまっていることになります。これは潜伏を考える占い師は自覚を持つべきです。また、騎士がその最適解に従う場合、確定白の霊能者がノーガードとなっていることにも注目すべきです(霊能者が確定白なのは、評価村で霊能者を騙る人狼は特殊な場合を除いて有効でないため)
それから、初日に平和村であることで村全体は平和村前提の進行をします。これは2-1の進行とは異なるものです。具体的に述べると、騎士以外を吊るのが村の最適解です。騎士目でも人狼を吊っていくのが2-1の最適解ですが、平和村では占い師より役職価値が高いのが騎士 のため、何日目であろうと真騎士を指定してCOさせることは村の悪手になります。よって、柱を募集し吊るのが有効な、特殊な状況にもなります。要するに黒を探すのは占い行為の仕事にし、吊りは役無し狙いが最適解になります。また、指定で騎士COが出た場合は黒いと思っても吊らない、という戦略が生まれます。そして、平和村である以上初日か2日目から占い結果で伏せた白の保護のために占い師が進行するのが有効です。これらの点で2-1の進行と大きく違います。
このような進行を1日でもとってしまった場合、1縄分を平和村進行に使ったと考えます。そのため、後日2-1になってから2-1の進行にシフトすると、1縄を余分に使ったと考えられます。
もっと大きな例かつ実際にたまにある例を挙げますと「1, 2日目を平和村進行した状態で2日間潜伏した占い師が3日目に出る、そして2-1進行にシフトする」といった経験があると思います。この例は、当然ながら村の悪手です。黒狙いではない2縄を浪費している計算になります。
村の武器は、通常7縄しかありません。そのうちの1縄、2縄というのは村人・人狼側共に大きな意味を持ちます。そのため、人狼側はできるだけ白で浪費させたいという心理が働くことはわかるでしょう。2縄を柱や白濃厚吊りで消費するというのは、1-1では占いによる圧迫で狼有利にはなりにくいですが、2-1においては狼有利です。ましてや占い師が初日あるいは2日目に進行しているのであれば、絶対にその占い師以外を信用してはいけません。
後発占い師を信じられるということは、来た道を引き返す行為であり、将棋でいうと金将を1歩前に出し1歩下げるようなもので、2手分の有利を相手に与えているようなものです。そのため、勝率が低くなりがちです。ちなみに人狼工学に於いて絶対に禁止のこの考え方は、実際にはよくあり、そして多くは村が負けます(Vol.774 ムーンライト ↑150 月光村)
先発占い師を信じても、そちらが偽である場合もあります。しかし、その場合は騙されてあっさり村は負けて良いでしょう。何度も述べます。10000回やって6000回勝てる方法をとるのが肝心です。平和村を崩して6000回負ける側に加担するよりは6000回勝って4000回負ける考え方をするべきなのが人狼工学です。
人狼工学に於いて潜伏占い師の是非は難しいところです。狂人と人狼が占い師に出るケースでは有効ともいえますし、違うともいえ、計算も難解で、はっきり述べると人狼工学でも研究が進んでいません。しかしながらいえることは、1-1で潜伏する占い師は確率論と先述の理由により村不利です。そしてもし、偽占い師が進行をしている場合で出ない真占い師は、確実に狼に貢献している側だといえます。
実のところ人狼工学は基本的に初日FOが最も合理的と考えられるため、潜伏占い師が潜伏する主たる理由は「噛まれたくない」という占い師のエゴ以外に考えていません。よって、それを前提に書きます。噛まれたくない、その考え方は大きな間違いです。村人は噛まれることが仕事に内包され、騎士は吊られず噛まれないのが仕事で、狂人は人狼の代わりに犠牲になる必要もあるというように、真占い師は噛まれて情報を落とすのも仕事の内であると人狼学会では考えられています。噛まれたくないがために潜伏するというのは他の噛まれてはならない村側役職を犠牲にする確率を高めると同時に、他の村側(15人村なら10人)の時間を奪うゲームの私物化傾向のある行為であるといえ、チームワークを乱す要因でもあり、人狼工学では好まれません。
人狼目線では平和村は最も避けたい陣形です。一般に占い師騙りは負担が大きいため人狼は避けたいが、人外側において最も有利なのは真狼占い師の2-1のため狂人も騙りを譲ってしまう、といった連携ミスがあるため起こることがあります。
一度平和村になった場合も、後日COで巻き返せる場合は絶対にやるべきというのが人外の基礎の考え方です。そのため、真占い師と人外が限りなく賢い合理主義者の場合、後日占い師COをするのは絶対に人外という決が出ます。
投稿日:2017年9月4日
先日、15人村の2-1(2占い師、1霊能者の意)で初日に指定された人外が騎士CO指定回避し、それに反応した騎士が指定を受けカウンター騎士COをし、そちらは通らず結果は騎士が吊られる、ということがありました。
その村の騎士は「初日に騎士がCOをすることにより、後の偽騎士COが有効にならず村は不利に(≒狼は有利に)ならない」と述べ、騎士COを正当化していました。
X界において初日の騎士COは意見が分かれるところです。人狼工学的にはどうなのでしょうか。これをきっかけに、騎士COで初日に指定を回避することの是非を考えてみました。
結論は初日騎士COは狼有利に働くので村人の振りを続けた方が村に貢献できます。
前提:真狂占い師2-1で初日騎士が指定され、騎士COで指定が他へ移る。狼は初手で騎士を噛む。※なお、村の15人は限りなく賢く合理的とする。
今回のケースは「2-1で騎士が初日に吊られるくらいならCOして噛まれ、騎士がいないということを公示した方が良い」という騎士の戦略の下の初日騎士COですので、それを大前提に敷きました。
計算は非常に簡単です。人狼の計算は場合分けが多岐に渡り普通は複雑ではありますが、騎士が初手で死んでいるので場合分けのファクターがひとつすっ飛ばせるためです。
例とその勝率を挙げます。ちなみに狂人占い師は誤爆や特攻での貢献がゼロサムであるため、当然計算式に加えません。それから、占い師の結果は「白・黒占い」と呼ぶと混乱を招くためここでは便宜を図り「白・黒当て」と呼びます。
(例A) 1日目:白吊り。2日目:真占い師白当て、白吊り、狂占い師噛み。3日目:真占い師白当て、白吊り、真占い師噛み。
ここからの狼勝率 (3/6)*((2/5)+(3/5)*((2/4)+(2/4)*(2/3)))+(3/6)*((3/5)*((2/4)+(2/4)*(2/3))+((2/5)*(3/4)*(3/4)+(2/5)*(1/4)*(2/3)))≒84.58%
白3連吊りで2白占いという一見狼有利な計算ですが、狂人を間違えて最速で噛んでしまい2占いを許すという狼不利要素も備えた状況です。もちろん狂人でなく真占い師を先に噛めばこれより勝率は上がる結果になります。
(例B) 1日目:黒吊り。2日目:真占い師黒当てとその黒吊り、真占い師噛み。3日目:狂人占い師見切り吊り(真占い師盲信態勢)、霊能噛み。
ここからの狼勝率 (8/9)*(7/8)*(5/6)*(3/4)≒48.61%
騎士COにより初手黒が吊られ、騎士を噛んだ翌朝に真占い師に黒を当てられ、それを吊られた翌朝霊能結果が黒だったために、村人たちの合理的思考(狂人の誤爆より真占い師結果の方が確率が高いため)により両陣営に狂人残りと見切りをつけられてしまった狼不利なケース。しかし、それでも約半分は勝ててしまう計算に。
(例C) 1日目:黒吊り。2日目:狂人占い師特攻で白吊り、真占い師白当て、真占い師噛み。3日目:狂人占い師吊り、霊能噛み。4日目:黒吊り、真占い師の白噛み。
ここからの狼勝率 (6/7)*(5/6)*(3/4)≒53.57%
初日に不運にも人狼に指定が回ってきて吊られ、狂人が特攻をするというよくある型。役職を全滅させた直後に偶然黒が吊られるという不運にまみえるケース。1人目時点では27.27%、2人目は25%と、いずれも低確率で吊られてしまう村側ラッキーパンチがあるにも関わらず、そこからの狼の勝率は50%を超える。
以上の通り、初日騎士COは村側の悪手であることが判ると思います。
ポイントとして押さえて頂きたいのは初日に騎士が居なくなることで、最愁日3, 4人時に全員灰色状況が確約されるという点で、これが大きく村に不利を与える大要因になっています。次に、騎士がいない安心感から人狼は安心して噛み合わせを早期に行えることです。
これはよく初日騎士COをする者が述べることで「後の偽者の騎士COができなくなる」という意見があります。確かです。が、それは7, 8人時などの騎士の戦略的騎士COのメリットのみを覚えて勘違いしていると思われます。
確かに初日にも同様のメリットはありますが、まず第一に人数が減った場面ほどのメリットを得られないこと、第二に先述の通りデメリットが大きすぎることが理由です。
もしかすると「真狼のときは狂人がCOするかもしれないので有効ではないか」と思われた人もいるかもしれません。
平たく説明しますと、狂人の初日騎士COは、狂人が限りなく賢い場合は悪手になります。よって、人狼工学からの見地では、ないことです。解説すると長くなります。
そして狂狼の場合ですが、今回は考えませんでした。
恐らく初手騎士抜き確定は、人狼側の平和村のような感覚なのでしょう。
投稿日:2017年8月15日