「こども食堂」を始めてから、いろいろな方から質問を受けましたので、Q&Aとしてまとめました。
教会で始めるにあたっての一助になれば幸いです。
天理教東王子分教会
倉橋 真一
Q. こども食堂を始めるのに、どこかに届け出は必要ですか?
★ 基本的に届出の必要はありません。
最近は、積極的に子ども食堂に関わる行政が増えています。
役所に電話すれば窓口の有無を教えてもらえます。窓口があれば、そこで相談に乗ってもらえると思います。
また、月当りの開催日数や、集まる人数によっては、保健所への届け出が必要になる場合があります。
地元の保健所にも一度は連絡しておいたほうが良いでしょう。
Q. こども食堂を始めるのに、必要な資格はありますか?
★ 特に必要な資格はありません。
ただし、取得しておいたほうがよい資格として「食品衛生責任者」があります。
保健所に届け出が必要になった場合、取得するように勧められることもあります。
「食品衛生責任者」は主に食中毒に関する知識の習得を目的として、1日だけの受講で資格を取得できます。
受講会場は都道府県ごとに異なりますので、ホームページ等で検索してみてください。
Q.「こども食堂ネットワーク」に参加したほうが良いですか?
★ どちらでも、かまわないと思います。
参加すると「こども食堂」に関する情報を教えてくれます。
私たちは「こども食堂」を始めてから、半年たった時点で参加しました。
Q. すでに「こども食堂」をやっているところが近くにあるのですが・・・
★ ぜひ相談に行ってみてください。
競争相手ではありませんので、利用するこども達のことを考えて、利用料金や開催日の調整など話し合ってみてください。
きっと良い結果になると思います。
Q. どうやって利用者を集めていますか?
★ 基本的に毎月のチラシ配布です。
毎月1000枚程度配布しています。
始めたころは、どうしても子供の友達や知り合いが中心でしたが、半年過ぎたあたりから、チラシを見て来ていただく方が増えてきました。
Q. 料金はどうやって決めましたか?
★ 他のこども食堂の料金を参考にしました。
こども無料、大人300円はすぐに決まったのですが、こどもと大人の線引きに迷いました。
2回目以降に無料の範囲を広げることはできると考え、初回は中学生までを無料としました。
初回をやってみてから、高校生までを無料に変更しました。
<追記>2018年10月3日
開催を重ねるごとに無料ということが、かえって利用する側に負担になっていないか気になっていました。
そこで、2018年11月の開催より、料金を以下のように変更しました。
未就学児:無料
小学生:10円
中学生:50円
高校生:100円
大人:300円
参加者に目立った変化が見えたら、また、報告します。
<追記>2019年10月13日
気が付いたら、1年間、報告せずでした。
結果から言うと参会者は倍以上に増えました。
それまでの平均が20~25名だったのが、現在は50名以上になりました。
ただし、料金改定と前後して、いくつか状況に変化があったとことも影響していると思います。
参考までに、時系列にして掲載しておきます。
2018年 7月:足立区の子ども食堂マップに掲載
2018年11月:料金改定
2018年11月:学校公認の高校生ボランティアと連携
2018年12月:小学校と児童館にポスター張り出しOK
2019年 1月:町内会の掲示板(12か所)に毎月チラシOK
それでも、10円玉握りしめた小学生や、中学生が2人で来て100円出したりと、きっと料金を改定しなければ、きにくかっただろうなと思う子が何人かいたことも事実です。
Q. 申し込みは予約制にしたほうが良いですか?
★ どちらでも良いと思います。
私たちは予約なしで対応しています。
当然、当日終わるまで人数がわからないので大変ですが、直前まで迷っている親子でも参加できるようにと、考えて「予約なし」にしています。
私どもの教会には9人住んでいますので、料理が残ったとしても、3回くらい同じものを食べれば何とかなるだろうと考えてながらやっています。
実際には予約制にしている「こども食堂」のほうが多いようです。
こども食堂ネットワークを参考にしてみてください。
Q. メニューはどうやって決めていますか?
★ カレーとシチューだけです。
子ども達にも好評なうえ、ある程度の人数の増減に対応できます。
最初は毎回カレーで大丈夫か不安だったのですが、来てくれる子ども達は「カレー屋さんっ!」といって喜んできてくれています。
考えてみれば、私たちも「こどもおぢばがえり」のカレー食堂は、毎日食べても美味しかったですよね。
あの感覚ではないでしょうか。
シチューはカレーが苦手なお子さん用にと思っていたのですが、大人が選んだり、カレーを食べた子がお代わりで選んだりしています。
不思議なことに、カレーとシチューのハーフ&ハーフが参加するお母さんたちに人気になりました。「家じゃこんな贅沢できない」といって喜んでくれています。
Q. 教会の近くにはお年寄りのほうが多いのですが・・・
★ お年寄りもカレーは喜びます。
あるマンションの管理人さんに、チラシ配布の許可をもらったときに、
「このマンションに住むおばあちゃんたちが、以前そのチラシを見ながら『最近、カレー食べてないね』って話してたよ」
と教えてくれました。
詳しく聞いてみると、一人暮らしのおばあちゃんは、カレーをほとんど作らないそうです。
一人暮らしのおばあちゃんは、自炊することができるので、外食することもなければ、レトルト食品もあまり買わないのでしょう。
そうなると、1人前カレーを作って食べる機会がないということです。
声の掛け方次第で来ていただけると思います。
Q. 食物アレルギーを持つ子への対応はどうしていますか?
★ 特に対応はしていません。
以前はチラシで、事前に連絡するように伝えていましたが、3年間で一度も連絡はありません。
アレルギーを持つ子が参加したことがないと、と思っていたら、軽い食物アレルギーを持っている子が参加していることがわかりました。
一緒に参加していた親御さんが、教えてくれました。
Q. 保険に加入していますか?
★ はい。加入することをお勧めします。
長年、月次祭で直会をやっている身としては、食中毒が起こる可能性がほとんどないことは実感していますが、ふざけ合った子ども同士の事故などのため、加入しています。
当教会は教会名義でこちらの保険に加入しています。
年間2,000円程度の保険料で、3億円の保証が付けられました。
火災保険や自動車保険の加入先の保険代理店に相談してみてください。
Q. こどもおぢばがえりや教会につながる人はいますか?
いません。
厳しい言い方ですが、信者さんを増やす目的で始めるのなら、やめておいたほうが良いです。
Q. ほかに「子ども食堂」をやっている教会はありますか?
現在40か所ほどの教会でやっているみたいです。
現在本部の布教部社会福祉課のほうで取りまとめているようです。
グループLINEもありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
Q. 見学に行きたいのですが
★ ぜひ、見に来てください。
一度、ご連絡 ( 03-3890-6442 ) いただけるとありがたいです。
そして参加者として、一緒に食事をしてみてください。
開催日については、こちらを確認できます。
Q. やってみたいと思っているのですが、なかなか始めれらません
★とにかく初回の開催日を決めることです。
自分たちもそうでした。何から手を付けて良いかわからず、時間ばかり過ぎていました。
動き始めることになった「きっかけ」は、初回の開催日を決めたことでした。
次の順番で進めるとはじめやすいと思います。
1.2~3か月後を目途に初回の開催日を決める
2.食品衛生責任者の受講可能日を調べる(調べるだけ)
3.保健所に電話して、いつから始めたいと伝える
後は、自然とやるべきことが見えてきます。