RACOONDOG
この世の“悪役”を演じるからには
情けや容赦の余地はない
名前
RACOONDOG(ラクーンドッグ) / Edi-Bowman(エディ・ボーマン)
イメージCV
榊原良子っぽい。クシャナの時とキレたインテグラの時がある。
性別
女性
血液型
義体化前まではB
年齢
見た目は40歳前後 実際は83歳
口調
余計な装飾を殺ぎ落とした、あまり抑揚のない断定口調で話す。疑問文の最後に相手の名前を呼ぶ癖がある。
人称
私/お前・貴様/名前
好きなもの
辛い食べ物、過酷なトレーニングで頭を空にする瞬間。合成コーヒーはブラック派。好きなものがあることを忘れかけている。
嫌いなもの
孤独、嘘。
思想
恩人であるフォックスを踏み台にして作り上げられた偽りの平和と、その首謀者であるサイラスを憎んでいる。すべての人類は争いの本質を直視すべきであり、オリンポスを崩壊させることで戦争が再開し、それによって今度こそ人類が滅びるならそれでよいし、生き延びても構わないというスタンス。
容姿
特徴
165cm-85kg
相当な筋肉質で、全身義体を戦闘向けにフルカスタムしたため見た目よりかなり重い。深い黒の吊目、少し日焼けした肌。パッと見ではほとんど小柄な男に見えるが、骨格はしっかり女性的。そこそこ美形だが、台無しになるくらい常時しかめ面をしている。黒髪は硬くてごわついている。
ファッション
スラムに現れるときは白迷彩の野戦服にミリタリーブーツ、グローブなど。大抵は宣戦布告の意思を表す赤い布を纏っており、序盤は獣の面で顔を隠している。
戦闘時は極端に露出が少ないが、本来はあまり着込まない方。インフレイムの拠点ではツナギの上半身を脱いでタンクトップなどで生活している。合理的であれば柄などには無頓着で、カスケードがいたずらで妙なデザインの服を渡しても気にせず着ていたりする。左眉に2つピアスがある。
テーマ
エゾタヌキ、煤けた白、血の赤。「力」のカード。未来。
経歴
生まれはエリート軍事関係者の家系で、軍人のサラブレッド。男が生まれず、ある年齢以降は女の子であることを悲観されながら、理想の軍人になるよう調整されて育てられた人間。親に与えられた訓練や教育を軟禁状態で淡々とこなしており、それは物心ついたころからずっと当然の生活だったため、ラクーンドッグ本人に目標があって能力を高めているわけでもないし、地位や名誉にも真の意味では興味がない。
様々な格闘技を5歳から叩き込まれ、19歳までに居合道も習得する。各学問の教授を師として邸宅に呼んでいたため、特に名門大学の出身ではない。
20歳でエリートとして米空軍のAFSPC(Aie Force Space Command)に入隊。軍の研究機関にもかかわり実際に優秀だったが、箱入りな上に強すぎるので「培養槽の中で育った、自分がいかに頑丈で凶暴かを知らない怪物」のようだった。
のちに技術系のAFSPCで持ち腐れていた戦闘能力を買われ、秘密裏で米軍に作られた諜報組織「ヘルメス」に引き抜かれた。ここでフォックスと出会う。フォックスの才能に加え、ラクーンドッグがAFSPCで研究していた「多重脳型・戦術神託機械」にも理解を示したことで、ラクーンドッグは彼に惹かれた。「多重脳型・戦術神託機械(BrainType:Multiple Tactical Oracle Machine)」とは、人間の脳をベースに培養した数十メートルにも及ぶ細胞塊を並列結合し、入力に応じて最善の戦略をはじき出すシステム。巨大な人間を人工培養することに他ならない上に、研究段階の細胞に「危険な自我」らしきものの萌芽も認められ、なにもかも非人道的という理由で研究を頓挫させられたもの。
昔からデウス・エクス・マキナ的なものを作りがちな異常性もあって、好意を持って近寄る人間はほとんどいなかったが、上記の「危険な自我」に人工知能専攻のフォックスが興味を持ち、そこから交友が始まった。フォックスは「戦術神託機械が実現したら、きっと"真の世界平和"が訪れる。人類の在り方を変えるだろう。お偉いさんはそれが怖いのさ」と理解を示した。
フォックスは孤独な怪物だったラクーンドッグに「好きにすれば良い」ということを教えてくれた唯一の人物であり、以来ラクーンドッグはフォックスを「友人」だと思っている。彼女には友人と呼べるような存在は他にいなかったし、無宗教でもあるので、一般的に"友人"と定義される関係がどの程度のものか知らないからだが、その在り方は明らかに「崇拝」である。
終戦の少し前、ヘルメス時代の上司だったサイラスに騙され、オリンポス設立と終戦のための黒幕に仕立てられる。フォックスの妹を含む軍事関係者暗殺事件の原因として拘束されていたが、死刑直前にカスケードや「巫女」の手を借りて脱獄。カスケードと共にインフレイム軍を造り上げ、オリンポス紛争を引き起こした。
その後はエニグラドールのスペック解析を行い、過去にカスケードが盗んでいたコールドハートver3.0のデータを改変してelseを作る。また、ラロックスやアンティニーなどの上位個体を製作する。
2210年時点ではサイラスがフォックス(の妹)を利用したことを恨んでおり、その復讐のために行動している。フォックスの人類再構成計画を知って以降(物語終盤)は、彼を過去の呪いから解放する目的のもと、計画を止める方向に行動するようになる。
性格
真面目で実直な努力家。人間関係に不器用。浮世離れした育ちの影響でかなり天然っぽい。敵対する者にはきわめて冷酷。けして感情がないタイプではなく、考えていることがそのまま顔に出る。
軍用犬として生きてきたため、人を愛する・人に愛される方法がよく分からない。意思あるものは「フォックスかそれ以外」の分類で、インフレイムの上位個体すら目的達成の道具に過ぎないと考えている。
能力
知識
脳科学や情報工学などに精通している。幼少期の教育によってあらゆる言語を習得している。また「人体破壊」に天性の才能があり、ヘルメス時代はサイボーグを差し置いて、生身でありながらトップクラスの近接戦闘能力を持っていた。
義体
ww3後に全身義体化しており、メンテナンスする限り脳以外の能力が衰えることはない。女性型を採用していること、五感や痛覚を維持していることの理由としては、義体化前に身につけた感覚に狂いが生じないようにするため。出力を増すための戦闘用カスタムが施されており、かなりの怪力でもある。
戦闘スタイル
鍔の無い日本刀に似た電熱ブレードを使う。電熱状態の刃はアーク加熱によって高温となり、青白く輝く。基本的には右手で刀を持つが、実は両利き。刀の持ち方をノーマル→逆手→右→左で自在にスイッチするトリッキーな戦い方もできる。人型サイボーグとしては"史上”最速クラスの俊敏さで、間合いを詰められる瞬間は視認できないほど。
その他
インフレイムは全員がどこかにピアスを付けており、ドッグタグのような意味合いを持っている。提案はラロックスで、ラクーンドッグのホールを空けたのはアンティニーである。この時のアンティニーはニードルで穴を空け、きちんと消毒してガーゼを貼り、ラクーンドッグが礼を言って立ち去った後に(プレッシャー過多で)ちょっと気絶した。
非常にハスキーな声で話す。元はそれなりに澄んだ声質だったらしいが、獄中で涸れて以来そのままにしている。
ラクーンドッグという名前はヘルメス時代のコードネーム。ヘルメスは役割や階級ごとに動物のコードネームがついていて、担当者が死んで代わりの人が入っても同じコードネームで呼べばいい(緊急事態にも混乱を招かない)という仕組みがある。ラクーンドッグのコードネームは担当者が2人死んでいるいわくつきの名前で、「サード・ビースト」というあだ名がついていた。
フォックスに「好きにすれば良い」と教わったことをベースに、偶然出会って修理したヒューマノイド(ガンブラーやラロックスなど)に対して必ず「好きにしろ」と伝えている。ラクーンドッグの部下になることを選んだものはインフレイムに加入しているが、実際に自由を手にして立ち去ったヒューマノイドもいるらしい。フォックス以外のすべてを目的達成の道具と定義しながら、「孤独な」存在を救いたいと無意識に思っている様子。
名前の由来
「2001宇宙の旅」でHAL9000を止めた宇宙飛行士・デビッド・ボーマンと、「ステルス」のExtreme Deep Invader(超深部侵入機)より。
睡眠について
矯正された昼型。元軍人のため生活習慣は(本来は)規則正しいが、やるべきことが常に多いのでなかなか眠るヒマがない。椅子に座ったまま寝落ちしていることも多いが、わずかな物音などですぐ目覚めるため周りは気を遣う。実はわりと長時間眠りたいタイプ。