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概要

【方針】

なにひとつ上手くいかず噛み合わず、皆かわいそうで、何も好転しない。悲願もかなわない。

妄想ツイート・ノートは、時系列としては★前後の話をしていることが多いです。




【①第三次世界大戦の終戦まで】

2150年より前。フォックスは趣味と実益をかねて、米軍で人工知能(と、それに付随する情緒…つまりコールドハート)の研究をしていた。


2150年8月、サイラスの計略により"サリタシュ村事件"が発生。これを発端に中露間で最初の紛争が起こる。


2150年後半、全世界を巻き込んでWW3が開戦。核攻撃によって地上は汚染されていく。


2156年、米軍の諜報組織ヘルメス設立。総指揮権をサイラスが手にする。

ここにフォックス、ラクーンドッグ、カスケードが陸軍や空軍からスカウトされる。

ヘルメスでラクーンドッグはフォックスの才能に魅入られる。フォックスを自身の唯一の理解者と考え、強い信頼(あるいは、ある種の崇拝)を抱くようになる。


2159年、サイラスのさらなる計略により、東亜連合によって米軍関係者が次々に暗殺される。

このとき、ラクーンドッグは「東亜連合に情報を売った裏切り者」に仕立て上げられる。

実体としては、サイラスは東亜連合のついでに、オリンポス建国の邪魔になる自国の関係者を殺して排除していた。

「オリンポス建国の邪魔になる相手」だけを殺害すると目的が割れてしまうため、単なるカモフラージュとしてヘルメス関係者とその家族を殺している。

(ここで、後にエニグラドールの人格ベースとなるヘルメス部隊員=フォックスの同僚たちも殺された。)

この暗殺事件を宣戦布告ととらえ、米軍は東亜連合を攻撃。東亜連合は制圧され、解体される。

フォックスは仲間や家族を殺され、一度はまるで廃人のように狂ってしまう。


2160年、オリンポス完成。WW3が終戦。



【②エニグラドール、インフレイムの始動】

2161年、フォックスは死んだ妹、ノウの「作り直し」をはじめる。これが後のミケとなる個体。

同年、カスケードのサポートによりラクーンドッグが脱獄。サイラスの監視下から消息を絶つ。


2175年、フォックスはノウの作り直しをほぼ形にしたが、ここで改良していたコールドハート4.5は結局失敗作となる。この個体はスラムへ破棄した。

その後数十年、フォックスは生きた屍のようにスラム街で生活を続ける。

ここで自殺を選ばなかった理由は……「何かやるべきことがある気がする」と燻っていた様子。


2200年、インフレイム……すなわちラクーンドッグがオリンポスを襲撃。

この「5.17事変」をきっかけに、インフレイム対ゼウスのオリンポス紛争が始まる。

ラクーンドッグの目的は、恩人であるフォックスを廃人のように変えてしまったサイラスとオリンポス、のうのうと暮らしている人間たち全てへの復讐を果たすこと。

フォックスは「5.17事変」でラクーンドッグの生存を知り、自身に課せられた「使命」を悟る(後述)。

フォックスは2175年に破棄したプロトタイプのデータを用いて、戦闘用のエニグラドールの製作を開始する。


2201年、エニグラドール起動。

インフレイムの不定期襲撃に応じて、エニグラドールが実戦投入されるようになる。

これにより、ラクーンドッグ側もフォックスの生存を知る。

カスケードから聞いていたとおり、自分はフォックスの仲間や家族を殺した裏切り者という立ち位置になっており、フォックスは自分を殺そうとしているだろう……と考える。



【③戦時中の誤解を解きたいラクーンドッグ】

2205~2210年、オリンポス紛争の開戦から約10年間で、ラクーンドッグは地道に交戦記録を集め、エニグラドールの解析に成功。

WW3以前にフォックスが研究していたコールドハートが、エニグラドールに搭載されていることに気付く。

2161年脱獄時に米軍から盗み出した情報から、ラクーンドッグもコールドハートelseを開発。これを搭載した幹部機体を作成する。

ラクーンドッグは、この時点でコールドハートの「覚醒」や「暴走」の存在にも気付いている。

そのため幹部機体には保険として同調機能を搭載し、エニグラドールの暴走を食い止めることを想定している。

これら幹部機体の人格ベースとなる情報をカスケードの脳からコピーしており、この複製負荷によってカスケードの人格は破綻した。


この時点のラクーンドッグとしては……

・まずはインフレイムとエニグラドールを死なない程度に交戦させ(ストレスを与える)、覚醒させて戦闘能力を最大限まで引き出す。

・次に、何らかの方法でフォックスに真実(妹殺しの黒幕)を伝え、同盟を組んで共に復讐を果たす。

という想定。

「フォックスが自分をどのくらい憎んでいるか」は転じて「サイラスをどのくらい憎むか」になるはずだと考え、それを確かめるべくフォックスと直接交戦したりもする。


【④覚醒していくエニグラドール】

★一方のそんなことを知らないエニグラドールは、変わりない日常として、ゼウスやスラムから請け負った仕事を粛々と片付けている。

・ウイルス感染した地区の浄化活動

・地下の違法拳闘場の調査

・南部スラム防衛拠点のサポート

・連続自殺事件の調査

        etc...

あるとき暴走・覚醒したナナシに引きずられ、またインフレイムとの苛烈な戦闘を通して、エニグラドールは次々に覚醒状態へ遷移していく。



【⑤狂ったフォックスの真の目的】

あるとき、ゼウスに潜伏しているラクーンドッグの仲間(インシュレーターの「巫女」。古い知り合い)から報告がある。

エニグラドールが対応した案件のひとつ、「ウイルス感染した地区の浄化活動」について、流出したウイルスの目的が明らかになったという内容だった。

・あのウイルスはゼウスによる「インフレイムを倒すためのウイルス兵器開発」ということになっていたが、実際は違う。

・ウイルスの用途は「人間の脳に特定の細胞を植え付けること」。

・ウイルス開発のプロジェクトに、フォックスが裏でゼウスと絡んでいた。

・フォックスがあの細菌をスラムに流し、効果をテストしたと考えられる。


ラクーンドッグはこの報告とコールドハートの仕様を結びつけ、ひとつの仮説を立てる。

スラムでホームレスを眠らせて攫い、脳をスキャンしてみると……「コールドハートの細胞塊が植え付けられていた」。そしてもちろん、ラクーンドッグも感染していた。

すなわち少なくともスラム全土は、おそらくオリンポスの住民も、すでに脳にコールドハートを植え付けられているということになる。


ラクーンドッグはたった今まで、フォックスがエニグラドールを開発した目的は、あくまで妹のための復讐と考えていた。

コールドハートの改良も、ヒューマノイドの出力向上や、新人類の研究が目的(新人類としてエニグラドールを量産するイメージ)と思っていたが、それは違った。

実際の目的は「現人類の構造を脳から書き換える」……「人類の再構築」。

現人類の感情や感覚を"アップデート"させる感染型アプリケーション・コールドハートを、エニグラドールの頭蓋の中で育てていた……という訳だった。

すなわち、覚醒したエニグラドールをトリガーに、スラムやオリンポスの住民は強制的に暴走状態に陥ると予測される。



【⑥ラクーンドッグの選択】

ラクーンドッグは考えた。これは、妹・ノウの死をトリガーとした狂気である。フォックスは壊れていた。

現人類に「やり直してやるほどの」「次のチャンスを与えてやるほどの」「生まれ変わらせてやるほどの」の価値があるか?

そんな価値がないことを、ラクーンドッグはWW3の終わりに知っていた。

(痛みを忘れ、何度でも争い、死ぬなら死ね。暴力によって大切なものだけを守れば良い。私もそうしてきた。)

また、フォックスが再構築される「人類」に自身を含めていることは明確である。つまりフォックス自身も暴走状態の苦痛を味わうことになる。

彼は壊れて尚、自分自身すら罰そうとしている。


「何十年も苦痛の中にいたお前が、これ以上苦しむ必要があるか? お前はもう救われてくれ。どうか悪い夢から覚めてくれ」

ラクーンドッグは「人類の再構築」を阻止することを選んだ。


そして、そのためには……「エニグラドールは死ななければならない」。



【⑦人類の再構築を阻止し、フォックスを救う】

ついにエニグラドールから人間へ、コールドハートの暴走が感染し始める。

ラクーンドッグはラブレターに、コールドハートを一時的に無効化する武器を搭載する。

・ラブレターには元々、オリンポス内で起爆して通信をダウンさせるための、高威力の電磁波兵器が搭載されていた。

・これを改修し、コールドハートelseの同調機能を超強化したものに差し替えた。

・1回しか使えない音響弾のようなイメージで、エニグラドール・インフレイム・人間を含む、全バージョンのコールドハートの覚醒値をいったんリセットするもの。


エニグラドール陣営では、フォックスがコールドハートの暴走で半狂乱となってしまう。

さらに、スラム街全土で次々に起こる人々の異常行動や暴動などを(ラジオ等で)確認する。


そこに、コールドハートを脳から切除した直後の満身創痍でラクーンドッグが現れる。

ここでラブレターを起爆。エニグラドールもインフレイムもコールドハートが無効化され、お互いに最も弱い状態に。

コールドハートにやられていたフォックスや一般人は全員昏倒、街が静まりかえる。

弱体化したエニグラドールと弱体化したインフレイム幹部は、無音のスラム街で泥沼の総力戦となる。


一方で、インフレイムの巨大生物兵器群の全兵力をもって、「5.17事変」を上回る規模のオリンポス再侵攻が始まる。

巨大生物兵器群はオリンポスのシャッター手前に迫り、オリンポス側のドローンと戦いになる。

ドローンの戦力はすさまじいもので(ラクーンドッグもそれを覚悟しての、最後の侵攻ではある)、巨大生物兵器群は制圧されてしまう。


エニグラドールとインフレイム幹部の戦いも決着がつき、カスケード、ラクーンドッグ、フォックスを除く全てが機能停止する。

※この時点でコールドハートが完全に無効化され、人類の再構築は阻止された。

※ミケはコールドハートが覚醒しないので、ミケから人間に感染することはない。

 その点において破壊する必要はなかったが、生き残ったミケがまた何十年もスラムを彷徨うのか?……とラクーンドッグは躊躇した。

 が、ラクーンドッグは結局ミケを破壊している。


【⑧エニグラドールとインフレイムの最期】

ゼウスから遠隔操作で人型ドローンを操り、サイラスが現地に赴く。

カスケード、ラクーンドッグ、フォックス、サイラス。かつてのヘルメスが再び揃う。

サイラスは身を挺して庇うカスケードを斬り伏せ、フォックスとラクーンドッグも殺害する。



【⑨無価値な死、人類は繰り返す】

暴動で荒れたオリンポス、スラム街の復興に紛れて、エニグラドールとインフレイムが戦った場所も、ゼウスの掃除人や記憶処理班によって片付けられた。


そうして隠滅された……はずだったが、ゼウスに潜伏中の「巫女」(ラクーンドッグど同じタイミングでコールドハート切除済み)が、ホノメのブラックボックスを秘密裏に確保。

彼女のログが解析され、後々、オリンポスとインフレイムが戦う映像がマリネリスやアマゾニスに流されることになる。

オリンポスの兵力が明らかになり、オリンポス対インシュレーター&マリネリス&アマゾニス(独裁体制に異を唱え、侵攻の機会を狙っていた)の紛争が勃発。

世界はまた戦火に巻き込まれ、いずれはサイラスも失脚し戦犯として裁かれる(殺される)ことになる。