フォックス(fox)

概要

Hal-Fox(ハル・フォックス)

メタ的にも設定的にも「2001年宇宙の旅」のHAL9000から名付けられた。

小西克幸

男性

義体化前まではAB

見た目は30歳半ば、実際は85歳

紳士的かつ尊大。「~したまえ」「~かね?」「~あるまい」系。

私/君・あなた/名前

エニグラドール、真夜中に古い映画を見ること。合成コーヒーは甘ければ甘いほど良い派。

夜更かしして朝焼けを見てしまったときの微妙な後悔、停電、なぜか紛失するもの(ネジ、パズルのピース、消しゴムなど)

苦痛を忘れ苦痛に慣れて、新たな苦痛を生み出し続ける現世人類の構造は間違っているので、苦痛を忘れず永遠に苦しみ続けるように人類を「改良」する。

容姿

180cm-85kg

おそろしく痩せ形で不健康に骨っぽいが、全身義体化しているため見た目よりはかなり重い。日系アメリカ人(祖母が日本人)の中でもかなり薄い塩顔。右目に泣き黒子がある。非対称な髪型は邪魔な部分を適当に切り落としたことによるもの。

服装には頓着せず、適当なシャツやセーターの上に白衣型の黒い上着を着ている。作業中は視界を制限して集中するために、狐に似た面を被っている。

片耳に耳飾りがあり、そのチャームは戦時中に妹・ノウから手紙に同封して贈られたもの。土台は木製で、金属光沢のある塗装が施されている。ノウはプレゼントを用意する際、兄の友人であったラクーンドッグにデザインの相談をしたが、フォックスはその事実を知らない。

キツネ、埃を被った黒、深海のような青。「審判」のカード。過去。

経歴

幼少期は「幼くしてロボットを組み立てる」的な天才ではなく、止められるまで小石を延々と正方形に並べ続けるとか、野良猫の瞳孔の動きを何時間でも見ているとか、その類の狂気の片鱗を持っていたタイプ。

18歳あたりから人工知能の存在を知って研究に没頭するようになる。WW3より前に両親とは死別しており、年の離れた妹であるノウと二人で生活していた。

20歳でMIT(の後身大学)を中退し、サイラスに拾われる形でどうにかこうにか米陸軍へ技術採用される。

寂しがるノウのため、細かな空き時間にコールドハート(対話型AI、バージョン3.0まで)の開発を行う。WW3以前~大戦初期は米陸軍のUSCYBERCOM(United States Cyber Command)に所属し、情報戦を担うエンジニア系兵士として働いていた。

戦時中に本部を空爆され、そのときに仲間の軍人(現在の「巫女」)を庇って片腕と両足を失うが、全身義体化して復帰。フォックスにとって研究開発はすなわち生きることであり、それがほぼ無制限に許される軍にしか自分の居場所はないと思っていた。その後、技術者としての腕と日系の外見を買われ、米軍の諜報部門「ヘルメス」に引き抜かれる。

当時、大戦の勢いに乗じて勢力を拡大していた旧東亜連合を食い止めるため、彼とその仲間は連合に潜入し情報操作と入手を任されていた。しかし、ヘルメス内に潜んでいた連合側のスパイ・ラクーンドッグが情報をリークし、米軍側のヘルメス所属者や軍事関係者、その家族が殺される。ノウもここで殺される。(実際はサイラスの計画でフォックスを含むアメリカ、東亜連合、ひいては世界中が騙されていた)

旧東亜連合の崩壊後、終戦と共にヘルメスも実質解体され、オリンポスが完成し、フォックスは軍を後にする。その後は何十年も生きた屍のようにオリンポスの周りで暮らし、ノウを作り直そうと試みて断念したりしていた。

2200年のオリンポス紛争開戦でラクーンドッグの生存を知り、エニグラドール(コールドハート5.3)の開発を再開。2201年にエニグラドールを起動。そして2210年まで、エニグラドールを介してコールドハートの研究を続けてきた。

2210年代に入り、ゼウスを利用しながら、コールドハートを現人類に植え付ける計画を進める。この時点で、自分を含む現人類を「やり直すべき対象」としてしか見ておらず、計画の途中で大量に人が死んでも構わない価値観となっている。

性格

穏やかで冷静、紳士的。興味の湧くものを見つけると無邪気な少年っぽい表情を見せる。ウィットの効いた会話を好み、表情もよく変わる方ではあるが、どことなく人間味がない。「何を考えているか分からない」というよりは「考えていることを知りたくない」と思わせるような不気味さがある。この二面性は妹が死ぬ前と死んだ後で精神性が変化したことによるもので、元々は優しい男だった一面と妹の死で狂った男の一面が交互に現れているイメージ。

能力

遺伝子学、情報工学といったヒューマノイド研究に関わる複数の学問を手中に収める鬼才。大抵のヒューマノイドやサイボーグの修理改修が可能で、気まぐれで開発した物が兵器転用されることも多かった。ちなみに、専門外の史実や考古学に関してはほとんど知識がない。

全身義体化したため、メンテナンスを行う限り脳以外は老化しない。「苦痛を忘却する」ことを憎んでいることから、五感や痛覚は維持している。義体のベースはエニグラドールと同じフル・バイオマテリアライズド・ヒューマノイドを用いているが、肉体の出力は一般成人男性にやや劣る程度。唯一ラクーンドッグの電熱ブレード対策のため、2200年頃に全身に耐熱金属骨格を仕込んでいる。

めったに最前線へ出ることはないが、希な接近戦ではバールや大型レンチ等の鈍器類を好んで使い周囲を驚かせる。ヘルメス時代に訓練したため重火器も一通り扱えるが、特に上手い方ではない。非力さをカバーするため、相手の攻撃を利用する合気道のようなスタイル。素人よりは多少強いが、ラクーンドッグなどの格闘戦のプロ相手にはボコボコにされる程度。格闘技能を「通信教育で習得した」と嘯く。

その他

工具や電子機器、材料、配線などで床から天井までジャングルのように散らかっている。常に薄暗く、壁のラックをよく見るとスペアの臓器や眼球が保管されている。不気味。研究や開発に熱中すると、材料などを配線の中から引っ張り出そうとして服や足が絡まり、絡まったままの格好で作業や思考を続けていることがある。

典型的な夜型。昼近くに起きて深夜まで作業をし、朝方に眠る。睡眠時間は短め。セーフハウスの談話室では深夜に古い映画を眺めている様子も見られる。作業に没頭するあまり睡眠や食事を忘れることがよくある。自室の床に倒れて眠っていることが多く、その姿はあまりにも死体然としており、毎回タタラを怯えさせる。