STORY
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その世界は終わろうとしていました。
それが市民に知らされたのは、もう取り返しがつかなくなってからでした。
けれど、市民は懸命に生きようともがきました。
空気には有害な毒素が混ざり、普通に水も飲むこともままならない終わろうとする世界で、いつか現れると噂された、『救い人』が現れるのを待っていました。
これは『救い人』が現れないまま数年が経ち、赤い頭巾を被った少女が、見えない未来を模索するおとぎ話。
純真無垢な12才の少女。
貧しい貧民街である第四シェルターで育ったので学がない。
ある日、母親に祖母を含む老人たちの住む第五シェルターへお使いを頼まれるが……?
元々は人であったが、毒に侵され、『狼』へと変じた17才の青年。
人であった頃の理性を捨てずに、人間を食べたいという本能と戦いながら生きている。
人の姿を保っているが、毒に耐性がある為に政府に『狼』狩りを命じられている28才の真面目な役人。
しかし、そんな彼も徐々に毒に侵されつつある。