JSAI2020 企画セッション
感情とAI
~感情研究の夜明け~
The Rise of Emotion Research
概要
感情は人や生物と人工物を分かつものとして、また知能とは異なるものとして考えられてきました。また、画像認識分野での研究成果を皮切りに深層学習が目覚ましい成果を上げたことで、人工知能が人の知能を超えるのではないかという議論もあります。一方で認知科学や神経科学の分野では、感情は知能(いわゆる論理的な情報処理)と背反するものではなく、その一部であるととらえられており、また感情に関わる知能には身体的・社会的な情報を扱うことが重要だと考えられています。そのような考え方の中で、感情を理解できず感情を持たない人工知能が真に知能を獲得し、そして人の知能を超えることがあり得るのでしょうか。
本セッションでは人工知能研究における感情へのアプローチを通して、感情の本質やメカニズムについての議論を行います。特に心理学や神経科学、認知科学など異なる分野における感情に関する知見を人工知能研究に取り込み、近年発展の著しい深層学習や統計的学習理論等を用いた構成的アプローチによる感情研究を促進することで、これまで曖昧なものだと思われていた感情の本質を明らかにしたいと考えています。そして真に人の知能に迫る人工知能研究への発展を目指します。
本セッションは昨年度OSとして開催され、会場に入りきらないほどの聴講者が集まり、大変ご好評を得ました。
本年度はより深い議論を行うために、企画セッションとして開催いたします。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
開催案内
2020年度人工知能学会全国大会内で企画セッションとして開催
日時:2020年6月11日(木)9:00-10:40
会場:熊本県熊本市 熊本城ホール or 熊本市民会館
オンラインでの開催となりました。
視聴に関しては人工知能学会全国大会HP内の記載に従ってください。
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/audience
プログラム
[1] 趣旨説明
講演者: 長井隆行(大阪大学)
[2] 講演1
講演者: 寺澤悠理(慶応義塾大学)
講演タイトル:感情の主観性を認知神経科学から考える
[3] 講演2
講演者: 尾形哲也(早稲田大学)
講演タイトル:ロボットにおける自律性情動反応モデルと感情の考察
[4]講演3
講演者:熊野史朗(NTT)
講演タイトル:個人が他者情動をどう認知するかの計算論的推定モデル
[5] 質疑
※当初予定していたパネルディスカッションはオンライン開催のため中止致しました。
Sli.doを用いた質疑を行います。リンクは以下の通りです。
企画オーガナイザー
日永田智絵(NAIST)
堀井隆斗(大阪大学)
長井隆行(大阪大学)
大平英樹(名古屋大学)
問い合わせ
日永田智絵(NAIST)hieida(at)is.naist.jp