光城の盾 張高

主君のご命令とあらば、命をかけましょう。


生まれたつき頑丈な体格を持っており、普通の子どもが歩き始めた頃にはすでに馬に乗って走っていた。少年期には一人で牛を素手で倒したという噂もある。天性の気質により、青年期には高天国で武術の実力者として世に知れ渡ることになる。
優れた武芸の実力を備えているにもかかわらず、彼は高天国と曜国との戦争に参加したことがない。実は、彼がまだ若い頃、父の賭博でできた借金を返せず奴隷として売り出されたのだが、当時光城商団の団長だった黄聖益は、そんな彼が役に立つと判断して買い入れ、自分の護衛武士に任命したのだ。
戦争において商団への物資調達は欠かせず、高天国も曜国も光城商団には口出しをすることができなかった。大恩を受けた張高は誠意を尽くして護衛武士としての任務を遂行することになる。
彼の武力によって商団の品物が略奪される回数が徐々に減っていき、客から厚い信頼を得た光城商団は今や東大陸最高の商団となった。
商団を受け継ぐための勉強に夢中だった 黄聖益の息子である黄宝貝にとって、数十年も行動を共にした張高は、かけがえのない友だちでありながら最も信頼する腹心である。恵まれなかった幼少期の影響のせいか、次第に酒に溺れていった。ただ、もともと酒に強いので黄宝貝も特に何も言ってこない。年をとるにつれ父親に似てきたと言われるのが嫌で、人相を変えようとあご髭を伸ばしている。
24.張高