海賊王 ジュリア

ハッハァ!ゴチャゴチャ言ってないでかかってきな!


ある日、マジャン連合のテルダム港近くのジカ海峡に、信じられない噂が流れる。悪名をはせていた黒髭海賊団の船長が、名も知らない女海賊に破れたというのだ。
周りの腕利きの海賊たちは、出身や背景について何も分かっていない彼女を見くびって挑戦したが、結局みな、深い海の底に沈んでしまう。ジカ海峡に新しい海賊王が誕生したのだ。
国々は、急いで彼女について内密に調べた。だが、彼女の右肩に乗っているオウムが口ずさむ歌から、彼女はかつて大陸を歩き回る吟遊詩人だったのではないかと推察することしかできなかった。
バラム大陸に波乱が起こらないためにも、ジカ海峡の新しい海賊王とバーンホリスの団長、馬雪燐が幼馴染みということは決して知られてはならない。
30.ジュリア