赤魔ひょうたんの主人 魅狐

たぁっ!やぁっ!はっ!魔物狩りを始めよ!


静かで厳かだった遡昊宮に活気と賑やかさをもたらしたおてんば娘。天涯孤児であった彼女を李知縁が引き取り遡昊宮の術士として教育したものの、治癒魔法に才能がなくいつも赤点を取っている。
そんなある日のことだった。遡昊宮の秘密倉庫で不思議な光が輝く。驚いた人々が駆けつけたものの、すでに大きなひょうたんが浮遊しながら魅狐の後を追っていた。その日こそ、魅狐が神器赤魔ひょうたんに選ばれた運命の日であった。
赤魔ひょうたんは、初代の遡昊宮の主が使っていた武器。自ら主を選び、その主にのみ自分を操る魔法を伝授する神器として知られている。そうして千年もの歳月眠りについていた伝説が目覚め、魅狐もまた迫りつつある巨大な渦中への道を踏み出すのであった。
04.魅狐