蒼い狐 馬雪燐

オホホ!私を呼ぶに値するお金はお持ちなのかしら?


バラム大陸の歴史書には、多くの国々の盛衰興亡が記録されている。しかし、バラムの暗黒街にはただ一つの組織がその名を残している。バーンホリス。馬雪燐はバーンホリスの現団長で、歴代最年少で団長になった。馬雪燐はバーンホリスの大長老の直系の弟子で、最初の選抜の時から大長老に育てられた。
だが、今は金だけを求めて戦争や略奪、暗殺など、どんな仕事も引き受けるバーンホリスに失望し、師匠が率いる元老会と対立している。腹心のリリーと共に新しいバーンホリスの再建に取り組んでいるが、組織運営のために資金を確保することでジレンマに陥っている。
バーンホリスを単なる暗殺ギルドや傭兵ギルドと呼ばないのは、数々の任務を果たして手に入れた膨大な情報や人脈により、バラムで起きている事をすべて知っているという噂が流れているからだ。バーンホリスはその情報を使って誰かを探しているようだが、真実を知る者は誰もいない。明らかなのは、バーンホリスが暗殺や魔法、戦闘はもちろん、社交術や交渉、密偵など様々なことを訓練しているということ。そして、馬雪燐はそのすべての訓練を終えているということである。
バーンホリスが長い間バラムの暗黒街を支配していたお陰で分かったことがある。彼らの訓練生に危害を加えると、団長が自ら復讐するということだ。馬雪燐は最近、その理由でバーンホリスの訓練生を数十人殺して姿を消した紫雲という名の獣魔族を始末するため、東バラム全域を捜索している。
16.馬雪燐