4回養成講座(現地講座)のご案内

2022年度縄文遺跡群ボランティアガイド養成講座第4回は、11月8日()10時から千歳市埋蔵文化財センターほかで開催します。

開催施設 史跡キウス周堤墓群(実技指導2会場)

周堤墓(しゅうていぼ)は約3,200年ほど前に作られた、北海道にだけ見られる墓地の形式です。地面を円形に掘り下げてその土を周囲に盛り、掘り下げた部分に墓穴を掘って人を埋葬しています。多くは盛り土まで含めた直径が10∼30mほどのものですが、千歳市の郊外にある史跡キウス周堤墓群では自然林の中に直径80m以上に達する他に例のない大型の周堤墓が集まり、縄文時代の墓地の景観を今も目の当たりに見ることができます。

現在、千歳市教育委員会が史跡の保存と活用を両立させるため、園路やガイダンス施設などの計画的な整備を進めるとともに、市民団体と協働して来訪者のためのガイド体制を整えています。

(写真は昨年10月14日に開催された縄文遺跡群ボランティアガイド養成講座の模様。背景は発掘調査中の2号周堤墓)

実技指導1 史跡キウス周堤墓群の保存と活用(会場:千歳市埋蔵文化財センター)

実技指導者 直江 康雄 おえ やすお   千歳市教育委員会埋蔵文化財センター調査係長 

茨城県水戸市生まれ。帝京大学文学部史学科考古学専攻。北海道埋蔵文化財センター(主査)を経て2020年から現職。主な研究分野は旧石器時代。北海道考古学会運営委員などを務める。主な著書に『晩氷期の人類社会』(六一書房、佐藤宏之・山田哲・出穂雅実編集、2016年)『北海道の縄文文化 こころと暮らし』(亜璃西社、三浦正人監修、2021年、以上いずれも分担執筆)などがある。

受講者の皆様へ 世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である史跡キウス周堤墓群は、縄文時代後期の北海道内最大級の集団墓で、当時の人々の精神文化を現代に伝える貴重な文化遺産です。本講座では、遺跡の内容を学ぶとともに、縄文遺跡群全体の中でのキウスの位置づけ、これまでの保護の取組みや研究事例を紹介しながら、様々な角度からキウス周堤墓群の価値を受講者の皆様にお伝えできればと思います。

実技指導2 キウス周堤墓群ガイド業務の実際(会場:史跡キウス周堤墓群

実技指導者 西川 惟和 にしかわ これかず   キウス周堤墓群を守り活かす会 

1946年生まれ、熊本県阿蘇市出身。航空自衛隊を経て北海道空港(株)(現 北海道エアーポート(株)の以前の会社)に入社、新千歳空港ターミナル施設の維持・管理業務に従事、関連会社役員や取締役空港事業本部長など歴任し2010年退職。

退職後は北海道知事認定の「アウトドアガイド資格」(自然)や「ちとせ・まち魅力検定試験マスター」など収得し、北海道ボランティアレンジャー協議会、環境省パークボランティア、サケのふるさと千歳水族館、世界遺産千歳キウス周堤墓群などのボランティア活動に従事。近年の趣味は木工・木彫。‷人生はパッション(情熱)だ‴ をモットーにボランティア活動や作品作りに勤しんでいます。

実習 キウス周堤墓群についての質問に答える

キウス周堤墓群のガイド業務を行うボランティア団体「キウス周堤墓群を守り活かす会」で使用されているガイドのためのマニュアルをお配りし、そこに示された解説の内容を参考に、来訪者からの質問に答える実習を行います。

関連遺跡見学 幌内神社の墓標群

キウス周堤墓群のある馬追(まおい)丘陵の麓には、ほかにもかつて多くの縄文人の墓地があり、彼らが遠く支笏湖方面から持ち込んで墓標として建てた石があちこちに残っていたようです。長沼町幌内地区の開拓の過程で見つかり、一種の畏敬の念をもって神社の境内に集められたそれらの墓標を見学します。

この講座の受講について

◆ 受講は事前の申込みが必要です(定員先着30名)。主催者から受講に際しての注意事項等をお知らせする都合上、なるべく開催の1週間前までにお申し込みください。

◆ 当日、受付に際して受講料500円を申し受けます。

◆ 講座には屋外での見学を含み、舗装のない場所が大半のため、当日の天候に応じて上着や雨具を用意し、歩きやすい履物でご参加ください。

◆ 実技指導1の会場までのアクセスは、千歳市埋蔵文化財センター公式サイトの埋蔵文化財センター展示室のページをご参照ください。公共交通機関はありません。自動車等の利用が難しい方は実行委員会事務局までご相談ください。

◆ 実技指導1の会場から実技指導2の会場及び見学場所までの往復は主催者の借上げバスに御乗車いただきます。車中でも実技指導や見学する遺跡についての解説があります。自家用車で移動することはできませんのでご注意ください。