地球の動きを見る(その5)

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2024年6月月25開始、同7月24日更新                           

せのお たかのり


1.はじめに

地球の動きは 上に固定したレーザービームのスポット位置の変化としてる事が出来ます。レーザービームを南北方向に固定した時の地球の自転によるビームスポット位置の変化から 太陽系内の地球の公転面上での動きESが得られます。又 レーザービームの向きを東西と西東に入れ替えた時のスポット位置の変化から 地球の地軸方向の動きENを見る事が出来ます。これらの動きベクトルを合成すると地球の動きベクトルEが得られますが、そのベクトルの終端は 夫々の動きベクトルES, ENを法線とする2つの接平面が交差する直線上にある事になります。

2.今回の観測装置

今回も前回と同じく、レーザーの東西方向を入れ替えて観測する光路長1.725mの観測装置と、レーザー南方向に固定した光路長3.15mの観測装置との2台で、2024年6月20日00:02から3時間置きに21日夏至の日)23:54までの間 レーザービームのスポット位置の変化を観測しました。 

3.観測結果

下の図は、光路長L=1.725mのビームの東西方向を入れ替えて撮影したビームスポット位置の代表的な写真です。その下の図は、スポット位置をグラフ化したものです。全測定値から、21日12時と24時の測定値は近くで地震が発生していた為除外しています(21日11:48京都北部M1.0、21日24:42京都部M1.5)。今回の測定では、ビームの方向を入れ替えた時のスポット位置の上下方向の変化量は1つの例外を除いて前回と同じ0.2mm程度でしたが、左右方向(南北方向)の変化量は前回0.4mmの半分の0.2mm程度でした。この位置変化の平均値は水平方向ΔX=0.13mm(前回の1/2.5)垂直方向ΔHeight=0.18mm(前回とほぼ同じ)でした。この変化が地球の地軸方向の動きで生じたとみなすと、スポットの垂直位置は変わらない筈なので、垂直方向の変化ΔHeightは 装置の向きを入れ替えた事による床のうねりの違いにより 前回と度程度の変位が発生したとして無視し、外乱の影響を受けてない筈の水平方向の変化ΔXから地球の地軸方向速度Eを求める事にします。日本の南北方向と地軸との間には35°の角度があるので、

E=光速C/光路長L×ΔX/2/cos35°=300000/1725×0.13/2/0.819=13.8km/s

と前回E=42.5km/sの約1/3になりました。ビームを東から西に向けた時(E2W)、スポット位置のX座標が増加(南寄り)、ビームを西から東に向けた時(W2E)、スポット位置のX座標が減少(南寄り)したので、地球の地軸方向の動きは前回と変わらず北極星の方向でした。前々回(2024年1月)の測定値E=59.5km/sから半年で約1/4にまでに減少した理由は、前回述べた様に 我々の銀河系中心にあると思われているブラックホールが 天の川銀河の中心にも同様にあると思われるブラックホールの周りを小さな周期で円運動をしている為かもしれません。

下の図は、同じ期間、光路長L=3.15mのビームを北から南方向に固定して撮影したビームスポット位置の代表的な写真です。その下左は、全てのスポット位置をプロットしたグラフです。右図は前回と同様に地震が発生した前後の測定値を除外して3時間毎のスポット位置の2日間の平均値をグラフ化したものす。

このグラフでは 地球の相対する向き毎の高さ方向の大きな位置変化は 3時と15時の間に約0.2mmと、6時と18時の間に約0.15mmが見られました。この事から、地球の動きの方向は両者の中間である4:30と16:30の間の方向であると思われ その大きさは両者の平均値として垂直方向にΔHeight=0.175mmとなります。この変位を速度に換算すると

EH=光速C/光路長L×ΔHeight=300000/3150×0.175=16.67km/s

となります。東西方向の位置変化は前回と同様に小さく 0時と12時の間で0.05mm、9時と21時の間で0.1mmでした。これらの値が小さ理由は、地球の動き方向が4:30と16:30の間であれば その時の東西方向動きの方向はほぼ直交しており その他の時刻で東西方向と地球の動き方向の成す角度差が大き為東西方向の変位に現れなかった為と思われます。

大きな変位のあった垂直方向の変位から地球の動きを推定する事にします。この変位は銀河面(地球の公転面と平行)内の速度Eの動きの垂直成分と見なすと、地球の動きが日本の高さ方向と成す角度は 昼12時に11.6°、夕方18時に35°なので、これを夕方16:30の角度に内分すると29.15°となります。この時の動きEの高さ方向成分はEcos29.15°=0.873Eとなります。同様に夜0時には58.4°、朝6時に35°なので、これを朝4:30の角度に内分すると40.85°となります。この時の動きEの高さ方向成分はEcos40.85°=0.756Eとなるので、両者を合わせたものが 地球の動きEによる高さ方向の変位0.873E+0.756E=1.63Eとなっている筈です。これから、地球の銀河面内の速度Eを求めると、

E=EH/1.63=16.67/1.63=10.22km/s

となります。この時、地球の公転方向と太陽系の軌道方向は逆方向なので、太陽系の軌道速度S=220km/sから公転速度V=30km/sを引いた速度(S-V=220-30=190km/s)と、銀河系の運動速度Gをベクトル合成した速度が 上記の観測された地球の速度E=10.22km/sになっている筈ですから、これから銀河系の速度Gを求めると、その方向は太陽系の軌道方向の逆方向から僅か左回りした方向で、今地球の動きベクトル(16:30の方向)との成す角度は90°/4=22.5°となっているので、その大きさはほぼ

G≒(S-V)-Ecos22.5°=190-10.22×0.924=180.6km/s

となります。


3.観測結果が示す事

今回の観測結果は、これまでの観測結果とほぼ整合しています。下左図に示す様に これまで見られた銀河系の動きGの方向と速度は 太陽系の動きSとほぼ逆方向を中心として前後左右にゆれ動いています。右図に示す様に その変化量は小さな円運動をしている様に見えます。この速度変化は 地軸方向でも生じている事は先に示しました。これらの変化は 前回述べた 我々の太陽系を含む銀河の中心にあると思われているブラックホールと、天の川銀河の中心にあると思われているブラックホールとか2重星を構成していて、互いの周りを廻っている為ではないかと言う思いを裏付けしています。