プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和三年 法律 第六十号)第三条 第一項 の規定に基づき「プラスチックに係る資源循環の促進等を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針」
を次のように定め、同法の施行の日(令和四年四月一日)から施行する。
令和四年一月十九日
経済産業大臣
環境大臣
プラスチックは、その有用性から、幅広い製品や容器包装に、あまねく利用されている現代社会に、不可欠な素材である一方、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内におけるプラスチックに係る資源循環の促進等の重要性が高まっている。これを受けて、政府としても、「循環型社会形成推進基本計画」(平成三十年六月十九日 閣議決定)(循環型社会) に基づき、資源・廃棄物制約、海洋ごみ対策、及び、地球温暖化対策等の幅広い課題に対応した国内資源循環体制を構築しつつ、持続可能な社会 を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいくため、令和元年五月に「プラスチック資源循環戦略」(令和元年 五月三十一日 消費者庁・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省策定)を策定し、3R+Renewable を基本原則とするとともに、
①2030年までに、ワンウェイ プラスチック を、累積25% 排出抑制すること、
②2025年までに、プラスチック製容器包装、及び、製品のデザインをリユース、又は、リサイクル可能なデザインにすること、
③2030年までに、プラスチック製容器包装の60%を、リユース、又は、リサイクルすること、
④2035年までに、使用済プラスチックを100% リユース、リサイクル等により、有効利用すること、
⑤2030年までに、プラスチックの再生利用を倍増すること、
⑥2030年までに、バイオマス プラスチック を、約200万トン導入することという、
野心的なマイルストーンを、目指すべき方向性として掲げた。
今後、国内外における、プラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチック使用製品の使用の合理化、プラスチック使用製品の廃棄物の市町村による再商品化、並びに、事業者による自主回収、及び、再資源化を促進するための制度の創設等の措置を講ずることにより、生活環境の保全、及び、国民経済の健全な発展に寄与するため、一層のプラスチックに係る資源循環の促進等を図ることが必要である。
この基本的な方針は、このような認識の下に、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(以下「法」という)第三条 第一項 の規定に基づき、プラスチックに係る資源循環の促進等を総合的かつ計画的に推進するため、必要な事項を定めるものである。
プラスチック使用製品の設計、及び、製造、販売、及び、提供、並びに排出、回収、及び、リサイクルの各段階において、3R+Renewable の原則にのっとり、回避可能なプラスチックの使用については、過剰な使用の抑制等の使用の合理化 をした上で、必要不可欠な使用については、技術水準、安全性、機能性、経済的な状況等にも配慮しつつ、より持続可能性が高まることを前提に、再生可能性の観点から、再生プラスチック や 再生可能資源(紙、バイオマスプラスチック等)に、適切に切り替え、徹底したリサイクル を実施し、それが難しい場合には「熱回収によるエネルギー利用」を図ることで、プラスチックのライフサイクル全体を通じて、資源循環を促進することが必要である。
プラスチックに係る資源循環の実現に向けては、事業者、消費者、国、地方公共団体等の全ての関係主体が参画し、相互に連携しながら、効率的で持続可能な資源循環を可能とする、環境整備を進めることで、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する施策を一体的に行い、相乗効果を高めていくことが重要である。そのため、下記の役割分担の下で各関係主体が積極的に取り組むものとする。
事業者は、
① プラスチック使用製品設計指針(説明資料) に即して、プラスチック使用製品を設計すること、
② プラスチック使用製品の使用の合理化のために、業種や業態の実態に応じて有効な取組を選択し、当該取組を行うことにより、プラスチック使用製品 廃棄物の排出を抑制 すること、
③ 自ら製造・販売したプラスチック使用製品の 自主回収・再資源化 を率先して実施すること、
④ 排出事業者として「プラスチック使用製品産業廃棄物等の 排出の抑制」、及び、再資源化等を促進することに努めるものとする。
消費者は、
① プラスチック使用製品の使用の合理化により、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制 すること、
② プラスチック使用製品廃棄物を、市町村、及び、事業者双方の回収ルートに適した 分別をして排出 すること、
③ 認定プラスチック使用製品を使用することに努めるものとする。
国は、プラスチックに係る資源循環の促進等を図るため、必要な資金の確保、情報の収集、整理、及び、活用、並びに、研究開発の推進、及び、その成果の普及、並びに、教育活動、及び、広報活動等を通じた国民の理解醸成、及び、協力の要請等の措置を講ずるよう努めるものとする。
市町村は、家庭から排出されるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集、再商品化、その他の国の施策に準じて、プラスチックに係る資源循環の促進等に必要な措置を、講ずるよう努めるものとする。
都道府県は、市町村が、その責務を十分に果たすために必要な技術的援助を与え、国の施策に準じて、プラスチックに係る資源循環の促進等に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
このように資源循環の高度化に向けた環境整備を進めることで、2050年までに、海洋プラスチックごみによる、追加的な汚染を、ゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を実現するとともに、2050年 カーボンニュートラル を実現するために、必要不可欠な循環経済への移行を戦略的に進める。
また、プラスチックに係る資源循環の促進等を通じて、国内のプラスチックをめぐる資源、及び、環境の課題を解決するとともに、我が国の有する資源循環に関する、優れた技術や環境基盤を国際展開し、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題等の同時解決に貢献するとともに、国内での資源循環を促進することが重要である。
併せて、資源循環関連産業の発展を通じた、経済成長や雇用の創出などを図ることで、新たな成長の源泉としていくことを目指す。
「プラスチック資源循環戦略」で掲げた、野心的なマイルストーンの達成を目指し、法に基づき、各関係主体は、自らの取組、及び、その効果を適切に把握するとともに、情報を公開し、国は、当該取組を把握するとともに、全体としての進捗状況を、可能な限り定量的に検証していく。
以上の基本的方向を踏まえ、二 から 八 まで のとおり、プラスチックに係る資源循環の促進等のための方策に関する事項を定める。
プラスチックに係る、資源循環の促進等を、円滑に実施するためには、プラスチック使用製品製造事業者等が行う、プラスチック使用製品の設計の段階(試作・製造の前段階を含む。)において、3R+Renewable の取組が不可欠である。そのため、プラスチックの使用量の削減、部品の再使用、再生利用を容易にするためのプラスチック使用製品の設計、又は、その部品、若しくは、原材料の種類の工夫、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチックやバイオプラスチックの利用等の取組を促進することが重要である。
また、プラスチックに係る資源循環の促進等の円滑な実施のため、プラスチック使用製品製造事業者等は、材料・部品等の供給者、及び、再商品化事業者、再資源化事業者、プラスチック使用製品を使用、及び、排出する国、地方公共団体、事業者、消費者等に対して、プラスチック使用製品の構造・部品の取り外し方法、プラスチックの種類、その他の情報を提供することや、それぞれの立場で相互に連携を図りつつ、積極的に取組を行うことも重要である。
1 プラスチック使用製品製造事業者等の取組
プラスチック使用製品製造事業者等は、プラスチック使用製品の設計に当たっては、各関係主体と相互に連携を図りつつ、プラスチック使用製品に求められる安全性や機能性、その他の用途に応じて求められる性能、並びに、(1)、及び、(2)に掲げる事項について、それぞれが、トレードオフの関係となる場合が、あることにも留意しながら、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷等の影響を総合的に評価し、事業者自らが、合理的にプラスチックに係る資源循環の促進等の円滑な実施を図るための、プラスチック使用製品の設計に係る取組についての優先順位等を決定した上で、取組を実施するものとする。その際、(3) から (6) までに掲げる事項について留意するものとする。
(1) 構造(減量化、包装の簡素化、長期使用化・長寿命化、再使用が容易な部品の使用、又は、部品の再使用、単一素材化等、分解・分別の容易化、収集・運搬の容易化、破砕・焼却の容易化)。
(2) 材料(プラスチック以外の素材への代替、再生利用が容易な材料の使用、再生プラスチックの利用、バイオプラスチックの利用)。
(3) 製品のライフサイクル評価。
(4) 情報発信、及び、体制の整備。
(5) 関係者との連携。
(6) 製品分野ごとの設計の標準化、並びに、設計のガイドライン等の策定及び遵守。
2 国の取組
国は、プラスチック使用製品設計指針を策定するとともに、プラスチック使用製品製造事業者等から、設計認定の申請が、あった場合において、当該申請に係るプラスチック使用製品の設計が、プラスチック使用製品設計指針に適合していると認めるときは、設計認定をするものとする。
認定プラスチック使用製品の市場への普及を促進するためには、認定プラスチック使用製品に係る情報開示が重要であることから、国は、認定プラスチック使用製品の情報の公表等を通じて、消費者等に対して情報発信を行うものとする。
加えて、国は、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)第六条 第一項 に規定する基本方針を定め、又は、これを変更しようとする場合には、認定プラスチック使用製品の調達の推進が促進されるよう、十分に配慮するものとする。
国が率先して認定プラスチック使用製品を含む環境物品等の調達に取り組むことにより、需要の転換を促進する効果が期待される。
また、認定プラスチック使用製品のみならず、プラスチック使用製品設計指針に即して設計されたプラスチック使用製品を、広く普及するため、プラスチック以外の素材や、再生プラスチック、バイオプラスチックの利用実態と、今後の見通しを把握し、製品用途別の利用可能性に応じて、品質・コスト・安定供給可能性等の導入に際しての課題を解消するとともに、消費者に環境価値を訴求することを通じて、プラスチック以外の素材や、再生プラスチック、バイオプラスチックの供給、及び、利用の双方を、拡大するべく、予算事業等を通じて、技術開発、及び、実用化への支援、並びに、環境整備に向けた取組への支援、並びに、普及啓発活動に取り組むものとする。
3 地方公共団体の取組
地方公共団体は、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律 第十条 第一項 に定める方針を、作成する場合には、国に準じて、認定プラスチック使用製品の調達の推進が、促進されるよう、十分に配慮するものとする。
4 事業者及び消費者の取組
プラスチックに係る資源循環の促進等を円滑に実施するに当たっては、認定プラスチック使用製品の需要の拡大が、重要であることに鑑み、事業者が事業活動において、使用するプラスチック使用製品については、認定プラスチック使用製品を使用するよう、努めるものとする。
消費者は、自らが、プラスチックに係る資源循環の促進等の円滑な実施に、重要な役割を担っていることを、十分認識し、認定プラスチック使用製品を、使用するよう努めるものとする。
また、国内に流通するプラスチック使用製品の中には、輸入されたプラスチック使用製品が多数存在する。法においては、プラスチック使用製品を使用する事業者、及び、消費者に対して、
① プラスチック使用製品を、なるべく長期間使用すること、プラスチック使用製品の、過剰な使用を抑制すること等のプラスチック使用製品の使用の合理化、
② 使用済プラスチック使用製品等の再資源化等により得られた物、又は、これを使用した物を使用するよう努めることを、求めている。
輸入されるプラスチック使用製品についても、法の趣旨に照らして、国内のプラスチックに係る資源循環の促進等を、円滑に実施するための取組を進めるため、輸入・販売事業者は、プラスチック使用製品設計指針 に即して設計されたプラスチック使用製品を輸入・販売することが期待される。
「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に当たっては、消費者、国、地方公共団体、及び、事業者が、それぞれの立場で、相互に連携を図りつつ、積極的に取組を行うことが重要である。
1 消費者の取組
消費者は、薄肉化、又は、軽量化された、プラスチック使用製品を選択すること、プラスチック使用製品の過剰な使用を、抑制すること等の、プラスチック使用製品の使用の合理化により、可能な限り「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に、努めるものとする。
2 国の取組
国は、自ら率先してプラスチック使用製品の使用の合理化の取組を行い、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に取り組むものとする。
また、プラスチック使用製品の使用の合理化による、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に必要な方策等に関する調査研究や、先進的取組の積極的な評価の実施、消費者に対する普及啓発、その他の施策を講ずるものとする。
また、特定プラスチック使用製品提供事業者による、特定プラスチック使用製品 の使用の合理化による「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」の実施状況の把握に努め、その結果に基づき、「プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制」するため必要がある、と認めるときは、特定プラスチック使用製品 提供事業者に対して、法に基づく指導、助言等を行うものとする。
3 地方公共団体の取組
地方公共団体は、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制を促進」するため、普及啓発や情報提供、環境教育等を行うことにより、住民の自主的な取組を促進するために必要な措置を、講ずるよう努めるものとする。
4 事業者の取組
事業者は、事業活動に係るプラスチック使用製品について、薄肉化、又は、軽量化されたプラスチック使用製品を選択すること、工夫された手法で提供すること、プラスチック使用製品の過剰な使用を抑制すること等の、プラスチック使用製品の使用の合理化により、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に努めるものとする。
5 特定プラスチック使用製品提供事業者の取組
イ 特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組
特定 プラスチック使用製品 提供事業者は、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化により「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」を促進するため、次に掲げる取組を行うものとする。
(1) 特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化を図るため、その事業において、提供する、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行うこと。
(2) 商品の販売、又は、役務の提供に際しては、消費者に、その提供する、特定 プラスチック使用製品 を有償で提供すること、消費者が商品を購入し、又は役務の提供を受ける際に、その提供する、特定 プラスチック使用製品 を使用しないように誘引するための手段として景品等を提供すること、その提供する、特定 プラスチック使用製品 の使用について、消費者の意思を確認すること、その提供する、特定 プラスチック使用製品 について繰返し使用を促すこと、薄肉化、軽量化、その他の、特定 プラスチック使用製品 の設計、又は、その部品、若しくは、原材料の種類について、工夫された、特定 プラスチック使用製品 を提供すること、適切な寸法の、特定 プラスチック使用製品 を提供すること、繰返し使用が可能な製品を提供すること、その他の、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化のための取組を行うことにより「プラスチック使用製品廃棄物の排出」を抑制すること。
(3) 店頭において「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に資する事項を、掲示すること、その他の措置を講ずることにより、消費者による「プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制」するための情報を提供すること。
(4) 特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化のための取組に関する責任者を設置する等、必要な体制の整備を行うとともに、従業者に対し、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化のための取組に関する研修の実施、その他の措置を講ずること。
(5) 特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化を図る際には、その提供する、特定 プラスチック使用製品 に関し、その安全性、機能性、その他の必要な事情に配慮すること。
(6) その事業において、特定 プラスチック使用製品 を提供した量、並びに、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化のために実施した取組、及び、その効果を適切に把握し、当該把握した情報をインターネットの利用、その他の方法により公表するよう努めること。
(7) 特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化のための取組を効率的に行うため、国、関係地方公共団体、消費者、関係団体、及び、関係事業者との連携を図るよう配慮すること。その際、特定プラスチック使用製品提供事業者は、必要に応じて取引先に対し協力を求めること。
ロ フランチャイズチェーンにおける取組
本部事業者は、加盟者に、特定 プラスチック使用製品 の使用の合理化による、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」を要請すること、加盟者は、本部事業者が、実施する「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」のための措置に協力すること等により、加盟者も含めた事業者全体での取組が、促進されるよう努めるものとする。
6 各関係主体の連携協力による取組の促進
「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」に当たっては、国、地方公共団体、事業者、消費者、関係団体等の、全ての関係主体が、それぞれの立場で積極的に取組を行うとともに、相互に密接な連携協力の下で、プラスチック使用製品の使用の合理化の取組を家庭、学校、地域社会等に広げていくことにより、消費者のライフスタイルの変革を促し、「プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制」の一層の促進を図るものとする。
法においては、
① 分別収集物の再商品化について、容器包装に係る分別収集、及び再商品化の促進等に関する法律(平成七年 法律 第百十二号。以下「容器包装再商品化法」という)による、既存の再商品化ルートを活用し、容器包装再商品化法 に規定する、指定法人に、分別収集物の再商品化を、委託することを、可能とするとともに、
② 市町村が、分別収集物の再商品化を実施する計画を作成し、国の認定を受けた場合には、分別収集物に含まれるプラスチック容器包装廃棄物に対して、容器包装再商品化法 の規定を適用することとしている。
プラスチック使用製品廃棄物の分別収集、及び、分別収集物の再商品化に当たっては、容器包装再商品化法 に基づく分別基準適合物の再商品化に、支障を来さないことに留意しつつ、市町村によるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集、及び、分別収集物の再商品化を最大限促進する必要がある。
そのためには、消費者による適正な分別排出、並びに、市町村による、分別収集のための施設、及び、体制の整備、並びに、質の高い再商品化により、再商品化の実施に要する費用を、可能な限り抑制するとともに、再商品化により得られた物の質の向上と、需要の拡大を図ることが重要である。プラスチック使用製品廃棄物の分別収集、及び、分別収集物の再商品化に当たっては、地方公共団体、消費者、国及び事業者が、それぞれの立場で、相互に連携を図りつつ、積極的に取組を行うことが重要である。
1 地方公共団体の取組
市町村は、その区域内におけるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集、及び、分別収集物の再商品化のための体制や施設の整備、分別の基準の策定、指定ごみ袋の有料化による分別排出の促進など、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
また、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集に当たっては、リチウムイオン蓄電池、その他の再商品化を、著しく阻害する異物の混入を防止する措置を講ずるものとする。
都道府県は、市町村によるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集、及び、分別収集物の再商品化に必要な技術的援助を与えるよう努めるものとする。
なお、分別収集物の再商品化に当たっては、容器包装廃棄物の排出の抑制、並びに、その分別収集、及び「分別基準適合物の再商品化の促進等に関する基本方針」(平成十八年財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省告示第十号)五1(4) に規定する方策に準じて、実施するものとする。
また、指定法人、指定法人から委託を受けた者、及び、再商品化実施者は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和四十五年 法律 第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という)の廃棄物処理業者とみなされることから、廃棄物処理業者の指導監督権限を有する地方公共団体は、これらの者が、同法を遵守していない、と認めるときは、必要に応じて、同法に基づく命令等の適切な対応を行うものとする。
2 消費者の取組
消費者は、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集の適正な実施のため、市町村が分別の基準を定めたときは、当該基準に従いプラスチック使用製品廃棄物を、適正に分別して排出するものとする。
3 国の取組
国は、市町村の分別収集、及び、再商品化のための施設、及び、体制を整備するに当たっては、必要な資金の確保や情報の提供、技術的な支援等を講ずるよう努めるものとする。
具体的には、再商品化を阻害する異物の混入防止に向けて、広く消費者に適切な分別排出を促すため、普及啓発、その他の必要な措置を講ずるよう努め、また、高い品位や経済性等を実現する、革新的な再商品化に関する技術開発、及び、実用化への支援、並びに、環境整備に向けた取組への支援に努めるものとする。
加えて、多様な回収ルートが確保されるよう、自主回収・再資源化事業計画の活用促進も含めた、店頭回収や集団回収の促進、並びに市町村による分別収集、及び、再商品化の効率化を推進するため、先進的な業務実施事例について、広く情報提供を行うものとする。
4 事業者の取組
事業者は、分別収集、及び、再商品化がより、容易なプラスチック使用製品の製造、並びに、再商品化により得られた物、又は、これを使用した物の利用について、検討するとともに、プラスチック使用製品について、消費者による適正な分別排出を促進するための必要な情報の提供に努めるものとする。
また、事業者による自主回収の取組については、多様な回収ルートの確保による再資源化の促進、及び、住民の意識向上への効果が見込まれることから、その促進を図ることが期待される。
プラスチックに係る資源循環の促進等に向けては、使用済プラスチック使用製品の性状や、排出実態について、情報を有するプラスチック使用製品の製造、又は、販売をする事業者(以下「製造事業者等」という)が、積極的に自主回収、及び、再資源化を実施し、消費者、地方公共団体、及び、国が、それぞれの立場で、相互に連携を図りつつ、積極的に取組を行うことが重要である。
1 事業者の取組
製造事業者等は、自ら、製造、若しくは、販売、又は、その行う販売、若しくは、役務の提供に付随して、提供する使用済プラスチック使用製品について、各関係主体と相互に連携を図りつつ、積極的に自主回収・再資源化事業の実施に取り組むことが期待される。
認定自主回収・再資源化事業者は、継続的、安定的、及び、高度な再資源化を実施するとともに、安全性、その他の事情も考慮した上で、責任をもって、自主回収・再資源化事業に取り組むことが求められる。
2 消費者の取組
消費者は、使用済プラスチック使用製品を排出する際には、製造事業者等による、自主回収ルートを活用することが期待される。
3 地方公共団体の取組
市町村は、適切なルートでの回収の促進を図るため、認定自主回収・再資源化事業者と連携し、住民の意識を向上するべく、住民に対して、適切な分別方法や、回収拠点の場所等について周知を行うものとする。
また、認定自主回収・再資源化事業者、及び、認定自主回収・再資源化事業者から委託を受けた者は、廃棄物処理法の廃棄物処理業者とみなされることから、廃棄物処理業者の指導監督権限を有する地方公共団体は、これらの者が同法を遵守していない、と認めるときは、必要に応じて同法に基づく命令等の、適切な対応を行うものとする。
4 国の取組
国は、認定自主回収・再資源化事業計画の実施状況を把握するとともに、使用済プラスチック使用製品からの資源の回収などの自主回収・再資源化事業に関する技術開発、及び、実用化に向けた取組、並びに、環境整備に向けた取組を支援するものとする。
また、廃棄物処理法の適正な運用が図られる範囲内において、自主回収・再資源化事業計画の認定に係る関係者の、行政手続の効率化を検討するものとする。
排出事業者は、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の、適正な処理に係る責任を有している。加えて、国内における、一層のプラスチックに係る資源循環の促進等を図るため、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進するに当たっては、排出事業者が、主導的な役割を担うことが、必要である。そのため、排出事業者が、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進し、国、及び、地方公共団体が、それぞれの立場で相互に連携を図りつつ、積極的に取組を行うことが重要である。
1 排出事業者の取組
イ プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進のための取組
プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進するため、排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する技術水準、及び、経済的な状況を踏まえつつ、その事業活動において使用するプラスチック使用製品の安全性、機能性、その他の必要な事情に配慮した上で、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等について、可能な限り排出の抑制、及び、再資源化等を促進するものとする。具体的には、次に掲げる取組を積極的に行うものとする。
(1) プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出を抑制するとともに、排出するに当たっては、再資源化等の促進に資するように適切に分別すること。
(2) プラスチック使用製品産業廃棄物等の全部、又は、一部のうち、再資源化を実施することができるものについては、再資源化を実施すること。
(3) 再資源化を実施することができない場合に、熱回収を行うことができるプラスチック使用製品産業廃棄物等については、可能な限り効率性の高い熱回収を行うこと。
(4) 多量排出事業者は、その事業活動に伴い生ずる、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行うこと。また、前年度におけるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量、及び、当該目標の達成状況を適切に把握し、その記録を行うとともに、インターネットの利用その他の方法により情報の公表に努めること。
(5) 排出事業者(多量排出事業者を除く)は、前年度における、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量、並びに、排出の抑制、及び、再資源化等の状況を適切に把握し、その記録を行うとともに、インターネットの利用、その他の方法により情報の公表に努めること。
(6) 従業員に対して、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する、必要な教育訓練を行うこと。
(7) プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する事務を適切に行うため、事業場ごとの責任者選出、その他管理体制の整備を行うこと。
(8) プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を効率的に行うため、国、地方公共団体、消費者、関係団体、及び、関係事業者との連携を、図るよう配慮すること。その際、排出事業者は、必要に応じて取引先に対し協力を求めること。また、認定再資源化事業者は、継続的、安定的、及び、高度な再資源化を実施するとともに、安全性、その他の事情も考慮した上で、責任をもって、再資源化事業に取り組むものとする。
ロ フランチャイズチェーン及び建設工事における取組
本部事業者は、加盟者に対して、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関し、必要な指導を行い、加盟者は、本部事業者が実施する、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の促進のための措置に協力することにより、加盟者も含めた、事業者全体で、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進するよう努めるものとする。
建設工事に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等においては、元請業者は下請負人に対して、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関し、必要な指導を行い、下請負人は、元請業者が実施するプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の促進のための措置に協力することにより、下請負人も含めた事業者全体で、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進するよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体の取組
国は、排出事業者によるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の実施状況の把握に努め、その結果に基づき、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を促進するため必要がある、と認めるときは、排出事業者に対して、法に基づく指導、助言等をするものとする。
また、認定再資源化事業計画の実施状況を把握するとともに、廃棄物処理法の適正な運用が図られる範囲内において、再資源化事業計画の認定に係る関係者の行政手続の効率化を、検討するものとする。
「都道府県及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(昭和四十六年 政令 第三百号)第二十七条 に規定する市は、排出事業者に対して、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に向けた指導を徹底すること、及び、再資源化事業を実施できる者に係る情報を提供するよう努めるものとする。
国、及び、地方公共団体は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する積極的な普及啓発を行い、排出事業者に対して、積極的な取組の促進を働きかけるものとする。
国は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等、及び、認定再資源化事業が円滑に推進されるよう、廃棄物処理法における役割分担を踏まえながら、地方公共団体との連携の強化に努めるものとする。
加えて、国、及び、地方公共団体は、自ら率先して、プラスチック使用製品産業廃棄物等について、可能な限り排出の抑制、及び、再資源化を実施するものとする。また、再資源化を実施することができない場合に、熱回収 を行うことができるプラスチック使用製品産業廃棄物等については、可能な限り効率性の高い熱回収を行うものとする。
都道府県は、管内の市町村と連携を図りながら、自ら実施する循環型社会形成推進に係る施策において、プラスチック使用製品産業廃棄物等を位置付け、市町村の境を越えた広域的なリサイクルグループの形成等を通じ、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の更なる推進を図るものとする。
また、認定再資源化事業者、及び、認定再資源化事業者から、委託を受けた者は、廃棄物処理法の廃棄物処理業者とみなされることから、廃棄物処理業者の指導監督権限を有する都道府県、及び「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第二十七条 に規定する市は、これらの者が同法を遵守していないと認めるときは、命令等の適切な対応を行うものとする。加えて、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等を一層促進していくためには、再資源化等を行う設備の整備を促進し、我が国における再資源化等の実施可能量を、向上させていくことが重要であることから、国は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の状況について情報を収集・整理し、国民に対して分かりやすく情報提供していくとともに、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等に関する技術開発、及び、実用化への支援、並びに、環境整備に向けた取組を支援するものとする。
プラスチックに係る資源循環の促進等のためには、広範な国民の取組が必要であることに鑑み、国、及び、地方公共団体は、環境の保全に資するものとしての、プラスチックに係る資源循環の促進等の意義に関する知識について、広く国民への普及啓発を図るものとする。
具体的には、国、及び、地方公共団体は、環境教育・環境学習、広報活動、消費者団体との連携等を通じて、プラスチック使用製品の設計に係る優良な取組、プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制、及び、再資源化等の状況、自主回収・再資源化事業の取組、その他のプラスチックに係る資源循環の促進等の実施状況を、諸外国の取組状況も含めて情報発信することにより、消費者をはじめとする国民の理解を促すものとする。
また、事業者は、プラスチック使用製品設計指針 に即したプラスチック使用製品の設計の取組、特定プラスチック使用製品の使用の合理化の取組、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制、及び、再資源化等の取組等の状況について、自社のホームページ、環境報告書、若しくは、統合報告書、又は、店頭での掲示等を通じて積極的に情報を発信するよう努めることにより、広く国民の理解を促すのみならず、取組の進捗状況を可能な限り定量的に検証することで、当該取組を、持続的な企業価値の向上に、つなげていくことが期待される。
二から七までに掲げる方策のほか、プラスチックに係る資源循環の促進等のため、国は、次の取組を検討するものとする。
(1) 国内のプラスチックに係る資源循環の現状や、各関係主体の取組状況等を、国際社会に対して幅広く発信するとともに、普及啓発・環境教育をNGO等とも連携して進めること等により、消費者のライフスタイルの変革を促すこと。
(2) 企業、地方公共団体、NGO等の先進的な取組事例の創出、及び、横展開を図るとともに、各企業、及び、業界による率先的な戦略、自主行動計画等の策定、及び、フォローアップを後押しすること。
(3) プラスチックに係る資源循環に率先して取り組む企業が、ESG金融に取り組む投資家等から適切に評価され、企業価値の向上と国際競争力の強化につながるよう、共通基盤を整備することで、投資家等と企業との建設的な対話を支援するとともに、「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」(令和三年一月経済産業省、環境省策定)やこれに基づく取組を情報発信し、国内外から投融資を呼び込むこと。
(4) 将来的な方向性や目指すべき基準を、あらかじめ示すなど、予見可能性を持った形で、政府による率先調達の水準の引上げを推進すること、及び、地方公共団体による率先調達の実施を促進することにより、環境負荷低減に資する製品の普及を後押しすること。
(5) 幅広いリサイクル・資源循環関連産業の高度化に向け、資源循環関連技術の開発、優れた技術の社会実装に向けたインフラの整備等を支援すること。
(6) 資源循環分野における行政手続の効率化、及び、ワンストップ化等に向けたデジタル基盤の構築を進めること。
(7) プラスチック使用製品に含まれる有害化学物質に関する影響について調査研究を進めること。
(8) 国内外から漂着する使用済プラスチック使用製品等への対策、並びに、途上国が行う使用済プラスチック使用製品等の削減、回収及び、処理等に対して必要な助言、及び、支援を行うこと。