大学4年間の学びを総括し、さらに深める場として卒業研究は非常に大きな意味を持ちます。講義や演習で習得した知識やスキルを、実際の研究プロセスの中で結びつけ、新しい知見を生み出す—この探究の経験こそが、大学の学士課程教育の集大成といえるでしょう。 そのプロセスを通じて皆さんが「論理的思考力」「コミュニケーション力」「問題解決能力」「倫理観・社会的責任感」などの“学士力”を総合的に身につけられるよう、環境づくりと指導を行っています。
学士力・・・大学卒業時までに修得すべき能力の総称で、専門分野の基礎知識だけでなく、問題解決・コミュニケーション・論理的思考・国際的視野・倫理観などを含む総合的な力 (文部科学省HPより)
主体性の重視
研究のテーマ設定から計画立案、実施、成果発表まで、基本的に学生の自主性を尊重しています。そのため、コアタイムは導入していません。自分自身の興味・関心に基づいてテーマを深掘りし、試行錯誤を繰り返す過程が学びの核心です。
チームワークと個の成長の両立
大学院生とチームを組んで研究を進めていきます。研究活動は個人作業にとどまらず、ゼミや研究発表会でのディスカッションを通じて仲間や先輩・後輩と協力しながら進めます。お互いにフィードバックを与え合い、視野を広げることで、より高い水準の成果を目指します。大学院生になると学部生を指導する立場になります。
「考える力」と「伝える力」を磨く
研究を進めるうえで、仮説の設定、実験・調査手法の選択、データ解析や結果の考察など、あらゆる段階で論理的思考力が必要です。また、論文執筆や学会発表を通じて、自分の考えを正確かつ分かりやすく伝える力を身につけてもらいます。
ゼミ
論文の読み合わせ、プレゼンの練習、研究テーマごとの打合せなどを行います。互いの研究内容を共有し合うことで、新たなアイデアや問題点の発見につなげます。
文献調査
研究テーマを深めるために、先行研究や専門書を集中的に読み込み、既存の研究成果を整理・分析します。文献調査を通して問題意識や研究の方向性が明確になり、より的確な仮説設定が可能となります。
実験・シミュレーション
各自が設定した研究テーマに応じて、実験やシミュレーションを実施し、得られたデータを分析します。実験では自分たちで実験装置を設計することもあります。また、シミュレーションのために自分たちでプログラミング(主にMATLAB)することもあります。法の選定や分析などについて、教員や大学院生がサポートします。
学会・研究会への参加
大学院生になると、学外の研究発表会や学会などで研究発表を行ってもらいます。他大学や企業の研究者と議論し、客観的な評価や新しい知見を得る貴重な経験になります。
探究心
小さな疑問や違和感を大切にし、納得できるまで掘り下げる姿勢を歓迎します。
主体性と責任感
自分の研究に対して「自分が主役である」という意識を持ち、計画的に取り組むことが重要です。
協調性とコミュニケーション能力の向上
同じ研究テーマに取り組む仲間がいる場合や異なる専門分野の人と意見交換する際には、論理的に自分の考えを的確に伝える力が必要で、そのためのトレーニングをゼミ等を通しておこないます。
当研究室ではこれまで他大学から学生を受け入れております。受け入れ希望する場合は出願前にご相談ください。本学大学院は出願時に指導を希望する指導教員の了承を得る必要があります。