対話システム
ライブコンペティション6

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対話システムライブコンペティションとは?

対話システムライブコンペティションとは,オーディエンスの前で実際に対話システムを動作させ,評価を行うイベントです.

対話システムのコンペティションはさまざま開かれていますが,その多くは固定の対話コーパスに対してアルゴリズムを競う形式であるために,対話のライブ要素があまり検討されてこなかったという問題点もありました.そこで,2018年から,よりライブ性の高いイベントを行うことにより,対話システムにおけるよりリアルな難しさや面白さをシンポジウム参加者全員で共有できるようなイベントを始めました.それが「 対話システムライブコンペティション(ライブコンペ)」です.

これまでに5回実施してきており,いずれも好評を博してきました.今回は6回目の開催となります.前回からマルチモーダル対話システムを対象としています.

過去のライブコンペの模様については,過去のイベントサイト(このページの下部にリンク一覧があります)をご覧ください.

本コンペの概要

本コンペでは,参加者は対話システムの開発を行い,その出来栄えを競い合います.本コンペは,予選と対話システムシンポジウム内でのライブイベントから構成されます.予選では,オーガナイザ側が準備する作業者が,開発された対話システムの評価を行います.ライブイベントでは,予選で好成績を収めたシステムとオーガナイザ側が指定する対話者が対話し,その様子を対話システムシンポジウムの参加者全員で鑑賞・評価します.

これまではオープントラックとシチュエーショントラックの2つのトラックがありました.しかしながら,昨今の大規模言語モデルの進展に鑑み,任意のトピックで雑談をするオープントラックは一定の役割を果たしたと考え,今年度はシチュエーショントラックのみを実施します.シチュエーショントラックでは,所定のシチュエーションの中で状況にあった人らしい対話を行う能力を競います.シチュエーショントラックは,対人関係やTPOを踏まえた高度な対話システムの実現の第一歩となることを狙いとしています.高度な対話実現のため,ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルの活用を推奨します.

コンペ参加者は,複数のシステムをエントリすることはできません.シチュエーショントラックの詳細については シチュエーショントラック のページをご覧ください.

システムはオーガナイザの負担により評価しますので,システムのアピール以外にも,システムを評価したり,国内の対話システムの中での位置づけを知るという目的にもご利用いただけます. 予選を勝ち残ったチームに限り組織名を公表いたしますので,企業の方も安心してご参加いただけます.

スケジュール

エントリについて

開発いただくシステム

マルチモーダル対話システムを開発してください.マルチモーダル対話システム開発のためのソフトウェア一式は貸与します.開発者は,マルチモーダル入力に対して,システムの発話テキストおよび動作コマンドを出力するプログラムを作成します.ソフトウェアは,文部科学省 科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」人間機械共生社会を目指した対話知能システム学が開発したソフトウェアを用います.このソフトウェアを用いることで,比較的容易にマルチモーダル対話システムを構築することが可能です.

昨年までと同様に SUNABAを使って対話システムを実装する方法も選択できます.SUNABAを用いる場合は,SUNABA上で応答文に加えて表情や姿勢を制御する命令も合わせて出力することによりマルチモーダル対話システムを実現することになります.

開発いただく対話システムはシチュエーショントラック のページに記載されているシステム仕様を満たす必要があります.

エントリ方法

こちらよりエントリください.エントリには,下記の情報が必要です.

エントリをされますと,ソフトウェア利用に必要な「ソフトウェア仕様に関する誓約書」をお送りします.誓約書を取り交わしましたら,ソフトウェアを利用いただけるようになります.開発には,ソフトウェアが必要となりますので,参加される方はお早めにエントリください.

技術サポートについて

これまでのライブコンペ同様,システム構築に関する技術サポートを実施予定です.サポートをご希望の方は,エントリフォームにおいて「技術サポートを希望」にチェックください.なお,今年もマルチモーダル対話システムの構築に関する講習会を行う予定です.

オーガナイザ(五十音順)

参考文献

東中 竜一郎, 船越 孝太郎, 稲葉 通将, 角森 唯子, 高橋 哲朗, 赤間 怜奈, 宇佐美 まゆみ, 川端 良子, 水上 雅博. (2020). 対話システムライブコンペティションから何が得られたか. 人工知能, 35(3), 333-343.

東中竜一郎, 船越孝太郎, 稲葉通将, 角森唯子, 高橋哲朗, 赤間怜奈, 対話システムライブコンペティション,  人工知能学会研究会資料 SIG-SLUD-B802-31, pp106-111, 2018. 

東中竜一郎, 船越孝太郎, 稲葉通将, 角森唯子, 高橋哲朗, 赤間怜奈, 宇佐美まゆみ, 川端良子, 水上雅博, 対話システムライブコンペティション2, 人工知能学会研究会資料 SIG-SLUD-B902-09-42, pp42-49, 2019. 

東中 竜一郎, 船越 孝太郎, 高橋 哲朗, 稲葉 通将, 角森 唯子, 赤間 怜奈, 宇佐美 まゆみ, 川端 良子, 水上 雅博, 小室 允人, ドルサ テヨルス, 対話システムライブコンペティション3,  人工知能学会研究会資料, 2020. 

東中 竜一郎, 船越 孝太郎, 高橋 哲朗, 稲葉 通将, 赤間 怜奈, 佐藤 志貴, 堀内 颯太, ドルサ テヨルス, 小室 允人, 西川 寛之, 宇佐美 まゆみ, 対話システムライブコンペティション4, 人工知能学会研究会資料, pp 92-100, 2021. 

東中竜一郎, 高橋哲朗, 堀内颯太, 稲葉通将, 佐藤志貴, 船越孝太郎, 小室允人, 西川寛之, 宇佐美まゆみ, 港隆史, 境くりま, 船山智, 対話システムライブコンペティション5, 第96回言語・音声理解と対話処理研究会, 2022.

Higashinaka, R., Funakoshi, K., Inaba, M., Tsunomori, Y., Takahashi, T., Akama, R. (2021). Dialogue System Live Competition: Identifying Problems with Dialogue Systems Through Live Event. In: Marchi, E., Siniscalchi, S.M., Cumani, S., Salerno, V.M., Li, H. (eds) Increasing Naturalness and Flexibility in Spoken Dialogue Interaction. Lecture Notes in Electrical Engineering, vol 714. Springer, Singapore. https://doi.org/10.1007/978-981-15-9323-9_16

謝辞

本イベントは,人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(SLUD)が主催しています.本イベントは,新学術領域研究「人間機械共生社会を目指した対話知能システム学」(19H05692)の一環として実施するものです.また,本イベントの予選については,ムーンショット目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」(JPMJMS2011)の一環として実施します.

お問い合わせ先

dialog-system-live-competition-ml[at]googlegroups.com