大阪工業大学,奈良先端科学技術大学院大学,株式会社ファーストパーソンは,2019年度より共同研究「無人航空機(ドローン)の訓練に関する研究」を開始し,高知市消防局の協力のもと、消防防災活動での無人航空機の運用方法や訓練方法等の改善に取り組んでいます.しかし,消防防災活動で無人航空機を実践的に利活用するために不可欠な操縦者育成の教育プログラム等が十分に構築されておらず,喫緊の課題となっています.
無人航空機を取り巻く環境は,機体の技術発展,法律・規制改正など常に変化し続けているため,操縦者の継続した訓練や運用方法などを適切に更新し続けていくことは大変重要となります.本プロジェクトでは,このような状況を適切に捉え,安心安全なまちづくりの実現に貢献するために、継続した産官学連携により,消防本部を対象とした無人航空機の操縦者育成に関して取り組んでいます.
消防防災活動において,ドローンを実運用するためには操縦者が必要となりますが,「操縦者の確保や運用体制上の人員不足」,「操縦者の育成が困難」等が現場での運用上の課題として挙がっており,操縦者育成には多くの課題が山積しています.
本プロジェクトでは,操縦者育成のひとつのモデル例を構築するため,2020年7月から高知市消防局においてドローンの操縦者育成を開始しました.2020年7月には高知市北消防署・中央消防署と奈良先端大の3地点をテレビ会議システムで結び,ドローンの操縦等に関する座学を行いました[報道関連1,2].その後,実技講習を行い,2021年3月15日から17日には,消防隊員のドローンの実技試験を実施し,操縦者の育成を行いました[報道関連3-7].一つの消防局で約60名のドローン操縦者育成を行なっている例は全国においても珍しく,先進的な取り組みであり,今後の操縦者育成の一つのモデルになります.また,高知市消防局は,今回の操縦者育成により,2021年6月から2消防署(北・中央)において24時間体制でのドローンの運用を開始しました.
消防隊員がドローン研修, 「からふる」テレビ高知, 2020年7月22日.
全国43都道府県の消防がドローン保有、課題は操縦者育成, 産経新聞web版, 2020年9月6日.
消防隊員が”ドローン試験”に挑戦中 救助活動強化へ 6月からの本格運用めざす【高知】, 高知さんさんテレビ, 2021年3月16日.
消防隊員がドローン操縦士に,「からふる」テレビ高知, 2021年3月16日.
消防隊員のドローン操縦試験, NHK NEWS WEB, 2021年3月16日.
消防隊員ドローン習得へ, 讀賣新聞, 2021年3月17日.
災害救助にドローンを 高知市消防 本格運用へ 隊員60人 操縦学ぶ, 高知新聞, 2020年3月18日.