<研究会の概要>
本研究会は、液体や非晶質/ガラスなど構造が不規則な物質に関する基礎的、応用的な研究の活性化を推進し、SPring-8における実験/解析手法の開発や提言、その普及を行うことを目的とする。また中性子実験とも連携をとり、SPring-8における不規則系物質研究の発展の最大化を目指す。 具体的な実験手法としては、静的構造解析(X線回折、異常X線散乱、XAFS、X線小角散乱)と共に、ダイナミクス測定(非弾性X線散乱=IXS)が中心となっている。構造データの解析方法としてRMC(Reverse Monte Carlo)法は有効な手段である。対象物質としては、イオン液体から水素結合性流体、液体金属に渡る液体全般、あるいはガラス材料、電解質や超イオン導電体など、結晶ではない機能性材料がターゲットとなっている。
具体的な活動は、年1回程度の研究会がメインである。またメーリングリスト、ホームページを通じてSPring-8関連の情報提供、相互の意見交換を随時行う。
<今期の活動目標>
今期は以下の点について重点的な発展を目指し、活動を行う。
液体のダイナミクスに対する多角的なアプローチ 非弾性散乱のほか、他の実験手法との組み合わせや非放射光ユーザとの議論も通して、より有効的な研究手法への発展を目指す。また、新規に立ち上げが進んでいる非弾性ビームラインBL43LXUの、液体/不規則系物質への適用について、その特徴を最大限活用する方法を議論する。
不規則系材料の時分解構造解析の進展 個別の測定手法(PDF=Pair Distribution function解析や時分割測定)については既に確立されているが、主に分単位の時分割測定法について、使用方法の改善を目指しつつ、実材料への適用範囲の拡大を目指す。
代表者 梶原行夫 広島大学大学院 総合科学研究科
副代表者 尾原幸治 京都大学産官学連携本部