毎日の通学電車の中で、私たちは多くの言えない言葉を飲み込んでいると思います。ふと見かけた高齢の方に席を譲りたいと思ったけれど、断られたらどうしよう。
偽善に見えるかな。と勇気が出ずに俯いてしまったことはありませんか?
逆に、自分が体調不良で立っているのが辛い日、若いくせに座るなと思われないか?と不安になり、SOSを出せなかったこと。あるいは、日差しが眩しいからカーテンを閉めたいけれど、隣の人に話しかけるのが怖いという些細で切実な悩みがあると私は思いました。
これらのスケッチから見えてきたのは、他者への配慮や自分の要望はあるのに、言葉にして伝えることの心理的ハードルが高すぎるという課題でした。
既存のヘルプマークは常に助けが必要な人のためのものですが、私たちは日によって『助ける側にも助けられる側』にもなり得ます
そこで、その時々の自分の状態を、言葉を介さずに周囲へカジュアルに伝えられる、差し替え式のリストバンドを考案します。
完成までの流れ
最初に印刷したときはリストバンドの厚さを2mmにしたら失敗。ぐちゃぐちゃになってしまった。
二回目以降からは厚さを5mmに変更した所印刷成功。
電車やバスの車内において、言葉では伝えにくい自分の状態や意思を、周囲に視覚的に表示できます。
日によって変わる体調や状況に対応するため、リストバンドにはその時に必要な情報を表示したパーツを装着します。
パーツは直感的に意味が伝わるよう4色に色分けされており、それぞれの色に具体的なメッセージが彫刻されています。
【各色の説明】
🔴赤色:(SOS)体調悪い
急な体調不良や、周囲に助けを求めたい緊急時のためのパーツです。言葉を発せない状況でも、この色を示すことでSOSを発信します。
🟢 緑色:席ゆずります
自分に余裕がある時、能動的に席を譲る意思を示すパーツです。声かけの勇気が出ない時でも、この表示を見せることでスムーズな譲り合いを促します。
🔵 青色(スキル提示):英語話せます
訪日外国人などが困っている際に、道案内などの手助けが可能であることを示すパーツです。コミュニケーションのきっかけを作ります。
🟡 黄色:まぶしいです(カーテン閉めたい)
日差しが強くて辛い時など、車内の環境について周囲に配慮を求めたり、窓際の乗客に無言で意思を伝えたりするためのパーツです。
自分の状況に合わせてこれらのパーツを自由に組み合わせて手首に装着します。
これにより心理的なハードルが高い車内での声かけを補助し、相互に配慮し合える快適な移動空間の実現を目指しました!
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使用機材
3Dプリンター
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