[登場人物]
♀北 南(きた みなみ)
22歳。作家。本名 御手洗 郁代(みたらい いくよ)。勉の妹。
西男と週替わりで雑誌に小説を載せている。
西男の事を「トンちゃん」と呼ぶ。口調は「僕」っ娘でぶっきらぼう。
しかし見た目はロリっ娘。
♂福圓 斎(ふくえん いつき)
30歳。雑誌編集部所属。南の担当編集。ツッコミ役。
いつも南に手を焼いている。
強面な風貌だが、趣味は「あやとり」
バツイチ。いまでも元嫁と復縁を望んでいる。
♂御手洗 勉(みたらい つとむ)
25歳。ただのニート。南の兄。
南と一緒に暮らしているため、南には疎まれている。
南と伽紗凛の被害者的存在。よく叫んでいる。
♀綾小路 伽紗凛(あやのこうじ きゃさりん)
22歳。南のアシスタント。帰国子女。どこの国からかは不明。
日本語は一応話せる。しかし、少し勘違いしているところもある。
口調はおとなしめだが、行動は大胆。バナナが好き。
♂東 西男(あずま にしお)
28歳。作家。本名 千石 博士(せんごく ひろし)。
戦国時代マニア。南と週替わりで雑誌に小説を載せている。
伽紗凛を「平成の小野小町」と呼ぶなど、伽紗凛に恋心を抱いている。
[役表]
南♀ :
斎♂ :
勉♂ :
伽紗凛♀ :
西男♂ :
-----本編-----
斎 「南先生。原稿は出来ましたか?」
南 「まだだ。」
斎 「まだだ・・って。昨日も同じこと言ってましたけど?」
南 「仕方ないだろ。先々週はイタリア旅行、先週はハワイ旅行に行ってて忙しかったんだ」
斎 「イタリア?ハワイ?・・・確か、先々週はおたふく風邪、先週はインフルエンザだったんじゃ・・?」
南 「おっと・・これはオフレコだったな」
斎 「(ふざけんなよぉぉぉ!!!このクソアマがぁぁぁ!)」
南 「ん?何か言いたそうだな。ずいぶん怖い顔してるぞ」
斎 「いえいえ、とんでもございませんよ(怒。
ところで、今日は東先生もお越しになるとか?」
南 「おお、そうだった。何か話があると言っておったが・・・」
西男 「おーい!南、居るかぁ?」
斎 「噂をすれば・・。東せんせーーい、お疲れ様です!」
南 「良く来たな。随分遅かったじゃないか」
西男 「まったく!何が駅を降りて5分だ! 30分は歩いたぞ!」
南 「車では5分だったぞ」
西男 「車とは聞いてないぞ!」
南 「まぁ上がれよ、トンちゃん」
斎 「ト、トンちゃん??」
西男 「いいかげん、その呼び方止めたらどうだ?」
南 「いいじゃないか。雑誌で一緒に小説を書く間柄であって、僕たちは東西南北が全部揃った【方角コンビ】なんだ。
お互い仲良くやろうぜ」
西男 「ふん。南、お前が言ってるトンちゃんとは、麻雀で東(ひがし)を意味する東(トン)ではないのか?」
南 「そうだ。だから僕たちのコンビ名は
【東南西北白發中(トンナンシャーペーハクハツチュン)】だな!」
西男 「絶対に断る!」
斎 「つか、【方角コンビ】どこいった? 白發中(ハクハツチュン)は関係ねぇし!」
西男 「ところで南、あの子いるか?」
南 「ん?伽紗凛か?」
西男 「ああ、平成の小野小町ちゃん^^ 居るか?」
南 「居るぞ。今、僕の大好きな【こぶ茶】を作ってる頃だろうよ。・・・つか、トンちゃん、顔ニヤけすぎだ」
勉 「うぎゃああああああああああああ!!!!」
斎 「なんですか!?今の悲鳴は!!」
伽紗凛 「もう、勉さんったら。大人しくしやがってくださいよぉ」
勉 「助けてくれええええええ!!」
南 「何してんだよ、糞ニート」
勉 「糞ニートって言うな!! そ、それよりも、た、助けてくれ、殺される!!」
伽紗凛 「勉さん、もう逃げられませんわよ」
西男 「小町ちゃんだぁぁぁ^^」
斎 「あれ?伽紗凛くん何持ってr・・・ えええ?? か、金棒??
この平成の世に、こんなトゲトゲしい金棒が!? しかもデカっっ!!」
伽紗凛 「はい。これで勉さんを軽く殴って、おでこにコブを作らないと、南先生に【こぶ茶】が出せませんの」
勉 「軽く殴るだぁ??お前、思いっきり振り下ろしてたじゃねぇかあああ!!
あれじゃ、コブどころか、俺の頭がグチャグチャに潰れちまうだろ!!」
伽紗凛 「グチャグ茶? 南先生はそのような【お茶】は頼まれてないです」
勉 「グチャグチャってのは、こう、・・・んああ、こいつの顔みたいなことを言うんだ!」
西男 「・・・誰がグチャグチャの顔だ!」
伽紗凛 「東先生の顔をグチャグチャと言うんですか? てっきり、ただの糞ブサイクかと思っていました」
西男 「こ、小町ちゃ~ん(泣」
南 「伽紗凛、正解だ」
伽紗凛 「あ!こぶ茶の話でしたね! では、この金属バットで殴っていいですか?」
勉 「武器を変えればいいって問題じゃねぇんだよぉぉ!!」
西男 「小町ちゃん^^ そんな重たい武器なんか使わなくったって、拳を握りしめて、おでこにグーパンすれば
簡単にコブが作れるよぉ」
伽紗凛 「そうなんですか?さすが東先生。なんでも知ってやがるんですね^^」
西男 「いやぁ~それほどでも~」
斎 「つか、まず【こぶ茶】が何かを教えてやった方がいいんじゃ・・
いや、その前に、ちゃんとした日本語が先だな」
伽紗凛 「ところで、東先生。今日は何しに来やがったですか?
顔を整形されるなら、場所違いも甚だしいですよ^^」
西男 「いや、整形はしないが・・・!先日実家からバナナが届いたんだ。
これを小町ちゃんに、お・す・そ・わ・け^^」
伽紗凛 「きゃああああ!バナナぁぁぁ!!」
勉 「こいつ、バナナ大好きだもんな。東さんよぉ、俺には何かないのか?」
西男 「勉君にも、もちろんあるぞ。ホレ!」
勉 「まじか!サンキューー!! ・・・って、なんだこれ? ・・・賃貸雑誌?」
西男 「そろそろ君も独り暮らししたらどうだい? いつまでもフラフラしてないでさ」
勉 「おーおー、そいつはありがてぇことで(棒
こんな薄っぺらい本くれるならよー、もっと分厚い漫画本の方が、よっぽど嬉しいんだけどねぇ~」
西男 「まぁ、そう言うな。この雑誌を選んだのには理由があってな。
この雑誌の一番最後のページのコラムは、私が書いてるんだ。
面白いぞ~。男と女の純愛を描いt・・・」
勉 「おおおおおおお!!このバナナうめぇぇええええええ!!」
伽紗凛 「あああ!!!私のバナナぁぁぁ!! 勝手に食いやがらないでくださいよぉぉぉ><
そのバナナ有料ですよ!! オカマ出せオカマ!!!」
勉 「オカマじゃなくて、お金だろ? この帰国子女が!」
伽紗凛 「うぇええん! バナナ1本 500万ポロロですよぉぉぉ><」
勉 「ポロロ??どこの通貨だよ!!
ま、俺は1円も、1ドルも、1ポロロも持っちゃいねぇがな!」
南 「伽紗凛って、どこの国から帰って来たんだ?」
西男 「お前ら!人の話は最後まで聞かんか!!」
南 「トンちゃん、まぁバナナでも食えって」
西男 「・・・・・いただきます(泣」
伽紗凛 「あああああ!!また私のバナナがぁぁぁぁ><」
斎 「(ため息)あ~。こりゃ今日も原稿もらえないパティーンかな・・・」
南 「(もぐもぐ)・・おい斎、お前もバナナ食うか?」
斎 「・・・・・いただきます(泣」
(間)
勉 「へぇ~。いろんな物件があるんだな。1R、1K、2DK、3LDK・・・。こっちの雑誌は・・・
ん? なんだぁぁぁ!? 1Rなのに、めっちゃ広い部屋じゃんかよ!!」
西男 「ん? ああ、それはコンビニだな」
勉 「コンビニって、住めるのかよ!!しかも家賃が5万って!!
変われば変わるもんだなぁ、時代ってのはよぉ!!」
南 「変わらないのはお前だけだ、糞ニート」
勉 「糞ニートって言うな!!」
西男 「勉君。それは賃貸物件じゃなくて、君の勤め先だ」
勉 「え?・・・あ、これタウンワークか・・・」
南 「じゃあ5万ってのはなんだ?」
西男 「時給800円で5時間労働、週3日働いたとした時の、勉君の給料だ」
勉 「少なっ!!」
南 「手取りも糞だな、糞ニート&キル・ユー」
勉 「糞ニートって言うな!!
・・・今殺すっつった? 糞ニート、お前を殺すっつったぁぁ??」
斎 「あのー、南先生。私は今日は原稿もらうまで帰りませんからね。
口動かさず、手を動かして下さいよ」
南 「うるさいぞ糞バツイチ!今こうやって手を動かしてるだろ」
斎 「(俺は糞バツイチ呼ばわりか・・)
あの・・手を動かしてるって、それ、ペンを上下に振ってるだけでしょ?」
南 「こうすると、ペンが波打ってるように見えるだろ?」
斎 「・・・・・・・・そっすね」
南 「あ、そうだ伽紗凛。風呂沸かしといてくれ」
伽紗凛 「風呂を沸かす・・・? えと・・・お風呂に火をつける・・でしたっけ?」
西男 「そうか、小町ちゃんは帰国子女だから、まだ日本語が完璧に理解出来てないんだったね」
勉 「伽紗凛、一緒に風呂に入ろうか?」
南 「糞ニート、頭湧いてんのか?」
西男 「絶対に許さぁぁぁぁぁん!!!」
伽紗凛 「頭が・・・湧いてる・・・?」
南 「糞ニートはずっと頭湧かしとけ」
勉 「だから、糞ニートって言うなっての!!」
南 「伽紗凛、早く沸かしてきな」
伽紗凛 「はい・・・えっと・・お風呂を沸かす・・・勉さんの頭を湧かす・・・
えっと・・・あれ? 沸かす・・? 火をつける・・?
・・・えっと・・お風呂・・・頭・・・沸かす・・・えっと・・・えっとぉぉぉぉ・・・
・・・えい!!」
勉 「あっちいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
斎 「何事ですか?」
勉 「俺の髪が燃えてる!!!燃えてるううううぅぅぅぅぅぅ!!!」
伽紗凛 「勉さんの頭を湧かそうと思って、火をつけました・・・
ごめんなさい、なんか、こんがらがっちゃって」
南 「天パになって、いいじゃないか糞ニート」
勉 「おい妹!頭が火事になってる兄貴に向かって、糞ニートって言うな!
・・って、あちゃちゃちゃっちゃあああああああ!!!
水、水、水ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
(勉、キッチンへ走り去る)
斎 「(ため息)はぁ~。いつ来てもここは賑やかだな。・・・俺もカミさんが居た頃は、賑やかだったのになぁ。
いちゅきくぅぅん、あ~~んして?
恥ずかしいじゃねぇかよぉぉぉ///
誰も見てないわよぉぉぉ」
南 「糞バツイチ、顔がゆるんでるぞ」
斎 「(俺にもそんな時代があったんだよなぁ~・・・
はぁ~・・・どうせ原稿出来上がるまでまだ時間あるし)
・・よいしょっと!」
伽紗凛 「南先生、お風呂に火をつけてきやがりましたよ・・・って、あら? 斎さん、何ですかそれ」
斎 「ああ、これは【あやとり】に使う道具だよ。原稿待ってる間、暇つぶしにね」
西男 「ほぉ、あやとりか。顔に似合わず、随分可愛い趣味してるんだな。
そんなのより【国とり】の方が面白いぞ」
伽紗凛 「国とりって何ですか?」
西男 「【国とり】とは、戦いをして相手の国を奪う事だ。その昔、そう、
世は戦国時代。尾張一国から天下布武を押し進めた武将がおった。
その名も織田信長。そもそも織田信長は天文3年5月12日に
尾張国の戦国大名・織田信秀の嫡男として生まれた。天文15年に元服し、
天文20年に家督を継いでからは、駿河の今川、甲斐の武田と、幾度も合戦を繰り広げ・・・」
斎 「これが【ほうき】」
伽紗凛 「すごおおおおおおおおい!!!」
南 「なかなかやるな」
西男 「・・・って、お前らぁぁぁ! 人の話は最後まで聞けぇぇぇぇぇ!!!」
南 「おい、糞バツイチ。僕にもあやとりやらせてみろ」
斎 「いやいや、先生は原稿を書いてくだs・・」
南 「いいから、やらせろ!」
伽紗凛 「南先生もあやとり出来やがるんですか?」
南 「昔、生きる伝説と呼ばれた【あやとりの神】がおっての。
そいつが死ぬ前に、残した【秘伝書】を読んだことがある。
僕は、いつしか神の技を身につけてしまったんだ」
斎 「は、初耳ですけどね」
南 「百聞は一見に如かず。よく見ておけ
・・・・・・はぁ!!・・・・やぁ!!
・・・・・・おりゃあああ!!!」
西男 「なんだ、この合戦並みの気合いは!!」
南 「・・・おりゃりゃりゃああ!!!」
斎 「なんて凄まじい指さばきなんだ! 目で追うのが精いっぱいだ!!」
南 「でりゃああああああああ!!!!」
一同 「!!!!!!!」
南 「できたぞ!!」
西男 「こ、これは?」
南 「我ながら、完璧な・・」
西男 「・・完璧な?」
南 「ガンダムだ!!」
斎 「な、なんと!!!!」
西男 「ガ、ガンダムだとぉぉぉ!!!」
南 「どうだ。伽紗凛」
伽紗凛 「ふふふ。先生。それはガンダムじゃなくて、マジンガーZですわ」
南 「・・・・・・・・
・・・そうだな。
どっちかっていうとマジンガーZだな」
斎 「いや、どっちだっていいでしょ!!
(つか、なんなんだこの人・・・あやとりで、ここまで完璧なロボットを作るとは!!!
こ、この人・・一体・・何者なんだ!?)
あ、あのぉ南先生。これが、その秘伝書に載っていた技ですか?」
南 「ふふふ」
斎 「その秘伝書とは・・・いったい・・?」
南 「これだ!」
斎 「そ、それは、・・・広辞苑!?」
南 「あやとりのみに特化した広辞苑だ。見てみるか?」
斎 「は、はい!!!」
西男 「どれどれ・・・って、ほとんど暗号じゃないか!!」
斎 「こ、これを、解読されたんですか??」
南 「僕に出来ない事はない。僕は天才だからな。そのうち、本家の広辞苑に僕の事が載るかもね
【世界が生んだ天才あやとり師】とな」
西男 「おまえは作家だろうが!」
南 「トンちゃん、南を広辞苑に載せてくれ」
西男 「俺に頼むな!てか、何かのアニメっぽい台詞廻しやめろ作者!!」
伽紗凛 「そのアニメって、もしかして・・・」
勉 「おおおおおおおい!! 誰か俺を心配しろっての!!!頭が火あぶりになったんだz・・」
伽紗凛 「(勉にグーパンしながら)タッチですよね?」
勉 「ぎゃあああああああああああ!!!!!」
伽紗凛 「あら?」
斎 「見事な右ストレート・・・」
南 「糞ニートがノビちゃった」
西男 「おでこにデッカイたんこぶ作ってるな」
伽紗凛 「・・・ああああ!!!これで、南先生に【こぶ茶】が作れますね^^」
-----END-----