2025.2.8
第一部 講演「22世紀へつながる、まちづくり」
第二部 手話 de プレゼン大会「あなたが市長なら?」
2025.2.8
第一部 講演「22世紀へつながる、まちづくり」
第二部 手話 de プレゼン大会「あなたが市長なら?」
「あなたが市長なら?」は、もともと読書会のテーマ案でしたが、議員を呼んでみたら?というアイデアも取り入れて、奈良市議員の横井雄一先生をお招きして、「22世紀につながるまちづくり」の講演と「あなたが市長なら?」のプレゼン大会の2本立てのイベントを開催しました。7名の参加者が集まりました。
第一部 講演 「22世紀につながるまちづくり」
横井先生は、平成21年から奈良市議員になり市議員活動に携わっておられます。また、会社員という肩書も持っており、手話も少しできます。どのような活動をしておられるのかをお聞きしました!
横井先生のお話
市議員になってまもないの頃に手話通訳者の方から相談を受け、「病院に手話通訳者がいなくてろう者が困っている」という現状があることを知り、聞こえない人が暮らしやすい社会にしていくためにはどうしたらいいかを考えるようになり、それ以来、様々な取組みを始めた。
議会で聞こえない人の存在や手話通訳の必要性を訴えたり、手話奉仕員養成講座に通って手話を習得し、手話通訳、サービス介助士、盲ろう者通訳、難聴の子どもへの支援活動など、経験させていただいた。
手話言語条例づくりに向けて、ろう者や手話関係者と意見交換や議会質問、市長との話し合いを積み重ねて平成31年3月の議会において「奈良市手話言語条例」が成立。7年にわたる活動がようやく実を結んだ。その後、市長の記者会見やホームページなどに手話動画が付いたり、広報紙に手話コラムが連載されるなど手話言語条例の成果が表れているのはうれしい。
市長の定例記者会見に手話通訳が付くなど手話通訳の需要が高まったが、手話通訳者の待遇が他の中核市と比べてきわめて低いレベルで課題となっていたので議会で待遇改善を要望した。その結果、令和5年度から大幅に引き上げられた。
(主な改善点)
常時設置通訳者の月給が21%アップ、人員も2人から3人に増員
手話通訳者の時間報酬単価 1,432 円 → 5,000 円
要約筆記者の時間報酬単価 1,250 円 → 4,000 円
これからも「もろう者の生活の質向上」、「手話通訳者の地位向上」、そして「自分の手話力向上」を目標にして活動していきたい。
参加者からの質問
参加者からたくさんの質問がありました。抜粋して紹介します。
・病院など緊急時に手話通訳を依頼できるように要望したいがどうしたらいいか?
⇒市町村によってはすぐに実現するのは難しいところもあるが、市役所の福祉課に相談するのが一番いいと思う。
・学童保育に落ちてしまい何人かの議員に要望をメールしたが、まともに取り合ってくれなかった。どうしたらいいか?
⇒市町村の状況によるので確かなことは答えられない。市の窓口に相談してみることや市長への手紙を出してみる方法もある。
・AEDの耳マークの由来は?
⇒以前は音声による操作ガイドの機種が多かったが、聞こえない人でも操作ができる文字表示のディスプレイが登場するようになった。分かりやすくするため耳マークがついた。
第二部 プレゼン大会
「あなたが市長なら?」というテーマでプレゼン大会を開催。
あなたが住むまちの市長になったらどんなまちづくり(政策)をするか?について10分間話します。
プレゼン準備不足を理由に棄権する人が続出するも、最終的には3名が参加。プレゼンには質問タイム、横井先生からのアドバイスもいただきました。
さて、3人のプレゼンはどんな内容だったのでしょうか。
A 市のY さん
課題として、共働きで子育てがしにくく少子化が進んでいること、不登校児の増加や高齢者や障害者の孤立化が進んでいることが挙げられる。子育てしやすい環境整備、経済的困窮の人を減らしていく、人と人とのコミュニケーションを確保する政策を行う。防災訓練も社会的弱者を優先に取り組む。
N 市のK さん
課題として、観光客の車が流入し慢性的な渋滞がひどく、京都ほどではないが観光公害が問題となっている。解決策として、観光客はパークアンドライド方式を進め、マイカーからタクシー、バス、チャリタクなどの利用を促す。ならまち中心部はマイカーの流入を制限しと住民・業者の許可車のみに、自転車専用レーンや駐輪場の整備を行い、自転車で移動する人を増やし環境にやさしいまちづくりを推し進めたい。
I 市のH さん
市が取り組んでいる「まちのえき」を紹介。「まちのえき」とは市内の公民館等を拠点に食品、本や不用品等のリサイクル、スポーツ、遊び場、音楽、農場等、様々なグループを作って人の集まりを創出するというもの。市民活動サポートセンターの拡張や創業を支援する施策を行い、より賑わいのあるまちづくりを推し進めたい。
イベントを終えて
横井先生のような議員との交流はめったにないことなので、たいへん貴重な機会でした。先生の取り組みはろう社会の発展に大きく寄与していることがよく分かりました。これからも応援していきたいですね!
横井先生の公式ホームページもありますので、ぜひご覧ください。https://www.yokoi-y.com/
プレゼン大会は、初めての企画でしたが、テーマをよく理解してしっかりプレゼンしていたのが良かったです。
参加していただいたみなさま、ありがとうございました。
本企画は、民主主義の仕組みや議会制度に対する理解を深め、聞こえない人の政治参加を促進することを目的として開催しました。なお、Deaf MAPは特定の政治的立場や政党を支持するものではなく、中立的な視点から情報提供と学びの場を提供することを目指しています。
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