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日曜日以外、そして月に2日程の日曜日の日にち。月にして約27日程、詩音は毎朝7時半ちょうどの電車に乗る。
この沿線は休日だからといってダイヤが変わる事の無い、全国的にも稀有な沿線だ。そのせいで、かえって電車に乗らずに済む日の方がリズムの壊れる感触すらした。
そして……そのリズムは、毎朝の感触によって完成されていた。
「んっ……はあ♡」
漏らしてはいけないはずの声が、勝手に甘くなる。周囲の人間は気付いているのかいないのか、何も言及してこない。ただ、時折下腹部に何か硬いものが当たる気配はあった。しかしそれらが、詩音を乱しているわけでは決してない。
詩音のGカップの胸元を、硬い手がまさぐってくる。絶対に、背後にいる人間だ。その手は手のひらからこぼれる程の詩音の乳房を、何度も滑らせては揉み、滑らせては揉み……を繰り返す。
こういった痴漢行為が始まって、早くも1ヶ月程が経過している。最初こそは気が気で無かったが、大声をあげたりして電車を停めたりしてしまうなどを考えると……気の弱い詩音には、恨まれる恐怖ですくんでしまうのだった。
それならば我慢さえすればいい……そう思って耐えていたら、別の意味で耐えられなくなってきたのも事実だ。
「はあ♡ん♡んん……♡」
特大マシュマロと言わんばかりの柔らかい乳房を揉みしだかれる度、下半身が熱く……子宮から絞られるように、愛液が溢れてくる。
乳房だけでこんなに感じるようになってしまったこの体を見つかったのが運の尽きだ、と自分でも思うようになってきた。
「あ♡あ♡」
ただ、揉まれるだけ。そして、尻に何か硬いものw執拗に擦り付けられるだけ。通り魔的に当てられるそれらとは違って、その手の持ち主の猛りは詩音をダイレクトに攻撃していた。
駅にして4駅。乗り込んですぐから降りる直前まで、ひたすら乳房を揉まれる生活。それは急に、終止符を打たれた。
「この人痴漢してます!」
若い男性の声が、張り上げられた。そして、詩音の真後ろで風が起きる。
振り返ると、前髪で目元が隠れた男の手が掴まれていた。そこでやっと、詩音は今までの痴漢してきた男の正体を知った。
電車の中がどよめきに包まれるも、電車は止まらない。むしろ、もうすぐ停車予定だった。
停車すると、男が痴漢の腕を引っ張って降りていく。詩音は慌てて、それを追った。もはや反射だったのだろう。男はすでに、駅員に痴漢を引き渡そうとしているところだった。
「あなたが被害者ですか?」
駅員の冷たい声を向けられ、詩音はびくついた。男は期待しているような眼差しで、詩音を見ている。
痴漢はと言えば、全然表情が見えなかった。しかし震えているのが分かる。そして……ズボンの中で、怒張しているのも。
「ひ、被疑者とかじゃないですっ……!」
だから、そう言ってしまった。痴漢だけでなく、男や駅員もぽかんと口を開けて詩音を見た。
「そ、そのっ……えっと、ごめんなさい。そんな、そういう、プレイだったんです!」
「はあ!?」
男の怒り混じりの声に、駅員は呆れたように溜息を吐いた。
「うーん、ちょっとアブノーマルが過ぎるかな。次やったら猥褻系で言うんでね、もうやらないように」
「す、すすすみません!」
「じゃ、我々も忙しいんで」
そう言って、駅員は背を向けた。残された男は顔を真っ赤にして詩音に向き直った。
「よ、よくも恥かかせやがって!この変態!」
そう言って、手を振りかぶってくる。殴られる、と反射で感じて目を閉じると……自分ではなく、目の前から何かが倒れる音がした。そして、いきなり腕を引かれる。
「え、え」
引っ張られるまま、走り出す。目を開けると、自分の腕を引いていたのは……痴漢の男だった。
2
「あ、あの!どこ行くんですか!」
詩音の叫びを無視しながら、痴漢は走る。改札を出て、そのまま走り続ける。
運動不足の体が泣き出しそうになりながらもやっと止まったのは、一つの公園だった。その公衆トイレの男子用の個室に詩音は押し込まれた。勿論、痴漢も一緒に入ってくる。
「お、おい……っ、俺の事、覚えてんのかっ……!」
「え、ええ……?」
前髪で目を隠しながら、息を荒げて問いかけてくる男に対し、詩音は本心から戸惑いの声を上げた。そんな詩音に苛立ったのか、痴漢はギリィッと音を立てて歯噛みする。
「くそっ、信じた俺が馬鹿だった……これだからメスなんか!」
「な、何言ってっ」
「黙れっ」
そう言って、詩音のブラウスの襟を持って反対の手で勢いよくブラウスを引っ張った。ぶちぶちぶち!と盛大な音を立ててブラウスのボタンが弾け飛ぶ。
「きゃああ!」
ぼろんっ♡と詩音の豊かな胸が溢れ出す。ピンク色のレースで出来たブラジャーに包まれた乳房を、痴漢は涎を垂らしながら息を荒げて見つめていた。
「くそっ……くそっ……この、このデカパイが全部悪いんだろっ!」
「な、何言って……」
「うるせえ!」
痴漢は怒鳴りながら、ブラジャーを勢いよく降ろした。すると、ほんのり紅色な乳首が一気にあらわになる。
「ちょ、ちょっ!やめてくださいっ!」
「お前だって!俺を庇ったって事はあれじゃ足りなかったんだろ!」
図星を突かれて、詩音の顔が熱くなる。そんな詩音を見てようやく余裕を取り戻したのか、痴漢は口元を歪に釣り上げた。
「へ、へへ。やっぱり淫乱なんじゃねえか」
「そ、そんなんじゃないですっ!やめてくださいっ!」
「うるせえな、舐められたくて仕方ないって乳首してるくせによっ……」
痴漢は犬のようにハッハッと口を開けて息をしながら、そのまま舌をにゅ~っと詩音の乳首に伸ばしてきた。舌先が小さな乳首を絡めとると、そのまま……れろれろれろっ♡とねぶり回す。
「あああっ♡あん♡あん♡」
「んっ、甘っ……んん……」
舌を細かく揺らして舐めまわされ、詩音の体はびくっ♡びくっ♡と跳ね上がる。そんな反応に味を占めたのか、一気にちゅうううっ♡と吸い付いてきた。
「ああんっ♡だめっ♡吸うのだめえっ♡あんっ♡」
「吸われたそうな乳首してるくせにっ……んお、うめっ……んっ」
「ああんっ♡」
痴漢の口は乳首をちゅっ♡ちゅっ♡と吸いながらも、その手はガチャガチャと自分のベルトを下ろしていた。それを見て、さすがに血の気が引く。
「や、やだっ♡だめ、だめですっ♡」
「うるせえな、もっと吸わせろっ」
「ああああんっ♡」
抵抗しようと体を揺らせば、両手でがしっと乳房を固定されその刺激で体が脈打つ。そして痴漢のズボンとパンツは、すでに下ろされていた。
「おとなしくしろっ……おとなしくしろっ……」
「はあ♡あん♡はあ♡」
決して悦んではいけない状況のはずなのに、詩音の喘ぎは止まらない。
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