第9回DTAシンポジウム

ダークマターハロー研究会

日時:2018年8月27日(月) ー2018年8月28日(火)

場所:国立天文台 三鷹キャンパス

開催趣旨

Ia型超新星を用いた距離測定や宇宙マイクロ波背景放射などの大規模観測が共通して支持する宇宙模型は、標準宇宙模型と呼ばれている。標準宇宙模型における構造形成は、解析的および数値的なアプローチで広く調べられており、 ダークマターが重力的に束縛されて局所的に準安定状態になった"ダークマターハロー"の統計的な性質が、我々の観測できる銀河や銀河団などの天体の形成と進化を理解するのに重要であると言われている。最近の数値シミュレーションの大規模化に伴い、シミュレーションに基づいたダークマターハローの現象論的なモデルは急速な進展を見せており、これらのモデルを観測と比較することや、モデル自身の物理的な描像を確立することが当該研究分野の課題となっている。本研究会では、宇宙大規模構造のビルディングブロックであるダークマターハローに焦点を当て、ダークマターハローの現象論的なモデルを概観し、それらの特徴的な性質がいかにして物理的に理解されうるか、観測的に実証されうるかを議論する。

招待講演者の方には専門分野の進展や未解決問題についての講演をしていただき、一般講演者には目一杯ご自身の研究の話をしていただく予定です。大学院生を含む若手研究者の積極的な参加を期待しています。

招待講演者 (敬称略)

  • 石山 智明 (千葉大学)
  • 大栗 真宗 (東京大学)
  • 奥村 哲平 (中央研究院 天文及天文物理研究所)
  • 宮武 広直 (名古屋大学)

会場案内

講演会場は 8月27日が中央棟 (北) 一階 講義室、8月28日が中央棟 一階 輪講室 を予定しています。

交通アクセス

キャンパスマップ

世話人:白崎正人、浜名崇

主催:国立天文台理論研究部

プレゼンテーションファイル (以下のリンクよりPDFにてご覧いただけます。皆様のご協力に感謝いたします。)

2018年8月27日

石山 智明 (千葉大学, 招待講演) : ダークマターシミュレーション、最近の進展

小林 洋祐 (Kavli IPMU) : ハローの赤方偏移空間パワースペクトルの精密エミュレータ構築

大里 健 (東京大学) : Strong orientation dependence of surface mass density profiles of dark haloes at large scales

加藤 一輝 (筑波大学) : Cusp-core遷移過程におけるダークマターハローの力学進化

大木 平 (Kavli IPMU) : ダークハロー形成史に基づく銀河の星形成率のモデル化

2018年8月28日

宮武 広直 (名古屋大学, 招待講演) : Halo Bias as a Probe of Astrophysics and Systematics in Cosmological Constraints

秋津 一之 (Kavli IPMU) : Super-survey tidal effect in redshift space

嵯峨 承平 (京都大学) : Shell-crossing structure of cold dark matter

奥村 哲平 (中央研究院 天文及天文物理研究所, 招待講演) : 最近のスプラッシュバック半径研究の進展について

杉浦 宏夢 (京都大学) : N体粒子軌道とダークマターハロー内部の位相構造

大栗 真宗 (東京大学, 招待講演) : ダークマターハローの形状

岡部 泰三 (東京大学) : 銀河団のホストハローと中心銀河の楕円率と主軸の向きの相関

小粥 一寛 (名古屋大学) : 銀河形状を用いた初期非ガウス性の検証

参加者の皆さん (2018年8月28日)