科学技術機械学習(Scientific machine learning, SciML)は、機械学習の手法を物理法則や数理モデルと統合することで、諸科学問題の解決を目指す新たな学問領域である。SciMLでは、近年諸分野で急速に発展している物理情報深層学習をはじめとして、代理モデル、作用素学習などを要素技術とし、データに埋もれた新規現象発見の加速、不確実性定量化・伝播の評価、新たな理論やモデルの発見や高度化、などを図ることで諸科学分野での技術的変革を加速することが期待されている。
固体地球科学においては、SciMLは特に不均質性・不確実性の伴う物理計算・予測や、不良設定の問題などに対して有用と期待されている。これまで、地下の地震波速度構造の推定とその不確実性定量化、プレート境界の摩擦特性の推定と断層すべりの予測、地殻変動・地震動の予測などの先駆的取り組みが存在する。今後、これらの取り組みの発展だけでなく、地震波動場の復元、津波予測、亀裂進展問題、火山体内部の物理パラメータ推定など、固体地球科学の諸現象に関わる複雑系の問題の解決へSciMLが幅広く寄与することが期待されている。一方、新しい学問領域であるSciMLに基づき固体地球科学研究を推進していくにはまだ多くの障壁がある。各手法の成熟度が十分でないこと、各研究者の経験やスキルの蓄積が不十分であること、各研究者の連携を促すためのコミュニティの形成が進んでいないこと、などが挙げられる。
本課題ではこれらの課題に取り組むため、SciMLに関する固体地球科学研究を推進し情報共有や交流を促進するプラットフォームを、国内研究者向けに提供することを目指す。参加者の対象とするのは、国内外でSciMLに関わる研究を行う、およびSciMLに興味を持つ固体地球科学者である。さらに議論の深化のため、関連分野である科学技術計算、データ駆動科学、データ同化等の分野で経験豊富な研究者の参加も歓迎する。
2025年度研究集会「固体地球科学におけるScientific machine learningとその周辺」を開催します。
日時:2026年1月22日(木)・23日(金)
世話人:縣亮一郎(海洋研究開発機構)、伊藤伸一(東京大学地震研究所)、加納将行(京都大学防災研究所)、岡﨑智久(理化学研究所 革新知能統合研究センター)
場所:ハイブリッド開催(要事前申し込み)
現地:京都大学防災研究所
オンライン:zoom
プログラム:
本ウェブサイトに関する研究成果については講演者に直接お問い合わせください。
本ウェブサイトは以下を基盤として運営されています。
東京大学地震研究所特定共同研究(B)「科学的機械学習(SciML)による固体地球科学の加速」(2025年度〜)
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