新型コロナ現象について語る

犯罪学者のフォーラム


企画趣旨

いま、世界では、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の流行によって、膨大な数の人たちが病の床に伏し、家族から隔離され、そして、多くの生命(いのち)が奪われています。また、多くの国で、医療システムが崩壊し、経済は疲弊し、社会に混乱が生じています。各国の政府が「ウイルスとの戦い」を標榜し、緊急事態を宣言し、人びとの自由を制限しています。

国家は、殺人や傷害、窃盗や詐欺のような個人の生命や利益を侵害する犯罪だけではなく、放火などのように公共の利益を危殆化する犯罪や内乱のように国家の存立を危うくする犯罪、さらには、大量虐殺のような人道に対する罪も刑罰によって防遏しようとしています。ウイルスとの戦いにも、刑法は介入することができるのでしょうか。今回の「新型コロナ現象」は、個人と国家の関係やわたしたちの社会の在り方自体に、大きな問いを投げかけています。

わたしたちの国は、日本民族の優越性と国体の護持を叫んで、暴走した過去を持ちます。そのとき、刑事法学者は戦争を称揚し、主観主義刑法の牧野英一や木村亀二は文化国家・社会国家の名の下に戦いに奉仕する刑事学・刑事政策を提唱しました。客観主義の小野清一郎は、日本法理研究会を主宰し、大東亜共栄圏構想を称揚しました。しかし戦後、わたしたちは、このような刑事法学の在り方と決別しました。現代の犯罪学は、科学の目で社会現象を観察し、分析・検討します。そして、犯罪現象の減少に寄与する合理的刑事政策を提案しようと努めています。

犯罪学は、あらゆる社会現象を研究の対象としています。この数ヶ月に起きていることは、学習理論、統制理論、アノミー論などのシカゴ学派の伝統理論から十分に説明可能です。また、感染者とPCR検査の問題は、ラベリング論と暗数論の適用場面です。新型コロナ現象を共生の犯罪学という視点から考えてみたいと思います。このインターネット・フォーラムを通じて、多くの方と「いのちの大切さ」について共に考えたいと思います。

そして、この試みが、多くの人たちの適切な判断や合理的な行動に役立つことを願っています。

Update: 2020年10月20日

龍谷大学 犯罪学研究センター(Ryukoku CrimRC)

「浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)
「浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)
「浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)
佐藤 舞 准教授(モナッシュ大学・犯罪学研究センター 嘱託研究員)

医療と司法、その隔たりと展望とは

福島 至 教授(本学法学部、犯罪学研究センター 兼任研究員)
「パンデミックに犯罪学はどう立ち向かうのか」をテーマにオンライン・フォーラムを実施

犯罪も感染症も疫学を使って正しくおそれる

浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)
浜井 浩一教授(本学法学部・犯罪学研究センター 国際部門長)
作田 誠一郎 准教授(佛教大学社会学部・犯罪学研究センター 嘱託研究員)

〜犯罪学の視点から5つの提案〜

石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)

〜アノミー型自殺と逃避型自殺〜

石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)

〜精神医学者と犯罪学者が「孤立の病」を読み解く〜

石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)

〔学習理論の巻〕サザランドで読み解く、新型コロナウイルス感染の9命題

石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)
石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)

「死因不明国家」日本の死因究明

石塚 伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)
金 尚均教授(龍谷大学法学部・犯罪学研究センター「ヘイト・クライム」ユニット長)

龍谷大学 犯罪学研究センター(Ryukoku CrimRC)紹介映像