2024年7月26日-27日

CogSci Meetup 2024 in Hamamatsu

オンサイト会場: 静岡県浜松市舘山寺 時忘れ開華亭

中継:ロッテルダム

主催:日本認知科学会

企画・運営:認知科学会国際交流室,認知科学若手の会,静岡大学認知科学系研究室

更新情報

7/5:  暫定版スケジュールの掲載
6/26: 参加費・宿泊費の詳細を掲載しました.
6/25: 発表イメージを作るための参考として,LsCogサンプルスライドを掲載しました.
6/22: 招待講演者掲載

開催主旨

日本の認知科学と世界の認知科学をつなぐ

近年,様々な分野で日本のプレゼンスの低下が嘆かれています.学術界においても,その傾向は同様であり,国際社会における相対的な研究力の低下が深刻な問題として,しばしば俎上に載せられます.

ただし,物理学や生物学などのハードサイエンスと我々が取り組む認知科学では状況が異なります.認知科学は,人間を含むエージェントの内部に存在する知性の仕組みを探求する学問領域です.この領域は,複数の関連領域(教育学,哲学,認知神経科学,人工知能,認知心理学,文化人類学)をまたぐことで構成されます.これら人間に関わる学術領域において,日本の学界が世界の研究を主導した事例は,残念ながら,過去には多く存在しません.むしろ,情報技術の発達により,言語の壁や距離の制約が低下した今こそ,日本の認知科学と世界をつなげるチャンスであるともいえます.

そもそも,認知科学における理論や手法には,その提案者の生まれ育った文化的背景が影響します.このことは,人間の認知を形成する環境的な要因の大きさを考えれば自明とも言えます.逆にいえば,認知科学を国際化することは,世界の多様な認知をメタに統合する基盤を構築することに繋がります.さらには,文化超越的な知性の捉え方(新たな認識論)への転換を世界の人々に促し,多文化コミュニケーションを媒介する共通基盤の構築を導きます.

こういった現状認識に立った際に,我々日本の学徒ができることは何でしょうか.日本の認知科学には日本で培った土壌,世界の他の国には存在しない独自性があります.この土壌を活かすことで,日本のソフトパワーが近年において力を増しているように,世界において日本の認知科学者がポテンシャルを発揮する未来を構想できるのではないでしょうか.成熟した日本社会のなかで,若い研究者が,希望をもち世界にチャレンジしていく.このイベントは,そんな未来を実現する第一歩として企画されました.

CogSci Meetupとは

本イベントはCognitive Science Socityの年次大会CogSciと関連付けて開催します.CogSciは米国を中心として発展した認知科学の国際コミュニティです.設立以降,学際領域である認知科学の確立に多大な貢献を果たしてきました.その一方で,世界のフラット化と連動し,近年ではCogSciの国際化が課題として取り上げられることが増えました.この背景より,CogSciをハブとした認知科学の国際化を広げる草の根的な活動として,世界中でMeetupなる企画が開催されるようになっています.地理的あるいは金銭的な制約からCogSciに参加することが困難な研究者,その他,何らかの事情でその年のCogSciには参加できない研究者を巻き込み,地域におけるCogSciコミュニティを形成する活動を展開しています.
認知科学による共通基盤の構築を推し進める活動が,世界の各地にて同時多発的に発生している状況といえるでしょう.

発表カテゴリ

日本におけるCogSci Meetupは2024年に初めて開催されます.日本には独自の認知科学の土壌がある一方で,例年,一定数の日本人研究者がCogSciに参加をしています.このような日本の認知科学の成熟した土台を活かし,日本ならではのMeetupを企画しました.その基本コンセプトは,地域とCogSci会場をリアルタイムに接続するものです.

本企画における発表者と参加者は,CogSci現地参加者とオンサイト会場の両者から募ります.両参加者の発表をオンラインにて接続することで,異なる物理環境の間での相乗作用を生じさせ,従来にはなかった新たなアイデアやアクティビティ,さらにはコミュニティの創発を促進します.

上記の主旨のもとで,以下のカテゴリのプレゼンテーションの担当者を募ります.発表は基本的には日本語ですが,英語での発表も歓迎します.

CogSci Proceedings    サンプルスライド(静岡大 市川)

いずれの発表カテゴリも,CogSciという国際会議と関係づけながら日本の学会の国際化を議論することが主旨となります.この主旨に即していれば,発表内容は発表者の裁量によって,柔軟に構成いただけます.必要がありましたら随時,運営サイドによって随時メンタリングを行うことも可能です.たとえばLsCogにおいて紹介する発表論文などについては,運営サイドから紹介をさせていただくこともできます.CogSciは神経科学から行動実験,ヒューマンインタフェース,計算機科学,実践研究まで幅広いアプローチの研究が含まれます.そのため,このカテゴリでは,過去にCogSciや認知科学と関連の薄かった多様なバックグラウンドの研究者・学生からの発表も可能なものと考えています.まずは,あまり難しく考えず,お気軽に登録いただければありがたいです.

なお,会議録などを発行する予定はありませんが,Slackを用いたコミュニケーションを併用する予定です.発表者はスライドあるいは参考資料をSlack上の各自のチャンネルにてアップロードしていただきます.また,発表カテゴリによらず,いずれも質疑込み30分程度の発表時間を予定していますが,発表数により変動する可能性があります

参加者募集

本企画は独立した発表のみにて終了するのではなく,今後のためのディスカッションセッションを多く設定します.そのため発表のネタはないけれども,研究の国際化に関心のある多くの方々の参加を望んでいます.想定する参加者は,以下の方々です.

上記のような多様な背景を包摂する議論により,国際的にも競争力を発揮可能な創発が生じるものと考えています.

スケジュール

スピーカー

【招待講演】社会的認知発達研究の実例と国際共同研究の役割
    千住 淳 先生
    浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター 教授 (センター長)

パネルディスカッション】日本の認知科学の国際化戦略
    橋田浩一 先生(理研),横澤一彦 先生(日本国際学園大学),川合伸幸 先生(名古屋大学)


全体のプログラムの暫定版はスケジュール案を参照ください

会場

時忘れ開華亭

〒431-1209 
静岡県浜松市中央区舘山寺町412

時差のあるなかでロッテルダムと日本での通信を行うため,合宿形式にて開催します.浜松会場の参加費は,以下となります.

学生:16,500円  (宿泊費11,000円(一泊2食)+参加費5,500円)
一般:19,000円  (宿泊費11,000円(一泊2食)+参加費8,000円)

合宿形式ですので原則として左記の浜松会場にて宿泊いただきます.なお宿泊は相部屋となります.ご要望などがありましたら参加登録時にお知らせください.

参加方法

運営・コンタクト

静岡大学認知科学系研究室

市川淳,大本義正,岡久太郎,竹内勇剛,遠山紗矢香,坂本孝丈,須藤 智,前川知行,前東晃礼,森田純哉(50音順

認知科学若手の会

QIN Mujun,小坂健太,塚村祐希,南條啓孝,西川純平,二宮由樹,服部エリーン彩矢(50音順)

運営に関する問い合わせは以下にお願いします

〒432-8011
    静岡県浜松市中央区城北3丁目5−1
    静岡大学情報学部
    森田純哉 

e-mail: cogsci-meetup-hamamatsu@googlegroups.com

日本認知科学会事務局

〒102-8357
    東京都千代田区三番町12番地
    大妻女子大学社会情報学部
    日本認知科学会事務局
    代表 宮崎美智子