ありがとう。

(熊本地震から3年目の誓い)

2016.04.14 21:26 吉無田

私はまだ職場にいました。


ふと違和感を感じたと同時に、突然の地鳴りと体を揺さぶられる激しい揺れ。

2016年の「吉無田マウンテンバイクフェスタ」は、4/17で開催予定でした。
4/14前震直後の大会ブログ。

揺れが落ち着いてから

これは・・・地震か!?デカい地震だ!大変なことになった!家は!家族は!

徐々に状況が理解できていくと、家族の安否の不安が一気に込み上げてきました。

初めての試みとして、地元による「おもてなしマルシェ」併催の準備も進められていました。
近所の倒壊した家屋
避難所の様子
4/14前震後の道路の亀裂
4/16本震後、拡大した道路の亀裂

停電で、散乱した足場の中、つまずきながら外に出る。

月明かりでご近所の家のシルエットが見えた。


ここら辺のご近所は、高齢のご夫婦やお独り住まいばかり。

大声だ!大声でみんなを安心させないと!

「おーい。大丈夫か。おーい。大丈夫か。おーい・・・」

一人、大声で叫びながら、まずは自宅へ走る。


家が建っていて欲しい。

家が建っていた。

ドアから入られる。

妻と子供たちが、携帯のライトに浮かび上がる。

あぁ、よかった・・・。


「おい!外に出るぞ!!」


次はご近所だ。

道に落ちた瓦に足を取られながら、遠くから大声で叫びながら、ご近所を1件1件まわる。

駐車場にみんなを寄せて、余震と寒さに震える中で、一緒に夜を明かしました。


夜が明けて、それぞれ黙々と片付ける。片付けるしかない。

大変なことが起きたが、また今日から頑張ろう。

まだこの時は、そう思えていました。

2016.04.16 01:25 吉無田

もう1回。それも、もっと大きいの。

それで、もう1回繰り返し。


おさまらない余震。

引っ切りなしに鳴り響く緊急地震速報。

これは、さっきのか、今のか、これからくるのか・・・もうわからない。

余震の度に、目の前で家が崩れ落ちていく。

暗くてよく見えないが、がけ崩れで道が塞がっていて、どうも孤立しているらしい。

ラジオから「・・・病院が、倒壊の恐れがある・・・」「・・・橋が、崩落したという情報が・・・」耳を疑う。

熊本で何が起こってる?

こんなところにはいられない。

もうダメだ・・・あぁ、絶望ってこういうことなのか。

夜の闇に飲み込まれて、もう朝なんか来ないんじゃないかって。

4/15に発表された「中止」のお知らせ。この後、4/16に本震が発生しました。

それでも一応、朝は来て

だけど、この余震の次に、また大きい地震が来るんじゃないかという恐怖に襲われながら片付ける。

この片付けも、どうせムダになるんじゃないか?

4/16の朝刊が各地の被害とあわせて夕方からの雨の予報と土砂災害への注意を呼び掛ける。
崩落した近所の道路
わずか10日程で仮復旧
長崎から駆けつけてくれた仲間たち
地震で地盤が緩んだところに追い打ちを掛けた6月の豪雨災害

片付けていると電気が復旧した。

思わず拍手。

作業員は、宮崎や鹿児島からの応援らしい。

目の前の道路を、出雲市水道局のタンク車が往復する。

ダンプが何十台も通って、崩落した道を埋めていく。

日本スゲーな。


それから

全国からたくさんのご支援を頂きました。

パンだったり、乾電池だったり、ボランティアだったり、義援金だったり。


ありがとう。


ここまでしてもらったなら、頑張るしかないじゃないか。


一番頂いたのは、前に進む力だったと思う。


本当にありがとう。


前に進んだということをカタチにして、それを全国に伝えたい。

その一つが「吉無田MTBフェスタ・CJくまもと吉無田」の開催です。


「ありがとう。」が全国に届くといいな。

吉無田近くの仮設住宅