GLOSSARY

■Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ菌)
好塩の食中毒菌。生のお魚に良くいる。

■青島造船のPL511後期型
安価・納品の早さ・コストなどから愛用される海上のブルーバード。

■姐さん
潮 美月の事。菱垣を怒鳴り散らしている美月をさしてこう呼んでいるため普通はこう呼ばない。例)「今日は姐さんの機嫌が悪い」。

■一段上がった課長席
各部署の部屋は割と大きい、一般的な公民館の大会議室3室分くらい。入り口より向かって奥がロフトになっており課長席はそこにある。席からは部下が全員見渡せるようになっている。

■いまからあなたの左腕に塩酸モルヒネを(省略):
治療行為を行うときには必ずインフォームドコンセント(説明と同意(あるいは拒否))を行わなければならない。相手に意思の確認が出来ないときは、意思の確認が出来る状態にまで治療し、その後同様の手順を踏む。

■過1/α波
1/fがゆらぎであることは有名、2030年頃に発見された人間のα波に作用する深海独特の音。過剰にこれを受けると一時的な交感神経の興奮などにより失神といった症状がでるが、気質が必要であり全員が全員かかるわけでもない。

■海中作業用の空気弁
潜水艇に装着義務のつけられた外部装甲作業用空気弁。

■金田のバイク:
AKIRA1巻参照。実物大も制作された。

■可の印を押した
5段階で評価すれば別にどのような印でも良い事になっている。菱垣教室では最優・優・良・可・不可の5段階。みかんと同じ評価である。

■環状モノレール
トライデントUNの中を一周する高架式モノレール。動力はリニアモーターで運転手も車掌もいない、まったくの自動運転。発車タイミングは駅のホームで駅員が行う。シルバーシートという概念はこの時代になく譲るのが常識。

■貴様の捜査妨害:
保安部に捜査権が有るわけではないためこの発言は不適当である。

■研究室での呼び方
意外と各研究室でバラバラ。教授でもないのに教授とか、博士なのに社長とか色々呼ばれている。

■航海計画書
出航日時・到着日時・乗務員・客員数・貨物・航海予定路などが記載されている書類。書類ではあるがネット上を流れてくるので紙ベースではない。海上交通が過密になりつつある昨今、事故やトラブルを避けるために重要なものである。実習船も例外ではない。

■事を知っている3課の職員が大笑いした。
3課職員自体は実は優秀な人材がそろっており、もう隠す必要が無いので仕事効率は上がっている。御徒町が島津に対して恋愛感情を持っている事も知っていた為にでた笑い。それを今まで怒らせたりしていた事を考えると、3課にはいじめっ子が多いらしい。

■コリーンの作った肉じゃが
隠し味にバターを少し。

■「コリーンは13カ国語を使えるから……
英語・米語・日本語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語・広東語・フィリピン語・エスペラント語・ベトナム語・インド公用語・ロシア語・ポルトガル語と実は13カ国語+1が使える。

■コンタクトも多分もう溶けちゃうでしょう:
この時代のコンタクトレンズは、ある一定時間装着していると急速劣化して涙として流れていってしまう。ドライアイの人には向かないコンタクト。装着期限は劣化する時間の2分の1に設定されている。ドライアイの人にはそういう人専用のコンタクトがあると思われる。

■サンスマイル
太陽の微笑み。オレンジを4分の1(か8分の1)にカットして皮を下にして口にくわえるとこの表情になる。

■3隻も巡視船呼んでおいてこの位置取りはお粗末ね
正しい配置は容疑船に対して1時・7時・10時。

■死海現象
海面が沸騰することで水蒸気により船の浮力が維持できなくなる状態。オリュンポスでは浮力を維持できない問題と共に、ブラウン運動船の特性で急激な加速をするために船体が圧壊する危険がある。

■識別ピン
船体登録された船は全て固有の識別ピンを持つ。ピン(PING)と言っても海中に流す物と人工衛星に拾わせる物の2通りある。高速船の場合は基本的に人工衛星に拾わせるタイプ。雅美がヘッドフォンで拾ったピンの音は低速船もしくは港湾内巡航中の船の物だったと思われる。

■シティカモの銃を構えた男達
銃に迷彩があるわけではなく、正しくはシティカモを着た銃を構えた男達、である。

■ジャケットを羽織り
トライデントCo.にある制服は庶務課・秘書課・受付の女性職員のみで他は自由となっている。えして男性はスーツであるが社内では上着を脱いでいる。

■ジャルディン鳥
はち鳥の仲間と考えられている、大きさはスズメより一回り小さい。

■初等科の7年生
義務教育は一貫教育となっており、初等科は1年生(現在の小学校1年生)から9年生(現在の中学校3年生)まである。高校は高等科のままある。

■水中翼船
佐渡汽船のジェットフォイルが有名。ジェットエンジンを使用し海水を高速で後方に押し流すことで前進する。この時、前方と後方の水中翼によって船体が浮き滑走する。風や高波に弱くすぐに欠航するするのが難点。2050年の水中翼船は原理は一緒であるが、動力がブラウン運動板になっている。風や高波にも強くなっている。一般旅客のスタンダードな船となっている。

■スクリューによる移動
内燃機関ではなく、電動コイル式の物。

■それは絶対反則だ!
武装も装甲もない海上バギーに対して過大な火力である事に対して言ったセリフ。

■滞在ビザ
滞在ビザと呼んではいるが正確ではない。トライデントUN自体が浮島であり、島に滞在出来る人数が限られている、そして島に住むことが(研究者・学生・技術者を除き)出来ないために滞在ビザと呼んで人数制限をしている。

■タイヤのないMB
ガソリン車の使用は発展途上国を除き使用は禁止されている、密輸品と思われる。MBは優秀なジープである。またガソリン車の出力は電動車を凌ぐため町中でこの武装で襲撃があったとき、かなり大きな被害になることは確かである。

■停止依頼
警備部の権限は工事の誘導員レベルのものであり、命令ではなくお願いをしなければならない。例外はそれをそのまま放置すると重大な事故や生命の危険がある場合、緊急回避措置が行える程度である。

■定食屋だの文房具屋だの画材店だの書店だの
学生街にあるべき基本的な物はそろっている様子である。これらのお店の従業員は全てトライデントコーポレーションの嘱託になっている。

■デコイ
おとりではなく、気象観測データーを送る小型簡易気象レーダーのこと。

■糖質コロイド
人体に無害で空気を大量に含んだジェル状の物。断熱・保温に優れている。

■トライデントUN
ロス=ジャルディン島を取り巻くように建設された、コーラル(珊瑚礁)型海上都市。日米欧露中並びに国連が2003年に提唱した海洋開発研究都市計画により、2008年より建造を開始。研究者、職員、学生とその家族が約3万人居住している。
1500本の支柱と8000以上のフローティングエリアからなる洋上都市は、200年に一度の大型台風にも耐えられるよう設計されており、三期拡張工事の完成は2062年の予定。

■トライデントUN大のティーシャツ
大学なので制服は無い。上記のティーシャツは大学の購買部で売っている安いシャツ。運動性には優れるが耐久性が無く、汗をかくとすぐに透けることから女子の間では全然人気がない。別名『彼女募集中』。

■トラコ
トライデントコーポレーション(トライデントCo.)の俗称。

■飛んでる矢は止まってる
ギリシアのエレア派の哲学者ゼノンが師匠のパルメニデスの説を擁護するために用いたパラドクス。正しくは『飛ぶ矢は飛ばず』。運動を一点において観察すれば静止している。その次の点でも静止している、つまり飛ぶ矢は静止を続けており運動していない。だから運動が実在するのは感覚の誤りであり矛盾におちいらざるをえない、として対立する相手の理論を退けた。他にも有名なのは『アキレスと亀』。両方とも時間という概念を無視している。ここではたくやという点に集中したため、糸という線が見えなかった事を表現している。

■『ニパッ』
川原 泉作品参照の事。

■反社長派は粛正を受ける:
減給・降格人事の事。交通事故に見せかけて殺すなんてアブナイことはしない。社の外に出すことは無く(飼い殺し)発言力も低下、窓際族への仲間入りとなる。

■ビジフォン
携帯型の多目的受信装置、というと物々しいが、今で言うトコのラジオの進化系。ワイヤレスイヤホンとダイヤルメモリの付いた子機があり、様々な放送を受信する事が出来る。観光地ではその場の説明などに利用できる。プロローグ小説の「もしビジフォンもってるならRJI0021で案内が聞けるから参考にして」というのはダイヤルをRJI0021にすると、オリュンポス内の交通情報・観光情報を受信できるの意味。様々なチャンネルが存在し、好きなチャンネルと契約すれば受信可能となる。観光情報は基本的に無料で配布されていて、ダイヤルさえ分かればいくらでも受信は可能。

■2433の案内係
トライデントに訪れた団体の番号。実際には243が団体名、3はこの場合3組の生徒となる。

■入国手続き
トライデントUNは日本国ではあるが、特殊施設であるため手続きが必要。入国手続きと言ってはいるが正確ではない。

■FIX
取り除くの意。

■ブービートラップを繋いだ糸だった
手榴弾に繋がった糸ではなく、ブービートラップのあった木箱にたくやの糸が繋がっていたということ。

■ブラウン運動船
正式名称は『ブラウン運動抑制型船』。ブラウン運動については【ブラウン運動】の項を参照。2050年ではスタンダードな海上移動機関、化石エネルギーを使用することなく無公害。しかし問題は微少な調整ができないため、接岸には今まで通りのエンジンを使用することから正確には無公害船ではない、低公害型といったところか。

■ブラウン運動
無風状態の中で煙草の煙が揺らめいたり、水の中に落としたインクが拡散する等、その物に対し周りの物質が衝突していることから、様々な分子がランダムに衝突しているというもの。水中では水分子が様々に移動衝突をしている。水分子の衝突が激しいと摩擦から熱が発生する(マイクロウェーブでそれを起こしているのが電子レンジ)。水分子の動きが無くなれば摩擦熱は無くなり氷になる。

■ブラウン運動板
接した面の水分子の動きを均一に整列させて任意の方向に移動させる板。ブラウン運動板自体は本当に取り付けられているだけで他に特別な装置はない。開発した研究所はノーベル物理学賞を受賞している。海中にあるマグネシウム・カリウム他の塩基に弱く実用性については半信半疑であったが、抗塩基処理が確立されると一気に世界のスタンダードになった。潜水艦に搭載すると今まで通りのスクリュー音で識別という事が出来ないため、軍事兵器への使用は国際条例で禁止されている。

■ブラックライト
紫外線灯の事。パスポートの入国印の中には日時や入国担当官、入国番数が記載されている(管理カメラにもしっかり写ってる)。偽造の難しいカナストインクを使用しライトをあてた際の発色でも真偽が分かるようになっている。

■ベイシック
ベイシックは炭水化物と精製大豆蛋白のねっとりとした物で、味は各種アミノ酸+クエン酸が入っているためすっぱ目。
内容量は150mlで1食分のカロリーと必要栄養をとれる優れものながら、精製大豆蛋白の独特の味から、飲む人を選びます。

■ホーリット君
海洋牧場のアイドルであり、海棲ほ乳類のイルカでもある。海中の作業では人間の動きが制限される。そこで人間の替わりに海中作業が可能なように訓練された海棲ほ乳類が登場した。人間の手が必要な所はイルカの背びれなどに捕まり作業箇所まで連れて行って貰える等できる。訓練され下記の作業が完全に出来る順にランクが上がり、CクラスからSSクラスまで5クラスで格付けされている。
・人間移送(人間を作業場所まで連れて行く能力)
・救急搬送(海中で怪我をした人間を安全に救急艇まで連れて行く、また潜水病にならないようにゆっくりと上昇するといった能力)
・統率力(仲間を統率し、共同行動のリーダーをできる能力)
・実行力(人間の依頼を忠実に果たす能力)
・判断力(その場を適切に判断し行動する能力)
・指導力(他のカウボーイを指導する能力)
現在登録されているカウボーイは20頭。
SSクラス>ホーリット
Sクラス>みずほ GF ハリアー
Aクラス>ぽちょむきん 松本君 サラダ ガードナー
Bクラス>マイク ドノヴァン さくら マッド
Cクラス>他8頭
ホーリットだけはトライデントCo.の宣伝部長という肩書きを持ち、社内リストにもちゃんと載っている(本人自身が広告塔ってなわけで)。

■「……まてよ、デブ」:
ハラスメント対象となる発言、たくや的には相手を挑発するための発言だったと思われる。

■ミナミの街
大阪のミナミの事らしいが正確にどこなのかは不明。

■土産物売り場
オリュンポス饅頭・551蓬莱UNぶた饅・キーホルダーからタペストリー、絵はがきまでそろった土産物屋。お店の名前は「ベスプッチ」。

■モーガンの試行錯誤:
ネズミが迷路の中で設定された餌を得るという行動をする際、失敗を苦の経験として、成功を快の経験として蓄積し、それを続けることで快である餌を得る為の時間が短縮されるというもの。

■安い給料に過密な勤務
給料は基本給に危険手当他けっこういい金額ではあるが、彼らの場合能力給が低いためこういう表現になる。勤務内容からして安いという意見もある。

■ライトウォーク
2001年発表の2輪走行のジンジャーの発展系。各企業より様々な形が発表されており機能もデザインも個性がある。電気出力の量によってクラス分けされており、4馬力になると免許が必要になる。ローラーブレード型のニンジャの発展系もあるが、もっぱらレジャー&スポーツ用。

■両手とも人差し指と中指だけむき出しになった手袋
普通こういう手袋は人差し指だけ出ている物であるが、たくやの場合中指でワイヤーを操るためにこういう工夫をしてある。

■ロス=ジャルディン島
北緯21度40分・東経151度35分、だいたい南鳥島とマリアナ諸島のちょうど中間、南鳥島から西南に約210マイル(海里、約389km)、マリアナ諸島から東に約350マイル(約648km)以上離れた場所にある絶海の孤島。
17世紀に発見された後、1999年に海上保安庁により再発見されるまで、数度をのぞいて約400年間、その存在は不明であった。