チャットボットを作ってみよう
チャットボットを作ってみよう
1.対象
高校生
2.授業時間
60分から90分程度
3.授業の概要
この授業は,現代社会で普及しているチャットボットの仕組みを理解し,実際に自作することを目的とした演習形式の講義です.主な内容は以下の通りです.
チャットボットの基礎知識: チャットボットが「対話」と「ロボット」を組み合わせたプログラムであり,企業のカスタマーサポートやLINEなどで窓口業務の軽減に役立っていることを学びます.
歴史と進化: 1960年代のELIZA(パターンマッチング)から,現代のChatGPTやGemini(大規模言語モデル)に至るまでの進化の過程を学習します.
2つのツールの活用:
NotebookLM: 特定の資料(ソース)に基づいた回答に特化し,嘘(ハルシネーション)が少ないAIツールとして紹介されています.
Google AI Studio: より詳細な「System Instruction(システムへの指示)」を設定し,キャラクターや口調を自由にカスタマイズできる本格的な開発環境として活用します.
実践演習: 「高田短期大学の入試相談ボット」の作成を例に,実際にウェブページのURLやPDFを読み込ませて,AIを特定の役割(20代の親切な事務スタッフなど)に従事させる設定を行います.
4.授業のねらい
この授業には,単なるツールの操作習得に留まらない,以下の3つのねらいがあります.
「作る側」の視点の獲得: 以前はプログラミングスキルが必要だったチャットボットが,現代のAI技術を使えば誰でも簡単に作れることを体感させます.
実用的な活用能力の育成: AIから正確な回答を引き出すための「プロンプトエンジニアリング」や,特定の資料から情報を整理する「AIリサーチ・執筆アシスタント」としての活用法を身につけます.
社会課題の解決と倫理の理解: 窓口業務の効率化といった実社会での利便性に加え,情報の正確性や著作権といったAI利用における倫理的な課題についても理解を深めることが意図されています.
学生の振り返りからは,「自分でキャラ設定(性格変更)ができるのが面白い」という感触や,「公務員試験の対策や音声解説での学習に使えそう」といった,授業の学びを自身の生活や将来に結びつける姿勢が見て取れます.
5.実施実績
高校生向けにはまだ実施実績はなく,短大の授業で実施しています.短大での授業の振り返りを整理すると
制作体験への驚きと楽しさ
多くの学生が,プログラミングなどの専門知識がなくても「自分でチャットボットを作れる」ことに対して驚きと喜びを感じています.
キャラクター設定の自由度: Google AI Studioを用いて,チャットボットに特定の性格や口調(ツンデレ,アニメのキャラクター,20代の親切な女性スタッフなど)を設定できる点に強い関心が集まりました.
対話の面白さ: 自分の設定したキャラクターがその通りに振る舞うことに「テンションが上がった」という意見や,設定した性格が回答内容によって急に敬語に戻るなどの挙動を面白がる声もありました.
知識の習得とツールの理解
チャットボットの定義から,最新ツールの具体的な活用方法まで,幅広い理解が進んだことが伺えます.
仕組みの理解: チャットボットが「チャット」と「ボット」の組み合わせであることや,1960年代のELIZAから続く歴史,そして現在のAIがデータを学習して予測・生成を行うアルゴリズムについて理解を深めています.
ツールの使い分け: 特定の資料に基づく「NotebookLM」と,より自由な設定が可能な「Google AI Studio」の両方の使い方を学び,それぞれの特徴(ハルシネーションの抑制やキャラクター設定など)を体験しています.
倫理観: AIの利便性だけでなく,著作権や情報の正確性,バイアスといった倫理的な課題についても意識が高まっています.
実用性と将来への展望
授業での学びを,自分たちの生活や将来の仕事に結びつけて考える姿勢が見られました.
身近な活用の再発見: 市のホームページやLINE公式アカウントなど,すでに身近でチャットボットを活用していたことに気づき,その窓口業務の軽減という目的を理解しました.
具体的な活用案: 「公務員試験の対策に使いたい」「社会科の資料を読み込ませて音声解説を聞き流したい」といった,学習効率化のための具体的なアイデアが出ています.
労働観への影響: AIが人間のような仕事を代行する様子を見て,将来の仕事のあり方について考えさせられた学生もいました.
資料
講義資料