AIでアンケート分析
AIでアンケート分析
1.対象
高校生
2.授業時間
60分から90分程度
3.授業の概要
大量の自由記述データから有益な情報を抽出する「テキストマイニング」と「生成AIによる分析」をテーマとしています.学生は単にアンケート結果を読み込むのではなく,最新のデジタルツールを駆使して「効率的かつ客観的な分析」を行う手法を学びます.
授業の構成は以下の通りです.
生成AIによる分析と注意点: Google Geminiなどの生成AIを用いてアンケートの要約や傾向分析を行い,その利便性を体感します.同時に,個人情報の保護(匿名化)やハルシネーション(もっともらしい嘘)への対策といった,AIを活用する上での必須リテラシーを学びます.
テキストマイニングの理論: 教師なし学習の一種である「クラスタリング」などの機械学習の仕組みを理解し,データ同士の類似性を見抜く方法を学びます.
多角的な分析手法の紹介: 専門的な分析(KH Coder)から手軽な分析(ユーザーローカル)まで,共起ネットワークや階層的クラスター分析といった多様な可視化手法があることを知ります.
実践ワーク: 実際の授業アンケートデータを使用し,各自で「ワードクラウド」を作成します.大量の文章が一目で把握できる形に変化するプロセスを通じて,データの構造化を実践します.
4.授業のねらい
本授業では「アンケートは読めばいい」という認識をアップデートし,「よい分析(効率的,客観的,かつ安全)」を遂行できる能力を養うことをねらいとしています.
具体的には,以下の3点を目標とします:
分析効率の劇的な向上: 一つずつ意見を読み込む「膨大な時間」を,AIやツールによって「瞬時の分析」に変える驚きを体験し,仕事の効率化(時短)の重要性を理解します.
客観的な視点の獲得: ワードクラウドや共起ネットワークを用いることで,個人の主観に頼らず,データ全体の傾向を客観的に捉える技術を習得します.
責任あるAI活用の実践: 利便性だけでなく,情報の正確性を確認する姿勢や,個人情報の扱いといった「AIを使いこなす側の責任」を強く意識できるようにします.
5.実施実績
高校生への授業はまだ実施できていませんが,短大1年生に授業しました.そのときのアンケートを,いくつかの主要な視点から整理してまとめます.
ツールと技術への驚きと利便性の実感
受講者は,生成AIやテキストマイニングという最新技術の圧倒的なパワーと利便性に大きな衝撃を受けています.
大量のアンケート回答を一つずつ読む負担が,AIによって一瞬で要約・整理される様子を「画期的」「有能すぎる」と評価しています.
特に,頻出単語を可視化する「ワードクラウド」の作成を初めて体験し,一目でデータ全体を把握できる点に感動する声が多く上がっています.
「手動での分析に比べて劇的な時短(時間短縮)になる」という実感が,多くの学生に共有されています.
AIリテラシーと安全な活用の重要性
利便性を認める一方で,AIを扱う上でのリスクや注意点を学んだことも大きな収穫となっています.
AIが入力内容を学習してしまうため,個人情報を除いて(匿名化して)分析することの重要性を強く認識しています.
AIがもっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」に注意し,結果が正しいか自分自身で確認する必要があることを学んでいます.
実践的な活用への意欲
学んだ内容を「今,この場限り」にせず,将来や他の課題に活かそうとする前向きな姿勢が目立ちます.
「これからの課題やグループワークでも使いやすそう」「卒業後の仕事でも使える知識」として,今後の活用を具体的にイメージしています.
「User Local」のような手軽なサイトから「KH Coder」のような本格的な分析ツールまで,用途に応じた使い分けを意識しています.
「答える側」の視点だけでなく,アンケートを「作る・分析する側」の視点を持てたことを収穫として挙げる学生もいます.
資料