宇治山田商業高校で特別授業「AIでアンケートを分析しよう」を講義してきました!(2026.9.29)
宇治山田商業高校で特別授業「AIでアンケートを分析しよう」を講義してきました!(2026.9.29)
2026年9月29日,宇治山田商業高等学校にて,高校生3年生を対象とした特別授業「AIでアンケートを分析しよう」の講師を務めさせていただきました.
高校での探究学習や課題研究において,「アンケートを実施したものの,集まった大量の自由記述データをどう集計・分析すればいいかわからない……」という悩みを抱える生徒さんは少なくありません.
今回の授業では,単に「AIツールの操作方法」を伝えるだけでなく,生成AI時代に人間が持つべき「思考の軸」や「問いを立てる力」にスポットを当てて講義とライブデモを行いました.その様子と生徒たちの変化をレポートします!
授業の狙い:「答え」を聞くのではなく「解き方」を聞く
授業の冒頭でお伝えした最も重要なメッセージは,「AIとの向き合い方」です.
AIに直接「答え」を求めて丸投げしてしまうと,一見便利ですが自分自身の思考力や学びの機会を奪ってしまいます.しかし,「答えを導き出すための過程(解き方)」をAIに質問・相談する形をとれば,自分の成長や学びを大きく加速させることができます.
また,データ分析における役割分担として,次のように整理してお伝えしました.
AIの得意分野: 大量のデータからパターンを見つけ,事実を整理・抽出・グループ化(クラスタリング)すること
人間の役割: 「なぜその結果になったのか?」の意味を考える考察や,次に向けた「問いを立てる力」
AIを単なる「思考の丸投げ先」ではなく,「思考を深めるためのパートナー」として捉え直してもらうことを目指しました.
教室が沸いた!受講生の「生データ」を使ったリアルタイム分析デモ
今回の授業で特に盛り上がったのが,その場で行ったライブデモです.講義のスタート時に,生徒の皆さんにはスマホや端末からGoogleフォームで「AIに対して日頃感じていること」などの緊急アンケートに回答してもらいました.
回収したリアルタイムの回答データ(CSVファイル)をその場でダウンロードし,生成AIやGemini Notebook(旧NotebookLM)へ投入.
大量のテキスト回答が一瞬で傾向や感情ごとに分類される様子
AIが要約やキーフレーズの抽出を行うプロセス
を目の前で実演しました.あらかじめ用意されたサンプルデータではなく,「たった今自分たちが書いた言葉」が瞬時に構造化されていくリアル感に,生徒の皆さんも身を乗り出して見入ってくれていたのが印象的でした.
目的に合わせた「4つの分析アプローチ」とリテラシー
授業では,学習で使える具体的な分析アプローチとして以下の4つを比較して紹介しました.
生成AIへの丸投げプロンプト: 手軽だが,データにない情報を勝手に補完する「ハルシネーション(嘘の出力)」のリスクがある.
Gemini Notebook: 読み込ませたソース資料の範囲内でのみ回答するため,根拠が明確でハルシネーションが起きにくい.
専用サービス: ユーザーローカルテキストマイニングなど,簡単に視覚的なテキストマイニング(ワードクラウド等)ができるサービスが存在する.
KH Coder: 論文や本格的な学術研究で用いられる高度な計量テキスト分析ソフト.
それぞれの長所やハルシネーションのリスク,そしてAI依存がもたらす問題や倫理的課題についても触れ,「AIの出力を過信せず,必ず人間が元のデータと照らし合わせて検証・考察する」というリテラシーの重要性を強調しました.
生徒たちの振り返りアンケートに見る「意識変容」
授業後の振り返りアンケートを読ませていただき,生徒の皆さんの受け止め方の深さに私自身も大変感動しました.生徒の感想から、いくつか抜粋してご紹介します.
「AIは今までなんとなくで使っていたけれど、答えを聞くのではなくて答えを導き出すための過程を質問することで、AIをよりよく使えることが分かった。」
「今までは漠然とAIに向けていた考えを分かりやすく言語化してもらえた感覚で、すっきりした。」
「AI時代だからこそ、AIに答えを求めるだけではなく、自分で考える力、問いを立てる力、そしてAIを適切に使いこなす力が必要だと学びました。」
「AIから得た情報を自分自身で考え、検証し、考察する姿勢を大切にしたい。」
「答えだけを求める使い方」から「解き方を聞き,自ら問いを立てて考察する使い方」へと,生徒たちのAIに対するマインドセットが明確に変化したことが伝わってきます.
おわりに
生成AIをはじめとするテクノロジーは日々進化していますが,それを動かし,結果を解釈し,社会や自分の成長に活かしていくのはどこまでいっても*「人間」です.今回の授業が,宇治山田商業高校の生徒の皆さんにとって,これからの学習や日々の学びにAIを賢く・主体的に取り入れていくきっかけとなれば幸いです.熱心に耳を傾けてくださった生徒の皆さん,そして開催にご協力いただいた宇治山田商業高校の先生方に,心より感謝申し上げます!
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