白子高校教員研修:生成AIと共に創る「新しい教育」のストーリー(2026.7.22)
白子高校教員研修:生成AIと共に創る「新しい教育」のストーリー(2026.7.22)
2026年7月22日に三重県立白子高等学校にて行いました教員研修「実践事例から学ぶAIを活用した授業設計・実施・改善」について,講師を務めた私(廣田千明)自身の視点から,そのねらいや当日の内容,そして先生方の反応を報告させていただきます.
【講師レポート】白子高校教員研修:生成AIと共に創る「新しい教育」のストーリー
三重県に拠点を移して日が浅い私にとって,地域の教育現場の先生方と直接対話し,学びを共有できる機会をいただけたことは何よりの喜びでした.今回の研修では,単なる技術の紹介ではなく,「AIをパートナーとして,教師が本来向き合いたい仕事に集中できる環境をどう創るか」という本質的なテーマを掲げました.
研修のねらい:マインドセットの転換
2022年11月のChatGPT登場以降,世界は劇的に変化しました.これからの時代,AIが得意な「正解のある問題を解く力」の価値は相対的に低下し,人間にしかできない「問いを立てる力」や「答えのない課題に取り組む力」が重要になります.
研修では,先生方に「AIは敵ではなく,事務作業などの『やりたくないこと』を任せ,生徒と向き合う『やりたいこと』に時間を割くための最高の相棒である」というメッセージを伝えたいと考えました.
圧倒的な「時短」を体感する:59分の効率化
研修の冒頭では,先生方に事前に回答いただいたアンケートデータの分析を実演しました.
従来の集計:Excelの関数やピボットテーブルを駆使しても,複数回答の集計には専門知識が必要で,1時間ほどかかります.
Gemini Notebook(NotebookLM)での集計:指定のファイルを読み込ませ,「項目ごとに集計して」と命じるだけで,わずか1分足らずで完了しました.
この「59分の時短」という具体的かつ衝撃的なデモンストレーションを通じて,AI活用の実利を肌で感じていただきました.
授業設計への具体的活用:白子高校の特色に合わせて
さらに,私の出前授業での実践例をベースに,AIを授業の各フェーズでどう使うかを紹介しました.
授業前:特定の学科(生活創造科など)にマッチする学習コンテンツの選定や,スライド構成の批判的チェック.
授業中?:講義資料に基づいた「理解度確認テスト(クイズ)」の自動生成.
授業後:生徒の振り返りアンケートの感情分析や授業改善案の抽出.
特に,生活創造科の生徒を想定した「赤ちゃんのうつぶせ寝を検知するプログラム」など,学科の特性に応じた活用案をAIにシミュレーションさせる手法は,多くの関心を集めました.
研修の結果:先生方の振り返りから
研修後のアンケート結果を分析すると,満足度(非常に満足・満足)の合計が93.3%という非常に高い評価をいただきました.自由記述欄からは,以下のような前向きな変化が読み取れました.
心理的ハードルの払拭:「AIは敵ではないと思えた」「『変化は避けられない』という言葉が印象に残った.大人がまず学び,適切な活用を伝える責任がある」といった声が寄せられました.
具体的な活用意欲:「小テスト作成やアンケート集計に早速使いたい」「時間割作成や分掌業務の効率化に挑戦してみたい」といった,即践的なアイデアが数多く挙がりました.
課題:一方で「進みが早くて操作に戸惑った」という意見もあり,個々の熟達度に合わせた継続的な支援の必要性も再確認しました.
結びに:情報の提供から,自分自身のストーリーへ
研修の最後に,私は「情報は提供しました.この先は先生方が自分自身のストーリーを作成してください」と締めくくりました.
AIというツールを手にした白子高校の先生方が,これからどのような「新しい教育」をデザインし,生徒たちの未来を切り拓いていかれるのか.私はこれからも,その挑戦を最大限に応援し続けたいと思います.