AI時代を生き抜く「問いを立てる力」—津東高校出前授業レポート(2026.7.6)
AI時代を生き抜く「問いを立てる力」—津東高校出前授業レポート(2026.7.6)
2026年7月6日,三重県立津東高校にお邪魔して,探究学習と生成AIをテーマに出前授業を行ってきました.当日の様子や生徒たちに伝えたかった想いを,講師の視点から報告いたします.
AIは「答え」を聞くツールじゃない.津東高校で伝えた「最強のパートナー」の作り方
今回の授業で私が一番伝えたかったのは,「AIをどう使うかで,君たちの能力は伸びもするし,落ちもする」という厳しい現実です.
「答え」に飛びつかない勇気を
今の時代、AIに「〇〇についてレポートを書いて」と頼めば,それなりのものが一瞬で出てきます.でも,それをコピペして提出しても,生徒たちの能力は1ミリも伸びません.
授業では,あえて厳しい話をしました.
成績が落ちる人:AIに「答え」を聞く人
成績が伸びる人:AIに「解き方」や「問い」を聞く人
AIは「近所に住んでいる超絶やさしい天才」のようなものです.その天才にいつも答えを教えてもらっていたら,自分では何もできない人になってしまいますよね.だからこそ,AIを「壁打ち相手」として使い,自分の考えを揺さぶってもらうことが大事なんです.
「人間→AI→人間」の思考サイクル
私が提案したのは,この3ステップです.
1. 人間: まずは自分の頭で考える.
2. AI: 自分の考えをAIにぶつけ,視点を広げたり弱点を指摘してもらったりする.
3. 人間: AIの意見を参考に,最後は必ず自分の言葉でまとめる.
探究学習の「問いを立てる」「調べる」「考える」「まとめる」という各段階で,このサイクルを回すための具体的なプロンプト(質問のコツ)も紹介しました.
私自身の「失敗」もさらけ出しました
授業では,私自身の活用例も紹介しました.実は,私の授業をAIに分析させたら「自慢話が多いです」と怒られてしまったことがあるんです.でも,そうやって客観的な批判をくれる存在がいるからこそ,人間は成長できます.
また,AIはもっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくこともあります.だからこそ,最後に判断するのは常に「人間」である君たちでなければなりません.
津東高校の生徒や先生たちの反応
振り返りアンケートを読んで,とても嬉しくなりました.
「『壁打ち相手』という言葉が一番しっくりきた」
「大学入試や就職を見据えて,今のうちから使いこなせるようになりたい」
「『人間→AI→人間』という流れに納得した」
生徒たちの85%以上がポジティブな反応を示してくれました.AIを魔法の杖ではなく,「自分の脳を拡張するためのパートナー」として捉え直してくれたようです.
最後に:AI時代を生きる君たちへ
これからの社会で価値を持つのは,知識の量ではありません.「自ら問いを立てる力」と,「AIと協働する力」です.
津東高校の皆さんが,AIを「答えを出す機械」ではなく,「自分を成長させてくれる最強のパートナー」として使いこなし,素晴らしい探究活動を展開してくれることを心から願っています.