以前,熊本市のCATVインターネットサービスが KCN から J:COM に替わった際,「CATVインターネット(回線速度)」というタイトルでブログを書いた(2015.5.27).運営会社が J:COMになると,テレビ,電話,インターネット,電力などの複合的なサービスが開始された.我家は,Wi-Fi 利用を考慮してインターネットの回線速度は「160 Mbps」に変更したが,その後 320 Mbps増速された.それにしても増速感がないので,散発的に記録しておいた回線速度(Ookla Speedtest beta版)をグラフにしてみた.データは最近3か月間の速度変化である.4月初めから5月大型連休明けまでは悲惨な状態である.10−30Mbps程度であった.
平成29年3月25日〜6月10日の回線速度
調べてみると速度に関しては文句は言えないらしい.CATVネットの契約では,「320 Mbps」を保証するものではない,「下り320 Mbps,上り10 Mbps 仕様の機器を利用したベストエフォートサービスです」と書かれている.
会社に問い合わせる前に,ユーザー側でできることをやっておく必要があると思い,5月連休明けにいろいろ行ってみた.例えば,無線 n/g/b (2.4GHz) に加えて,無線 n/a (5GHz) が使えるように無線子機のレベルアップを行った.その結果,最高速度は無線 n/g/b (2.4GHz) では 80 Mbps, 無線 n/a (5GHz)では 100 Mbps に近い値が得られるようになった.ところが,最近,また極端に遅くなり,それが1週間近く続いた.次図の5月22日と6月1日の間の部分である.回線速度は10〜20 Mbps 程度であることが分かる.これはひどいと思い,業者に連絡する前にルーターを複数回リセット(電源コードの抜き差し)を行った後,162 Mbps にアップした.その後,遅いと感じたらリセットを行いながら利用することにした.ちなみに,6月10日午前10時の無線LAN速度は以下のとおりである.
DOWNLOAD 86.67 Mbps UPLOAD 9.63 Mbps
DOWNLOAD 90.00 Mbps UPLOAD 9.61 Mbps
結論として言えるのは,CATV インターネットが遅いのは回線方式 が FTTN (Fiber To The Node) 方式であるためらしい.FTTN 方式では,一定数のユーザーグループ宅近くに設置された分配器(ノード)までは光ケーブル(ガラス)が使われているが,それから先は同軸ケーブル(銅)を使って,グループ化された夫々の世帯に接続されている.これに対し,光ファイバー回線の場合,FTTH (Fiber To The Home)と呼ばれ,光回線の終端装置 (ONU) を個人宅に設置して,光ケーブルを一般家庭に引き込むため,高速通信が可能である.極端に単純化した説明になったが,集合住宅などでは両者の中間に位置する接続方式も存在する.
次図は6月11日日曜日の午後9時半過ぎの回線速度である[図中左端の時刻はグリニッジ標準時,赤字は日本標準時(+9時間)].40分位超低速が続いた.最近,スマホ利用の際,自宅に無線LAN環境がある人は自宅ではWi-Fi接続の設定をすることが多いため,CATV回線が混むようになったのではないかと思われる.
夕刻は極端に回線速度が遅くなる傾向がある.有線接続に切り替えても同様である.調子が良い時は,有線では230Mbps程度,無線はその半分程度である.一日中何時でもアクセスできる身としては,この程度であれば光回線への乗換の勧誘に乗る必要はないと思っている.
追記
タブロイド端末 (Google Nexus 2012, Wi-Fi 2.4 Mbps) では,パソコン (Wi-Fi 5.0 Mbps) の2-3割程度の速度.親類の家の CATV も似たような結果であった.
参考資料
・無線LAN速度データの測定環境:モデム&ルーター BCW710J2,無線LAN n/a (5GHz),無線子機 AirMac Extreme (802.11 a/b/g/n対応),パソコン Mac mini 2012 (Core i5).回線速度の測定 Ookla の Speedtest (Beta) Web 版を使用.
・n/g/b(2.4GHz) 無線LAN の測定結果 (Lenovo C305 (WIndows 10) を無線LANコンバーター MZK-300N2 を介して接続) 6月2日以降は70-80Mbps程度