11月16日日曜日。15時20分。アイプラザ一宮にて。
ブルスタ6連覇をかけた戦いが始まる。
静まり返った客席に、チューニングの音がひとつ。
ステージで深く息を吸うメンバーたちの表情には、緊張と覚悟が同時に刻まれていた。
これまで積み重ねてきた練習、衝突、そして乗り越えてきた夜の数々が、今この瞬間に集約される。
照明が落ち、会場が暗転する。
一拍の沈黙のあと、ドラムのカウントが鳴り響いた。
その一音で空気が変わる。
拍手がうねりとなり、音楽が意思を持って前へ進み出す。
勝ち負けではない、ただ“ブルスタの音楽”を証明するためのステージ。
5連覇か、歴史の終わりか。
その答えは、これから鳴らす一音一音に委ねられていた。
ステージに立つと、視界いっぱいに広がる客席。
1曲目のイントロが鳴った瞬間、緊張は確信へと変わった。
セトリは2曲。
攻めの1曲目。Where Y' At - Slip
ソリスト、Tsツナ、Tbてまり。
会場の空気を一気に掴み、これまで磨き上げてきた表現力と一体感を余すことなくぶつける。
音が重なり、うねり、ブルスタの歴史そのものがステージ上に立ち上がっていった。
2曲目。The “Pretty” Road
ソリスト、Ssもりきた、Flhこん。
照明がやわらかく変わり、幻想的な世界がステージに広がった。
静かな導入から、音はゆっくりと道を描くように進んでいく。音が重なった瞬間、
会場全体がひとつの感情に包み込まれた。
派手さではなく、深く染み込むような感動。
幻想的な旋律は、聴く人それぞれの記憶や想いを呼び起こし、ブルスタと観客を静かにつないでいった。
最後の一音が消えるまで、誰も拍手を忘れていた。
一瞬の静寂ののち、割れんばかりの拍手。
全てを出し切ったメンバーは、顔を見合わせ、静かにうなずいた。
そして結果発表。
「最優秀セクション賞、トロンボーンセクション」
名前が呼ばれた瞬間、トロンボーンのメンバーが互いに肩を叩き合う。
低音で支え、前に出て、音楽を動かしてきた誇りが、確かに形となった。
さらに続くアナウンス。
「最優秀賞――愛知大学blue stars jazz orchestra 」
その瞬間、歓声があふれ出す。
6連覇達成。誰もが簡単ではなかった道のりを思い出していた。
ステージを降りる頃、時計はすでに夕方を指していた。
だが、この日の音と景色は、
これからもブルスタの中で鳴り続ける。
Where Y'AT - SLIP
The 'Pretty' Road