16歳の時、学校行事で歌舞伎の観劇に行き、花道を駆け抜けた役者に一目惚れをした。それが私と「歌舞伎」との出会いでした。
歌舞伎はその時の流行やニュースがお芝居になり、人気の役者が演じます。江戸の庶民はそれに心を躍らせました。
現代の私も、役者の格好良さや可愛らしさ、舞台の華やかさにワクワクしたり、時には涙したりと楽しみます。
舞台はテレビや映画のようにCG等は無く、カメラワークもありませんが、BGMは生演奏、効果音も舞台の端で役者に合わせて派手に、時には物悲しくと自由自在です。
「歌舞伎十八番」と言われる江戸の代表的なお話にはヒーロー物が多く、女性も粋でストレート、かっこいいヒロインが多い。
役の特徴を生かした「見得」というストップモーションのポーズは、その登場人物にカメラがズームアップしたような効果をもたらし、衣装や小道具が派手なので、そのポーズを取ることで顔の周りにCGで彩られたようなインパクトがあったりと、他の演劇には無い特徴が散りばめられています。
そんな決めポーズや台詞、好きな役者の見せ場では拍手喝采!!観客が舞台を盛り上げるのも醍醐味です。
情緒ある恋愛物なら遊女と町人の悲恋、心中する話などがあり、元々関西で好まれました。男性は江戸に比べて色気のある優男、芯が強くて一途な女性が主人公。思わず固唾を呑んで見守ります。
その他にも泥棒に妖怪や幽霊が出てくる話、勇ましいお姫様が出てくる話など、バラエティは沢山!
そして、劇場では1つのストーリーのクライマックスだけ、有名な場面だけを切り取ってやる事が多いので、一日で色々なお芝居を観る事ができます。
少し言葉が難しい武家の話も、イヤホンガイドという実況解説してくれるツールがあるので心配無用です。
現代からタイムスリップして日常を忘れ、その世界に浸る。
想像力をお供に、私はまた歌舞伎を観に劇場に足を運びます。