香「父さん、お帰り」
壮司「ただいま。・・・・・・他はもう寝てるのか?」
香「うん。まあこんな時間だしね。母さんは今日も研究室だってさ」
壮司「・・・・・・そうか。よし、香」
香「うん?」
壮司「・・・・・腹は空いてないか?」
香「微妙に」
壮司「・・・・・・なら、ラーメンでも食いに行かないか」
香「いいね。着替えてくるからちょっと待ってて」
壮司「ああ」
アリス「お父さーん、私は?」
壮司「来るか?」
アリス「行くー!」
壮司「・・・・・・クロと礼丹は寝ているのか?」
アリス「クロは起きてるよ。礼丹は気絶中」
壮司「・・・・・今度は誰にやられたんだ」
アリス「真恵」
壮司「・・・・・・・そうか」
香「おまたせー。それじゃあ行こうか。リーブラから聞いてた店があるんだ」
壮司「よし、行こう。アリス、他の姉妹には内緒だぞ」
アリス「もちもち!」
セレシア「・・・・リーブラ?」
リーブラ「おかえりなさい、お母様。何かご用ですか?」
セレシア「あの、何をしているの?」
リーブラ「瞑想を。現状はこれが一番の鍛錬になりますから」
セレシア「お母さんあなたが何を目指しているのか心配になってきたわ。それで、コスモスとケイオスは」
コスモス「めいそーです・・・・・・」
ケイオス「zzz」
アクエリアス「ケイオスは完全に寝てるわね。コスモスももう寝落ちしそうじゃない。おかえり、母さん」
セレシア「ただいま。・・・・・アクアはしないの?」
アクエリアス「するわけないじゃない」
セレシア「子供たちに謎の瞑想ブームが来てるのかと思ったけど、そうじゃないのね」
アクエリアス「姉さんはしょっちゅうしてるわよ。コスモスとケイオスは真似してるだけ」
セレシア「うーん、やっぱりお母さんリーブラの行く末が心配だわ」
セラフィム「オルレアンちゃーん!」
オルレアン「はい、お母様。どうしました?」
セラフィム「じゃーん!見て見て、新しいお洋服を買ったの!オルレアンちゃんと世界ちゃんに似合うと思って!ほらほら、着て着て」
オルレアン「これは・・・・・ちょっと待ってください。私の中で意見をまとめます」
セラフィム「あら?」
オルレアン「・・・・・・・ダサいに1票、かわいいに1票、眠いに1票入りました。というわけでかわいいと評した裏に来てもらいます」
セラフィム「はーい・・・・・あれ?」
オルレアン「・・・・・・交代完了だぁ!さっさとその服をよこしやがれ!」
セラフィム「どうぞどうぞー」
オルレアン「おらっ、どうだっ!似合ってるか!?」
セラフィム「似合ってる似合ってる!か~わいい~!・・・・・あれ?じゃあダサいって言ったのは?」
オルレアン「間」
セラフィム「思ってた評価と違う!」
オルレアン「ダサいものはダサいから。表はもう寝たわ」
セラフィム「むー、オルレアンちゃん1人で3人だから好みを探すのも大変だわ・・・・・はっ!もういっそ同じのを三着買えばいいんじゃ」
オルレアン「お母様、落ち着いて。結局ダサいのを私が着ることになる」
リーブラ「香様!」
香「あれ、リーブラ?なんでここに?」
セレシア「たまにはと思って夜食を食べにきたの。こんばんは、香君。それと、壮司さん」
アリス「アリスちゃんもいるよ!」
アクア「でしょうね。こんばんは、香、アリス、おじさん」
壮司「ああ、こんばんは」
香「さすがにコスモスとケイオスは来てないか」
セレシア「こんな夜遅くにあの子たちを連れてこれないわ」
アクア「こんな普通の店にあの子たちをつれてこれるわけがないじゃない」
リーブラ「香様とおじさまも珍しいですね。お二人がこうやって夜に出てくるイメージがないです」
香「まあ普段出ないからね」
壮司「・・・・・・今日は、なんとなくだ」
セレシア「ふふ、私たちもですよ」
アクア「・・・・ねえ、もしかして姉さん、香が来るって知っててここを選んだんじゃ・・・・?」
アリス「リーブラならやりかねないね」
リーブラ「失礼な!私が盗聴器を仕掛けてるのは部屋だけだからそこ以外での会話はわからないわよ!」
セレシア「ウチの娘がご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません」
壮司「まあ、なんだ。リーブラちゃん、ほどほどにな」
アクア「ほどほどならいいの!?」カチャカチャ
アリス「アクア、その手に持ってるのは何?」
アクア「え、ほどほどならカメラも許されるんじゃないかなって」
香「それを仕掛けるにしてもせめて僕がいないところで出すべきなんじゃないのかな?」
リーブラ「まあ、店の前で話し続けるのもなんですし、そろそろ入りましょう。香様、ここのお店は豚骨チャーシューラーメンがおすすめです」
アクア「は?ここは醤油野菜盛りが一番でしょ?」
セレシア「ふたりともまだまだ子供ね。無駄なトッピングを加えない塩ラーメンこそが至高に決まってるじゃない」
香「父さん、クロが全部食べたいってさ。僕は豚骨で」
リーブラ「っし!」
アクア「ちっ」
アリス「私味噌でー」
壮司「・・・・・・カレーラーメンか・・・・・そそられるな・・・・」
蓬莱「なあ、母さんや」
紫苑「うふふ、なあに?」
蓬莱「左右から挟まれて非常にうっとうしいんだが」
風月「蓬莱ちゃん、蓬莱ちゃん、蓬莱ちゃん!すーーーーはーーーーーすーーーーーはーーーーー!」
蓬莱「動けないんだが。暑いんだが」
紫苑「もー、しばらく会ってなかったんだからいいでしょー。私にも蓬莱ちゃん分を補給させて」
風月「ああ、空気がおいしい・・・・・・今この瞬間を肺に取り入れないと!」
蓬莱「あたしは定例報告に来ただけのはずだぜ?さっさと帰りたいんだが」
紫苑「あ、そうだったわね。どう、お父さんは。借金ちゃんと返せてる?」
蓬莱「割と順調だよ。おい、変態。尻を触るな」
風月「はぁぁ、蓬莱ちゃんのちっちゃいおしりやわらかいよぉ、かわいいよぉ」
蓬莱「食べるもの、生活用品、その他いろいろと変えていってるからな。主婦の節約術とか調べさせてるし。変態、頬をつつくな」
風月「蓬莱ちゃんのましゅまろほっぺ・・・指先でぷにっぷにぃぃーーー!!!」
紫苑「蓬莱ちゃんの生活はどう?不便はしてないかしら?」
蓬莱「まったくしてないよ。上海もオルレアンもいるし、万能家電ロボとかどこでもドア幽霊とかいて楽しいしな」
風月「薫先輩の家だから私は大して心配してなかったけどね。あ、でもあの男に手は出されてない?大丈夫?」
蓬莱「香の兄貴が手を出すわけないだろ。あの人は幽さん一筋だ。てかあの家の男は二人とも自分のパートナー以外に手を出す人じゃねえぞ」
紫苑「建前はそれくらいにして本当は?」
蓬莱「あんだけ女いてなんで手ぇ出さねえんだよさっさと出しやがってくださいこのやろー!・・・・・あ」
紫苑「あらあら」
風月「・・・・・・はしたないことだけはダメよ?」
蓬莱「お前が言うな」
紫苑「風月ちゃんはどうなの?バイトの子と上手くいってるの?」
蓬莱「あ、それ聞きたかったんだよ!どうなんだどうなんだ?」
風月「わ、私のことはいいでしょ、別に。それに、緋石とは何もないわ。年の差もあるし、手を出したら犯罪だし・・・・」
蓬莱「つまり歳の差がなけりゃ問題なかったと。奥さん、聞きました?」
紫苑「ええ、もちろん。蓬莱ちゃんの次は風月ちゃんよ!徹底的に聞かせてもらうからね!普段会えない分!」
風月「もうやめてー!!!」
スララ「ふむ、なにやら向こうの席が騒がしいな」
緋石「文句言いに行ったりしないでくれよ、母さん」
金剛「ファミレスに来て盛り上がるなんてよくある話だし、気にすることないわよ」
翠石「ハンバーグ・・・・・スパゲッティ・・・・・ピザ・・・・・どれにしよう?」
蒼石「地上の楽園にするか、それとも天の宴にするか・・・・・」
スララ「相も変わらずお前たちの父は忙しいようだ。今はカンボジアにいるのだったかな」
金剛「お父さんのお仕事もお母さんのお仕事も大変よね。私には真似できないわ」
緋石「何を言いますか元CQC部」
蒼石「えっ、なにそれ」
翠石「お母さん、しーきゅーしーってなに?」
スララ「近接格闘術だ。やってみるか?」
緋石「7歳児に乱暴なことを仕込もうとするのやめようぜ」
蒼石「我が妹に体術は似合わぬ!」
金剛「やるとしても大きくなってからね。今母さんが指導したら身体が壊れちゃうわ」
翠石「?」
スララ「冗談だ。この平和な国平和な場所でそんなものは必要ない。護身術程度なら金剛なり緋石なりに教わった方がいい。私のは今の世には合っていない」
金剛「でも、私はお母さんが強いのを誇りに思ってるわよ。遠い場所とはいえ、人を守っているんですもの」
翠石「お母さん!私、ハンバーグにする!」
スララ「ふっ、そうか。なら呼び鈴を押すといい」
翠石「はーい!てやっ!」
蒼石「あっ、待って、私がまだ・・・・・」
緋石「店員が来るまでに決めないとな。はーいじゅうー、きゅうー」
蒼石「わわわっ、えっと、えっとぉ、こ、このマグロ丼で!」
金剛「私はカレーで」
緋石「俺こっちのスパゲティな。大盛で」
スララ「ああ、好きなものを食え。普段不便を強いている分だ」
エリー「お母さーん、世界史教えてー」
フェア「ええ・・・・なんで家でまで仕事やらないといけないのよ。それに、私が教えてるのは中学生向けよ?」
エリー「いやいや、それでいいの」
フェア「はい?」
エリー「この世には中学生レベルの世界史すらわからない人間がいるんだよ」フッ
フェア「え、それってエリーのことじゃないわよね?さすがにそんなわけないわよね?」
エリー「そんなわけないでしょ!葵・・・・友達がね、こう、とことん暗記苦手でさ・・・・・計算とかはガンガンできるのに・・・・」
フェア「・・・・エリーたちって理系よね?それでいいんじゃないの?」
エリー「今の時代理系に理系能力のみが求められてるわけがないでしょ」
フェア「まあ私もちゃらんぽらんだったけどなんとかなってるし、大丈夫大丈夫」
エリー「お母さんの大丈夫はあてにしちゃいけない大丈夫だって私知ってるんだよ」
フェア「んじゃ、うちのダメな子ように要点だけまとめてるやつあげるからそれでなんとかしてあげて」
エリー「ほんと?ありがとう!やっぱり持つべきものは有能な親だよね!」
フェア「それもしかして同じこと言われてない?」
エリー「言われてる」
フェア「あなた、それでいいの?いや、エリーがそれでいいならそれでいいんだけど」
エリー「お母さんも同じようなこと言ってたってフレインさんに聞いたよ?」
フェア「でもフレインも似たようなこと言ってたし、やっぱ人間も魔物も妖精もみんな都合がいいのよ」
エリー「だよねー」
ルーナ「ねえ、お母さん。ちょっといい?」
レーラ「自分でやりなさい」
ルーナ「まだ何も言ってないのに!」
レーラ「レポートどうしようって話なんでしょ?そんなもの母親に頼るものじゃないわよ」
ルーナ「な、なんでわかったの・・・・」
レーラ「リルに代行を頼みに行ったって聞いたわ。いくら姉とはいえ、教授のリルがそんなことするわけないでしょ」
ルーナ「うー、やっぱり自分でやらなきゃだめかぁ・・・・・あ、お母さんの論文ってどこしまってある?」
レーラ「私の書いた文は全部城の図書館の中よ。キースに聞けばわかるんじゃないかしら」
ルーナ「はーい。ウチの人たちってどの分野でもたいてい論文あるから引用は楽なんだよね~♪」
レーラ「それなのに代行をさせようとしたの・・・・」
ルーナ「いやぁ、それでも楽できるとこは楽したいし」
レーラ「楽とサボるは別物よ。ちなみに、何の講義なの?」
ルーナ「心理学」
レーラ「・・・・それだったら私よりも薫のとこの子が書いたものを使った方がいいわ。薫に連絡してみなさい」
ルーナ「はーい。そうやってなんだかんだ手伝ってくれるお母さんのこと大好きだよー」
レーラ「・・・・甘やかしすぎ、なのかしら?」
上海「・・・・・・」キョロキョロ
地海「お姉ちゃん、おまたせ」
上海「遅かったじゃない。なにかあったの?」
地海「えっと、あの・・・・・ごめんなさい・・・・・」
美鈴「しゃんは」
上海「オラァ!」ドゴォ
美鈴「ぐふっ!」
地海「お姉ちゃん!?」
上海「まったく、呼んでもないのに来てんじゃないわよ」
美鈴「い、いいパンチね・・・・・」
上海「元CQC部の薫さんに護身術習ってるから」
美鈴「お母さんちょっと本気で上海のいる環境が心配になってきたわ。・・・・・ていうか、CQCってなにかしら?」
上海「ggrks」
地海「お母さん、どうしてもついてくるって聞かなくて・・・・」
美鈴「ねえ、上海。やっぱりそろそろ・・・・・」
上海「帰るんなら一人で帰って頂戴。地海、それつれてさっさと帰って」
地海「そんな!せっかくお姉ちゃんと・・・・・」
美鈴「もう!そんなこと言わなくていいでしょ!来てすぐに帰れだなんて地海がかわいそうじゃない!」
上海「てめーがいるからだよさっさと帰れ」
美鈴「いーや、上海が家に帰ってくるまでお母さんてこでもここを動きませんからね!」
上海「だってさ。地海、それが動かないらしいからさっさと行くわよ」
地海「え、い、いいの?」
美鈴「え?」
上海「てこでも動く気がないらしいから仕方ないわよ。私たちにはどうしようもないわ。これから買い物に行くのにどうして家に帰るのか理解に苦しむし」
美鈴「あの、上海?それは言葉の綾ってやつで・・・・」
上海「それじゃあてこでも動かないでね、お母さん」
地海「ええっと、ええっと、お母さん、ごめんね?」オロオロ
美鈴「前言撤回!絶対ついていくんだから!」
上海「ついてくんなよ帰れよ」
玖美「つぎはあっち!あっちの服がカワイイってステラが言ってた!」
メアリー「ほんとですか!?行きます行きます!」
日輪「真恵はどうする?一緒に行く?」
真恵「じゃあボクも行くー!」
薫「いやー、姉妹団らんっていいわねー。香には申し訳ないけど、たまにはこういうのもね」カシャシャシャシャシャシャ
リル「香は香でお父さんと仲良くしてるから、私は娘たちとコミュニケーションよ!アリス、ぎゅーっ!」
アリス「ぅゎぁゃぁらかぃ。てか、私も昨日一緒にラーメン行ったんだけどいいの?」
リル「いいのいいの。さ、アリスも好きなもの買っていいのよー?」
アリス「や、アリスちゃん欲しいものは自分で手に入れる主義なんで」
薫「いまいちアリスが甘えてくれないのよねぇ。香にはどうなの?」
玖美「微妙に距離を置いてる感あるよねー」
アリス「う・・・・だって、なんだかんだ引け目が・・・・・」
日輪「アリス、クレープ食べましょ。あそこのやつおいしいってながれが言ってたの」
アリス「えっ、えっ?」
メアリー「捕まえました!」
真恵「れんこーするよ!」
リル「支払いは任せなさい!」
アリス「にゃああ!自分で、自分で行くから!わかったからー!」
玖美「そのガリガリな身体をもっと太らせるのだ!」
アリス「アリスちゃんもう死んでるから!もう太らないからー!」
日輪「それはそれでムカつく」
玖美「今アリス世の中の女子の9割に喧嘩売ったよ?」
真恵「売られたケンカはかってやる!」
メアリー「ハニークレープ!私ハニークレープが食べたいです!」
リル「みんなも注文決めてねー」
玖美「あたしバナナチョコ」
薫「チョコカスタード」
日輪「キャラメルブラウニーで」
アリス「え、じゃあアップルプリンセスで」
真恵「全部!」
リル「このメニューにあるやつ全部くださーい」
アリス「聞いた意味あった?」
マリン「母よ。突然に日本に来たというから急いで向かってみれば・・・・」
竜神「はろはろ~、まりり~ん」
マリン「なんだその恰好は!鉢巻に眼鏡にリュックサックにチェックのTシャツで両手に紙袋!?」
竜神「いやいや、日本で買い物してると楽しいよね。お母さんついいろいろと買い過ぎちゃう」
マリン「しかも買っているものは同人誌ばかりじゃないか・・・・・え、まさかこれを買うためにきたのか?」
竜神「そうだけど?」
マリン「また税関で止められるぞ!今回は何キロ買ったんだ!手荷物とか言う量じゃないだろう!」
竜神「やだなー、軽く30キロ程度だって」
マリン「30キロを程度というやつがあるか!」
竜神「それに今回は税関対策ばっちりよ!すでにピピに荷物の搬入を依頼してあるから!」
マリン「密輸じゃないか!」
竜神「マリン、バレなければ犯罪ではないのだよ。ましてや危険物を持ち込んでいるわけでもなしに、そのような些細なことを気にする必要はない」
マリン「たまにその口調で喋り出すと鳥肌が立つのでやめてもらえないか」
竜神「そういうわけだからまだまだ秋葉を練り歩くわよ!マリン、ついて来なさい!」
マリン「いや、私は帰るから一人で行ってくれ」
ルルト「おーい、エクレアー!」
エクレア「母さん、突然現れてバイクに並走・・・・じゃないな、並んで飛ぶのはやめてほしいかな。さすがの僕も多少は動揺するからね」
ルルト「あー、ごめんね。ひさしぶりに見かけたものだからつい」
エクレア「ちょっと待って、あと5キロぐらい行った先に休憩スペースがあるからそこでいったん止まろう」
ルルト「りょうかーい」
・・・・・・
エクレア「母さんがこっちに来てるなんて珍しいな。仕事?」
ルルト「いやいや、一週間ぐらいは休みをもらってるんだ。それで、日本にいる友人たちを訪ねてるってとこさ」
エクレア「ふむ、となるとフレインさん?それともフレアさん?」
ルルト「両方だよ。中々会う機会がないから、たまに会うとみんなすごく変わってるんだよね」
エクレア「母さんは世界中を文字通り飛び回ってるわけだしね。尊敬するよ」
ルルト「まあ仕事だからね。そっちの次の撮影はいつ?」
エクレア「来週さ。間が空いてるからこうやってバイクで走り回れるわけだけれども・・・・」
エクレア「それにあのバイク、結構スピード出てたはずなんだけどな。どうやったら並んで飛べるのやら」
ルルト「まあ僕は昔っからスピードだけは誰にも負けなかったから。今も長距離飛行って点で見れば僕を超える存在はいないさ」
エクレア「それは、レーラさんでも?」
ルルト「レーラは長距離飛行が苦手なんだよ。まあ吸血鬼ってことで蝙蝠に近い種族だから、速く長く飛べるようには進化してないんだ」
エクレア「へぇ。それじゃ、この後はどうする?」
ルルト「このままキルに会いに行こうかなって。エクレアはどうする?」
エクレア「そうだな、僕も久しぶりに姉妹に会いに行くか。オーケー、じゃあもうひとっ走り行ってくる!」
ルルト「じゃあねー!事故には気をつけてー!」
リル「ふ~、お腹いっぱい・・・・・全部買うのはやりすぎだったかしら?」
リル(真恵と日輪と薫は向こうのオモチャコーナーに。玖美とアリスとメアリーはお人形コーナーに行ったわね。姉妹でもこうやって好みがわかれるのは面白いわ)
リル(んー、薫と玖美以外にもちゃんとお母さんとして接してるつもりだけど、ちゃんとできてるのかしら・・・・)
リル(無理に仲良くしようとしすぎて、逆に距離を感じたりとか・・・・・アリスにはそれがあるのかも)
リル(難しいわね。意識の中では全員娘だって思ってるけど、無意識のところでどこか区別しちゃってたらダメだし・・・・・)
「だーれだ?」
リル「えっ?えっ?ちょ、ちょっと待って、すぐ答えるから」
リル(まず真恵とメアリーではない。座ってるとはいえ、私の顔までは背伸びをしないと届かないぐらいの高さだからそうすると必然的にもたれかかる形になる。だけどそれがないから除外)
リル(次に薫と玖美でもない。あの二人が同じことをしたら絶対に胸が背中に当たる。だから除外)
リル(あとは日輪かアリスだけれども、今の声は明らかに日輪のものじゃない。日輪はもうちょっと低めで落ち着いた声)
リル(つまり、ここで導き出される答えは、この声の正体は―)
リル「アリスね!」
「ええっ!?」
リル「あれ、違った・・・・・?あ、お母さん?」
キル「ひどいよ!実のお母さんの声を忘れるだなんて!先月会ったばっかりなのにー!」
リル「あっ、ええっと、固定観念って怖いわね。完全に娘の誰かだと思い込んでたから・・・・」
キル「それでもひどいでしょー」
リル「あといい歳した母親がこんなことやってくるだなんて夢にも思わなくて」
キル「伊達にイノセントキラーって呼ばれてないからね」
リル「え、なにそれ初めて聞いたよ?」
キル「あなたのお母さんはかつて魔物を退治する人の集団からイノセントキラーと呼ばれて恐れられていたのです」
リル「へー。それで、どうしたの?ここに来るなんて珍しいじゃない」
キル「うふふ、目的自体はただのお買い物だけど、悩める娘を見かけたからこうやって声をかけてるんだよ」
リル「え、悩んでるように見えた?」
キル「そうそう。多分子供への接し方で悩んでるんだろうなーって感じだったよ」
リル「え、そこまでわかるの!?」
キル「そうそう。私もルーナとかエリーとかエクレアとかへの接し方に悩んでたもん」
リル「お母さんでも悩むことあるんだ」
キル「失礼な!・・・・・でも、大丈夫だよ。あなたが思ってるよりも、向こうは距離を感じていない」
キル「みんなそれぞれの甘え方っていうのがあるの。だから、甘えられたときに答えてあげればいいんだよ」
リル「お母さん・・・・・」
キル「甘えてくれないって心配することもないよ。だって、姉妹がいるんだから。そっちの方は子供たちがなんとかしてくれる」
キル「だから私たちは、お母さんらしくどーんと構えてぎゅーってしてあげればいいんだよ」
リル「・・・・・うん。ありがと、お母さん。おかげで気が晴れたよ」
キル「ならよかった。それじゃ、折角だしかわいい孫たちに会っていこうかなー」
リル「ふふ、そうね。あの子たちも喜ぶわ」
蓬莱「さーってと、姉貴のドリンクには何を混ぜようかなー」
蒼石「くっくっく、我が兄には混沌たる雫が似合う・・・・ここはやはり大地の苦しみを混ぜ込んで・・・・・」
蓬莱「おっ?」
蒼石「むっ?」
蓬莱「おっす、蒼石。ってことは、緋石もいるのか?」
蒼石「ああ。そちらは、姉君は・・・・」
蓬莱「いるぜ。じゃあ、やることはわかってるな?」
蒼石「イエス、マム」
風月「ちょ、ちょっと、蓬莱?こ、これはどういうことなのかしら?」
蓬莱「え、ファミレスで知り合いがいたら声かけるだろ?普通」
緋石「あ、あの、蒼石さん?」
蒼石「我が兄が世話になっている相手だ、挨拶ぐらいはしておくべきかと」
紫苑「あらあらあら、はじめまして。私風月の母の唐沢紫苑と申します」
スララ「緋石の母のスララです。いつも息子が世話になっています」
紫苑「いえいえ、こちらこそ」
金剛「翠石ー、蒼石ー、蓬莱ちゃん、私たちは向こうの席に移りましょうか」
翠石「はーい!」
緋石「えっ、お、おい、まってくれよ!」
風月「た、宝部先輩!やめてください!おいていかないでください!」
紫苑「まあまあ後は・・・・」
スララ「うむ、若い二人だけでな」
緋石「お見合いかよ!」
風月「お、お見合い・・・・・」カァァ
蓬莱「姉貴もまんざらじゃねーみたいだし、ガキ共は撤収撤収」
緋石「おまえ同い年だろ!?」
金剛「・・・・そういば、私これから風月のことお義姉さんって呼ばないといけないのかしら?年下なのに?」
風月「気が早いですから!もう!」
紫苑「あらあら」
スララ「仲がよさそうで何よりだ」
緋石「もう勘弁してくれーーー!!!!」
美鈴「あっ」
リル「うん?」
日輪「げっ」
上海「あーあ」
薫「あらら」
地海「ああー・・・・」
真恵「んにゃ?」
メアリー「うな?」
玖美「なにがはじまるんです?」
アリス「第三次大戦だ」
キル「え、どういうことー?」
玖美「まあまあ、おばあちゃんはちょっと見ててよ」
美鈴「あらあら、風流さんお久しぶりです。『ウチの』上海はそちらでは元気にしていますか?」
リル「ええ、もちろん。『うちの』上海ちゃんはそれはもう生き生きとしていますよ。とてもいい環境がそろっていますからね」
美鈴「うふふ、それで、そろそろ上海に帰ってくるようにそちらからも言ってもらえないでしょうか?もう2年も家に帰っていませんから」
リル「本人にその意思が無い限りは私の方から干渉することはありませんよ。まさか当人の意思を無視するわけにもいきませんからね」
上海「私帰る気ないから」
リル「と、まあ本人がこうおっしゃってますので、私の方から家を追い出すだなんてそんな非道なこととてもとても」
美鈴「ぐぅっ・・・・・」
キル「・・・・・・ねえ、日輪ちゃん。私が知らないリルがいるんだけど・・・・」
日輪「あの人基本温厚なお母さんが珍しく敵意をむき出しにする人だからね」
キル「ていうか、聞く限りだと上海ちゃんは扱いとしては家出になってて、それを保護するのって現行法じゃ誘拐になるんじゃ・・・・?」
美鈴「そこの子、いいこと言った!誘拐じゃない!」
日輪「お婆ちゃん!どっちの味方なのよ!」
キル「あ、ごめん、つい」
リル「大丈夫よ、日輪。立件されなければそれは犯罪じゃないんだから。大学時代から築いてきたコネがある限り犯罪じゃないわ」
日輪「うわー、目の前で母親が隠蔽やってるの見たらそれはそれでひくわー」
美鈴「いいこと言った!今そっちの子いいこと言った!」
薫「カネとコネは使ってなんぼよ」
玖美「使えるものは使わないとねー」
真恵「よくわからないけどそれでいいんじゃないかな?」
メアリー「アリス、コネってなんですか?」
アリス「友達がいっぱいいるってことでいいんじゃないかな」
上海「それでいうと地海はコネが少なくなるわねー」
地海「うぐっ・・・・・と、友達は量じゃなくて質だと思うな。ね、玖美ちゃん?」
玖美「あたしひきこもりともだちすくないからわからない」
キル「うーん、我が娘ながらゲスい考えでどうかと思うな。いや、私も使うものは使うけどさ」
美鈴「せっかくいいこと言ってたのに!」
日輪「でも自分で追い出しといて今更帰ってきて欲しいとか言うのも虫が良すぎる話だと思う」
美鈴「うぐっ・・・・あ、あれは・・・・その・・・・」
日輪「誠意は言葉じゃなくて態度でみせるものだから。ね、母さん」
リル「・・・・お母さん、日輪ちゃんがこの中で一番大人してるんだけど。どうしよう、私母親としての自信なくなってきた」
キル「お婆ちゃん的に見ても正論過ぎて胸が痛いよ」
薫「姉としても日輪の正論は胸に刺さるわね」
玖美「お説教されると全部正しいから言い返せない」
真恵「日輪こわいー」
上海「基本品行方正だから生き方としては絶対に見習うべきなんだろうけどいざやろうと思うとすごく難しいよね」
日輪「あんたらは一回自分を見直せ」
メアリー「これって単にみなさんがだらしないだけなんじゃ・・・・」
玖美「ただいまー」
香「おかえり。どうだった?」
リル「まーた勝っちゃったわ。敗北を知りたいわね」
壮司「・・・・・またか」
薫「やー、買い物してたら途中で斉藤さん親子に会ってねー」
真恵「お母さんがなんか笑ってたのに怖かったねー」
メアリー「クレープおいしかったです!はちみつがいっぱいで!とろとろで!」
香「そうかそうか、それはよかった。今度僕もつれてってほしいなー」
メアリー「はい!ごあんないします!」
アリス「お兄ちゃん、お父さん、これお土産ー」
壮司「・・・・・・カップめん?」
アリス「そうそう。なんか限定10個!とか書いててさ!アリスちゃん思わず10個全部買い占めちゃったよ」
日輪「サルミアッキヌードル・・・・・なにをどうしたらこんなものが生まれるのかわからないわね」
キル「あ、でもこれアザラシ製菓のやつだよ?ってことはルーちゃん考案なんじゃないかな?」
壮司「お義母さんも来ていたんですか。お久しぶりです」
キル「お久しぶりー」
香「・・・・よし!みんなが帰ってきたらまたゲーム大会を開こう!」
日輪「もう!ほんと碌なこと考えないわね!」
薫「負けたらサルミアッキヌードルね!絶対回避してやる!」
玖美「よーし、うでがなるぞー!」
真恵「かたもなるぞー!ばきばきー!」
メアリー「・・・・・手はなりませんでした!」
日輪「鳴らさなくていいのよー。はあ、がんばって最下位回避しよう・・・・」
リル「ふふ、じゃあみんなが帰ってくる前にごはん作っちゃうわね。食べ終わったらすぐにはじめましょう?」
アリス「・・・・え、なんか罰ゲームの流れだけど、サルミアッキおいしくない?」
薫「え?」
香「え?」
リル「え?」
キル「ノーコメント」
アリス「あれ?」