リーブラ「香様、中等部入学おめでとうございます」
香「ありがとう、リーブラ。しかしまあ、今日から中学生かー。友達、できるかなー?」
アリス「友達欲しいの?」
香「うん。こう、幼馴染とは違う感じの、お互いに弄り合うような友達が欲しい」
リーブラ「香様が望むなら私は・・・・・いえ、私に香様を弄ぶだなんてそんなこと・・・・・」
香「リーブラ、深刻に考えすぎだよ」
草華「あ、やっぱりここにいた。リーブラ?」
リーブラ「あら、何か用?今私は忙しいのだけれど」
草華「もうすぐ生徒会の会議の時間でしょ。ポーラさんが探してたわよ」
リーブラ「意見書や報告書はすでに作ってあるからそれを読むだけで十分よ。香様との時間を邪魔しないで」
香「リーブラ、僕のことはいいから行ってきなよ」
草華「ほら、香君もこう言ってるし、行くよ」
リーブラ「はいはい。それでは香様、また後ほど」
アリス「リーブラのお兄ちゃんスキーはまだまだ続きそうだね」
香「好かれることに嫌な気はしないけど、リーブラの方の生活は大丈夫なのかな?そこが心配だ」
アリス「あれで迷惑しないお兄ちゃんもお兄ちゃんだよね」
香「自分を好いてくれることに迷惑なんてするはずないだろ」
アリス「いやいやいや、世の中にはストーカーとかそういうのがありましてね」
香「自称守護霊がそれを言うか」
アリス「アリスちゃんはストーカーじゃないしー、守ってるしー」
礼丹「お望みとあらば排除しますが?」
香「礼丹も同じ穴の狢だと思うんだけど」
礼丹「そんなことはありませんよ。私はこう見えて香の役に立ちそうなことはしています。免許を取ったりだとか」
アリス「え、何の?」
礼丹「先日大型1種の自動車免許を取得しました。バスの運転ぐらいなら可能です」
アリス「うわー、意外とアグレッシブ」
香「そうだね、もし急ぎで玖美を病院に連れて行かないといけないとか、そういう時は頼むよ」
礼丹「はい、お任せくださいな」
アリス「むむむ、アリスちゃんも何か取るべきなのか・・・・・でも戸籍上永遠に12歳だしなぁ」
香「さて、さっきから周りが僕をみてひそひそしてるのはなんでだと思う?」
アリス「私とかリーブラみたいなよくわからないのが来て喋ってるから」
礼丹「あと、私は姿をあなたたち以外には見せてませんのでそれもありますかね」
香「あ、つまりあれか。今僕は痛い子扱いされてるってことか?」
アリス「少なくともヤバイやつ扱いなのは確定だね」
香「・・・・・・友達、できるかなー?」
礼丹「無理な気がしてきましたね」
アリス「まあまあ、お兄ちゃんにはかわいいアリスちゃんがついてるから問題ナッシング!」
香「問題あるんだよなぁ・・・・・はぁ・・・・」
香「部活だ、部活!」
リーブラ「はい、いかがなさいました?」
香「一向にクラスで友達ができない!こちらから話しかけてもそそくさと離れていく!これは由々しき事態だ!」
リーブラ「なるほど。少々お待ちください、クラスメイトの方々とお話をしてまいりますので」
香「リーブラ、ステイ」
リーブラ「はい」
香「で、だ。もうクラスですぐに友達を作るのは難しいだろうと思った。だから、部活に入ろうと思うんだ。そこなら他のクラスの同級生とかもいて、まだとっつきやすいんじゃないかと思う」
リーブラ「素晴らしいお考えですね。では今から各部活に通達を送りますので」
香「リーブラ、ステイ」
リーブラ「はい」
香「それで、参考までにどんな部活に入ってるのか聞きたかったんだけど」
草華「私は入ってないよ。生徒会があるし、家の手伝いもあるし」
リーブラ「私も草華と同じく生徒会には所属していますが、どの倶楽部にも所属しておりません。が、香様がお望みならばいつでも」
香「いや、リーブラはむしろ入らないでくれ」
リーブラ「!?!?!?!?!?!?」
アリス「お兄ちゃんがクラスに友達がいない理由の一つは休み時間ごとにリーブラが来るからってのがあるんだからね」
リーブラ「そ、そんな、わ、私、香様の、お邪魔に、なって、いました、か?」
香「邪魔、という話じゃないんだ。リーブラと話をするのは楽しいし」
草華「要はリーブラが過保護すぎて周りが引いてるのよ。たまにはそっと遠くから見守るのも年上の役目だってお姉ちゃん思うな」
リーブラ「・・・・・・・わかりました。私は、これから3歩下がって歩く大和撫子になるための修行を積んでまいります。香様、今まで大変ご迷惑をおかけしました」
香「いや、そこまで思い詰めなくてもいいからね。さっきも言ったけど、リーブラと会話すること自体は楽しいんだから」
草華「香君もリーブラを甘やかしちゃだめでしょ!」
アリス「ここで止めないと今度は何を始めるのかわからないから止めようとしてるんじゃないかな」
香「さて、じゃあとりあえずクラスメイトが入ってない部活を探そう。運動部以外で」
リーブラ「各部の部員名簿を調達いたしましょうか?」
香「プライバシー的な問題が発生するからやめてくれ」
草華「んー、だったら、おすすめの部活があるよ」
香「失礼しまーす。部活見学に来ましたー」
「ん?間違えてない?うち、放送部だよ?」
香「あってます」
「へぇ~、珍しいなぁ。ていうか、見学に来てくれたのはじめてなんだけど」
香「そうなんですか?」
「うん。今まで誰も来てくれなくてねー。先輩が卒業しちゃったから、部員は私一人だったんだ」
香「なるほど、草華はそういうことで・・・・」
「ま、その辺テキトーに座って座って。お茶淹れるから」
香「あ、どうも」
「それじゃあ改めまして。放送部部長のポラリス=フレデリアです。気軽にポーラって呼んでね」
香「1年3組の風流香です」
ポラリス「風流君だね。どうしてウチの部活に?」
香「えっとですね、ちょっと込み入った事情があって」
ポラリス「え、なんか厄介ごと?」
香「端的に言うと別クラスの友達が欲しいなと」
ポラリス「それならもっと部員が多い部活に行った方がいいと思うんだけどなぁ。ほら、サッカー部とかね」
香「えっとですね、そのうえでさらにクラスメイトがいないって条件を付けくわえたくて」
ポラリス「あー、それでウチの部活か、なるほど。こんな零細企業ならぬ零細部に来るなんてよっぽどの物好きだなーって思ったんだよ」
香「零細って・・・・」
ポラリス「んで、我が部の活動内容としては週二、三回お昼休みに放送をかけること。あと学校行事の放送を担当することかな」
香「普通に放送部って感じですね」
ポラリス「あとは部室でダラダラしてる感じ。一応編集用のパソコンとかあるし、エアコン完備だし」
香「空調があるのはありがたいですね。腕のメンテナンスの回数も減らせそう」
ポラリス「メンテナンス?あ、もしかして義手?」
香「はい。左腕が丸々」
ポラリス「あー、なるほど。それじゃあ運動部も無理なわけだ」
香「それで、えっと、入部届とかってありますか?」
ポラリス「あるよー。はい、これ。でも、もう決めちゃっていいの?」
香「迷うぐらいなら即決ってのが僕の信条なんで」
ポラリス「なるほど、気が合いそうだね」
コンコン
「失礼しまーす」
ポラリス「ん?」
香「あれ?部員ってひとりですよね?」
ポラリス「そうだよ。顧問の声でもないし、もしかして・・・・・」
「あの、放送部ってここであってますか?」
ポラリス「うん、あってるよー。もしかして、部活見学?」
「はい。1年2組の瑠璃川月美です」
月美「ちょっと放送に興味があって、見学に来ました」
香「・・・・・・・僕、ここにいていいのかな」
ポラリス「珍しいねー、放送に興味あるとか」
アリス(アナウンサー志望とか?)
礼丹(もしくはラジオをしてみたいとか)
月美「テレビ業界に興味はありますね、確かに」
アリス(え、聞こえてるの!?)
ポラリス「普通に聞こえてるけど・・・・・あの、風流君?この人たちは?」
香「え、見えるんだ・・・・姿消してたんじゃなかったの?」
アリス「いやいやいや、消してたよ、確かに」
礼丹「簡単に見えるような状態にはしていませんでしたが・・・・・」
アリス「・・・・・あー、なるほど。二人とも魔物だね」
香「え」
ポラリス「うそ」
月美「え、なんでわかったの?」
アリス「それじゃあえっと、お兄ちゃんに憑いてる幽霊のアリスです」
礼丹「女神の廻谷礼丹です」
ポラリス「種族魔女のポラリス=フレデリアでーす」
月美「悪魔の瑠璃川月美です」
香「えーと、たしかキリングドールのクォーターの風流香です」
ポラリス「なーんだ、みんな同じような感じだったんだ。隠さなくてよかったじゃん」
月美「まさか現代に生きる魔物仲間に会えるだなんてびっくりですよー」
香「僕も母方の知り合い以外の魔物を見たのは初めてだから驚きましたよ」
アリス(お兄ちゃんが知らないだけで実はリーブラとアクアも・・・・・・まあこれは言わなくていいか)
ポラリス「それで、どうする?一応入部届は渡しておくけど・・・・・」
月美「んー、ま、居心地よさそうだし、入部しちゃおうかな」
ポラリス「え、そんな即決しちゃっていいの?」
月美「もちろん、だって楽しくやれそうですし」
ポラリス「えー、本日で入部受付期間が終了しました。そして、その結果なんと!」
ポラリス「新入部員が二人も入ってくれましたー!やったよー!これで来年以降の廃部も免れたよー!」
月美「ここの部活って人数制限とかないんですか?」
香「一人でもいればオーケーだったはず。ただし、新しく発足させる場合には5人以上の部員が必要、ってことだったかな」
ポラリス「へー、そうなんだ」
香「部長も知ってるものかと」
ポラリス「部長・・・・・そっか、私部長か」
月美「今更?」
ポラリス「そりゃそうだよ。だって去年の秋から私一人だけだったんだもん。部長なんて呼ばれることなかったし」
香「まあ、これからたくさん呼んでいきますから」
月美「そうですよ!あ、部長就任祝いとかします?」
ポラリス「いいねそれ!採用!」
香「採用するんだ」
ポラリス「新入部員歓迎会と部長就任祝い!明日はここで菓子パするから!ちゃんと来るように!」
香「了解です」
月美「りょうかーい!」
月美「うわ、すごい量のお菓子!これ、全部部長が?」
ポラリス「あー、いや、そのー、私が来た時点で用意されていたというかなんというかー・・・・・」
香「これ、市販のお菓子じゃないな。全部手作りだ」
月美「え、わかるの?」
香「叔母さんが製菓会社に勤めてて、そういうのは知ってるんだ。このラッピングの仕方は企業のそれじゃない」
ポラリス「えー、じゃあいったい誰が・・・・・月美ちゃん、なわけないし、香君も違うだろうし・・・・・」
月美「余り得体のしれないものは口に入れたくないなぁ・・・・」
香「・・・・・リーブラ」
リーブラ「はい、香様。いかがなさいましたか?」
月美「うわ、誰!?」
ポラリス「あ、リーブラちゃん・・・・・」
香「このお菓子、リーブラが用意したものじゃないの?」
リーブラ「こちらは伯母様が用意したものです。香様の入学祝も兼ねてとのことでして」
月美「んー、ってことは学園長から?」
ポラリス「どこで菓子パやるって聞きつけたんだろ、あの人」
香「リーブラ?」
リーブラ「私は伝えておりませんよ」
アリス「あ、それ言ったの私」
月美「まさかの!?」
アリス「だって、おいしいお菓子食べたかったし・・・・・」
香「ってことだったみたいです。ウチの守護霊がご迷惑をおかけしました」
ポラリス「いやいやいやー、出所がわかればノープロブレム!」
月美「学園長が用意してくれたってことは、すっごいおいしいんだろうな~」
香「それじゃあ、いただきますか。リーブラはどうする?」
リーブラ「私は部員ではありませんので、遠慮させていただきます。この後予定もありますし」
ポラリス「えー、いっそ入っちゃいなよー」
リーブラ「私自身、詳しくは言えないのですが予定が詰まっているのがあってあまり倶楽部活動に専念できないのです。お誘いはありがたいですがご遠慮させていただきます」
香「無理して体を壊さないようにだけするんだよ」
リーブラ「はい。お気遣いありがとうございます。なにか必要な設備などがあれば私に言ってくだされば学園長を通してご用意させていただきますのでお気軽にどうぞ」
月美「うわわ、風流くんってなんかすごい人と知り合いというか、なんというか、どういう関係?」
香「幼馴染だよ」
ポラリス「んー、今日はなにかけよっかなー」
月美「いつものローテーションでいいんじゃないですかー?」
香「またいつものかって言われるよ。てか言われてるよ」
ポラリス「そうなんだよねー。って言ってもそんなCD持ってないし集める気もないしー」
月美「そうですよねー」
香「んー、じゃあ演奏でもしてみます?」
ポラリス「ほぇ?」
香「折角結構しっかりした音響装置がそろってるし、使わないと勿体ないかなって」
ポラリス「いやいやいや、演奏って言ってもだね、楽器もなにも・・・・・吹奏楽部に協力してもらうとか?」
香「いや、僕がやります。アリス、部屋にあるフルートを取ってきてくれ」
ポラリス「吹けるの!?」
月美「はぇー、すっごい」
アリス「そう言われると思って出しといたよ」
月美「アリスちゃんのそれ便利だよねー。・・・・・てか、フルート?吹けるの?」
香「吹けるよー。んじゃ、放送始めますか」
月美「あの演奏すっごい評判よかったよ!」
ポラリス「うぬぬ・・・・・香くんすごい・・・・・私も何かやりたい・・・・・でもなにもできない・・・・部長です・・・・・」
香「小さい頃からやってたってだけなんで、そんなにすごいものでもないですよ」
アリス「まったまたー、自信があるから演奏するなんて言ったんでしょー」
月美「そうだそうだー!」
ポラリス「月美ちゃんはなにかできる?」
月美「へ?わ、私?ど、どうでしょう・・・・・楽器は弾けないし・・・・・」
香「瑠璃川さんって声がいいから、歌ってみるとかは?」
月美「ええっ!?」
ポラリス「なるほど、生歌を流すか・・・・・香くん演奏ね。機材は私がやるわ」
香「わかりました」
月美「ええ!?」
ポラリス「ただ、練習時間はいると思うからここの合鍵渡しとくね」
香「ありがとうございます」
月美「風流君!?わ、私人様に聞かせられるほど歌うまくないんだけど!?」
香「大丈夫、ボイトレのメニューは顧問の先生が組める!」
月美「そういう問題じゃなくてー!」
月美「ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せたアゲハチョウ♪」
ポラリス「夏の夜の真ん中月の下♪」
アリス「いやー、月美も今となってはノリノリだよね」
香「元々声がよかったんだ、あとはテクニックさえ身につければプロと遜色ない歌を歌えるからね」
ポラリス「私完全に乗っかってるだけだよねー。月美ちゃん、ウチのクラスでも評判いいよー」
月美「あ、ありがとうございます。風流くんの演奏もあって、なんだか歌いやすくて」
香「しかしあれだ、瑠璃川さんの歌が上手くなるにつれて僕の演奏が見劣り・・・・いや、聞き劣りしてるんじゃないかって思ってきてるんだ」
月美「そんなことないよー。だって風流君のフルートすっごい聞きやすいし、私が歌いやすいようにしてくれてるのわかるもん」
ポラリス「さて、それじゃあそんな二人にお知らせだよ」
香「なんですか?」
ポラリス「なんと、再来月の文化祭のステージに二人が上がることが決定しました~」
月美「ふぇ!?す、ステージに!?」
香「あの、聞いてないんですけど・・・・・」
ポラリス「今言ったからねー。いやー、毎年ステージに出てくれる有志集めには苦労しててさー。後輩たちが出るんだったら私も司会のやりがいがあるよー」
月美「む、無理ですって!そんな、人前でなんて!」
ポラリス「大丈夫大丈夫!二人とも腕前はすごいんだから!私が認める!」
香「はぁ・・・・・それってもう申請とかしてるんですよね?」
ポラリス「まあねー」
香「わかりました。がんばろう、瑠璃川さん。もう逃げられないよ」
月美「ううー、部長のばかー、おたんこなすー・・・・・」
ポラリス「はっはっは、なんとでも言ってくれたまえ。一度決めたことは覆らないからねー」
月美「き、緊張した~」
ポラリス「もうっ!二人とも最高だったよ!」
香「ありがとうございます。やっぱり、大勢の前で演奏するのはいつやってもなれませんね」
月美「そんなに経験あるの?」
香「母方の知り合いが集まる新年会で毎年演奏してたんだ。腕がちぎれてからはしばらくやってなかったけど・・・・・」
月美「えっ、腕がちぎれて・・・・?」
ポラリス「あれ、香くん義手だって言ってないの?」
香「そういえば瑠璃川さんには言ってなかったような」
月美「えーっ!?部長知ってたんですかー!?」
ポラリス「ファーストコンタクトで聞いたよー。ていうかさ、ふたりとも」
香「はい」
月美「なんですか?」
ポラリス「いつまで苗字呼びなのさ。私はこれで引退だから、これからしばらくは二人だけなんだよ?もっと仲良くしなって!」
香「あー、今でも十分仲はいいつもりですが・・・・・・」
月美「その、タイミングが見当たらなくて・・・・・・」
香「ま、これもいい機会だ。改めて、これからもよろしく。月美」
月美「うん!よろしくね、香部長!」
香「え」
ポラリス「部長職がんばってね~、香君。学期に一回の会議に出たりするだけだからあんましかわんないけどね」
香「あの、僕何も聞いてないし了承してないんですが」
月美「元部長!ご飯食べに行きましょう!」
ポラリス「OK!人生初の打ち上げだー!」
香「・・・・・んー、まあいいかな」
月美「・・・・・・・ねえ、香」
香「ん、どうしたの?」
月美「なんかこの部室、えらく設備が充実してない?」
香「あー、これリーブラが部長就任祝いだって持って来たんだ」
月美「ソファーが新しいのに代わってて、エアコンも最新のやつに・・・・・あとなぜかベッドとかポットとか」
香「まあ用意してくれるものなら邪魔にならなければいいかなと思って。昼寝したかったらここに来ればいいわけだし」
月美「まあ、そういうことになるのかな・・・・?」
香「で、次の放送どうする?」
月美「ええ?えーっと、ドラマCDでも流そうかな」
香「なるほど。じゃあ作るか」
月美「へ?」
香「やっぱり月美の声を活かすには活かす場を作るべきだよね。そうと決まれば文芸部員に頼んで台本をしたためてもらわないと」
月美「あ、あの、香さん?話が変な方向に・・・・・」
香「大丈夫、僕もちゃんと入るし、人手はアリスとか礼丹とかリーブラとかで増やせるし」
アリス「月美が言いたいのはそこじゃないと思うんだけどなー。あ、アリスちゃんは面白そうなのでオッケーです」
礼丹「わたくしもかまいませんが、視聴者が困惑しませんか?誰だこいつって」
香「んー、そろそろ2人の存在も積極的にアピールするべきか・・・・」
月美「私、ときどき香が何考えてるか分からなくなるよ」
香「撮影機材をもらった」
月美「なんで?誰から?どこで?」
香「新しいのに買い替えるから古いのがいらなくなったんだってさ。叔母さんがくれたんだ。家に遊びに行ったらくれたよ」
月美「ご丁寧にどうも」
香「じゃあ、とりあえず撮ってみる?」
月美「何を?」
香「月美を」
月美「はい?」
香「銀幕デビューだ!」
月美「それは違うと思う」
香「とりあえずほら、歌って歌って」
月美「えー、香も一緒に映ってくれるならいいよ。ちゃんと演奏込みで」
香「よし、アリス。撮影よろしく」
アリス「あいあいさ!」
香「礼丹はマイクだ!」
礼丹「あの、どのスイッチを押せばいいのか・・・・・」
香「アップしてから撮るからそれまでにリーブラに教わっておくんだ。いいね?」
礼丹「それわたくしではなくてリーブラにやらせればいいのでは?」
月美「おばかっ!」
礼丹「予想外のところから罵声が!?」
月美「そうやってなんでもかんでもできないやりたくないなんて言ってどうするの!努力すればできるの!がんばれよ!」
礼丹「そういえばあなたはあなたでノリがいい悪魔でしたね」
月美「新学期だよー!新学年だよー!新入部員勧誘だよー!」
香「うーん、増えるのかな、部員」
月美「大丈夫だって!なんせなんだかんだ私たちてきとーにやってるだけだし!ぐだぐだしたい人は集まってくれるはず!」
香「中学生でぐだりたい人って結構少ないと思うんだけど」
月美「マギ・フィールド先輩のおかげで部屋は広くなったしベッドも増えたしソファーも増えたしお菓子も毎週補充されるし!」
香「なぜか批判の意見を聞かないんだよね。これだけ好き放題してたらいろいろと恨み言を吐かれそうな気もするんだけど」
アリス「リーブラが潰してるんじゃない?」
月美「あー、やりそー」
香「リーブラをなんだと思ってるんだ」
アリス「だってリーブラだし」
月美「いわゆるヤンデレってやつだよね」
香「そう、なのかな?でも特に理由もなしに人に危害を加えるような子じゃないよ」
アリス「そんなことより、勧誘はいいの?」
香「一応ビラは作ってきた」
月美「じゃあ配布だね。早速配りに行こ!」
香「入学式は明日だよ」
月美「あ、そうだった」
月美「結局新入部員は一人だけかー」
香「まあまあ、入ってくれただけでもよしとしよう。よろしくね、日輪」
日輪「うん、改めてよろしく。兄さん、瑠璃川先輩」
月美「先輩かー、いい響きだよねー」
香「あー、一応僕は部長だよ」
日輪「しってるわよ、兄さん」
香「・・・・・」
月美「部長って呼ばれないもんね、香」
香「そうなんだよ・・・・・一応部長なんだから部長呼びに憧れてもいいじゃんかよ・・・・・」
日輪「でも、兄さんは兄さんであって兄さん以外の何者でもないし」
月美「妹ちゃん香のこと好きすぎでしょ」
日輪「先輩、怒りますよ」
月美「なんでー!?」
月美「られりろるろりれらー♪」
日輪「こんにちは・・・・なるほど、これが噂の」
月美「おっと、こんにちは。ごめんごめん、今ボイトレ中なんだ」
日輪「はい、噂には聞いてました。ここの放送部はやけに気合入ってると」
月美「え」
日輪「生演奏と生歌を放送する放送部なんてそうそうないですしね。新入生は近寄りづらいって専ら評判ですよ」
月美「嘘・・・・・だから新入部員少ないのか・・・・」
日輪「それにしても先輩、流石に綺麗な歌声ですね。兄さんが褒めるわけです」
月美「そうなんだよねー。香ってやけに私の声を推してくれるからさ、私もなんだか嬉しくなって。ちょっと調子乗ってます」
日輪「いいなぁ」
月美「え?」
日輪「いえ、なんでもありません」
月美「んふふ、日輪ちゃん、お姉さんが相談に乗ってあげようか?」
日輪「結構です」
月美「もー、つれないなー」
日輪「兄さん、このベッドとかって何に使ってるの?」
香「昼寝」
月美「私もたまに使ってるよー」
日輪「一緒に?」
香「流石に同衾はしないよ」
月美「でも、香が寝てたらたまに見たことない子が隣に寝てるよ?」
香「え」
アリス「アクアが勝手に入ってきてるんだよ」
日輪「あー、なるほどー」
香「あの、その事実を僕が知らないのはなぜ?」
月美「起こすのも悪いかなーって」
日輪「じゃあ今度から兄さんが昼寝するときは私が隣に入ってガードするから」
香「ああ、それなら安心だ。ついでに結界も貼ってくれればオッケー」
月美「え、えーと、それはやめとかない?ほら、結界消し忘れたら私が寝れないし」
日輪「・・・・・・・まあ、結界もいちいち貼ったり消したりするのも面倒ですし、そっちはしないですけど」
月美「よかった・・・・・」
香「?」
香「はぁ・・・・・・」
月美「こーう、どしたの?」
香「月美か・・・・・いや、ちょっといろいろあってさ」
日輪「兄さん、大丈夫?今日はもう帰る?」
香「ううん、そこまでじゃないよ。別に病気なわけじゃないし」
月美「はっはーん、わかった。失恋でしょ」
日輪「瑠璃川先輩!」
香「いや、いいんだよ、日輪。失恋、って言っていいのかどうか微妙な所はあるんだけどね」
月美「ふーん。ま、よく知らないけどさ。そういう時はパーッと遊びに行くのが一番だって。さ、部活終わり!行こ行こ!」
香「え、ちょ、ちょっと?」
月美「いいからいいから。副部長権限で部長を連行します!日輪ちゃん、アリスちゃん、手伝って!」
日輪「あいあいさー!」
アリス「了解!」
香「えー、紆余曲折ありましたが、結果として彼女ができました」
月美「わー、おめでとー」
日輪「おめでとう・・・・・・ちょっと複雑だけど」
香「まあまあ、部活の方を疎かにするつもりはないからさ。幽にもそう言ってあるし」
月美「え、もっと疎かにしていいんだよ?むしろイチャイチャしてて来れませんでしたーとか大歓迎だよ?」
香「なんで!?」
月美「そうなると副部長の私が一番偉くなる。つまり好き放題できるってこと」
香「もともと好き放題できる部活じゃないか」
日輪「好き放題って言ってもちゃんと活動してるじゃない。私もちょっと機械いじりが楽しくなってきたところだし」
月美「日輪ちゃんにももっと映ってもらいたいんだけどなー。舞とかできないの?巫女だし」
日輪「一応、一子相伝のやつが。でも、覚えかけのまま放置してるんですよね」
香「一回資料残ってるか漁りに行ってみる?」
日輪「んー、多分全部焼けたと思うんだけどな・・・・・あの敷地全焼してたし」
月美「あ、これ私聞かない方がいい感じ?」
香「いや、全然?」
日輪「私の暗くて重い過去を聞きたくないなら退席した方がいいと思います」
月美「そんなの言われると余計気になるんだけどー!?」
月美「いやー、よかったよ、日輪ちゃん!結局資料みたいなのは見つかったのね」
日輪「いえ、天照大御神様から教わりました」
月美「天照大御神・・・・・・!?」
香「倉庫漁ったら焼け残った剣が見つかってさ、日輪がそれを持ったらなんか降臨してきたんだ」
月美「日本の最高神様ってなにやってるの・・・・」
日輪「ウチがそういう家系だから。伝統を守るためだって言ってた」
礼丹「神も平等ではありませんからね。自身を信仰するものにはそれなりにいい待遇もしますよ」
香「礼丹も?」
礼丹「わたくしは信仰とか関係なしに香一筋です」
月美「礼丹ちゃんはそういうなんかすごい剣とかないの?」
礼丹「剣、というか天秤ならありますが。ただ、あれは人間が扱える代物ではありませんので見せませんよ」
アリス「見たら気が振れる可能性もあるしね」
月美「や、やめときます・・・・」
月美「今年の文化祭さー、どうするー?」
香「日輪の舞をメインに月美がバックコーラス、僕は演奏で」
日輪「え、なにそれ」
月美「え、じゃあ私演歌とか練習した方がいい?こぶしの練習するよ?」
日輪「ちょっと」
香「演歌、というかは語りの方がいいんじゃないかな」
日輪「話を」
月美「んー、難しいなー」
香「っとまあ、色々言ってはいるけども冗談だよ、日輪」
日輪「へっ?」
月美「今年は私が司会進行だからね。ステージには上がれないの」
香「んで、今年も有志が少ないからってことで僕はリーブラ、草華、アクアと一緒に演奏をするんだ。だから日輪になにかやってくれってことはないからね」
日輪「・・・・・・・私、瑠璃川先輩の歌聞きたい」
月美「へ?」
日輪「司会進行、途中で変わっても大丈夫ですよね?瑠璃川先輩もステージに上がってくださいよ」
月美「いやいや、でも悪いって。香も演奏する相手が決まってるし。あのステージ、面倒なことに一人で二回以上はダメなんだよ」
香「・・・・・いや、待ってくれ。演奏役がいればいいんだよね?」
月美「え?ま、まあね」
香「アリス」
アリス「ほいさ!アリスちゃん何弾けばいいのー?」
香「アリスは僕の代わりにリーブラたちとステージに上がってくれ。月美との演奏は僕がやる」
月美「ほぇ!?」
日輪「それじゃあ私、司会の練習したいから付き合ってもらっていい?」
香「もちろん。月美、当日がんばろうね」
月美「あー、あー、うん。がんばる」
リーブラ「ふふ、その件でしたら問題ありませんよ」
香「どういうこと?」
リーブラ「あの面倒な一人一回ルールは撤廃させました」
草華「毎年毎年有志が足りないって言ってるんだからいいでしょーってね」
香「流石生徒会。でも、OBとか大丈夫だったの?」
リーブラ「ふふ、私に逆らえるOBなんていませんわ。なんせ私はリーブラ・マギ・フィールド。学園長の姪っ子ですもの」
草華「こういう時に権力って便利だよね」
アクエリアス「草華は物理で、姉さんは権力で。この二人にタッグを組ませて折れない人間なんてそうそういないわ」
香「ちょっと待ってくれ、物理?」
草華「別に何もしてないよ?」
アクエリアス「机をたたき割ったの。片手で」
リーブラ「草華も熱が入ってしまったようで、ついつい机を叩いてしまったんです。その時にちょっと机が壊れただけですよ」
アクエリアス「机は粉々になっていたわ。机の脚の形に床がへこんでたし」
香「オーケー、わかった。これ以上は聞かないことにしよう」
アリス「ちょっと待ってよー!アリスちゃん必死で練習してたのに、ステージなしー!?」
リーブラ「一緒にあがればいいじゃないですか」
草華「なぜかはわからないけどアリスちゃんって学園の人たちにも認知されてるしね」
香「映像に偶に映ってたからね。姿消してるからって油断して」
アリス「あのカメラすごいよねー。心霊映像がバンバン撮れる。おかげでアリスちゃんお祓いされるところだったよ。返り討ちにしたけど」
アクエリアス「あの退魔師、本物だったの?」
アリス「ううん、インチキ。だから心霊現象にあわせまくって引退させといたよ」
香「・・・・・うん、まあインチキなら仕方ないか」
月美「いやー、今年も楽しかったー!」
香「流石に二回演奏は疲れた・・・・・今日はゆっくり休もう」
日輪「2人ともお疲れ様」
香「日輪も、よかったよ」
月美「そうそう。来年はもう日輪ちゃんに全任せしようかなー」
日輪「・・・・・まあ、構いませんけど」
香「よし、それじゃあ打ち上げだ!」
日輪「やったー!ごはんー!」
月美「焼肉!焼肉行こう!お金はもらってきた!」
香「誰に?」
月美「顧問の先生に!」
日輪「・・・・・私、顧問の先生に会ったことないんだけど」
香「あの人外部顧問だからね。普段は別に仕事してるから、そうそう来ないんだよ」
月美「でもボイトレとかのメニューとか組んでくれたり機械関連の触り方も教わったんだよね」
香「土日だと来てくれるから、会いたかったらそこで会わないとね」
日輪「・・・・・・もしかして、兄さんがたまに土日に出かけてるのってそれ?」
香「そうだよ?言ってなかったっけ?」
アリス「言ってたよ。あのとき日輪寝ぼけてただけで」
日輪「・・・・・・次回は私も参加するから!」
ミシェル「はじめまして、ではありませんね、ニチリンちゃん。どうも、イエヴレフです」
日輪「ミシェルさん!?なんで!?」
香「だからウチの顧問なんだって」
月美「知り合いなんだっけ?」
香「叔母さんの会社で社内アナウンスとか広報とかを担当してる人だから、遊びに行ったら結構会うよ」
ミシェル「ルーチェも喜んでいますよ。コウくんが後を継いでくれるんじゃないかって」
香「製菓会社の経営者になるつもりはないんだけどなぁ」
日輪「普通にあそこ面白いもんね。私最近行けてないけど」
月美「いいなー、私も行きたいなー」
ミシェル「アポイントさえとっていただければいつでもどうぞ。なんなら平日でも私の手が空いていればレッスンを見たりもできますが」
日輪「行こ」
香「おお、なんか日輪が乗り気だ。じゃあルーさんに話を振っとくよ」
月美「頼りになるねー」
香「使えるものはなんでも使えと先輩から教わったからねー」
リーブラ「くちゅん!」
草華「あら、風邪?」
リーブラ「そうじゃないはずだけど・・・・菌を保持していたら大変ね。ちょっと人間ドック行ってくるわ」
草華「規模が大きいわね」
リーブラ「万が一にも香様に伝染したら大変だから。さ、草華。行くわよ」
草華「え、私も?」
リーブラ「あなたも香様と接触するでしょうが」
草華「それはそうだけど、そんなお金・・・・・」
リーブラ「ウチの設備を使うから大丈夫よ」
草華「ならいい・・・・・のかなぁ」
幽「それじゃあ、一年間は会いにくくなるわね」
香「仕方ないよ。学年が違うから・・・・・・でも、寂しいな」
幽「敷地は同じだから会いに行こうと思えば行けるけど・・・・・」
香「幽も大変だろ?いや、大変じゃないって思っても実際は大変だからね」
幽「あら、わかったの?」
香「なんとなくね。あまり幽に負担をかけるのも嫌だし、かといって僕が行くのも難しいし、来年度はまあ土日にデートする、ぐらいに留めておこう」
幽「わかったわ」
リーブラ「お望みでしたら平日も私が送り届けますが?」
草華「はいはい、今はそういう話じゃないの」
幽「リーブラさんも寂しいのよね。以前のように気軽に会いにいくわけにはいかないから」
リーブラ「灯火さん、人の心を読まないでください。・・・・・ええ、そうですよ。私も香様に会いたいです。出来れば毎日」
香「家は向かいなんだし、一緒に登校ぐらいならできるだろ。それで我慢してくれ」
リーブラ「香様にご迷惑をかけるわけにもいきません。私のことはお構いなく」
草華「リーブラは寂しがりだもんねー。香くん、毎朝7時ねー」
リーブラ「草華!」
香「わかったわかった」
月美「香ー!卒業式終わったしご飯でも・・・・・あっ」
幽「あら、瑠璃川さん、だったかしら?」
月美「は、はい、どうも、灯火先輩」
幽「ねえ、香君。ちょっと彼女を借りてもいい?」
月美「へっ?」
香「いや、僕はいいけど・・・・・」
幽「じゃあ、こっちに。少しお話したいの」
月美(な、なんだろう・・・・・・香にあまり近づきすぎるな、とか?)
幽「さて、瑠璃川さん。単刀直入に聞くわ。あなた、香くんのことを意識してるでしょう?」
月美「え、えーと、あの、その」
幽「ああ、ごめんなさい。別に怒っているわけでも威圧しているつもりもないわ」
月美「す、すいません」
幽「私も、教えられたもの。恋っていうのはするものじゃなくて落ちるものなんだって。だって、香くんは素敵な人なんですもの。好きになっても仕方がないわ」
月美「あの、先輩?」
幽「それにね、不公平だと思うの」
月美「なにが、ですか?」
幽「私はたまたま、彼に助けてもらう必要があった。そこで、彼に勘違いをさせた。それがきっかけだった。そして、周りの助けがあって、私は香くんの隣に立っている」
幽「もし私が彼の力を必要としなかったら。もし私が適切な言葉を選んでいたら。もし私を奮い立たせてくれる友人がいなかったら。私は今の状況に甘んじることはできなかったわ」
幽「そう、ほんの偶然。それだけで、全てが決まってしまうだなんて不公平。私はそう考えている」
月美「・・・・・だから、なんなんですか。自慢ですか、それは」
幽「いいえ。宣戦布告よ」
月美「・・・・・・・・へ?」
幽「香くんのことを好きな人はたくさんいるわ。日輪ちゃんも、アリスも、リーブラも。草華たちの他にも幼馴染がいるって話だし、きっとその子もでしょうね」
幽「きっと、みんな同じラインに立っていたんだと思う。あなたも、私も」
幽「だけど私は、あなたより早く彼に想いを打ち明けた。だから、今この場所にいる」
幽「奪いたければ奪いなさい。押しのけたければ押しのけなさい。その結果がどうなろうと、私に文句を言う権利はない」
幽「香くんが私を捨てるというならば、私はそれで構わない。私に彼を留めるだけの魅力が無かったということだから」
幽「だけど、奪わせはしないわ。彼の隣は私の特権。誰にも譲るつもりはない。私は私の力で、ここをキープしてみせるから」
月美「・・・・・・わかり、ました。その布告、受けましょう」
月美「私だって、それだけ言われて黙ってられるものですか。奪って見せる、あんたからその場所を」
幽「できるものなら」
月美「やってやるわよ」
幽「・・・・・ふふ」
月美「・・・・・・へへ」
幽「ねえ、月美ちゃんって呼んでもいいかしら?」
月美「はい。私も、幽さんでいいですか?」
幽「構わないわ。なんなら敬語もいらない」
月美「いえ、さすがにそこまではできませんよ」
幽「・・・・・・1年間、香くんのことをよろしくね」
月美「はい、任されました」
日輪「新入生勧誘ってどうするの?」
香「去年ははりきって頑張ったんだけどなぁ」
月美「結果が身内だけだったわけだしねー。まあそんなに人数がいる部活でもないし、簡単にビラ配りとかでいいんじゃないかなー」
日輪「・・・・・二人とも、ベッドから降りたら?」
香「ベッドが僕を放してくれないんだ。仕方ないじゃないか」
月美「今私起き上がると死んじゃう病気にかかってるのー」
日輪「こいつら・・・・・」
アリス「怠慢ここに極まれりだねー」ゴロゴロ
日輪「あんたもあんたでゴロゴロしてるでしょうが」
礼丹「まあまあ、あまり怒っても疲れるだけですよ」ゴロゴロ
クロ「・・・・・・・・」
日輪「はぁ、こんな状態で新入生が来たらどうすんのよ」
香「来ない来ないって、まだビラ配りもしてないし」
日輪「兄さんはビラ配りに信頼を寄せすぎ」
「失礼しまーす」
香「はい、どうぞ」キリッ
月美「入ってくださーい」ピシッ
日輪「そーゆー切り替えの早いとこは尊敬するわ」
菫「えっと、1年の水田菫っていいます。放送部ってここであってますか?」
アリス「あってるよー」
菫「よかった・・・・・あの、私ここに入部したくてこの学園に来たんですけど」
香「へっ?」
月美「うん?」
日輪「・・・・・・間違えてない?ここ放送部よ?実績も何もない」
菫「あってます。噂に聞いたんです。ここの人たちは放送をするために生歌とか生演奏とか生ダンスをするって」
月美「生歌」
香「生演奏」
日輪「まあ、ダンスっていえばダンスね」
菫「私、小学校のころはチアをやってたんですけど、もっと自分を表現する場を広げたくて・・・・おねがいします!入部させてください!」
香「あ、それはいいんだけど・・・・・あれ、ウチの中等部ダンス部とかなかったっけ?」
日輪「ないわよ」
香「ないか。そういえばチアも見たことない」
月美「応援団とかもないしね」
香「まあまあ、僕らとしては入部するって言うのなら大歓迎だ。僕は風流香。放送部の部長だ」
月美「私は瑠璃川月美。副部長だよ」
日輪「風流日輪。平部員」
アリス「私は風流アリスー。全く関係のない一般幽霊ー」
礼丹「廻谷礼丹です。同じく無関係の一般神です」
クロ「・・・・・・・・・」
菫「あ、はい。よろしくおねがいします」
菫(一般幽霊とか一般神って何?)
香「ブレイクダンスとかその他諸々・・・・・なんていうか、すごいね」
菫「一応ダンス系は大体やってます。あとは音楽もそこそこ・・・・」
日輪「面白いわね。今度ちょっと教えてもらっていい?」
月美「舞とダンスって違うんじゃないの?」
日輪「私はあのダンスの中に舞に取り入れられそうな要素を見出したわ」
香「マジかよ」
菫「あの、私も舞の方を教えてもらってもいいですか?」
日輪「いいわよ。ウチの神社に伝わる秘伝の舞を教えてあげるわ」
香「マジかよ」
月美「秘伝とは一体」
日輪「そこ、うるさい」
香「だってさ。仕方ないからカラオケにでも行こう」
月美「どうせ暇だしねー」
日輪「兄さん、明日体育館借りたいんだけど」
香「わかったわかった、セラさんに言っておくから」
日輪「貸し切りでね」
菫「え、体育館貸し切り?え?」
月美「深く考えない方がいいよー」
ポラリス「おっすおっす、やってるかい?後輩たち!」
香「ポーラさん!」
日輪「・・・・・どちら様ですか?」
月美「私らの2個上の先輩で、放送部のOBだよ」
菫「そうなんですか?はじめまして、1年の水田菫です」
ポラリス「ハローハロー、高等部2年のポラリス=フレデリアだよー」
日輪「フレデリア?アリスと一緒?」
アリス「あー、それねー、あの子遠い親戚」
ポラリス「ポーラちゃんマジサプライズドだよ!ご先祖様っぽいのにこんな形で会うなんて!」
菫(妖精の私が言うのもなんだけど、色々とぶっ飛んでるわよね)
香「それで、今日はどうしたんですか?」
ポラリス「今の部活の方で作ったものが余ったからお裾分けに来たんだよ。はい、香くんと月美ちゃんに」
月美「これは・・・・・・リストバンド?」
ポラリス「そうそう。張り切って作ったはいいものの、作り過ぎちゃったんだよね」
香「高等部では放送部じゃないんですね」
ポラリス「そうそう、今は家庭科部に入ってるよー。草華ちゃんとか桜ちゃんとかがお菓子作ってくれるからエヴリデイハッピー!」
月美「・・・・・前そんな喋り方でしたっけ?」
ポラリス「一応イギリス出身だしこの方がウケいいかなって模索中」
月美「止めといた方が・・・・・」
香「まあ、これはこれでいいんじゃないかな?」
香「これ、裏見た?」
月美「へっ?」
香「ほら、ここ。わざわざイニシャル入れてくれてる」
月美「わっ、ほんとだ!」
日輪「ってことは作り過ぎたってウソだったんだ」
菫「いい先輩なんですね」
月美「うん。一人になってもここを守り続けた私たちのただ一人の先輩だしね」
香「こんなことされたら、盛り上げていかないわけにはいかないな。月美、来週はユニゾンでいこう」
月美「オッケー!任せて!」
菫「ユニゾン、ってことは香先輩が歌うんですか?」
日輪「月美さんが演奏するんじゃないの?」
香「両方やるよ」
月美「弾き語りってやつだ!」
香「それは違うと思う」
月美「あれー?」
日輪「無茶ぶりやめて」
香「えー」
月美「えー」
菫「日輪先輩、素敵でしたよ」
日輪「できるかどうかじゃなくて、いきなり振られたらこっちもびびるから言ってんの!」
香「無茶ぶりはウチの部活の伝統だ!」
月美「私が歌い始めたのも無茶ぶりからだ!」
日輪「はぁ、頭痛くなってきた・・・・」
菫「なるほど、参考になります」
日輪「菫ー?」
菫「ラップやストリートダンスなんかもそうですが、勝負を挑まれたら戦わざるを得ないのでそういう場当たり的なことはやってみたかったんです」
香「よし!じゃあ来月の文化祭の一演目を任せる!」
月美「日輪ちゃんも!」
日輪「だから無茶ぶりは・・・・・・もう、わかったわ。菫、練習しに行きましょ」
菫「わかりました。あの二人ばっかりにメインは張らせません!」
香「さあ、越えてみろ!この壁はそんなに高くないぞ!」
月美「たかが2年やっただけで高くなるわけないからね!」
日輪「もう、またそういうこと言うんだから」
月美「お疲れ、日輪ちゃん、菫ちゃん」
日輪「ふふ、上出来だわ。ね、菫」
菫「はい。前座は務まったと思います」
香「あれが前座だってさ。後輩たちがハードル上げてきてるよ」
月美「うわー、緊張するー」
日輪「はいはい、じゃあ変わるから控えに行ってなさい」
菫「私たちはここから応援しています。がんばってください」
香「うん、ありがとう。さあ、月美。行こう」
月美「・・・・・・うん」
香「・・・・・・?」
月美「次、だね」
香「そうだね。緊張してる?」
月美「うん。そりゃそうだよ。いっつも緊張してる」
香「ま、そうか。僕もだよ」
月美「おんなじだね」
香「そうだね」
月美「・・・・・・・うまく、できるかな」
香「できるさ。今までやってきたんだから。僕が保証する」
月美「・・・・・そうだね。香がそういうんだから、きっと大丈夫だよね」
香「それでも、まだ怖いって言うなら、さ」ギュッ
月美「!」
香「引っ張っていってあげるさ。さあ、出番だ。皆が待ってる。行こう、月美!」
月美「・・・・・・うん!最後のステージ、香と一緒に!」
月美「・・・・・・はい。そうですね」
月美「でも、後4か月で卒業ですから。それまで待ってください」
月美「その方が、タイミングとしてもいいですよね」
月美「大丈夫です。勉強は続けてますから、実力で入ります」
月美「・・・・・・今更、止める気はないですよ」
月美「だってそれが、私の―」
月美「香っていっつも成績上位の常連だよね。どんな勉強してるの?」
香「真面目に、って言いたいところだけど。まあ先生の教え方がいいんだよ」
月美「先生って、塾でも行ってるの?それとも家庭教師?」
香「一応後者になるのかな。リーブラが教えてくれてるんだ。あとアリスも」
月美「え、アリスちゃん、私にもそれって・・・・・」
アリス「アリスちゃんお兄ちゃんの守護霊ですのでー」
月美「まあそうだよねー」
香「それじゃ、今度勉強会でもする?」
月美「へっ?それは願ったり叶ったりだけど、いいの?」
香「アリスもリーブラも意地が悪いわけじゃないんだ。ただ離れてくれないだけでさ。だから、近くにいてくれれば一緒にできる」
月美「なるほど・・・・・アリスはいいの?」
アリス「それだったら問題ないかなー」
香「にしても月美、去年の文化祭後から勉強熱心になったよね」
月美「ん、まあね。香は勉強できてるのに私はーってのはかっこ悪いし」
香「なるほど、一理ある」
月美「それないって言う所じゃない?」
香「いや、ここはこう言っておくべきかなって」
月美「もー」
月美「ついに受験が・・・・・・うう、緊張する・・・・・」
香「やっ、月美」
月美「香!?どうしてここに!?ここ、アーリア女学園の受験会場だよ!?」
香「忘れものだよ」
月美「えっ?あ、受験票・・・・・あ、危なかった~!」
香「家にある参考書に置きっぱなしになってたんだってさ。月美のお母さんから学園に連絡があって、急いで持って来たんだ」
月美「ありがとう・・・・・・あの、知ってたの?」
香「なにが?」
月美「私が、ここを受けるってこと」
香「まあね。月美のことだ、いろいろ知ってるさ」
月美「・・・・・そっか」
香「・・・・・・大丈夫だ」ギュッ
月美「へっ?あ、あの、香?」
香「月美が努力してきたのは僕が知っている。だから僕が保証する。大丈夫だ」
月美「・・・・・わざわざ、それを言いに来てくれたの?」
香「そうだよ。月美のことだから緊張してるだろうなっていうのもあって」
月美「ふふ、香にはバレバレか。さすがは部長様」
香「部員の管理は部長の役目だし、友達を応援するのも友達の役目だ。さ、そろそろ行かないとまずいだろ」
月美「・・・・・うん。ね、香。これ終わったらさ、カラオケ行かない?」
香「オッケー。じゃ、いつもの場所で待ってるから」
月美「うん。それじゃ、また後で!」
香「うん。がんばってね!」
香「ついに卒業かー」
月美「3年間あっというまだったねー」
日輪「月美さん・・・・・・本当に行っちゃうんですか?」
月美「うん。スポンサーがあっちの学園の方が華があって話題になるからってさ」
菫「歌手、でしたっけ」
月美「そうだよ。菫ちゃんとか日輪ちゃんももしかしたらスカウトされるかもね」
香「それだよ、それ!スカウトされたって聞いたの、去年の卒業式だったんだからな!」
月美「むしろ言ってなかったのに何で知ったのさ」
日輪「どーせリーブラでしょ?」
セラフィム「いや、私ですよ」
月美「学園長!」
セラフィム「香くん、月美ちゃん。まずはご卒業おめでとうございます。香くんはこのまま高等部に、だけど月美ちゃんはあまり会えなくなっちゃうから、お話しにきちゃいました」
月美「あの、いろいろとありがとうございました。ここを出るっていうのにサポートばかりしてもらって・・・・・」
セラフィム「何を言ってるんですか。私は教師、学園生が助けを必要としているのなら手を差し伸べて当然です」
香「それにしても、もっと早く言ってくれればよかったのに。そうしたら僕も表立って・・・・・」
セラフィム「もう、香くんは乙女心がわかってませんね」
日輪「兄さんはダメね」
菫「先輩、ダメですね」
香「えっと、あの?」
月美「あーあーあー、うん。香、ちょっとこっちに」
香「へ?わ、わかった」
月美「・・・・・この3年、いろいろあったよね」
香「まあね。放送部に入って、ポーラさんと会って、月美と会って、放送して、歌って、演奏して・・・・・」
月美「うん。私の思い出は、いつも香と一緒だった。最初の1年はクラスは別だったけど、それ以降は同じだったし」
香「ずっと二人でつるんでたよね。結局あまり友達は増やせなかったなぁ」
月美「ま、いいじゃない。高等部で作れば」
香「まあ、それもそうか。いや、でもやっぱり・・・・・・そこに月美がいないのは、寂しいな」
月美「・・・・・うん、私も」
香「でも、月美はもう自分で進むことを決めたんだよね。じゃあ、僕はそれを応援するだけだ」
月美「ふふ、ありがと」
香「ま、学校は違っても距離はそう遠くないし、またいつでも会えるさ。それに・・・・」
月美「それに?」
香「また緊張してどうしようもない時はいつでも呼んでくれ。いつでもその手を引っ張りに行くからさ」
月美「・・・・・きざー」
香「うるさいな。かっこつけさせてよ」
月美「ふふ・・・・・・こんなやりとりも、終わりかぁ」
香「ああ・・・・・・なんだろうね、こういうの。上手く言葉に出来ない」
月美「私も。おんなじだね」
香「ああ、おんなじだ」
チュッ
香「・・・・・・・・!?」
月美「えへへ、唇いただきー」
香「つ、月美?あの、これは一体・・・・・・」
月美「ねえ、香。私がなんて言って放送部に入ったか覚えてる?」
香「へ?えーと、テレビとかそういうのには興味がある、だったっけ?」
月美「・・・・・・・やっぱり、ね」
香「え?」
月美「香は、たらし」
香「えっと、月美?」
月美「ジゴロ。すけこまし」
香「なんで罵倒されてるの?」
月美「そう、これが香の特性ってやつだよ」
香「えっ?どういうこと?」
月美「クォータードールだったっけ?たしかキリングドール交じりの」
香「うん、そうだよ」
月美「そのキリングドールの特質を、香は受け継いでるの」
香「え、なにそれなにそれ。僕知らないんだけど」
月美「香は女の子相手だとね、無意識に相手が望んでることがわかるの。だから、女の子相手には最善の行動と最善の台詞が選べる」
月美「いうなれば女殺しってところかな」
香「いや、さすがにそんなことは・・・・・」
月美「それでね、かっこいい男の子にそんなことされて、好きにならない子なんていないんだよ」
香「・・・・・・」
月美「ね、香。私は香が好き。ずっと好きだった。いつだって香は私を導いてくれた。私を引っ張ってくれた。私の背中を押してくれた」
月美「香が私の声を褒めてくれたから、私はみんなの前で歌えた。香がステージに立ってくれたから、私も立つことができた」
月美「私は、香と一緒にいると勇気が出るの。なんでもできる気になるの。だから、私と―」
香「ごめんなさい。それはできない」
月美「・・・・・どうして?」
香「僕が愛しているのは、幽だから。月美を恋人として好きになることはできない」
月美「・・・・・知ってた。そして、それも私が一番言って欲しかった言葉」
月美「変に誤魔化したりしない。はっきりと、自分の意志を示して断ち切ってくれる。恋人がいるからじゃなくて幽さんを愛しているからって言いきってくれた」
月美「だから私は、悔いなくすぱっと切り替えられる」
香「・・・・・・・でも」
月美「うん。私も、その方がいい」
香「まだ何にも言ってないんだけど?」
月美「わかるよ。だって、親友だもん」
香「自分で言うか・・・・・ま、そうだね。親友だからか」
月美「そうそう。恋人は諦めたけど、親友ポジションは譲る気ないからね!」
香「ん、ま僕もその席を無暗に増やすつもりはないさ」
月美「この先、気を付けなよ。きっと香のことを好きになる人がたくさん出てくる。それが、香だから」
香「忠告ありがとう。意識してみるよ」
月美「それじゃ、みんなのところに戻りましょ」
香「うん。行こう、月美」
月美「ええ、香」
ポラリス「おっすおっす、月美ちゃん」
月美「ポーラ先輩・・・・」
ポラリス「その感じだと、振られちゃった後?」
月美「はい。ばっさりと」
ポラリス「そっかそっか。・・・・・おいで」
月美「えっ?」
ポラリス「いいから」
月美「えっと、あの・・・・・」
ポラリス「ずっと溜め込んでるのはよくないよー。ほら、全部吐き出しちゃいな」
月美「・・・・・・・はい」
月美「ずっと、ずっと好きだった」
月美「一目惚れなんかじゃない。香が私を褒めてくれて、一緒にやろうって言ってくれたことがうれしかった」
月美「一緒に遊ぶのが楽しかった。毎日話をしていると幸せになれた」
月美「それだけで、満足だった。・・・・・そのはずだった」
月美「でももう、それができない・・・・・・香が、遠くに行っちゃった」
月美「寂しいよ・・・・・・香・・・・・・好きだったんだよ・・・・・・」
月美「うっ・・・・・うっ・・・・・・・」
月美「うわあああああんん!!!!!」
月美「ぐやじい、ぐやじいよぉ!ゆうきがながったじぶんがぐやじい!」
月美「わだしが、おくびょうだったから、こうは、とおくにいっちゃって、わたしは、ひとりで」
月美「うわあああああああああん!」
ポラリス「・・・・・・ん、そうだね。きっと、ほんのちょっとの差だったんだろうね」
ポラリス「まったく、女の子をこんなに泣かせちゃって。香くんったら罪深いなー」
香「・・・・・・女殺し、か」
リーブラ「香様、いかがなさいました?」
香「ん、これからは言動に気をつけないといけないなって」
アリス「意識しようと思ってできるものじゃないでしょー」
香「それでもだよ。あんまり、泣いてる姿を見るのは好きじゃないから」
リーブラ「でも、それで救われる人もいます。私のように」
香「リーブラは特殊なんだよ」
リーブラ「ふふ、そうでしょうか。彼女もきっと、香様に救われました。日輪ちゃんや、愛ちゃん、アクアも」
アリス「私もね」
リーブラ「人を愛する、というのはそれだけで生を豊かにするものです。毎日が色鮮やかになり、幸せになる」
香「ま、ね」
リーブラ「私のように愛することができれば幸せというものは少ないでしょうが、それでも女の子にとって想うことは幸せなのだと思いますよ」
礼丹「別に一人にこだわる必要もないと思いますけどね。あなたは正義ですから」
香「礼丹、今そういう話じゃないから」
礼丹「そんなに女の子を泣かせるのが嫌ならまとめて受け入れてしまえばいいのです。きっと幽ならその提案も呑むでしょう」
アリス「別に日本の法に縛られる必要はないしねー。いざとなりゃどこにでもいけるし」
香「あの、みなさん?僕に不貞を勧めるのをやめていただけませんか?」
リーブラ「私は香様のお望みのままに動きます。あなたが望むのなら私は資産も全て譲渡いたしますし、諸々の厄介ごとはすませますからね」
香「・・・・・・ま、頭には入れておくよ。その気はないけどね」
―現在―
香「月美!僕ばっかり狙いすぎ!」
月美「だって香弱いんだもーん」
愛「ちょっ、射美奈!それ私のアイテム!」
射美奈「先に取ったもん勝ちよ!くらいなさい!滅びのバーストストリーム!」
香「ああああ!やられたあああ!!!!」
月美「なーんであそこに飛び込むかなー」
愛「絶望的にセンスが無いのよ」
香「くっそ、もう一回だ!!」
幽「香くん、もうずっとそればっかりじゃない」
月美「勝つまで辞めないっていうのならいくらでも付き合ってあげるよ」
愛「コイツ勝てないから終わらないじゃない」
射美奈「ま、いいでしょ。どうせ今日暇だし」
アリス「・・・・・・・なんだかんだいろいろあったけど、結局平和に落ち着いたよねー」
礼丹「まあ、それが香の能力ですから」
クロ「・・・・・・・」
アリス「さて、次はアリスちゃんも参戦しようかなっと!」
クロ「・・・・・・・」
礼丹「ではわたくしも交じらせていただきましょうか」
月美「おっ、来たな!返り討ちだ!」
愛「やってやんよ!」
射美奈「かかってきなさい!」
香「ああ、また負けた・・・・・・」