真恵「・・・・・・」
メアリー「真恵、どうしたんですか?」
真恵「ブラが、キツイ」
メアリー「・・・・・・」
真恵「先月新しいのに変えたばっかりなのに、またきつくなってきたの」
メアリー「・・・・・・」
真恵「また買いに行かなきゃ・・・・・・お姉ちゃん、ついてきてくれるかな」
メアリー「死ねばいいと思います」
真恵「なんでっ!?」
メアリー「嫌味ですか!6年生にもなって未だにスポブラな私への嫌味ですか、それは!」
真恵「嫌味じゃないよ!てか、むしろ羨ましいよ!こんなのあったって動きにくいだけだし!」
メアリー「あーあーあー、これだから胸の大きい方は余裕をおもちで嫌になっちゃいますね」
真恵「むー、胸が小さいと器も小さいってのは本当みたいだね」
メアリー「なんですって!?」
真恵「あ、でも幽さんは器も大きいし心も広いし結局当人の問題かぁ」
メアリー「ぐぬぬ・・・・・・言わせておけば・・・・・・!」
真恵「ま、ただの愚痴が嫌味に聞こえるようなメアリーに言っても仕方ないかな」
メアリー「・・・・・・わーん!覚えてなさいー!」
真恵「・・・・・・ちょっとやりすぎちゃった、かな?」
メアリー「ってことなんです!ひどいと思いませんか!?」
灯鈴「わかる!それムカつくよな!こっちもこの前翠石が似たようなこと言っててさぁ!」
メアリー「ちょっと胸が大きいからなんだって言うんですか!同じもの食べて育ってるんだからすぐに追いつきますよ!」
灯鈴「ちゃんと毎日牛乳飲んでるしマッサージとか全部やってるし!」
メアリー「なのに全然変わらない胸囲!」
灯鈴「遺伝子めっ!DNAめっ!恨みでもあるのか!」
メアリー「・・・・・・はぁ。実際としては真恵が本当に悩んでいるのはわかっているんですけどね」
灯鈴「動きやすいようにするには体に合った服がいるけど、アタシら成長期だしな」
メアリー「一応身長はまだまだ伸びてるんですけどね、私も」
灯鈴「アタシもなー」
メアリー「はぁー、どんな顔して真恵に顔をあわせればいいのやら」
灯鈴「今は1人部屋なんだろ?今日は引きこもってりゃいいじゃん」
メアリー「・・・・・・そうすると真恵が押しかけてくるんです。それで、向こうから謝って来るから、その、申し訳なくて」
灯鈴「じゃあ自分から謝ればいいじゃん」
メアリー「そうなんですけど、そうじゃないんですぅ・・・・・・」
灯鈴「めんどくさいなー」
メアリー「それは私もわかってますよ・・・・・・」
灯鈴「あ、そうそう。真恵と言えば」
メアリー「え、なんですか?」
灯鈴「この前また男子に告られてた」
メアリー「そりゃあね、あんな美人で愛想もよくて気も遣えて距離感が近くて胸が大きい女子がいたら人気になりますよ」
灯鈴「べた褒めだな」
メアリー「身内補正云々を抜きにしても普通に真恵は男子受けすると思ってます。男女の距離感を考えないから勘違いする男子も多いみたいですし」
灯鈴「だよなー。男子同士で牽制し合ったりしてるって噂だよ」
メアリー「周りを勘違いさせちゃう系女子ですね、いわゆる」
灯鈴「あとはケイオスもだな。あいつも真恵と一緒」
メアリー「人気があるという面ではコスモスや翠石もなんですけどね」
灯鈴「翠石は普通に女の子しててコスモスは品のあるお淑やかなお嬢様。顔もいいし胸もデカい。これでモテないわけがない」
メアリー「・・・・・・改めて、周りのレベルが高すぎですよね」
灯鈴「あいつら全部断ってるけどな」
メアリー「気になる男子とかいないんですかね、みんな」
灯鈴「そういうメアリーは?」
メアリー「私はやはりお兄様が一番だと思っていますので」
灯鈴「兄ちゃん、兄ちゃんかー。実際身近にあんなのがいると、他の男子とかガキっぽすぎてなー」
メアリー「・・・・・・ちなみに、告白された経験は?」
灯鈴「あるっちゃある。断ったけど」
メアリー「負け組は私だけですか・・・・・・」
灯鈴「あ、なんかごめん」
メアリー「実際問題として、真恵と私の差は一体何なのでしょうか。素体は同じ人形、今となっては私の体も完全に馴染んでますし、そう大きく差が出るとは思えませんが」
ハニポ「真恵様はもっと小さい頃から胸が膨らみ始めてたりとかその兆候はあったじゃないですか」
メアリー「ありました、ありましたけれども。今は現実を見たくないのです」
ハニポ「実際問題とか言っておきながら何を仰りますか」
メアリー「はぁ、ハニーポイズンはいいですね。身体の形が自由自在で」
ハニポ「不定形ですから」
メアリー「・・・・・・今度の身体測定の日なんですが」
ハニポ「だめですねー」
メアリー「どうして!」
ハニポ「不正をさせないようにと香様から言われてますので」
メアリー「うう、お兄様のばか・・・・・・」
真恵「だいたい、誤魔化してもむなしいだけでしょー」
メアリー「一時の数字だけでも高揚感に浸りたい子の気持ちがわからないのですか!・・・・・・真恵、いつから?」
真恵「今来たとこ。今朝はごめんね、ちょっと言いすぎちゃった」
メアリー「あ、いや、えーと、はい。私の方こそ、気にするようなことでもないことを・・・・・・」
真恵「メアリーが割と本気でコンプレックスだと思ってるのは知ってるのに、そこを突くようなこと言ったの私だしさ」
メアリー「・・・・・・真恵、一ついいですか?」
真恵「ん、なに?」
メアリー「ふと気になったんですが、いつから一人称を「私」に変えだしましたっけ?」
真恵「へ?え、えーと、いつだったかな?気が付いたらって感じだったし」
メアリー「ダウト。意識して変えようとしてたのぐらい気付いてます」
真恵「うへ、バレてた・・・・・・いや、私もなんだかんだ女だからさ。やっぱ女子っぽくしなきゃいけないじゃんか」
メアリー「料理を上海さんや薫お姉さまに教わっているのも?」
真恵「そうそう。玖美みたいなメシマズは回避したいし」
メアリー「掃除や洗濯の仕方を蓬莱さんやカノンさんに教わっているのも?」
真恵「いや、自分の部屋をもらったわけだし、片付けなきゃだらしないじゃん」
メアリー「・・・・・・おしゃれを虹香さんやアリスに教わっているのも?」
真恵「そ、そうだってば!」
メアリー「そうですか。人って変わるものですねぇ。いや、私たち人じゃないですけれど」
真恵「そりゃ身体が成長するのと同じように心も成長するんだから。いつまでも小さい子供のままじゃいられないよ」
メアリー「・・・・・・お兄様」
真恵「へ、お、お兄ちゃんがどうしたの?」
メアリー「私も淑女としてリーブラ先生に礼儀作法を教わっていますが、やはり体形がこうも変わらないのは不満ですから」
真恵「あのー、メアリー?」
メアリー「胸なんかは好きな人に揉んでもらうと大きくなるといいますし、お兄様にもんでもらおうかしらと思ってまして」
真恵「だ、だめだって!お兄ちゃんにはちゃんと彼女さんいるし!そんなの浮気だよ、浮気!」
メアリー「兄妹ならこれくらいスキンシップに収まるはずです」
真恵「収まらないって!淑女はどこにいったのさ!」
メアリー「リーブラ先生もお尻をもんでもらおうとしたことがあると聞きました!」
真恵「リーブラもなにしてるのさ!どうせあの人の事だからメアリーとは逆に小さくしたいとかそういうことだったんだろうけど!」
メアリー「あら、よくわかりましたね」
真恵「ほらー!リーブラはずっとお尻が大きいの気にしてたし。今はそうでもないみたいだけど」
メアリー「ところで、真恵は胸もそうですがお尻も大きくなってきてますよね。どうです、真恵も揉んでもらいますか?」
真恵「なに言ってるのさ!そんな、お、お兄ちゃんに、も、も、揉んでもらうだなんて!」
メアリー「あら、別に私は真恵までお兄様に揉んでもらうだなんて一言も言ってませんが」
真恵「だってすきなひ・・・・・・い、いや、なんでもない!」
メアリー「そこまで言ってたら言い切ってるも同然ですよ」
真恵「う、うるさいなぁ!ボクもう部屋に戻るからね!」
メアリー「あら、やっぱり「私」は意識して使ってたのですか」
真恵「うるさいうるさいうるさい!おやすみ!」バタンッ!
メアリー「おやすみなさい・・・・・・ふふ」
翠石「はぁ、お兄ちゃんはいつ結婚するんだろ」
ケイオス「突然どうしたの」
翠石「お兄ちゃんと風月さんが付き合いだして4年、風月さんも三十路だしお兄ちゃん早く結婚してあげてーって思ってるの」
ケイオス「実際問題10歳差って厳しいものがあるよね。年上の風月さんは人間だし女だし」
翠石「せめて子供だけでもとかさぁ、あるんじゃないかなって」
ケイオス「そこは籍だけとかじゃないの?」
翠石「籍って何?」
ケイオス「えっ」
翠石「えっ」
ケイオス「いや、式を挙げたりとかは別として、とりあえず書類上だけでも結婚すればって話なんだけど」
翠石「えっ、結婚って結婚式しなくていいの!?」
ケイオス「おおー、そういうレベルだったか。あたし翠石のことがちょっと心配になったわ」
翠石「そんなこと言われても、ほら私もまだ小学生だし」
ケイオス「あたしもね」
翠石「むしろけーちゃんはなんで知ってるの?」
ケイオス「んー、なんでだろ。お姉ちゃんたちが籍を入れるやなんやかんやの話してるからかな」
翠石「んん?ってことはリーブラさんたち、結婚するの?」
ケイオス「お兄ちゃんとねー、いろいろめんどくさいみたいだよ」
翠石「おお、香さんついにハーレム?」
ケイオス「前々から実質的にはそうなってたよ。で、問題なのは現行法だからそれをなんとかしたいって話してた」
翠石「つまり一夫多妻制」
ケイオス「なんでそっちの名前は知ってるのよ」
翠石「私、お兄ちゃんの恋愛話と同じくらい香さんの女性周りが気になってるから」
ケイオス「え、お兄ちゃんに興味あるの?」
翠石「うん。見てて楽しいし」
ケイオス「なるほどー。じゃあ今だと、真恵とコスモスお姉ちゃんかな」
翠石「あの二人は露骨だよねー。メアリーちゃんはなんやかんや変わってない」
ケイオス「公言してるしね、昔から」
翠石「私的には灯鈴ちゃんもちょっと怪しいかなって思ってる。リリーナちゃんは、どうだろう」
ケイオス「あー、色恋とかあんまり興味なさそう」
リリーナ「失礼な、私とて思春期の女子。惚れた腫れたの話は興味津々ですよ」
翠石「あ、リリーナちゃん」
ケイオス「やっほー、レッスンは終わったの?」
リリーナ「今日の分はね。虹香さんのお菓子がクロに持ってかれたから」
翠石「いつもの光景だね」
リリーナ「クロも一応タイミングを見計らってはいるみたいだよ。配信初めてすぐにとかは絶対に部屋に入ってこないし」
ケイオス「盛り上がるタイミングを把握してるよね。エンターテイナーだよ、あの子は」
翠石「しろちゃんは?」
ケイオス「相変わらず。今日も究極のカレーを求めて隠し味の研究してるよ」
リリーナ「ハマってるねー。ナナシさんも元気?」
ケイオス「あの人も立派にヒッキーやってるよ。この前リーブラお姉ちゃんに土下座して課金のためのお小遣いもらおうとしてた」
翠石「馴染んでるねー」
ケイオス「馴染んでるって言うかなんて言うかだけどね」
ケイオス「ただいまー」
コスモス「おかえりなさい、どこに行ってたんですか?」
ケイオス「紅茶館で翠石とリリーナとお茶会してたよ」
コスモス「もう、それでしたら呼んでくれればよかったのに」
ケイオス「だってお姉ちゃん忙しそうだったし」
コスモス「言ってくれれば時間ぐらいつくりますよ。私とて自分の時間を全てお稽古に費やすつもりはありません」
ケイオス「必死でメイドの勉強してるところを邪魔したいとは思わないよ。でも、今度いけそうなときは誘うね」
コスモス「おねがいしますよ」
ケイオス「それにしても、メイドの訓練をねぇ」
コスモス「どうしたんですか?ケイオスもやりますか?」
ケイオス「私はパス。ああいうのは性に合わない」
コスモス「性に合わないって・・・・・・」
ケイオス「私はどこぞの誰かさんみたいにお兄ちゃんにお熱を上げてないからねー」
コスモス「なっ、何を言いますか!私はただ、リーブラお姉さまのような立派な女性になりたくてですね!」
ケイオス「そうだよねー、リーブラお姉ちゃんはお兄ちゃんに奉公するために専属メイドやってるもんねー」
コスモス「ですから!それと私のとは関係ありませんって!」
ケイオス「はいはい。ま、私としては姉三人と従姉が一人の男の人に夢中ってのはちょっと心配になるけどね」
コスモス「ケイオスだって昔はあんなに「お兄様、お兄様」って後ろをついて回っていたのに、今となってはこの始末・・・・・・お姉ちゃんは悲しいですよ」
ケイオス「んー、やっぱり私にとってはただの気のいい近所のお兄ちゃん、なんだよね」
コスモス「いつからでしたっけ、ケイオスがそんな口調になっちゃったの」
ケイオス「はい?」
コスモス「ほら、昔は私たち同じ喋り方で同じ髪型で同じような服を着て、って感じだったじゃないですか」
ケイオス「同じ髪型は今もだけどね」
コスモス「その口調はリーブラお姉さまやアクアお姉さまとも違いますし、うーん・・・・・・」
ケイオス「あー、アリスかなぁ?それとも愛お姉ちゃん?いや、愛お姉ちゃんはちょっと違うか」
コスモス「やはりアリス・・・・・・いや、アリスというよりもお兄様の口調に近い気がします」
ケイオス「みゅむっ!?」
コスモス「あ、でも玖美お姉さまも似たような感じですか。そちらに似たのでしょうか?」
ケイオス「い、意識したことなかったけど・・・・・・口調、口調かぁ」
灯鈴「おっす、兄ちゃん!姉ちゃんなら今いないよー」
香「やっほー。今日は幽じゃなくて灯鈴に会いに来たんだよ」
灯鈴「えー、兄ちゃんってば姉ちゃん二人に飽き足らずアタシまで狙っちゃう感じー?」
香「そういうわけじゃないんだけども、はい、これ」
灯鈴「なにこれ?」
香「明後日誕生日だろ?ゼミの用事で明日からちょっと遠出するから、今の内に渡しておこうって思って」
灯鈴「そんなことしなくても鏡にぶち込んでくれればいいのにー」
香「アリスやリーブラの手は極力借りないように決めてるんだ。じゃないとダメ人間になりそうで」
灯鈴「ま、ありがと。折角だしあがってってよ」
香「それじゃあお邪魔します」
灯鈴「ほいよっと、練習中のクッキー」
香「見た感じ焦げたりはしてないけど・・・・・・」
灯鈴「姉ちゃんみたいにドジらないから大丈夫だって」
香「鈴火の塩入り黒焦げクッキーは正直トラウマだからね・・・・・・いただきます」
灯鈴「・・・・・・ど、どう?」
香「・・・・・・」
灯鈴「お、おいしくないかな?」
香「うん、おいしい」
灯鈴「ほんと!?」
香「ほんとほんと。僕割と味にうるさい方だと思ってるから、嘘はつかないよ」
灯鈴「そういや兄ちゃんの周りって料理上手ばっかりだよな・・・・・・あ、そうだ。問題!このクッキー、アタシは誰に教わったでしょうか?」
香「んー、この味だと・・・・・・いや、待ってくれ。3択まで絞れた。蕾か桜さんかアクアだろ?」
灯鈴「すげっ!マジで入ってる!」
香「ただ、桜さんはもうちょっと優しい香りにするし、蕾はもうちょっと甘い。アクアだね」
灯鈴「サーて、正解はー?どぅるるるるるるるるるるる・・・」
灯鈴「アクア姉ちゃんでしたー!だいせいかーい!すげー!」
香「まあね、これくらいはできないと。身が持たないし」
灯鈴「えっ、どういうこと?」
香「・・・・・・いろいろあるんだよ、大人には」
灯鈴「まあそれはいいとして、なんでわかったんだ?」
香「かなり甘めのクッキー、この味を好むのは誰かって考えたんだよ。で、単純に甘いものが好きな蕾と桜さん。そして、コスモスケイオスが好きそうだなって。それで、コスモスケイオスに作るかなり甘いクッキーとなるとアクアってことになる」
灯鈴「はあはあはあ、兄ちゃんいろいろ考えてるんだなー」
香「玖美並みにってわけじゃないけど、五感を鍛えるトレーニングはしてるんだ」
灯鈴「それってアタシにもできたりする?」
香「できるけどおすすめしない。楽しくないから」
灯鈴「えー」
灯鈴「で、これが兄ちゃんからもらったやつ」
メアリー「何が入っていたんですか?」
灯鈴「まだ見てない」
翠石「やっぱ誕生日当日に開けたいよね、そういうの」
リリーナ「私は早めに見たいタイプー」
灯鈴「まあそれはいいとして、とりあえず開けるか。・・・・・・コスモス、バラして」
コスモス「えっ、いいですけど?どうしてですか?」
灯鈴「なんとなく箱もとっときたくて。ラッピングをやぶったりしたくない」
コスモス「はぁ、わかりました。よいしょっと」
真恵「さてさて、中身は中身は?」
灯鈴「えっと・・・・・・ネックレス?」
真恵「うわ、きれい・・・・・いいなぁ」
灯鈴「え、えっと、なんか宝石ついてるし、これ大丈夫なの!?幽姉ちゃん用だったりしない!?」
幽「しないわよ。灯鈴のためにわざわざ作ってくれたんだから」
灯鈴「兄ちゃんが!?」
幽「そうよ。『そろそろおしゃれもしたくなる年頃だろう』って言ってね」
灯鈴「お、おしゃれかぁ・・・・」
リリーナ「あ、そうだ。せっかくだしそれ着けて写真撮って香さんに送らない?」
灯鈴「ふぇ!?」
メアリー「じゃあおめかししませんとね」
灯鈴「あの」
ケイオス「どんな服がいいかなー」
灯鈴「ちょっと」
翠石「あんまり派手じゃない感じの淡い色合いの服が合いそう」
鈴火「じゃあこのワンピースと合わせよっか」
灯鈴「えっ、あっ、待って」
メアリー「髪も整えますねー」
幽「お化粧もしましょうか。道具持ってくるわ」
コスモス「お兄様からのプレゼント・・・・・・」
真恵「むー、私にもかわいいのくれないかなー」
ケイオス「お兄ちゃんのことだからみんなの分考えてくれてるって」
メアリー「すぐおわりますからねー、じっとしていてくださいねー」
幽「さ、持って来たわよ。せっかく素材がいいんだからこれからはちゃんと整えてあげないとね」
灯鈴「か、勘弁してー!」
灯鈴「ひどい辱めを受けた・・・・・・誕生日なのに・・・・・・」
翠石「あはは、いいでしょー。照れる灯鈴ちゃんっていう珍しいのが見れたし」
灯鈴「ううー、こんなのアタシのキャラじゃないのにー」
メアリー「さ、メインのお料理がきましたよ。メイド見習いと家事見習いさんのバースデーフードです」
リリーナ「おおー、巨大オムライスー」
コスモス「まだお姉さまみたいに上手にはできませんが、少なくとも食べられるものにはなってるはずです」
真恵「こう、ふたりでチキンライスいっぱい作って卵を少しずつ伸ばしてだね、割と大変だった。でも、味は保証するよ!」
灯鈴「いや、でもこれ大きすぎでしょ!まるでケーキ・・・・・・えっ、これケーキ扱い!?」
幽「正解。さ、2段目いくわよ」
ケイオス「おおー、2段目がきれいに乗っていく・・・・・・さすが幽さん」
ハニポ「あとはケチャップですね!おまかせください!何か文字の希望はありますか?」
灯鈴「え、じゃあ無難にハッピーバースデーで」
メアリー「兄ちゃん愛してると書いてあげてください」
灯鈴「メアリー!?」
鈴火「ちゃんとこれも写真撮って送らないとね!」
ハニポ「書き終わりました!あ、ハートマークのスペースは空けてます!」
翠石「ほら、灯鈴ちゃん。最後の一筆は自分で、ね?」
灯鈴「うう、全員あとで覚悟しやがれよー・・・・・」
カシャッ
真恵「ハートを書いてる灯鈴撮影完了!」
灯鈴「あ、こら!」
真恵「そして送信!」
灯鈴「もー!なにすんだよー!もー!もー!」
真恵「あ、返信きた。・・・・・はい」
香『改めて、誕生日おめでとう。さっそくネックレス付けてくれて嬉しいよ。せっかくの美人さんなんだからこれを機にいろいろと試してみてね』
灯鈴「え、えっと、び、美人か・・・・・・えへへ」
コスモス「わあああっ!灯鈴、ケチャップ、ケチャップがっ!強く握り過ぎです!」
灯鈴「へ?あああっ!」
幽「ふふ、まだまだかわいいわね」
鈴火「永遠にかわいいままだよ!」
ケイオス「真恵とお姉ちゃんに加えて灯鈴まで雌の顔しちゃってさー、いよいよもってお兄ちゃんヤバいなって思ってる」
翠石「私たちそもそも女子だからみんな雌じゃないの?」
メアリー「そういう意味じゃないんです」
リリーナ「ケイオスは雌になる気はないの?」
ケイオス「雌になるって・・・・・・一応その気はないよ」
翠石「ねえ、じゃあ雌の顔ってどういう意味なの?」
メアリー「金剛さん・・・・・・は私が殺されそうですし、緋石さんは緋石さんが殺されそうですし、誰に聞けばいいのでしょうかね?」
リリーナ「蒼石さん」
メアリー「だそうです」
翠石「じゃあ帰ったら聞いてみよーっと」
ケイオス「そういや、メアリーとリリーナはどうなの?これはおいといて」
翠石「今私これ扱いされた!?」
メアリー「私はお兄様の前ではいつでも子宮が疼いてますよ?」
ケイオス「そういやこいつそういうやつだった」
リリーナ「あっ、子宮できたんだ」
メアリー「半年ぐらい前に完成しました。そのときから疼きっぱなしです」
翠石「あの、どういうこと?」
リリーナ「変態が変態なこと言ってるだけだから気にしなくていいよ」
メアリー「誰が変態ですか!むしろちゃんと抑えてる方ですよ!」
リリーナ「何が抑えてるだよサイコレズ」
ケイオス「えっ、レズなの?さっきのお兄ちゃんの発言は?」
メアリー「レズビアンではなく、バイセクシャルです」
ケイオス「いや、それはそれで公言されると・・・・・・せめて否定してよ」
翠石「えっ、あの、大丈夫だよ?私、ちゃんとこれからもいいお友だちでいるからね」
メアリー「なぜレズとバイの意味は知っているのですか!」
翠石「風月さんがそうらしいから・・・・・・」
リリーナ「ああー・・・・・・」
ケイオス「何も言えないね」
日輪「あんたら日中の公共の場でなんて発言してんのよ」
ケイオス「だって夜中とか私的の場とかだとそこのバイに襲われそうだし」
メアリー「失礼な!私が情欲を向けるのはお兄様と真恵にだけです!」
翠石「さらっと向けられてる真恵ちゃんかわいそう」
リリーナ「一応言っておくと真恵はノーマルだからね。いたってノーマル」
ケイオス「そういうリリーナは?」
リリーナ「ノーマルノーマル。普通に香さんのこと好きだし」
ケイオス「あっ、やっぱそうなんだ」
日輪「はぁ。まあ今はいいけど、他のお客様が来たらさすがにやめときなさいよ」
ケイオス「どうせこの時間来ないでしょ。だからたまり場にしてるんだし」
日輪「それを言われたらおしまいなんだけどね。あんたらしかいないから一人で回してるわけだし」
翠石「あれ、愛さんは?」
日輪「ゼミの用事で兄さんと一緒にどっかに行ってる。月美さんとかも」
メアリー「愛さんと月美さんはお兄様が唯一主導権を一切取れないコンビですから、いまごろたじたじでしょうね。動画送ってくれないでしょうか」
日輪「メアリーはあんたほんと悪い方向に成長したわね。アクアの影響?」
リリーナ「割と身内に対して良くも悪くも素直な感情を向けたり見せたりするのは日輪さんや薫さんの影響だと思いますが」
ケイオス「今もカメラ持ち歩いてるんでしょ?」
日輪「当り前よ。姉たるもの妹の尊い姿をいつでも激写できないなんてありえないわ」
ケイオス「そういうとこなんだよなぁ」
翠石「・・・・・・こう考えたら、ウチのお姉ちゃんお兄ちゃんって割かしまともなのかも」
メアリー「少なくとも翠石がピュアに育っているところを見るとそうだと思いますよ」
リリーナ「もうそろそろ翠石に悪い言葉を覚えさせた人が身内入りしそうだけどね」
ケイオス「ただいまー」
セレシア「おかえりなさい。どこに行ってたの?」
ケイオス「紅茶館。メアリーたちと駄弁ってた」
セレシア「・・・・・・最近回数が多くないかしら?お金はどうしてるの?」
ケイオス「前に換金したのがまだ残ってるし、日輪さんがいるときは全部出してくれるし」
セレシア「日輪ちゃんが?またお礼を言っておかないと・・・・・・」
ケイオス「いいっていいって。ちゃんと毎回言ってるし、メアリーたちのついでだし」
セレシア「それでもちゃんとお礼をするのが大人ってものよ。せっかくだから、ケイオスもコスモスと一緒にリーブラに教わってみる?」
ケイオス「パス。めんどくさいし」
セレシア「もう、大事なんだからね」
ケイオス「わかってるって」
コスモス「あ、お帰りなさい、ケイオス。今日はどちらに?」
ケイオス「紅茶館でメアリーたちと駄弁ってただけだよ」
コスモス「もー!だから私も呼んでくださいって言ってるじゃないですか!」
ケイオス「いやいやいや、今日の内容はお姉ちゃんが聞いたら卒倒するって」
コスモス「卒倒って、一体どんな話をしてきたんですか」
ケイオス「多分聞いたら後悔するよ」
コスモス「それを言われたら余計に気になるじゃないですか!」
ケイオス「そう言われると余計に言いたくなくなる。このまま心のどこかにしこりをのこしたまま過ごしてもやもやしてるといいと思う」
コスモス「どうしてですか!?なんでそんなに辛辣なんですか!?」
ケイオス「さーてねー」
コスモス「いいから教えてくださいよー!」
コスモス「で、結局今日はどんな話をしてたんですか?」
ケイオス「え、まだ聞く?」
セレシア「お母さんも興味あるわ。ケイオスがお友だちとどんなお話してるのか」
アクア「香の話はどっかで交えてそう」
ロック「普通に服の話とかそんなのじゃねえのか?」
ケイオス「私たちそんなおしゃれな話はできません」
ロック「おい、女子だろ」
ケイオス「お父さんは女子に幻想を見すぎ。現にアクアお姉ちゃんを見てよ、寝ても覚めてもお兄ちゃんのパンツとか残り湯とかのことしか考えてない」
アクア「妹からのディスがひどいんだけど」
リーブラ「そう思うなら普段の生活を、と思ったけれどもう手遅れね」
ナナシ「アクア、どうしてこんなことになっちゃったの。私はそんな風に育てた記憶はないわ」
アクア「育てられた記憶もないんだけど」
しろ「これツッコミどころでありますか?」
リーブラ「スルーで構いませんよ」
コスモス「ほら、ケイオス。ちゃんと話してください」
ケイオス「えー、割とここで話すような内容じゃないんだけど」
コスモス「そんなにもったいぶらなくていいじゃないですか!」
セレシア「そんなに面白いことなの・・・・・?」
ケイオス「んー、あー、えっと、とりあえずリーブラお姉ちゃんがバイだよねって話はした」
リーブラ「!?」
コスモス「えっ」
リーブラ「え!?いや、してなかったでしょう!」
ケイオス「あ、やっぱり聞いてたんだ。盗聴器どこにつけてるの?」
リーブラ「謂れもない虚実を広めないでください!私にそのケはありません!」
セレシア「あ、あの、ケイオス?」
ケイオス「いやいやいや、ナナシさんみてよ。草華さんにべったりじゃんか。潜在的バイだって」
ナナシ「リーブラ、認めましょう。あなたは私、私はあなたなんだから」
リーブラ「ナナシさんも乗っからないでください!あなたと私は育って来た環境が全く別ではありませんか!」
コスモス「もー!はぐらかさないでください!ケイオス!」
ケイオス「でもそれに近い話はしたよ。メアリーが実はバイだったって話」
セレシア「あの、ちょっと待って、ケイオス。あなた普段からそんな話をしているの?喫茶店で?」
ケイオス「リリーナからメアリーのレズ疑惑を聞かされてからのメアリーのバイ公言はさすがに初めてかな」
ロック「いや、そういうことじゃなくてだな」
ケイオス「後は普通にメアリーの子宮が半年前から疼いてる話だったり、灯鈴が雌の顔してたよねって話だったり」
コスモス「め、雌の顔?」
リーブラ「ケイオス、そのあたりでやめておきなさい。コスモスももう満足したでしょ?」
コスモス「あの、雌の顔っていったいどういう」
ケイオス「お姉ちゃんたちがお兄ちゃんに向けてる顔の事」
セレシア「ケイオス!いい加減にしなさい!」
ケイオス「なにさー、自分で聞きたいって言ったのに。私は止めといた方がいいって言ったよ?」
コスモス「お、お兄様に向けてる顔ってどういう意味ですか!?」
アクア「姉さん、教えてないの?」
リーブラ「教えるわけないでしょう!」
ロック「ま、まあ思春期だしそんな話もするって、な?一回落ち着こうぜ、みんな」
ケイオス「はーい。ごちそうさまー」
コスモス「あ、ケイオス!お皿残ったままですよ!」
ケイオス「話代だと思って片付けといてー」
コスモス「あっ、もう・・・・・・ケイオスったら」
セレシア「・・・・・・育て方、間違えたかしら」
日輪「はあーあ、めんどくさ」
玖美「どうしたの?」
日輪「自分のメアリーに向ける目が変わっちゃいそうで怖いのよ。あんな爆弾発言されたら・・・・・・せめて私のいないとこでやってくれればいいのに」
玖美「あ、メアリーが寝てる真恵の側でエクスタシーしてる話?」
日輪「真恵の部屋に鍵をつけるわよ」
玖美「鍵つけてもハニポで開けちゃうから意味ないって」
日輪「結界貼るわ。早急に」
玖美「それだと真恵が通れないんじゃ?」
日輪「そこは大丈夫。真恵は魔物でメアリーは付喪神でしょ?神霊限定結界を貼っておけばメアリーだけ通れないってわけ」
玖美「なるほどねー。ちなみにメアリーがエクスタシーしてたのは2年ぐらい前からだよ。真恵も薄々感づいてる」
日輪「・・・・・・あんた、むしろよくそこまで全部知ってて普通に過ごせたわね。素直に尊敬するわ」
玖美「幼馴染の同級生があれなもんだから」
日輪「ああ・・・・・・」
玖美「でも最後の一線は超えてないから大丈夫だよ。真恵がお兄ちゃんに乙女見せてる内は計画を発動しないって」
日輪「なにその計画、心配なんだけど」
玖美「聞きたい?ドン引きするよ?」
日輪「・・・・・・いや、予想はつくけどね。一応リーブラさんとかアリスとか幽さんとかに知らせて・・・・・・いや、だめね」
玖美「リーブラはメアリーの師匠でアリスはむしろ推奨しそうだし幽さんは許容しそうだし」
日輪「あらためて兄さん周りは大丈夫なのかしら。心配だわ」
玖美「ちなみに計画ってのは真恵とお兄ちゃんを一緒に」
日輪「それ以上言わなくていい!」
メアリー「はぁ、周りのみんながモテモテな今日この頃。私はどうしてそういう話が舞い込んでこないのでしょうか」
玖美「心の底で感じ取ってるんじゃない?こいつやべーなって感じを」
メアリー「一応告白されたこと自体はあるんですよ?偽物でしたけど」
玖美「偽物?」
メアリー「はい。メインは真恵狙いです」
玖美「あ、察しがついた。気弱な男子かなんかをメアリーと付き合わせて、その友達だから俺たちもーみたいな流れに持ってこうとするやつか」
メアリー「はい。まあ話は付けてきたので大丈夫ですけど」
玖美「話を付けたって・・・・・・」
アリス「リーブラ式交渉術。相手の心を完膚なきまでに叩き折る素敵術だよ」
メアリー「アリス、お兄様を放っておいて戻ってきていいんですか?」
アリス「今は愛と月美が絡んでるからね。あそこに入るのはさすがのアリスちゃんもめんどくさい」
メアリー「はあ、なるほど」
玖美「リーブラはいったいメアリーになにを教えたのさ」
メアリー「合法ですよ?」
玖美「いや、そうじゃなくて。それって相手を怒らせたりは?危なくない?」
アリス「こうみえてメアリーもコスモスと一緒にリーブラにメイドならってるからね。ついでにメイド真拳も。仮に殴り掛かられたとしても軽くいなせるよ」
メアリー「加えて、そもそも攻撃させないのも教わった技術です。リーブラ先生はそこにマネーパワーやマッスルパワーも加わりますから一人で無敵の布陣です」
玖美「んー、じゃあいいんだけどさ。本当に危なくなってどうしようもない時はちゃんと助けを呼んでね。すぐに駆け付けるから」
メアリー「・・・・・・玖美お姉さまが珍しいことを仰ってますね」
アリス「柄にもなくお姉ちゃんらしいこと言ってる。明日は台風かな?」
玖美「残念、明日は雨のち晴れ。風はたいしてないよ」
アリス「もはや未来予知の域だよね、玖美のそれ」
玖美「空気のよどみと湿度と流れさえわかってれば明日の天気ぐらい予想できるよ」
メアリー「それを機械も何もなしに行うお姉さまがすごいんですが。改めてそういうところは尊敬します」
玖美「そういうところはってのは聞かなかったことにしようかな」
―そのころ―
愛「ぎゃーーーーー!蛇ーーーーーー!!!!!!」
香「えっ、ちょっ、盾にするな!」
愛「無理無理無理無理!キモイキモイキモイキモイ!」
香「熊倒せるんだから余裕だろ、愛!」
愛「倒せるかどうかじゃなくてきもくて無理だからーーーーーー!!!!」
月美「えー、これが?」ヒョイッ
愛「ぎゃーーーーー!近づけないでーーーーー!!!!!」
香「よ、よく平気だね」
月美「腐っても悪魔なもんで。慣れっこだよ。毒はなさそうだし、焼いたら多分おいしいよ」
愛「捨てて!早くそれを捨てて!」
月美「はいはい。ほら、山へおかえりー」
愛「はー、はー・・・・・・」
月美「今度愛には秘蔵のマムシ酒を飲ませてあげるね」
愛「無理!無理だから!」
香「気にはなるけど・・・・・・リーブラに介抱頼んで飲みに行こうかな」
愛「私はぜぇーーーーーーったい飲まないから!見たくもない!」
翠石「あ、そういえば風月さん」
風月「どうしたの?」
翠石「世の中、おもったよりバイの人は少なくないんですね」
風月「ぶっ、げほっげほっ」
緋石「」
蒼石「す、翠石ー?」
金剛「どうしたの、翠石。あなたに一体何があったの。」
翠石「今日メアリーちゃんからバイだっていう告白受けて」
風月「薫先輩、妹さんがすごいことになってますよ・・・・・」
翠石「それで、そういえば世界さんもバイだし、思ってたよりそういう人多いなって思って」
蒼石「最近の小学生は進んでるなぁ・・・・・・私そんな話したことないや」
緋石「突然のそれはやめろ、まじで。不意打ちやめろ」
翠石「あっ、私は別にそういうわけじゃないんだよ?ていうかふつー」
金剛「え、まさか好きな相手が・・・・・」
翠石「んー、ないしょー」
蒼石「最近の小学生は進んでるなぁ」
翠石「あ、あと灯鈴ちゃんが雌の顔してるって話もしたかな」
緋石「雌の顔って・・・・・・」
金剛「私、割と本気でお友だちが心配になってきたわ」
翠石「それで、雌の顔ってどんなのかわからなくて」
蒼石「ん?あー、風月さん。いつ結婚するの?」
風月「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
緋石「そ、蒼石!」
蒼石「ほら、なんだかんだ風月さんももう30歳、そろそろ子どもとか考えるべきじゃないのかなーとか余計なおせっかいをね」
風月「お、おせっかいってわかってるなら・・・・・・でも、こども・・・・・・・ほしいな・・・・・・」
蒼石「はい、これが雌の顔」
翠石「なるほどー」
金剛「蒼石、あとでお説教ね」
蒼石「!?」
真恵「はぁ、また男子に告られた」
ケイオス「あたしもー」
メアリー「・・・・・・」
コスモス「一昨日のお昼いないなと思ったらそういうことだったんですか。大丈夫でした?変なことされませんでした?」
ケイオス「変なことしようものなら土にくっつけて庭にばらまくから大丈夫だって」
真恵「でもさー、やっぱあいつら胸ばっかり見てくるんだよね。やらしいったらありゃしない」
ケイオス「そーそー。体育の時とかもこっち見てくるし」
コスモス「あ、その視線はわかります。こう、やはり見られて気分がいいものではありませんよね」
真恵「最近はナンパとかも受けるしさー」
ケイオス「あー、あったねー。あいつらどうなったんだろ?」
真恵「知らなーい。お父さんがぶちぎれてただけだし知らなーい」
コスモス「何ですかその話。私知らないんですけど」
メアリー「この前のお祭りに行ったときに、この二人がナンパされたって話です。ええ、すぐそばにいた私は何も言われませんでしたが何か?」
真恵「メアリーは、んー、なんだろうね。普通にキレイだし可愛いと思うんだけどな」
ケイオス「眼鏡が男子受けしないんじゃない?」
メアリー「でも、私これがないと視力が・・・・・・」
コスモス「コンタクトにはしないんですか?」
メアリー「無理です無理です!目の中にものを入れるだなんておぞましいこと、できるわけないじゃないですか!」
ケイオス「人形なんだし、目を取り替えたりとかは?」
真恵「おばあちゃんならできそう」
メアリー「目にものを入れるのすら怖いというのに目を取り替えるなんてできるわけないじゃないですか!」
コスモス「取り外すだけなら私の力でできますが」
メアリー「そういうことじゃないんです!」
メアリー「ただいま帰りました」
真恵「ただいまー」
ロウチェ「おう、おかえりー。飯出来てるぞー」
真恵「はーい」
チエロ「はーい」
ロウチェ「チェロはもうチョイ手伝え」
チエロ「あたしは、ほらー・・・・・・・火加減とか苦手だし?」
ロウチェ「せめて皿並べるとかなぁ・・・・・」
メアリー「・・・・・・今更ですが、人って変わるものですね」
ロウチェ「なんだよ急に。文句あるなら食わなくていいぞ」
メアリー「いえ、やはり愛とは尊いものだと感心しただけです。先生のおっしゃる通りですね」
ロウチェ「お前はリーブラに影響受けすぎなんだよ。もっと身近な年上に影響受けろよな」
真恵「例えば?ロウチェとか?」
ロウチェ「いやいやいや、あたしなんかに影響されてたら香が卒倒しちまうって。ほら、香以外を相手にしてるオルレアンとか偉い人と話してる玖美とかいろいろ・・・・・・やっぱまともな奴いねーわ」
リリーナ「ロウチェさんは結局口調は治らなかったねー。立ち振る舞いはものすごく姫というか良家のお嬢様にはなったと思いますけど」
ロウチェ「家の中でぐらい素でいてもいいだろー。一応国を代表して留学してるから学校だとすっげーお姫様してるんだからな」
チエロ「学校だと誰だこいつって感じだよ」
ロウチェ「お前はどこでも変わらなさすぎ」
真恵「国を代表したお姫様が一般家庭でホームステイってのもすごい話だよね。SPとかつけなくていいの?」
ロウチェ「あたしを襲うような奴らがお前らに勝てるわけないじゃん」
メアリー「それもそうですね。もし我が家やそれに準ずるものを襲おうものならお兄様方が黙っていませんし、そもそも日本にそんな輩がいるとは思えませんが」
ロウチェ「ウチの国資源も領土も何もないしなー。狙ってくる国もないからうまく立ち回れてるもんだよ。じゃなきゃあんな小国が500年も続くわけがない」
リリーナ「自分で言いますか、それを」
ロウチェ「だからそんな状況でも現代を生き抜いていくためにこうやって先進国である日本に来て勉強してるんだろ」
メアリー「実際にどんな勉強を?」
ロウチェ「香のコネが広いから香についていくだけでコネが広がる。ついでにそこの人らに話を聞いて各分野について現場の知識と実態を教えてもらう。それをウチの国でもうまく運用できるようにまとめたり昇華させたりしてるわけだ」
チエロ「お兄ちゃんがバイトしてる宝石屋さんとかおばちゃんがやってるお菓子屋さんとかいっぱい行ってるね。あと、市庁舎とか」
真恵「お、思ってたよりもすごいことやってるね」
リリーナ「私よりお姫様っぽいことしてますね」
ロウチェ「わがまま言って来させてもらってるんだ。それには報いなきゃな」
メアリー「と、仰ってますよ」
クレイン『ロウチェ、こんなにも姫としての自覚を持ってくれて・・・・・・私は嬉しい限りです』
ロウチェ「国の運営とか諸々は全部姉様たちに任せてるんだ。これくらいはやんなきゃ立つ瀬がないだろ」
メアリー「むぅ、反応が面白くないですね。もっと取り乱すかと思いましたが」
真恵「メアリー、そういうのよくないと思うよ。とはいえ、ロウチェが頑張ってるのは事実だし、シュシュがこっそり撮り溜めした動画でも今度送る?」
クレイン『是非!』
ロウチェ「検閲してからな。あと、シュシュとは一回話し合わないといけないみたいだな」
メアリー「お兄ちゃんの指示でですねー、オーラムでのロウチェの立場が国民のみんなにも伝わるようにって動画作ってるみたいなんですよねー」
ロウチェ「それはそれでも検閲はいる。外部非公開の資料とか映ってたらまずいしな。香と国への信頼がそのままあたしへの信頼になってるわけだ。気づかないうちに裏切ってましたなんてシャレにならない」
クレイン『クロウ!メア!ロウチェが、ロウチェがこんなにも成長して!』
メア『クレイン様、今夜はお赤飯ですね』
クロウ『それでは、検閲が済んで大丈夫そうなものから順次送っていただいて構いませんか?編集とかはこちらでしておきますから』
ロウチェ「りょーかい。みんなにもよろしく」
チエロ「よろしくねー」
真恵「・・・・・・ロウチェ、なんかかっこいい!」
メアリー「なんていうか、大人を感じました」
リリーナ「これが一国の責務を背負う姫のあり方なんですね。感服いたします」
ロウチェ「や、やめろよ!むず痒い!ほら、さっさと食え!」
チエロ「あたしは?あたしは?」
真恵「自由でいいんじゃないかな」
メアリー「正直マリンさんみたいにカッコいい人を期待してましたが・・・・・・」
リリーナ「まあお勉強はちゃんとしてるみたいですしいいんじゃないでしょうか?」
チエロ「うん、ヨシ」
ロウチェ「え、いいの?」
真恵「それで、メアリーがもっと男子受けするようにおしゃれさせようって話になって」
メアリー「別にモテたいわけではないのでsあいたっ!」バチッ
リリーナ「え、どうしたの?」
真恵「何?足でもぐねった?」
メアリー「いや、なんか今バチっときまして」
真恵「バチっと?」
リリーナ「どこで?」
メアリー「ここの入り口の部分が・・・・・・あいたっ!」バチッ
真恵「え?え?」
メアリー「・・・・・・おかしいですね。真恵の部屋に入れません」
リリーナ「んー、日輪さんの結界?」
真恵「っぽいね。私は普通に通れるけど・・・・・・」
メアリー「・・・・・・え、私限定の結界ですか?ひどくないですか?」
真恵「メアリー、なんか心当たりは?」
メアリー「いやいやいや、そんな悪いことした記憶は・・・・・・」
リリーナ「まあメアリーがそんなことするわけないし」
真恵「だよね。ちょっと玖美にたいするあたりが強いだけで」
リリーナ「日輪さんの気を損ねるようなことはないでしょう」
メアリー(・・・・・・え、もしかしてアレがバレて?いや、でも細心の注意を払って音も漏れないように・・・・・・)
真恵「メアリー?」
メアリー「い、いえ、なんでもありません。日輪お姉さまもおらず、原因もわからない以上真恵の部屋ではできませんね。私の部屋かリリーナの部屋に行きましょう」
リリーナ「いいけど・・・・・・ほんとにわからないの?」
メアリー「はい。わかりません。淑女としてリーブラ先生を見習い、行動しているつもりですから」
真恵「それって表ではお淑やかに、裏では強かにってことだよね」
メアリー「それには誤解があります。リーブラ先生は表でも強かです」
リリーナ「それもそうだね」
コスモス「ケイオス、今日のことですが」
ケイオス「ん?なーに?」
コスモス「ケイオスはいつもあんな風に、こう、モテるとかモテないとかの話をしているのですか?」
ケイオス「その話を振って来るのはメアリーだよ。真恵がアレなのに自分はって毎回言ってるから」
セレシア「メアリーちゃん、普通に美人なのにね」
ケイオス「男子に受けない美人だよ、あれは。ぺったんこだし快活さもないしそもそもとして男子から距離置きすぎてる」
セレシア「ケイオス、あまり友達を悪く言うんじゃありません」
ケイオス「悪口じゃなくて順当な評価だって。真恵がモテるのはエロイし明るいし男子との距離が近いから。真恵としては友達感覚みたいだけどね」
リーブラ「ケイオス、せめて言葉をもう少し・・・・・・」
ケイオス「翠石とかは純粋にかわいいよね。あたしらのグループで一番女の子してるし。リリーナは純粋にエロイ」
アクア「もしかして、あのベリーダンスを外でもやってるの?」
ケイオス「衣装は流石に着ないけど、普通にやってる」
アクア「それは仕方ないわ。私でもエロイと思うし」
コスモス「ケイオス!それにお姉さまもさっきから言葉が汚いです!破廉恥です!」
ケイオス「なにー、純情ぶっちゃってー。コスモスお姉ちゃんだって男子からいっぱい告られてるの知ってるんだからねー」
コスモス「それを言ったらケイオスだって!」
ケイオス「ま、単純に胸がおっきいからね。あのお猿さんたちはみんなこれを触りたがってるわけだよ」
ナナシ「・・・・・・見せつけてるの?」
セレシア「なっ!?」
ケイオス「まっさか。あたしの身体はそんなに安くないよ」
コスモス「・・・・・・この前、灯鈴が告白されているのを見ました。灯鈴がされてメアリーがされない道理がないのではないでしょうか?」
ケイオス「灯鈴は誕生日の一件以来女の子度がアップしてるからね。やっぱ人間雌になると変わるもんだよ。ね、お姉ちゃんズ」
コスモス「め、雌!?」
リーブラ「ケイオス、言葉を慎みなさい。言い方というものがあるでしょう」
アクア「どうだろ、私は意識したことないけど。姉さんは香に対しての意識が強いし、身だしなみを整えたりとかそういうのはあるかもね」
セレシア「好きな人にはきれいな姿を見せたいモノ、というのには賛同するわ。ただケイオス、さっきから言葉遣いがよろしくないわよ」
ケイオス「はいはい。ごちそうさま」カチャカチャ
ナナシ(今日はちゃんと片付けるのね。コスモスも一緒に行っていたからかしら。このあたりは割と律儀ね)
コスモス「訂正してください!私は、雌だなんてそんな破廉恥なものになった記憶はありません!」
ケイオス「あ、雌の意味は調べたんだ」
コスモス「そりゃああれから気になって自分で・・・・・・って、そうじゃなくて!」
ケイオス「だいたいさー、お兄ちゃんの側にいる時の顔鏡で見たことある?すごい顔してるよ?」
コスモス「な!?だ、だから!お兄様は関係ないでしょう!」
ケイオス「関係ないわけないでしょー。お姉ちゃんも真恵も灯鈴もおんなじ顔してるもん」
コスモス「それに!他の子のことも悪く言いすぎです!」
ケイオス「褒めてるつもりなんだけどなー。エロイってつまり色気がある、大人っぽいってことだし。男子との距離が近いのは分け隔てないってこと」
コスモス「それならそれでそう言えばいいじゃないですか!」
ケイオス「お姉ちゃん、今夜だよ。さっきから叫びすぎ、近所迷惑」
コスモス「う・・・・・・」
ケイオス「それに破廉恥だのなんだの言ってるけどさ、ふつーの事なんだよ、ふつーの。男子も女子も性に興味があるお年頃、エロさに惹かれるのはしょうがないって。電灯に虫が魅かれるようにエロにお年頃男子も女子も惹かれてるのさ。純情アピールしなくていいって」
コスモス「そういうところです、ケイオス!言い方ってものがあるでしょう!」
ケイオス「はいはい、そういうとこそういうとこ。ま、あたしは別に淑女やろうとも思ってないし別にいいでしょ」
セレシア「いいわけないでしょう」
ケイオス「あ、お母さん。珍しいね、あたしらの部屋に来るなんて」
セレシア「ケイオス。あなたがどんな影響を受けてそんな話し方をしているのかはわからないけれど、少なくとも相手が不快に感じるような言葉遣いはやめなさい」
ケイオス「不快、不快ねぇ。下ネタひとつで顔真っ赤にするお姉ちゃん相手なら何言っても不快にさせちゃうよ」
セレシア「そういうところです!わざわざ人を煽るような言い方をやめなさいといっているのです!」
ケイオス「煽ってるんじゃなくて普通に思ったこと言ってるつもりなんだけど」
セレシア「歯に衣着せぬというだけじゃないでしょう、それは。別にあなたの口調を直せとかそんなことを言うつもりはないの。ただ、もう少し女の子らしく慎みを持ちなさいという話よ」
ケイオス「女らしさなんて身体に出てるから十分だって。ほらほら」
コスモス「って、なんで私の胸を持ち上げるんですか!」
ケイオス「だって双子だし?身長体重スリーサイズまでいっしょだからこっちでもいいって」
セレシア「茶化さない!そういうところよ!もう、コスモスはお淑やかになってくれたというのに、いったいどうしてケイオスは・・・・・・」
ケイオス「・・・・・・ま、そういう性分だったってことだって。仕方ない仕方ない」
コスモス「だからケイオスもお姉さまに教わればいいって言ってるじゃないですか」
ケイオス「本人のやる気がなかったら意味ないでしょ。リーブラお姉ちゃんが一番嫌ってるのは自分でやると言っておきながら怠けること。見えてる地雷を踏み抜けだなんてそんなひどいこと言わないでよ」
セレシア「リーブラは行き過ぎているとしても、女の子らしくする方法はあるでしょう。私はあなたのことをそんなふうに育てた覚えはないわ」
ケイオス「・・・・・・育てられた覚えもないよ」
ケイオス「あたしらのこといつでもほったらかしにしてたくせにさ。なんなの、今更」
セレシア「っ!」
コスモス「ケイオス!」
ケイオス「アクアお姉ちゃんがあんな変態になっても放置してたくせにさ。あれだって誰かさんがちゃんと教育してたら抑えれたんじゃないの?もう後の祭りだけど」
セレシア「そ、それは・・・・・・」
ケイオス「リーブラお姉ちゃんだってああやって家事とか全部できるようになったのは歌恋さんの下でメイド修行やったからじゃん。お姉ちゃんの行く末が心配だとか昔言ってたけどさ、お姉ちゃんが全部自己完結するようになったのもお母さんがずっと放っておいたからでしょ」
ケイオス「コスモスだって今誰に家事とかおしゃれとか教わってるの?全部お姉ちゃんでしょ。アクアお姉ちゃんだって草華さんとかに教わってるし。女の子らしいことなんて何一つ教えてないじゃん」
ケイオス「今までほったらかして全部押し付けてきたんだから、今更になって母親面して説教しないでよ」
コスモス「ケイオス!」
パンッ!!!
ケイオス「・・・・・・っ!」
リーブラ「ケイオス、それは言ってはいけない一言です。お母様は私たちを産んで育ててくれて、いつだって私たちのことを想ってくれています。あなたにはそれがわからないのですか!」
ケイオス「・・・・・・知らない」
コスモス「ケイオス、それは」
ケイオス「知らない知らない知らない!お母さんがあたしたちのこと想ってる?んなことわかるわけないじゃん!幽さんじゃないんだから!人の考えなんて読めない!」
リーブラ「心が読める読めないではありません!そんなことできなくても伝わるでしょうが!普段からどれだけお母様が私たちのことを考えているか!心配しているか!」
ケイオス「わからないよ!誕生日の日にもいなかったことばっか!運動会にも文化祭にも来てくれたことがない!お母さんのお弁当だって何年も食べてない!今日のご飯だってお姉ちゃんが作ったやつじゃん!」
コスモス「ケイオス、それはお母様がお仕事で忙しくて」
ケイオス「仕事がなんだ!真恵たちはいっつもおばさんのご飯をちゃんと食べてる!運動会のためにたくさんお弁当作ったり、授業参観にも来てくれたり!おばさんだってお仕事忙しいのに!ちゃんとお母さんらしいことやってる!」
ケイオス「最後に一緒に出掛けたのいつ!?最後に作ったお弁当の中身は!?あたしが最近集めてるものは!?あたしが昨日食べたおやつは!?あたしが今日してきたことは!?」
ケイオス「何一つ知らないでしょ!知ってるわけないよね!知ってたらそれはお姉ちゃんから聞いたことだ!お姉ちゃんはなんでも知ってるから!」
セレシア「それ、は」
ケイオス「でも、お姉ちゃんも知らないでしょ。お姉ちゃんの盗聴器、どこにあるのか私知ってるんだよ。お姉ちゃんがどうやってあたしの場所を把握してるのかとか、全部知ってるんだよ」
リーブラ「・・・・・・いったい、なんの」
ケイオス「ばーか!あたしを探してみろ!おまえらは絶対に見つけられない!あんたたちはあたしのことを何もわかっちゃいないんだから!」
コスモス「ケイオス、何を」
ケイオス「ティルフィング!GPSも盗聴器も全部ぶっ壊せ!!!!!!!」
リーブラ「!!!!!!!」
バチッ!!!!!
リーブラ「げほっ、ごほっ・・・・・・け、ケイオス?」
コスモス「お、お姉さま!壁に、おっきな穴が!」
セレシア「ケイオス?どこにいったの?ケイオス?」
リーブラ「家出、ですか。大丈夫です、お母様。GPS魔法ですぐに見つけ出して・・・・・・あら?」
コスモス「お姉さま?」
リーブラ「ええっと、おかしいわね。探知できないわ」
コスモス「お姉さま、ケイオスは能力で魔法とかをカットできます」
リーブラ「あ、そうだったわ。でも大丈夫、すぐに街に監視カメラにアクセスするわ。それですぐに見つかる」
コスモス「お姉さま、ケイオスは空を飛べるので監視カメラに映る位置を通らないかと」
リーブラ「あ、あら?えっと、スマホのGPSは・・・・・・」
セレシア「ケイオスのスマホ、見事に壊れてるわ。それに、ここに置いていったのならGPS信号を探しても意味がないわね」
リーブラ「ええっと、ええっと、み、道行く人に聞きましょう!」
コスモス「お姉さま、ですから飛んで行ったのだからわからないですって。それに、こんな夜中じゃケイオスの黒球は闇に紛れて見えません」
リーブラ「ええと、ええと、ええと、それじゃあ、ええっと?」
リーブラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リーブラ「もしもし、夜分遅く失礼します。香様、少しお時間よろしいでしょうか?」
香「ケイオスが家出?」
リーブラ『はい。それで、できれば香様のお力をお借りしたくてお電話差し上げました』
愛「え、ケイオスが家出ってなにがあったのよ」
月美「まああの子たちも思春期だしねー。ってことは反抗期、家出もしたくなるよ」
香「わかった、すぐに行く。アリス、鏡を」
アリス「はいはーい。つなげといたよー」
香「愛、月美。他にはなんとか言ってごまかしといてくれ」
愛「なんとか言ってって、無茶言うわね。ま、さっさと見つけなさいよ」
月美「がんばってねー」
香「あ、シュシュ。クラウド通って研究所あたりのサーバーに避難しておいてくれ」
シュシュ『え?まあいいけど』
香「あ、あとついでに二人の運もらっとくから」
愛「へ?」
月美「え、嘘!明日ガチャ更新あるのに!?あと何時間かで日付変わるんだけど!?」
香「我慢してくれ!行ってくる!」
愛「ああ、行っちゃった・・・・・・・」
月美「これ、多分ほかの人らのも奪ってったんだろうなぁ。明日はちょっと大人しくしておかない?」
愛「さんせーい。動いたら災難に見舞われそうだし」
香「さて、いったいなにがあったんだ?」
リーブラ「ええとですね、ケイオスがいなくなって、壁に穴が空いて、魔法もGPSも盗聴器も使えなくて、探知も効かなくて、防犯カメラも意味なくて」
アクア「姉さん、慌てすぎ。簡単に言うとケイオスが初めにコスモスと口論してて、それがヒートアップして咎められたのを逆ギレして出て行ったの」
香「で、ケイオスを探す手段が全部無効化されたと」
リーブラ「そ、そうなのです。香様、お願いします。香様の幸運の力を使えばきっと見つけられますから、お力をお貸しください」
香「・・・・・・・んー、リーブラ、おいで」
リーブラ「えっと、はい?」
コスモス「あの、お兄様?」
ダキッ
リーブラ「ひゃっ!こ、香様!?い、今求められましても、その、非常事態ですので!」
セレシア「こ、香くん?一応娘の親が見ている前だからね?あと小学生の前だからね?」
コスモス「お、お兄様、何をなさるんですか?」ドキドキ
香「三人ともまずは落ち着け。そしてリーブラ、君は今まで便利なものに頼り過ぎだ。効率化はいいことだけど、それは一方通行で相手には伝わらない」
リーブラ「あの、香様、落ち着きましたので、その」
香「正直慢心があったと思うんだよ。なにかあってもなんらかの手段でなんとかなるってね。だから、どうしようもなくなってすごく取り乱してる」
アクア「珍しいもの見れたわー」
リーブラ「それは、反省いたします。ですが香様、今はそれどころではなくて」
香「だから、たまには行き当たりばったりもやってみるもんだ。あとで弁償するから、今はごめんね」
リーブラ「はい?」
香「キリング・ジャマー」
ケイオス「・・・・・・・」
ケイオス「・・・・・・・」
ケイオス「・・・・・・・・・・・・誰も、来ない」
ケイオス「ま、来るわけないか。知ってるわけないし」
ケイオス「・・・・・・・・・・・・ばーか」
香「それは自分に言ってるの?」
ケイオス「・・・・・・・えっ?お、お兄ちゃん?」
香「まったく、寂しがりなのに家出なんかして」
ケイオス「べ、別に寂しくなんかないし!てか、なんでお兄ちゃんがここにいるのさ!まさか、お姉ちゃんに知らせようと?」
香「んー、それも考えたんだけどね。ただ、それは根本的な解決にはならないよなって思って」
ケイオス「えっと?」
香「ま、まずはこれ、僕のスマホ。今画面ついてるね?圏外だけど」
ケイオス「ええ、まあ」
香「これを・・・・・・・キリング・ジャマー!」
バチッ
ケイオス「・・・・・・・え?お、お兄ちゃん?け、煙出てるよ!?スマホから!煙!」
香「うん。さすがにこれだけ至近距離でやるとこうなるか」
ケイオス「えっと、何したの?壊したの?」
香「そうそう。キリング・ジャマー。精密電子機器を特殊な電波で破壊する魔法だ。これをリーブラの部屋でやってきた」
ケイオス「えっと、つまりリーブラお姉ちゃんは今どの機械も使えないってこと?」
香「そうそう。この魔法の便利な所は機械その物だけじゃなくてデータにもエラーを起こさせるってとこ。だからなにかしらのアカウントでログインとかも全部できない」
ケイオス「テロじゃんか!」
香「渋谷のスクランブル交差点でやるとすごい面白いことになりそうだよね」
ケイオス「やめたげて!」
香「ま、これで僕らの会話を盗み聞きする方法は完全に絶ったわけだ」
ケイオス「何のためにそんなことを?」
香「つまり、今なら普段言えない事なんでも言えるってことだよ。メアリーから聞いてるよ、最近猥談が多くなったって」
ケイオス「メアリーは何を報告してるのさ」
香「割とガチでせまられてるから包み隠さず報告してくるよ。躱してるけど」
ケイオス「そりゃあ小学生相手にガチになったら大問題だ」
香「それもあるけど、もっと倫理的なものがね」
ケイオス「・・・・・・・真恵は?」
香「真恵も今は身近な男が僕ぐらいなだけで、もっと広い世界を見れば変わるさ。多分」
ケイオス「自信なさげだね」
香「リーブラもアクアも愛も変わらなかったからなぁ。人は変わるってことに自信がない」
ケイオス「お兄ちゃんも昔から変わんないもんね」
香「ケイオスもね」
ケイオス「あたしも?よしてよ、みんなから散々生意気になったーとか丁寧さが抜けたーとか黒いコスモスとか言われてるのに」
香「三つ子の魂百まで。ケイオスが昔っからわがままで甘えたがりなとこは変わってないさ。素直じゃなくなったけど、まあ皆思春期だし」
ケイオス「だれがわがままで甘えたがりだ」
香「得てして自覚がないもんだよ。さて、ケイオス。次は君の話を聞こうか」
ケイオス「・・・・・・・別に、何も言うことなんてないさ」
香「ほんとに?」
ケイオス「ほんとだって」
香「そうか。じゃ、いいか」
ケイオス「え、いいの?」
香「いいんだよ。別に僕はお説教しに来たわけでもないし、人生相談を受けに来たわけでもない」
ケイオス「じゃあ何しに来たの」
香「1人じゃ暇だろ?何も持ってこなかったんだし」
ケイオス「・・・・・・・ま、そうだけどさ」
香「隣、座るよ」
ケイオス「うん」
ケイオス「・・・・・・・」
香「・・・・・・・」
ケイオス「・・・・・・・」
香「・・・・・・・」
ケイオス「ほんとに、何も聞かないんだ」
香「僕からはね。言うことがないっていうなら僕の方も聞くことがないさ」
ケイオス「屁理屈じゃん」
香「屁理屈でも理屈は理屈。こういうのが屁理屈って言われるんだけど」
ケイオス「わかってんじゃん」
香「仕方ないよ、性分なんだから」
ケイオス「はいはい」
ケイオス「そもそも、お兄ちゃんは遠くにいたんじゃないの?」
香「リーブラから電話がかかってきたんだよ。で、アリスの鏡使って急いで来たってワケ」
ケイオス「じゃあアリスがお姉ちゃんに説得されたらここに来ちゃうんじゃないの?」
香「アリスは真恵の部屋に放り込んできた」
ケイオス「え、なんで?」
香「あそこは今日輪が貼った対神霊結界があるから、アリスはあそこを抜けられないんだ。真恵の部屋に鏡ないし」
ケイオス「周到というかなんというか。誰かが鏡を持ちんだら?」
香「多分不幸なことに途中で紛失するだろうね」
ケイオス「無茶苦茶するなぁ」
香「後で全部弁償するから大丈夫だよ」
ケイオス「それってホントに大丈夫なの?」
香「僕が大丈夫って言ってるんだから多分なんとかなるって」
ケイオス「それ何とかならない人の台詞なんだけど」
ケイオス「そういえばお兄ちゃんはなんで出かけてたの?」
香「大学でいろいろあって林業を研究することになってね。不思議だな、僕経営学部なんだけど」
ケイオス「その経営学部ってのが何するか知らないけど、お兄ちゃんが変なことしてるのはわかった」
香「変なこととは失礼な。立派な研究だよ」
ケイオス「そういうの、方便って言うんだよね」
香「ケイオスも口が達者になったなぁ。それだけ成長したってことか」
ケイオス「ま、身長も胸もおっきくなったしね。どう、触ってみる?」
香「冗談でもそういうこと言うのはやめなさい。冗談じゃすまなくなった時が恐いんだから」
ケイオス「こんなの普段は言わないって。それに、お兄ちゃんなら冗談で済むでしょ?」
香「まあね。僕には幽がいるから」
ケイオス「相変わらずラブラブー」
香「いつまでもラブラブでいられようにするのが僕の夢だよ。そのためにがんばってるつもりではある」
ケイオス「キザー」
ケイオス「・・・・・・・」
香「・・・・・・・」
ケイオス「なんで、あたしを探しに来たの?」
香「ケイオスが心配だったから」
ケイオス「ノータイムで答えるね」
香「本音だからね」
ケイオス「じゃあ、お姉ちゃんたちに知らせないのは?」
香「家出して、すぐ見つかりましたじゃ格好がつかないだろ?」
ケイオス「ええ、そんな理由・・・・」
香「それに、家出するってことは相当な不満がたまってたはずなんだ。それを解消するには、時間がいるからね」
ケイオス「不満って、別にそんなだけど」
香「人間生きてたら何かしら不満を抱えてるもんだよ。まあ僕もケイオスも純粋な人間じゃないけど」
ケイオス「変な力持ってるし魔法使えるしね」
香「ま、そういうわけだからたまには家出もしたくなるさ。のんびりしよう」
ケイオス「たまにはって、初めてなんだけど」
香「そういうこともあるね」
ケイオス「もう、てきとうだなぁ」
ケイオス「・・・・・・あたし、さ。お母さんにひどいこと言っちゃった」
香「なんて?」
ケイオス「今更母親面しないで、って。あんたに育てられた覚えはないって」
香「・・・・・・」
ケイオス「リーブラお姉ちゃんも、アクアお姉ちゃんも、コスモスお姉ちゃんもみんな頑張ってるのに、それをバカにするようなことも言って」
ケイオス「どうしよう。きっと、ううん。絶対怒ってる。お姉ちゃんたちも、みんな怒ってる」
香「・・・・・・」
ケイオス「だって、私だけなにもしてないんだもん。家の事とか、全部任せっきりで、お手伝いとかもなにもしなくて。なのに、言いたいことだけ言って」
ケイオス「お姉ちゃんのこと変にからかって、注意されたのに直さなくて」
香「・・・・・・」
ケイオス「でも、止まらなくて。一回言いだしたら、止まらなくなっちゃって。みんな、我慢してるの知ってるのに」
香「それで、全部言い切って、引っ込みがつかなくなって出て来ちゃったわけだ」
ケイオス「・・・・・・うん」
香「ま、いいんじゃないかな。我慢ばっかも体に悪いし」
ケイオス「よくない!お兄ちゃん、てきとうすぎ!よくないんだよ!ちゃんと、謝らなきゃいけないんだよ!」
香「じゃあ、今から謝りに行く?」
ケイオス「・・・・・・でも、謝れないんだよ。お母さんたちを前にしちゃったら、またひどいことばっか言っちゃう」
香「そっか」
ケイオス「ねえ、あたし、どうしたらいいの?わかんない、わかんないよ・・・・・・」
香「ま、時間が解決してくれるさ。今はのんびりしよう」
ケイオス「・・・・・・お兄ちゃん、他人事だと思ってそんなのばっかり」
香「実際に他人事さ。僕はケイオスとケンカしたわけじゃないし、コスモスたちともケンカしたわけじゃない。全く無関係の第三者」
ケイオス「じゃあ、なんで来たのさ」
香「さっきも言っただろ。ケイオスが心配だったからだよ」
ケイオス「別に、そのへんの大人になんか負けないし」
香「1人でいると、押しつぶされちゃうからね。自責とか後悔とか。押しつぶされた結果が昔の射美奈だ。要は暴走しちゃうわけだ」
ケイオス「・・・・・・」
香「でも、僕が口を出してなにか解決するわけじゃない。だから僕はここにいるだけさ」
ケイオス「・・・・・・ありがと」
香「どういたしまして」
ケイオス「やっぱりさ、あたし昔みたいに戻った方がいいのかな」
香「どんなふうに?」
ケイオス「お兄様、こんな風にですよ」
香「・・・・・・ケイオスはどっちがやりやすい?」
ケイオス「どっちがって言われても、今はもう今のしゃべり方で慣れちゃったし。でも、やっぱ女の子らしくした方がいいなら昔の方がいいよね」
香「そうとも思わないけどな、僕は」
ケイオス「へ?」
香「お淑やかさだけが女の子らしさじゃないさ。例えば、月美とか愛は女の子らしくない?」
ケイオス「いや、むしろちゃんと女の子してる」
香「そういうこと。男子の理想像ってのは別として、女の子らしさなんて一つに固定できるようなものじゃないのさ」
ケイオス「そっか、そういうものか」
香「そういうものさ」
ケイオス「・・・・・・なんだろな。昔はもっと、ちゃんと甘えられてたのにな」
香「そういうもんだよ。思春期なんて」
ケイオス「お兄ちゃんもそうだったの?」
香「僕は状況が特殊だったから。片腕なかったし、玖美は病弱だし、日輪もいろいろあったし、真恵やメアリーが妹になったしって」
香「リーブラやアクアも特殊だね。リーブラは変な方向に突っ走ったし、アクアもアクアで別ベクトルにおかしくなったし」
ケイオス「散々な言われよう」
香「草華もなんかよくわからないことしてたし、多分愛が一番ちゃんと思春期してたんじゃないのかな。愛ママに聞く限りでは」
ケイオス「愛さん、そんなことも把握されてるんだ」
香「買い物帰りに会ったりして、なにかと話はしてたからね。同い年のいい例だ」
ケイオス「・・・・・・コスモスお姉ちゃんも、同い年なのにな。双子なのに、どうしてこんなに違うんだろ」
香「双子だからって何から何まで一緒なわけじゃないさ。似てるっていうのは同じではないって言ってるんだから。そっくりっていうのは違うところがあるって言ってるんだから」
ケイオス「・・・・・・お姉ちゃん」
香「・・・・・・そろそろ時間かな」
ケイオス「え?」
セレシア「ケイオス!!!」
ケイオス「・・・・・・え、お、お母さん?」
セレシア「よかった、やっと、みつけた」
ケイオス「お母さん、どうしてここが?」
セレシア「2年前」
ケイオス「え?」
セレシア「最後に一緒に出掛けた時よ。2年前の春、一緒にお買い物に行ったわ。その時に、ここを教えてもらったのよね。お気に入りの場所だって」
ケイオス「え、それって」
セレシア「最後に作ったお弁当は、オムライスでキャラ弁を作ったわ。うまくいかなかったけどね」
セレシア「最近は靴を集めてるのよね。かわいいもの、かっこいいもの、とにかくなんでも」
セレシア「昨日のおやつは灯火さんの家で食べたクッキーね。灯鈴ちゃんが練習中なのよね」
セレシア「そして、今日やってきたことは・・・・・・お友だちと、楽しくお話」
ケイオス「・・・・・・」
セレシア「全部、覚えているわ。全部、知っているわ。だって私、お母さんだもの」
ケイオス「おかあ、さん」
セレシア「許してなんて言わないわ。だって、あなたが言ったことは全部本当の事なんだから」
ケイオス「おかあさん、おかあさん」
セレシア「ごめんなさい。ずっと構ってあげられなくて。ごめんなさい、ずっと寂しい思いをさせていて。・・・・・・ごめんなさい、こんなお母さんで」
ケイオス「おかあさん・・・・・おかあさん!ごめんなさい!あだしも、ひどいこといっちゃって!おかあさんがいそがしいのしってるのに!おかあさんががんばってるのしってたのに!」
セレシア「ごめんね、ごめんね、ケイオス・・・・・」
ケイオス「ううっ、おかあさん、ごめんなさい・・・・・・しんぱいかけて、ごめんなさい・・・・・・おかあさん、おかあさん・・・・・」
ロック「よーし、そこまでだ。二人とも顔がぐしゃぐしゃじゃないか」
ケイオス「おとう、さん?おしごとは?」
ロック「そんなもんほっぽりだしてきた。娘よりも大切な仕事があるかよ」
セレシア「あなた・・・・・」
アクア「みーつけた」
ケイオス「お、お姉ちゃん?」
アクア「まったく、こんな時間に海をたたき起こす羽目になったじゃない。あとで怒られなさいよ」
ケイオス「海さんに?・・・・・そういえば、ついてきてもらったことあったっけな」
アクア「コスモスは家にいるわ。ナナシが面倒見てる。こんな時間に外に出すわけにはいかないしね」
ケイオス「ナナシさんが・・・・・」
ロック「ま、とにかく一回家に帰ろう。車出してるからそれに」
「見つけたわ!!!!!」
ケイオス「・・・・・へ?」
リーブラ「ケイオス、こんなところに・・・・・・・それに、香様も」
香「やっ」
リーブラ「『やっ』じゃありませんよ!どうしてあんなことをしたのですか!私がどれだけケイオスを心配して、あなたに助力をお願いしたのかわかっているのですか!」
香「いや、わかってたって」
リーブラ「ならどうして!もしケイオスになにかあったらどうしていたのですか!あなたの力とて万能ではないのは知っています!もしものことがあったら!」
香「リーブラ、とりあえず落ち着いて、まずは翼をしまおう。人に見られたら大変だ」
リーブラ「これが落ち着いていられますか!」
アクア「あの、姉さん?翼を出してって、どうやって見つけたの?」
リーブラ「虱潰しよ!この街にある全部の建物を一軒一軒調べてまわったのよ!」
アクア「うわ、効率わる。空き家とか廃屋とか廃ビルだけとかあったじゃん」
リーブラ「もしかしたら誰か悪い人に何かの拍子に連れ去れているかもしれないでしょう!?全ての建物、全ての移動物体を調べたわよ!」
ケイオス「・・・・・り、リーブラお姉ちゃんが、お兄ちゃんを、怒ってる?」
香「怒られて当然なことはしたからね」
リーブラ「当たり前よ!あなたは私の大切な妹なんだから!」
ケイオス「ん・・・・・・そっか。そう、だよね。ごめんなさい、お姉ちゃん」
リーブラ「もう・・・・・・心配したんだから。無事でよかったわ、ケイオス」
香「・・・・・・」ソーッ
ケイオス「お兄様、どちらへ行かれるのですか?」
香「いや、お邪魔虫は退散しようかなって」
ケイオス「左腕も壊れてるのに?まともに歩けるの?」
リーブラ「・・・・・・へっ?」
香「いや、腕がどうとかは歩くのに関係ないし、そもそも何もないし」
ケイオス「精密機器は全部壊すんでしょ?お兄ちゃんの義手なんて格好の的じゃん」
リーブラ「あの、香様?どういうことでしょうか?」
香「いやいやいや、大丈夫だから。じゃ、僕はこれで」
ケイオス「大丈夫って言うなら動かしてみてよ。ここに来てから一回も動かしてないでしょ」
香「ちょっと調子悪いだけだって。家に帰ったらメンテするから」
アクア「香のあれ、予備はなかったわよね」
リーブラ「香様の義手は最初に作られて以降、バージョンアップをときどき重ねているぐらいで別の物に交換したこともないから旧型とかもないし・・・・・・香様?」
香「あ、あの、リーブラ?放してもらっていい?」
リーブラ「嫌です。この義手がいくらするのか知っておられますか?」
香「・・・・・・45億です」
リーブラ「そうですね。総額でそれくらいになるでしょう。そんな貴重なものを易々と壊してしまって・・・・・・もう修理不可能ですよね、これ」
香「僕が勝手にやったことだから気にしなくても」
ケイオス「お兄ちゃん、そんなまでして、どうして」
礼丹「・・・・・・ケイオスが心配だったから。言っていたでしょう、何度も」
香「礼丹!こら!」
礼丹「せっかくケイオスが素直になったというのに、あなたがその調子でどうするんですか」
香「かっこつかないだろ!ここはさっと気付かせないうちにこの場を去るのがよかったんだって!」
礼丹「わざわざ腕を壊してまでここに来たのは、ケイオスとふたりきりで話したかったから。慣れ親しんだ第三者には話しやすいですものね。特に思春期の悩みなんかは」
セレシア「香くん・・・・・・ケイオスのためにそこまで」
香「まあ、なんだかんだ昔から面倒みてる妹分だから。僕にとってもやっぱり大事なんだよ。それこそ真恵やメアリー、玖美たちと変わらないぐらいに」
ケイオス「おにい、ちゃん・・・・・・」
香「ごめん、送ってもらっちゃって」
ロック「気にするな。ていうか、家目の前じゃねぇか。送るもなにもないだろ」
香「歩いて帰るつもりだったんで、助かったよ」
セレシア「そんなことさせるわけないでしょ、まったく。あなたがケイオスの事を大事に思っているのと同じぐらい、私たちもあなたが大事なんだから」
ロック「そういうことだ。ま、これからも仲良くしてやってくれ」
香「うん、任せて」
リーブラ「香様、先ほども申し上げましたが腕の修理費、ちゃんと概算を出してくださいね。薫さん任せではダメですよ、あの人はそのあたりもずぼらなんですから」
アクア「今日は取り乱す姉さんとか香に怒る姉さんとか見れて満足だわ。ケイオス、あと2,3回家出しない?」
ケイオス「嫌」
リーブラ「アクア!まったくもう、あなたもそろそろ落ち着きなさい」
アクア「はーい。じゃ、香はこれから戻るの?」
香「一応一回戻るけど、プロジェクトへの参加は厳しいしなぁ。愛たちになんて言おう」
ケイオス「あの、お兄ちゃん・・・・・・」
香「ケイオスは気にしなくていいよ。まだまだ子供なんだから迷惑なんてかけてなんぼだ。また言いたいことがあったらいつでも言ってきな。なんでも聞くからさ」
ケイオス「聞くだけ、だよね?」
香「そう。聞くだけ」
ケイオス「ふふ、ありがと、お兄ちゃん」
真恵「なるほどねー、それでお兄ちゃんが帰ってきてるわけだ」
メアリー「昨日の騒ぎはそういうことでしたか」
コスモス「ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」
ケイオス「ごめんねー」
リリーナ「それはいいんだけど、なんで二人がここに?」
真恵「説明しに来ただけ?別にウチまで来なくてよくなかった?」
コスモス「私もケイオスに連れられてきただけなのでなんとも」
ケイオス「んーとね、一応責任は取らなきゃなーって」
メアリー「と、いいますと?」
ケイオス「まあまあまあ」
香「おはよう、みんな。朝から早いね・・・・・・ふわぁぁ・・・・・」
コスモス「おはようございます、お兄様」
ケイオス「ほら、お兄ちゃんこっち、顔洗うんでしょ」
メアリー「・・・・・・!?」
香「え?え?」
ケイオス「お兄ちゃんの左腕が直るまで、あたしが左腕の代わりをしまーす。ほら、まずは顔洗わなきゃ」
真恵「え、何?何があったの?」
コスモス「し、知りません!左腕がって、なにがあったんですか!?」
メアリー「私が眠ってる間になんでそんな面白そうなことが始まってるんですか!?」
リリーナ「メアリーはそろそろ自分のキャラ見直そ」
メアリー「いいのです、別に。身内の前ですし隠す必要もないでしょう」
コスモス「私たちも身内扱いですか」
香「ごぼっ、ごぼぼっ、がぼぼぼっ」
ケイオス「はい顔洗えたね。じゃあ次は髭剃り?」
香「自分で!自分でできるから!」
ケイオス「遠慮しないでいいって。ほら、顔拭くからしゃがんで」
真恵「えっと、ケイオス?そろそろそのあたりに・・・・・・」
ケイオス「それじゃ、おはようのちゅー」
チュッ
真恵「んにゃ!?」
コスモス「みゅむっ!?」
メアリー「まあ!」
リリーナ「んー?んんん!?!?!?」
香「け、ケイオス!?」
ケイオス「お兄ちゃん。あたし、多分今雌の顔してる」
香「いや、雌の顔って、てか、今の」
真恵「にゃ、にゃ、にゃ、にゃにゃにゃーっ!?」
コスモス「なにしてるんですか、ケイオス!」
ケイオス「へへーん!あたしも雌の仲間入りだよーっと!お兄ちゃんにはあたしを雌にした責任、取ってもらわないとねー」
メアリー「なるほど、ケイオスはそうきましたか」
リリーナ「とりあえず私らもいっとく?」
メアリー「アリですね」
真恵「アリじゃないよ!ケイオス、どいて!お兄ちゃんのお世話は私がするから!」
ケイオス「真恵はゆっくりしてていいよー。これはあたしの責任だからー」
コスモス「待ってください!私はメイド修行をしています!お兄様のお世話をするなら私の方が適任のはずです」
ケイオス「んじゃ、どうぞ」
コスモス「・・・・・・へ?」
ケイオス「昨日はごめんね、コスモス。じゃ、あとはがんばれー」
コスモス「ええっと、展開が予想外なのですが、お兄様、とりあえず次は何を致しましょうか?」
香「とりあえず落ち着きたいからゆっくりさせてくれ」
コスモス「畏まりました。では温かいお飲み物をご用意いたしますね」
真恵「それはっ!私がっ!やるからっ!」
ロウチェ「ん、香起きたのか?朝飯できてるけど。あとはコーヒーか紅茶かどっちがいい?」
香「あー、じゃあコーヒーで」
コスモス「あーーーーーっ!ロウチェさん!それは、それはあまりにもすっごくひどいです!」
真恵「ロウチェ、ずるいーーーー!」
ロウチェ「なーにがずるいだ。ごちゃごちゃ言ってる間にやればよかったんだろ」
チエロ「お兄ちゃん、タオルあげる。ごしごしー」
香「わぷぷっ」
ケイオス「あー!あたしがちゅーしたとこ拭くなー!」
チエロ「え、お兄ちゃんびしょびしょなのに?」
コスモス「うー、次こそは、次こそは!」
真恵「んにゃっ、負けないから!」
ケイオス「もー!アタシも負けないんだからー!」