心愛「では本日の議題ですが、お茶会用に販売されているお菓子のラインナップについての意見が多数寄せられていることについてです」
つらら「それってプラス意見?マイナス意見?」
心愛「両方ですね。もっと増やして欲しいという意見もあれば多くて選べないという意見もあります」
つらら「なにそれ、めんどくさっ」
和香「選べないだなんてなんて贅沢な!増やせだなんて贅沢な!」
心愛「会長、お静かに」
和香「なんで!?」
つらら「それに、増やせとか減らせとか私たちでどうにかできる案件じゃないでしょ。仕入先と運営に言え」
心愛「しかしながら意見をまとめて伝えることはできます」
和香「まあ決まったら香さんに丸投げしていいんだよね?」
つらら「仕入先の甥っ子で運営ってかオーナーの主人だからいいんじゃない?」
乙女「賛成です。とりあえず私はマフィンの種類を増やしてもらうことを望んでいます」
つらら「アイスはもう十分あるしなぁ。私は別にいいや」
和香「私としては現状維持でいいんだけど」
心愛「私個人としましても現状不満はありません。現状維持派が多数と言うことで今回の要望は破棄という形でよろしいでしょうか」
乙女「要望書の数と全校生徒の数を比べてみましょう。出してない生徒の方が多いですね?つまり皆さん現状維持を望んでいる。そう、これがメンタリズム」
和香「・・・・・・?」
つらら「会長、乙女はいつも通りわけのわからないことを言っているだけだから気にしなくていいですよ」
和香「あっ、そうだったんだ」
心愛「と、いうわけで本日の会議は終わりです。この後はいつも通りお茶会の時間ですが、皆様よろしいでしょうか?」
和香「おちゃっ!おちゃっ!」
つらら「大丈夫だよー」
乙女「問題ありません」
心愛「では香様、そういうことですので」
香「なんで呼ばれたんだ、僕は」
香「いや、一応ちゃんと黙って聞いてたよ?確かにルーさんにもリーブラにも顔が聞くって点ではすごく便利だってのはわかってるからさ」
和香「香さん!お茶はいかがですか!?」
香「もらうけど、そうじゃなくてだね」
和香「・・・・・・あっ!コーヒー派ですか!」
乙女「しかしコーヒーメーカーが現在壊れているのです。なるほど、直していただけると」
つらら「あ、じゃあついでに湯沸かし器の点検もしてよ。あと日輪も連れてきてくれれば最高。てかあんたいらないから日輪呼んで」
心愛「ご家族の方もお茶会に呼ばれますか?でしたら至急ご用意をさせていただきますが」
香「なにか察したみたいな感じで言ってるけど何一つあってないからね」
つらら「もう!こんな乙女の園に単身来てるっていうのに何が不満なの!」
香「しいて言えば扱いかな。最近みんなからの扱いが雑になってるように思えるんだ」
乙女「なるほど。では粛清しろと。会長、お覚悟を」
和香「なんでー!?」
香「だいたい、話がまとまったらまとまったであとでメールとかで伝えてくれればいいんだからさ。わざわざ呼ばなくても」
心愛「情報は生が一番だとお姉さまが仰られていました。それを実践したまでです」
香「リーブラが言ってるのは仕入れる時に際してはってことだからね。伝える時もってわけじゃないからね」
月美「やっほー!香が遊びに来てるって聞いたんだけどー」
香「帰れ」
月美「突然ひどくない!?」
月美「のっけから帰れってのはひどいよ!もうまったく!」
香「ごめんってば。月美だとは思わなかったんだ。てっきりノノあたりが絡みに来たのかと」
月美「ノノさんってそんなことする人なの!?」
香「ああ見えてルールに関すること以外ならてきとうなんだよ」
月美「ほえー、よく知ってるねぇ」
香「普段のテンションがテンションなだけに冗談か本気かわからなくなるのが困るけど、まあそれはそれで面白いからあり」
月美「はいはーい!じゃあ問題です!」
香「越後製菓!」
月美「正解!」
心愛「何が!?」
つらら「どういう問題だったの?」
香「え・ち・ご・せ・い・かを並べ替えてできる言葉を述べよって問題だよ」
月美「あえて並べ替えないという選択肢をとってくるだなんてね」
つらら「あんたら頭おかしいんじゃないの?」
月美「じゃあ次の問題!」
和香「越後製菓!」
月美「ぶっぶー」
香「ハニホヘトイロ!」
月美「惜しいっ!」
心愛「何がっ!?」
乙女「ハニホヘトイロで惜しい、つまりドレミファソラシですね」
月美「遠ざかったかなー」
乙女「マジかよ」
つらら「あの、一応聞くけど問題文は?」
香「考え・好み・性質などが、人によってそれぞれに異なることを四字熟語で表したのちに音楽で例えよって問題かな」
月美「いや、のちに以降がいらないんだけど」
香「え、マジ?じゃあ十人十色」
月美「正解っ!」
つらら「深読みしすぎて失敗したとかもはやそういうパターンじゃなくて本当にこの二人そろうとめんどくさいな」
心愛「だからお呼びしなかったのに・・・・・・」
和香「次っ!次の問題をっ!」
月美「はいはーい。問題!あ・い・う・え・おの音は母音と呼ばれていますが」
和香「越後製菓!」
月美「正解っ!」
心愛「お姉さまー!助けてくださいー!」
月美「ってなわけで追い出されたの」
香「世知辛いよね」
響華「香様と月美さんは本当に仲がよろしいのですね。とても羨ましいです」
月美「まあね!だって親友だし」
香「当然さ。だって親友だから」
月美「いぇーい!」
香「いぇーい!」
響華「いぇーい?」
月美「まあ中学時代はお互いがお互いに無茶ぶりで過ごしてたからね。声劇で」
香「アドリブ入れまくって文から怒られたのはいい思い出だ」
月美「最終的にアドリブに文も加わってたのはいい思い出」
響華「あの、声劇とは?」
香「放送部時代に声だけで劇をしてたんだ。ドラマCDとかみたいな感じで」
月美「あれっていまでもやってんの?」
香「月1でやってるよ。菫が上手く引き継いでくれたから」
月美「菫ちゃんいい子だよねー」
響華「我々の学園の放送部ではそのようなことを行っていたことがありませんので、内容が気になりますね。どのような感じだったのでしょうか?」
月美「って言われても、台本は文芸部の子が作ってくれてたからなぁ。ほら、さっきちょこっと名前が出てた文って子」
香「懐かしいなぁ。文芸部の部室に「頼もう!」って押し入ったんだよね」
月美「あんなに大人しかった文がまさかあんなに積極的になるとはね」
響華「他の部活に押し入るとは、恐れ入ります。この学園ではそのようなことをできる胆力の持ち主がいないでしょうから」
月美「そりゃこんなお嬢様学校の生徒がそんなことしてたらこっちがびっくりするよ」
香「月美はまだ押し入りやってないの?」
月美「やらないやらない。私がそれをやるのは香と一緒の時だけ」
香「まあ僕も高等部に上がってからやってないけど。家庭科部だからやる必要がないし」
響華「私もその押し入りをやってみたいですね」
香「マジかよ」
月美「やー、響華には合わないんじゃないかなー。いや、そうでもないかー。でもどこに押し入るのさ」
響華「・・・・・・お茶会?」
月美「よし、生徒会室にゴー!」
香「の前に追加のおやつを作らせてもらおう。調理室へ急げ!」
響華「では私は先生方に部屋の利用許可を取りに行ってきますね」
香「その辺は後で考える!押し入りなんだ!そんなことしてたまるか!」
月美「大丈夫!こっちについてるのは経営権持ってる人なんだから!」
響華「なるほど!」
アリス(どこで止めようかなー)
ノノ「香さん。ここはあなたの学園とは勝手が違うのですからあまり暴走しないでください」モグモグ
香「いや、つい勢い余ってたこ焼きを作ったのは申し訳ないと思ってるよ」
月美「たこ焼きがおやつってとこに関西人らしさを感じる。え、そっち出身?」
香「日輪はね。父さんの親戚は大体関西」
響華「はふはふ」
ノノ「いいですか、たこやきはおやつではありません。立派な食事です」
香「こんにゃくとチーズとウインナーとどれ入れる?」
ノノ「全部で」
響華「おいしいです・・・・・・こんなものを私が一人で独占してしまってもよいのでしょうか。寧音やココたちに顔向けできません」
月美「今度タコパでもやればいいんじゃない?適当な理由つけて費用は学園持ちで」
ノノ「仮にも風紀委員長の前でそんな相談をしますか」
月美「私、規則に抵触していないことは合法だと思ってるから」
香「それならいっそ日輪をつれて・・・・・・いや、拘りだしたら面倒だからやめておこう」
ノノ「もう、やるなら日付をあらかじめ教えてくださいよ。監視兼参加しますから」
月美「んー、私の予定が空いてるのが・・・・・・来週の金曜日かな」
香「レッスン?」
月美「とレコーディング。新しいカバー曲出すから買ってね」
香「手売りイベントは?」
月美「今回は無し。公式ショップから買ってくれると事務所的に非常にありがたい」
香「オーケー、吹聴しておくよ」
響華「チーズ入りがとてもおいしいですね。チーズを入れることによってこんなにも様変わりするとは思いませんでした」
ガラッ
雪美「なんかおいしそうな匂いがすると思ったら、やっぱりお兄さんだった」
香「やっほー。雪美も食べる?」
雪美「食べる食べる。こんにゃく入りくださいな」
月美「私チーズー」
ノノ「プレーンなものを」
香「はいよー」
響華(はて、どういう話で今の状態になっているのでしたっけ?)
アリス「あっちに参加できないのが悔しいから私らも対抗してタコパだ!」
礼丹「えっと、味が奇妙においしくなるアリスと味がおいしくなくなる私と何もしないクロで?」
クロ「・・・・・・」
アリス「奇妙においしくなるってなにさ!わかってるけど!」
礼丹「普通の材料で普通のレシピで普通に作ってるのにどうしてあんな風になるんでしょうね。ゾンビエキスでも混ざってるんじゃないですか?」
アリス「ヌイといっしょにしないでー」
クロ「・・・・・・」
アリス「はいはい、全部入りね。いっそばくだん焼きにするか」
礼丹「プレートの形を自由自在に変えられるのは正直すごいと思います」
アリス「魔法の金属プレート、使ったあとは魔法解除で洗い物いらず。欠点は解除しちゃうと油とかがそのまま落ちることだけど、テーブルをラップで覆うことでそれを回避」
礼丹「その魔法は純粋に羨ましいですね。私もできないわけではありませんが、やはりアリスの潤沢な魔力があってのものですから」
クロ「・・・・・・」
アリス「私としてはメアリーあたりに引き継いでほしいんだけどねー。ほら、ハニーポイズンをうまくやればできるじゃん」
礼丹「今のところ再現できるのは幽ぐらいですっけ?その幽も数分程度でバテテしまいますし」
アリス「何が大変って魔力で中身を全部満たしてかつ維持し続けることだからね。アリスちゃんの無尽蔵の魔力がないとやってけないよ。その点メアリーは魔力使わないし」
礼丹「あ、ダメですよクロ。まだ焼けてません」
アリス「もうちょっと、もうちょっと待ってねー」
寧音「・・・・・・」
蕾「あの、そんなに見つめてどうしました?」
寧音「・・・・・・おっきい」
蕾「はい?」
寧音「・・・・・・なんで、なんで世界はこんなに残酷なんだ!なんで練習試合でこんなみじめな思いをしなくちゃいけないんだ!」
蕾「あのー、もしかして、これのこと言ってます?」プルン
寧音「そうだよ!どれがボールかわからないその胸だよ!」
蕾「みんなこれにばっか反応するなー。ま、でも仕方ないか。私おっきいし」
寧音「鼓々菜もおねえちゃんもあんなに大きいのに、どうして私だけ・・・・・・こんなのあんまりだよ!」
蕾「日頃の行い?」
寧音「そんなわけあるか!」
美玖「・・・・・・え、本当にこんな内容でやったの?」
ステラ「信じられないことにね」
愛良「楽しそうだね」
玖美「役に入り切れれば楽しくはあるかな」
美玖「そっちの部長、わけがわからない。何を思ってこんなことをしたのか」
ステラ「安心と信頼の伝統芸能らしいわ。放送時間丸々使って即興のボイスドラマ」
玖美「失敗するとグダグダになったりただの漫才になったりする危険性あり」
愛良「成功すると楽しい演劇になるわけだね」
玖美「美玖たちもやってみる?」
美玖「いや、せめて練習する時間を」
ステラ「マイクテスマイクテス。あーあー」
美玖「!?」
ステラ「これからアーリア女学園及びマギ・フィールド学園放送部による即興ボイスドラマをはじめます。適度に聞き流してください」
美玖「ちょっと!?」
ステラ「うん、機材は使えるわね。はい、台本」
愛良「わざわざ用意してくれてたの?」
ステラ「ウチの部長からの指令でね。でははじめます。ボイスドラマ『魚屋』」
玖美「らっしゃいらっしゃい!今日はいいメバルが入ってるよー!」
愛良「わあ、メバルだって、美玖ちゃん!」
美玖「え、えっと、わー、おいしそー」
ステラ「えー、メバルー?今夜は魚じゃなくてお肉の予定だったんだけどー?」
愛良「でもほら、おいしそうだよ?」
玖美「メバルも安いけど、タコも安いよ!どうだいお嬢ちゃん、今夜はたこ焼きだ!」
美玖「ええっ!?そんなの大本に載ってないんだけど!?」
ステラ「たこ焼きは無理ねー。ウチの家にはたこ焼き器がないから」
愛良「・・・・・・あっ!おばさん!こっちの箱に入ってるのは?」
玖美「お目が高い!そこに入ってるのは――」
・・・・・・
美玖「突然のアドリブやめて。本当に。いやマジで」
玖美「アタシたちいっつもあんな感じだよね」
ステラ「アドリブを入れてくるのは主に部長」
美玖「後半とか台本無視だったし」
愛良「楽しかったよ?」
玖美「あ、そうそう。今回のこれ、実は予め許可はとってるから」
美玖「え?」
玖美「リーブラにね、放送部のやつで使わせてーって言ったら『構いませんよ。楽しんできてください』って」
愛良「わぁ、リーブラさんの声上手!」
ステラ「玖美が一人20役ぐらいこなしてくれるおかげで演技の幅が広がるのよね」
美玖「くっ、これが噂に名高いマギ・フィールド学園の放送部・・・・・・放送ガチ勢って言われるだけの事はある」
玖美「放送ガチ勢になったのは、えっと何個上の代からだっけ?」
ステラ「私の3つ上、つまり香先輩たちが始めたはず」
玖美「お兄ちゃんかー。そういや月美って今日いるんだっけ?」
愛良「いるって聞いてますよ。アドバイスしてくれるとのことで」
月美「おいっすー、後輩たちー」
香「やっほー、後輩たちー」
玖美「出たな、元凶その1とその2」
美玖「待って、どうしてたこ焼きを片手に持ってるの?」
香「さっき焼いたんだ。食べる?」
愛良「いいんですか?」
ステラ「あ、じゃあ私も」
月美「はい、あーん」
愛良「あーん」
美玖「待って、待って、ツッコミが追い付かないから待って」
玖美「なんでお兄ちゃんがいるの?」
香「なぜか呼ばれたんだ。なんで呼ばれたのかは知らない」
月美「来ることだけは知ってたから絡んでた。生徒会室に凸るはずが気が付いたら調理室でたこ焼き作ってたんだよね」
ステラ「なにがどうしてそうなったのか」
香「で、さっきのやつ聞かせてもらってたわけだけど」
ステラ「どうでした?割と自信があります」
月美「まあまあ個人単位で見ればいい感じかな。ステラちゃんはアドリブにも余裕で対応するし、話も戻せるし」
香「あとはやっぱりグループでのフォローが欲しい感じだね。玖美も、アドリブいれるのはいいとしても拾いやすいようにしないと」
玖美「例えば?」
香「んー、たこやき食べる?」
月美「プレーンとチーズともちとこんにゃくがあるけど」
玖美「えー、チーズで!」
香「大将!チーズ一丁!マシマシで!」
玖美「増すの!?」
月美「チェダーチーズとクリームチーズとラクレットチーズとブルーチーズのどれがいい?」
玖美「チーズが多い!」
香「ごめん、チェダーチーズ以外さっき全部食べた」
月美「じゃあ追加で焼くね!1時間ぐらい待ってて!」
玖美「長いよ!」
香「こんな感じでツッコミどころってのをね」
美玖「何がすごいっていきなり振られたのに当たり前のように二人そろって話を返してるとこ」
愛良「阿吽の呼吸っていうか、なんていうか」
ステラ「香先輩が話題を振って、瑠璃川先輩が話を広げてツッコミどころをつける。無茶ぶりを感じさせない流れるようなアドリブでした」
玖美「え、今のも即興?マジで?」
香「マジマジ。さっき逆もやったし」
月美「いやー、長年お互いに無茶ぶりしてると相手への対応がわかってくるんだよね」
香「あとは、よほど親しい相手じゃない限りは広げやすい話題を振ってあげることかな。それこそ月美なんかは突然問題出してくるし」
月美「5秒で答える香は流石だと思う」
香「5秒は言いすぎだよ。せいぜい2秒だって」
美玖「減ってるんだけど?」
香「まあこんな感じで逆もできるよってことで」
ステラ「とりあえずすごいことはわかったけど参考にはならないと思いました」
鼓々菜「コッココココココナッツー、ココココココココココナッツー」
メル「HEY!」
鼓々菜「ナッツーナッツーココナッツー、ウォーナツピーナツココナッツー」
メル「HAY!」
虹香(私はいったい何を見せられているのでしょうか)
鼓々菜「ココとメルちゃんで作ったココナッツ音頭です。ネットの住民に受けるです?」
虹香「えっと、え、公開するんですか?」
メル「Youtuberココとメルでやっていきたいの!荒稼ぎしたいの!」
鼓々菜「現役の有名踊り手さんならネットで受ける配信がわかるです。ココは貪欲に再生数を確保するです」
虹香「あー、えーっと、荒稼ぎしたいんですか?だったら、私はあんまり参考にならない気が・・・・・・」
鼓々菜「でもでも、AYAKAの生放送は最高で視聴者数が1万人を超えてたのを知ってるです。生放送であんなに人を集められるのはヤバイって聞いてるです」
虹香「それは私の力じゃなくて海野さんとか瑠璃川さんみたいな現役芸能人が出てくれたからでして」
メル「ほらー、やっぱり世の中コネだよー。コネで芸能人を呼べばメルたちでも荒稼ぎできるんだよー」
鼓々菜「おー、じゃあお姉ちゃんに言って月美さんを呼ぶです。ココチャンネルに毎回登場してもらうです」
香「月美は多分出演してくれないと思うけどね」
メル「あ、お兄ちゃん。なんで?」
香「事務所の方針と本人の意向でタダでは仕事をしないんだ。お金をもらうから仕事をする、お金をもらわないなら仕事をしない」
メル「じゃあ世の中やっぱりカネとコネだね」
鼓々菜「ダメです。荒稼ぎしたいのにお金は出せないです。ココの夢は潰えたです」
虹香「その、どうしてそんなに荒稼ぎを?」
鼓々菜「ココが沢山お金を稼げばママもお姉ちゃんたちももっと楽できるです。響華お姉ちゃんはホルンを買い戻せるし、寧音お姉ちゃんは遠征費や合宿費を気にしなくてよくなるです」
メル「私はお菓子をたくさん食べたいから!」
虹香「香さん、どうしましょう。思ってたより重い理由だったんですけど。そしてその話が申し訳なくなるほどに私が稼げていないんですけど」
香「まあ月美もそこまで稼いでるわけじゃないからね。まだデビュー2年目の新人っていうのもあるけどさ。月給がここの学費の7割ぐらい、だったかな?」
鼓々菜「もしかしてお兄ちゃんが一番稼いでるです?」
香「・・・・・・あんまり言いたかないけど、僕は事情があまりにも特殊過ぎるから。縁故採用で依怙贔屓ありまくりだし」
虹香「お小遣いとして百万を超える額をポンと渡そうとしてくる大叔母とか、日本の菓子類のシェア率30%を超える会社の社長な大叔母とか」
香「え、リーリアさんまさか虹香にも似たようなことやってるの?」
虹香「あの人投げ銭でうん十万単位の額を投げてきますよ。薫さんを通して全部返してますけど」
香「うん十万が少なく見えてくるのはなんでなんだろう。やっぱりあの人頭おかしいわ」
鼓々菜「・・・・・・ココ、お兄ちゃんのお家で働くです!一回お小遣いもらえれば御の字です!」
香「ウチの家は仕事場じゃないからね」
幽「そういえば香くん、この学園の名前がアーリアな理由知ってる?」
香「いや、知らないな。リーブラなら知ってるだろうけど」
幽「私も気になって調べたんだけど、どうやらアリアエル様が名前の由来らしいの」
香「あー、だからアーリアか。ん?でもここってミッション系だったっけ?」
幽「そこが不思議なのよね。特にそう言った様子もないし、過去の歴史を調べてもそんな資料は出てこないの」
香「もしかして家にここの資料あった?」
幽「よくわかったわね。設立当初の建設予定の資料とかがあったわ」
香「なぜ古本屋にそんなものが・・・・・・」
幽「ウチの家を図書館みたいな感じで見てる人が少なからずいるってことね。まあ資料文献保存のノウハウは他所には負けないと思ってるし」
香「それについては同意だ。資料館みたいな側面が少なからずあるっていうことはそれだけの需要、そしてその需要を生み出すほどの信頼があるってことだから」
和香「えーと、アーリアの名前がアリアエル様から取られてるのは、確か創設者が天界出身だったとかなんとか」
幽「そうなの?」
和香「そうそう。で、ここの生徒会長は天界出身もしくは天界に関連のある人じゃないとなれないの」
香「え、もしかして和香が生徒会長な理由って」
和香「天界出身が私とノノさんしかいなかったからかな。ノノさんは風紀委員長をやりたがったから、仕方なく私が。で、歴代稀に見る駄目会長が誕生したわけです」
香「自分からやりたくて生徒会長に立候補した射美奈とは真逆だね。ってことは、来年の生徒会長って・・・・・・」
和香「響華ちゃんですね。あの子しか天使がいないので。で、響華ちゃんが卒業したら寧々ちゃんが高等部に上がってくれるからなんとかできる、と」
香「響華は生徒会長とコンビニバイトと新聞配達を兼任することになるのか・・・・・・」
和香「いやいや、流石にそうなると大変なんで私とノノさんが働いて家にお金を入れますよ!一応私内定ももらってますし」
香「!?」
幽「香くん、その反応は流石に失礼よ」
和香「そうだそうだー!」
幽「アーリア女学園で生徒会長をしていたっていうだけでこのあたりでのネームバリューはあるんだから、実情はともかくとして引く手は数多のはずよ」
和香「あの、幽ちゃんの方が心にグサッとくるんですが」
香「まあ卒業後働いててどうしても困ったら言ってね。伯母さんに紹介してなんとかならないか聞いてみるから」
和香「え、アザラシ製菓で働けるんですか!?」
香「あの会社なら色んな部門があるから、最悪キャンペーンガールとか広報係とか何かしら和香でも働けるとこがあるよ」
幽「香くんならどこの部署にいれる?」
香「経営と製造と設計と事務はダメで受付嬢もよろしくなく社内案内とかもできそうにないからあっ無理だこれ今回はご縁が無かったと言うことで」
和香「面接前から終わりました!?」
幽「次期社長の判断は厳しいわね」
香「人を勝手に次期社長にしないでほしいな」
和香「靴でもなんでも舐めますので路頭に迷ったら助けてください」
香「僕に言われても困るんだって」
日輪「相変わらずここはすごいわねー。もう空気からして違う」
雪美「いい空気清浄機使ってるからね」
日輪「そういう話じゃなくて」
つらら「あああっ!!!日輪!」
日輪「ん?あ、つらら」
つらら「もー!来るなら来るって言ってよー!生徒全員を集めて歓迎したのに!」
日輪「そんな兄さんみたいな扱いは勘弁よ」
雪美「香さんの妹って言ったらみんな集まるんじゃない?」
つらら「あの男もそういうことでは役に立つわね。今から呼びかけるか」
日輪「やめなさい」
雪美「おっ、日輪もついにコスプレする?」
日輪「それに関してはいいんだけど」
雪美「いいんだ?」
つらら「じゃあ私水着!水着が見たいです!花嫁でも可!肩出し系がいいと思います!脇でもいいぞ!」
日輪「あんたは私に何を求めてるのよ」
雪美「日輪が花嫁衣裳を見せるのはお兄さんだけだから」
つらら「じゃあ私友人代表やる!なにがなんでも見てやる!」
日輪「もし仮にそうなったら友人代表は多分月夜に頼むわよ。こっち来る前からの仲だし」
雪美「そもそも日輪、結婚するの?」
つらら「私とだね、オランダあたりに行ってだね」
日輪「んー、兄さんが多分このまま順当に行くと幽さんと結婚するだろうから、あとはリーブラあたりとどううまくやるかって感じね」
雪美「えっと?」
日輪「兄さんの倫理は現行法に従ってるものだから、法律さえなんとかすればいいって愛さんが言ってた。幽さんは推進派だから背中を押してくれるし、何年先になるかはわからないけど多分最終的にはできるんじゃないかなって思ってる」
つらら「私も!私も!」
日輪「いや、つららは別に兄さんのこと好きじゃないじゃん。ノリと勢いで言ってるなら封印するわよ」
つらら「ご、ごめんなさい・・・・・・」
雪美「日輪はお兄さんのことになるとガチなんだからそこ刺激しちゃいけないってわかってるのにこれなんだからなぁ」
つらら「私は日輪にたいしてガチよ!」
日輪「なーんでこんなに懐かれてるのだか。真面目にわからないんだけど」
つらら「だって、雪女の私を知っても仲良くしてくれたのが日輪だけだったし・・・・・・」
雪美「雪女?」
日輪「こいつ、妖怪なのよ」
つらら「あと、私のために性質封印の方法を探してくれた!おかげでプールに入れるようになったし、夏場でも動けるようになったわ!」
雪美「なんとかできたんだ」
日輪「兄さんが解決してくれたのよ。片っ端から知り合いの知識人の人たちに聞きに行って、方法を見つけて実行してくれたの」
雪美「え、じゃあなんでお兄さんを目の敵に?」
つらら「・・・・・・別に、目の敵にしてるわけじゃない。ただ日輪に中々会わせてくれないってだけで」
アリス「クレイジーサイコレズを大事な妹に近付けさせるわけないじゃん」
雪美「あれ、アリス?」
アリス「やっほー。お兄ちゃんが和香の勉強見てるから遊びにきたよー」
つらら「誰がクレイジーサイコレズだ!」
日輪「私を氷漬けにして保管しようとしてたやつが何を言うか」
つらら「大事なものは全部氷の中に保存すればいいっていうのが種族柄なもので・・・・・・」
雪美「そりゃ遠ざけられるわ」
アリス「そんな状態でも最終的に一応和解してるあたりお兄ちゃんはお兄ちゃんだなって思った。まあ氷漬け程度なら日輪が自力で解除できるってわかったからだけど」
雪美「マジで?」
日輪「私は日輪の巫女よ。太陽が氷程度に負けるわけないじゃない」
雪美「いっつも思ってるけど風流家ってやっぱり全員ぶっ飛んでるよね」
リーブラ「ふむ、しかし・・・・・・」
心愛「お姉さま、どうかいたしましたか?」
リーブラ「あら、心愛さん。いえ、この学園の生徒会制度について少し考えていただけです」
心愛「何か特別なことがあるでしょうか?それとも、人員を増やすとか?」
リーブラ「この学園の高等部の生徒会長は指名制であることは知っていますね?」
心愛「はい。現会長も前会長から指名されたとか」
リーブラ「そのシステムの根幹に関わるところを変えようと思っていまして、OB・OGらに口出しをさせない方法を模索しているのです」
心愛「指名制の根幹ですか?」
リーブラ「選ぶ基準の部分ですね。現状、次代の会長は遠山響華さんしか選択肢がありません。しかしながら、彼女は成績優秀生徒であると同時に勤労学生でもあります。このままだとあまりにも負担が大きすぎる」
心愛「遠山先輩がですか。彼女の家の事情を考えると、会長職を務めつつというのは確かに難しいですね」
リーブラ「それとも時間をとらせているお茶会システムを撤廃すればいいのでしょうか・・・・・・」
心愛「しかしながら、お茶会は生徒同士のコミュニケーションの場であると同時に意見交換の場でもあります。我々生徒会の人間も生徒たちから直接要望や改善点、よかった点なども聞くことができるので、そのまま全て撤廃するのには反対です」
リーブラ「そうですね。そこがウチの生徒会とは違った部分・・・・・・だからこそ私も頭を悩ませているのですが」
香「そもそもリーブラが得意なことは円滑に物事を回すことだから新しいシステムとかを考えるのは苦手だよね」
リーブラ「香様、いらしていたのですね」
香「和香に勉強を教えてたんだ」
心愛「会長・・・・・・年下に・・・・・・」
香「それはまあいつものことだし」
リーブラ「和香さんが生徒会長たる器でないのは本人も周囲の者も生徒たちも皆知っています。ですが、彼女はそれを引き受けるしかなかった。・・・・・・嘆かわしいことです。身の丈に合わない役職ほど疲れるものはありませんから」
心愛「そこが気になっていたのですが、前会長は何を思って現会長を指名したのでしょうか。その選択の基準というものが私にはわかりません」
香「和香が会長職についたのは和香自身が自分はなにもできないと思っていたからなんだ」
心愛「あの、仰っている意味がわかりません」
香「これもさっき聞いたばっかりの話だけど、当時指名されていたのはノノだったらしい。だけど、ノノは風紀委員長を続けたくてこれを拒否した。そこを補うために和香がって形になったんだ」
ノノ「そこには語弊があります。和香はいつもその部分を隠蔽しますが、あの子は自分から会長職をやると言ったのです」
リーブラ「それは、ノノさんが風紀委員を続けたいという想いを持っていたことを察していたため」
ノノ「はい。だから、和香が会長になったと聞いたときは驚きました。私は風紀委員を抜けるつもりで準備をしていましたから」
心愛「あの会長にそんな一面が・・・・・・」
香「運動も勉強もだめ、だけど心の底に秘めた気持ちを察することができる。だから、適性が全くなかったわけじゃないんだ。実際に和香と話して悩みが解決したって生徒もそこそこいる」
リーブラ「ですが、それ以上に本人が疲弊しています。そしてこのままだと次代の会長も同様に疲弊するであろうと予想がつきます」
ノノ「・・・・・・我々が働くと言っても、響華は自分の負担を減らそうとしませんからね。後の世代のためになるというのなら、私はなんでも協力します。できることがあれば何でも言ってください」
心愛「わ、私も!お姉さま方のお役に立てるのなら!」
リーブラ「はい、ありがとうございます。また進展がありましたら報告いたしますね」
香「じゃ、僕は響華に会ってから帰ろうかな」
ノノ「和香や響華に構っていただいていること、感謝します」
心愛「香様が愛をもって接していただけるからこそ、我々は自分の仕事に尽力できるというものです。お心遣い感謝いたします」
香「・・・・・・リーブラ?」
リーブラ「はい」
香「はぁ、あんまり言わないでほしかったんだけどな」
リーブラ「ふふ、言わなければ余計な気を回してしまいますからね。香様のお力添え、感謝いたします」
香「まあこっちは任せてくれるならいいんだけどね。その分、そっちは全部任せたよ」
リーブラ「はい、お任せください。必ずや香様のご期待に沿える結果をご報告いたしますわ」
鼓々菜「お兄ちゃん、今日の放送かっこよかったです」
メル「すごかったよー!月美先輩も!」
月美「いやー、学内放送なんて久しぶりだからつい張り切っちゃったよ」
香「僕も久しぶりだったから、ちょっと緊張しちゃってたよ」
美玖「・・・・・・悔しいですけど、流石と言わざるを得ません」
愛良「生演奏と生歌でお昼休みを過ごしたのは初めてでした」
響華「香様も月美さんも、とてもすばらしかったです」
寧音「あれ?でもあの演奏ってフルート以外も入ってたよね?」
アリス「それ私たちー」
礼丹「香の中等部時代に巻き込まれていたのです。放送部はずっと人員不足でしたから」
クロ「・・・・・・」
つらら「むー、なんで日輪いないのー」
香「日輪の専門は舞だって言ってるだろ。流石にこの学園中にあの舞を生放送できる設備は整ってない」
月美「うちらのとこはそのへん全部整えてくれたからねー。リーブラ先輩とか学園長とか」
リーブラ「あれは伯母様や叔父様のポケットマネーから出していただいていましたので、同等の設備をこの学園に導入するとなると少し気が引けますね。有効利用できるかも怪しいですし」
乙女「オーナーのポケットマネーから出せばいいのでは?私は訝しんだ」
雪美「用意しても使わないでしょー。宝の持ち腐れだよ。マギ・フィールド学園はその辺有効利用してるんだよね?」
月美「後輩たちがちゃんと使ってくれてるみたいでねー。先輩としては嬉しい限りだよ」
香「伝統が守られてるってことだからね。そしてその伝統を作ったのが僕ら」
鼓々菜「カッコいい!」
メル「すごい!」
月美「やー、しかしこんなのやってると中学時代を思い出すね!またあんな感じで声劇とかやりたいなぁ・・・・・・」
香「文の書いた台本で、日輪とかリーブラも一緒に入ってもらってね」
月美「そうそう!や、歌手だから声優とは違ってそんなお仕事は来ないんだけどね」
和香「そんなあなたに朗報です!また、できちゃいます!」
月美「へっ?」
香「お、ここで言っちゃうの?」
月美「えっ、ちょっと待ってどういうこと?」
心愛「はい。会長に代わって説明いたしますと、今年の文化祭は我らアーリア女学園、そしてマギ・フィールド学園で共同開催をすることが決定しました」
月美「・・・・・・ええええーーーーーっ!?じゃあ、香が最近よく来てたのも!?」
香「マギ・フィールド学園生徒会副会長として話をつけにね。お互いの事情が解っている分、話を進めやすいから」
響華「あの、それは寝耳に水なのですが、ここで発表してよかったのですか?」
幽「正式な発表はまだ、だけどね。でも今日の会議で確定はしたから広めてもらって構わないわよ」
月美「ゆ、幽さんはなんで?香についてきてただけじゃないの?」
幽「あら、私は文化祭実行委員よ。生徒会だけに任せていられないもの」
ノノ「和香、私も聞いていませんが」
和香「だってノノさん文化祭と関わりないですし・・・・・・」
ノノ「まさか全く気付かせないとは。予想もしていなかったことではありますが、おみごとです」
雪美「ってことで、我々文化祭実行委員と生徒会が協力して文化祭を盛り上げていきます!みんなで最高の文化祭をつくりあげましょう!」
「おおーーーーっ!」