〈しろい出会い〉
アリス「いやー、平和だねー」
礼丹「そうそう事件なんてあってたまるものですかー」
クロ「・・・・・・・・」
香「こたつむりさん達、みかん取って来たよ」
アリス「ありがと~。こたつにミカン、これぞ日本の冬だよねー」
香「毎年のことながらおじさんたちに感謝だね」
クロ「・・・・・・・・」
香「はいはい、今むくよ」
礼丹「自分で剥けばいいのに・・・・」
クロ「・・・・・・・・・」
アリス「手が黄色くなったってわからないでしょー」
ドカーーーーン!!!
アリス「!?!?!?」
礼丹「わひっ!?ああああ~~~!!!!!ミカンの汁が目に!」
香「な、なんだ!?」
しろ「ここにおられましたk」
ゴキッ
クロ「平和だって言ってるんだから邪魔するな」
アリス(すごい音がして、壁に穴が空いてなんか変なのが出て来たかと思ったらクロが殴り飛ばしてた。壁の穴が一つ増えた)
〈リーブラは今日も元気です〉
ドカーーーーン!!!
リーブラ「よいしょっと」ガシッ
セレシア「!?」
ロック「!?」
アクア「え、いきなり壁に穴が開いたと思ったら姉さんが何か掴んでるんだけど何?」
コスモス「さむいです!」
ケイオス「ぎょーしゃさん!ぎょーしゃさんよびましょう!」
リーブラ「なにか騒がしいと思えば、まったく・・・・・家族団らんの時間ぐらい邪魔しないで欲しいものです」
しろ「きゅう~・・・・・・」
セレシア「あの、リーブラ?その子は?」
リーブラ「さあ?」
しろ「わ、私は、天上院しろで、あります・・・・・がくっ」
コスモス「かべなおりました!」
ケイオス「なおしました!」
アクア「我が妹ながら便利ね。姉さんもそうだけどもう少しこの状況に動じて欲しいんだけど」
リーブラ「この程度で動じていたら香様をお守りすることなどできないわよ」
ロック「なあ、セレシア・・・・俺、娘の育て方間違えたかな・・・・」
セレシア「やめてよ、私にもそれは効くんだから・・・・」
アクア「母さんも父さんも基本家にいないしね」
ロック「がはっ」
セレシア「ごふっ」
アクア(仕事が忙しいのは知ってるし応援してるから別にいいんだけど)
〈岩をも砕くデコピン〉
リーブラ「それで、あなたはどうして向かいの家に殴り込みをかけたんですか?」
セレシア「どうして殴り込みをかけたって把握してるのよ・・・・」
リーブラ「聞いていたからです。さあ、質問に答えるか、頭を飛ばされるか選びなさい」
しろ「それはもちろん、クロ様をおむかえするためであります!」
コスモス「クロ」
ケイオス「さま」
アクア「え、つまり風流家の方で爆破音が聞こえたのってあんたのせいなの?」
しろ「邪魔なものを取っ払っただけであり、他意はありません!」
アクア「串刺しか氷漬けかミンチか好きな死に方を選びなさい。私は寛大だから選ばせてあげるわ」
しろ「ひぃぃぃぃっ!?」
しろ(こ、この女の目は据わっている!「やる」といったら「やる」目だ!)
リーブラ「落ち着きなさい、アクア。いいですか、天上院さん。まず、あなたとクロちゃんはどんな関係ですか?」
しろ「私とクロ様ですか?と言われましても・・・・・・すごく形容しがたいといいますか」
リーブラ「なるほど。もういいわね。アクア、ブルーシートの用意を。デコピンするから」
アクア「了解」
しろ(た、ただのデコピンで済む?)
セレシア「やめなさいやめなさい!私は娘を人殺しにさせる気はないわよ!」
しろ(どういうことなの!?デコピンってそんなに危ないものだったっけ!?)
ロック「なあ、えーと、しろちゃんだったか?クロちゃんに会いたかったっていうのはわかるんだが、ちょっとやり方を間違えちまったんじゃないか?」
しろ「なにがですか?」
アクア「姉さん、とりあえず氷を」
リーブラ「ありがとう」
パンッ!!!
アクア「使って頭かち割ろうって言いたかったんだけど、姉さんにそんなのはいらないわよね」
しろ(こ、氷の塊が、ただのデコピンで風船のように破裂した!?あんなのを頭にくらったら・・・・・)
しろ「わ、私が!私が悪かったですから!許してください!」
リーブラ「・・・・・まあ、許すのは私ではなくて香様たちですからなんとも」
アクア「これ以上迷惑かける前に潰しておいた方がよくない?コスモス」
コスモス「バラバラにしてごみばこにポイですね!」
セレシア「やめなさい」
アクア「じゃあケイオス」
ケイオス「おみずとくっつけてトイレにじゃーですね!」
ロック「やめろぉ!こいつらなんて発想しやがんだ!」
しろ「」ガタガタガタガタ
〈クロ〉
リーブラ「さて、あなたがクロちゃんを連れ戻しに来たっていうのはわかったんですけれど、そもそもクロちゃんってなにものなんですか?」
アクア「影女だとは言ってたわよね」
しろ「影女!?誠に遺憾であります!そんな低俗なものとクロ様を一緒にしないでいただきたい!」
セレシア「全国の影女に謝りなさい」
ロック「影女って全国にいるのか?」
セレシア「さあ?」
しろ「クロ様はいうなれば―」
クロ「それ以上喋るんじゃないこの腐れ脳みそが」
ゴキッ
セレシア「今すごい音したんだけど!?」
リーブラ「あれ、クロちゃん珍しいですね。ひとりでこっちに来るなんて」
クロ「やむにやまれぬ事情がある。これを元居た場所に送り返さなければならない」
アクア「く、クロがしゃべって・・・・?」
クロ「リーブラ、外までついてきて」
リーブラ「はぁ・・・・?」
〈しろクロの正体〉
リーブラ「そういえば、どうして私まで外に?」
クロ「全身が光に当たると消えてしまう。故に何かしらの影に触れ続けていなければならない」
アクア「じゃあどうやってウチの家まで来たのよ」
クロ「・・・・・・・・・」
アクア「なるほど、紙飛行機・・・・」
リーブラ「ラジコンとかでもいけそうですね」
クロ「影の中では電波が通じないからダメ」
リーブラ「なるほど」
アクア「そういや、服は?」
クロ「急いでいたから着る暇がなかった」
リーブラ「あの服、結構手間かかりますしね」
しろ「クロ様!お考え直しを!どうか、どうか!」
クロ「うるさい。正面から話をしに来るだけならばともかく香が住まう家を破壊したことに関して私は是が非でも許すつもりはない。大気圏外で悔い改めろ」
リーブラ「大気圏外・・・・・つまり、宇宙まで投げ飛ばすつもりですか?」
アクア「えっ、あんたら、宇宙人だったの?」
しろ「地球外に住む知的生命体という意味ならばそれは正しくはあります」
アクア「えっと?」
クロ「とりあえず、飛べ」
しろ「ひぃぃぃぃっ!?さすがの私でも生身で大気圏を突破するのは不可能であります!せめてバリアを張る時間を!」
クロ「是非も無し」
リーブラ「まあまあまあ、落ち着いてくださいな」
〈リーブラはいつも通り〉
リーブラ「人は反省することで成長する生き物です。彼女にも一度反省をする機会を与えてみてはいかがでしょうか」
クロ「こいつに反省をするという思考はない」
リーブラ「そこは私が教えますので・・・・・ね?」
アクア「ちなみに、反省しなかったら?」
リーブラ「輪切りにします」
しろ「!?」
リーブラ「こう、つまさきからですね、鋭利な刃物を使ってゆっくりと切っていくわけです。少しずつ頭に向かって刃が上っていってですね」
しろ「」ガタガタガタガタ
リーブラ「と、私もまあそのようなことはしたくないのであなたが真摯な態度で私の言うことを聞いてくれることを望んでいます。いかがでしょうか」
クロ「・・・・・・・・・」
アクア「あっ、戻ってった。つまり、情状酌量の余地はあるってことでいいのかしら?」
リーブラ「でしょうね。さて、しろちゃん」
しろ「は、はい!」
リーブラ「私としても香様にご迷惑をかけたことに甚だ憤りを感じています。ですが、香様はこのままあなたが消滅することを良しとしないでしょう。ですから、チャンスを与えているわけです」
リーブラ「私の言うこと、聞けますよね?」
しろ「は、はいっ!」
〈一週間後〉
しろ「この度は私の都合で皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」ドゲザッ
アリス「一週間で何があったの!?」
しろ「知っていますか。この世には死よりも恐ろしいことが存在するんですよ」
アリス「アリスちゃん幽霊だから死ぬこと怖くないしそのへんよくわからない」
しろ「ひぃっ、おばけ!?」
アリス「何をいまさら」
玖美「これがウチの壁に穴をあけた例の・・・・」
日輪「で、兄さんはどうなの?許すの?」
香「まあ、反省してそうだしいいかな。壁もルーさんが直してくれたし、まあまあ」
礼丹「香がそういうのならわたくしに異論はございません」
アリス「アリスちゃんも別にいいよー」
クロ「さっさと帰れ」
しろ「クロ様!?」
日輪(結構クロって根に持つタイプよねー)
〈お世話になってます〉
真恵「なるほどー、それでコスモスたちのとこに変なのがいるんだ」
しろ「変なのという謂れに対しては甚だ遺憾であります」
コスモス「へん、ですよね?」
ケイオス「へんですねー」
メアリー「変です」
しろ「くっ、これが民主主義・・・・」
赤美「やっぱり時代は社会主義だよね!さあ君も革命を起こす仲間に加わろうじゃないか!」
真恵「誰だこいつ」
礼丹「バイト抜け出して何をやっているんですか。ごめんなさい、これを回収していきますね」
赤美「ああっ!新たな仲間よ!私は君を待っているぞー!」ズルズル
しろ「・・・・・なんですか、今のは」
メアリー「さあ?」
コスモス「あたまのおかしいおねーさんです」
ケイオス「あたまのおかしいかみさまです」
しろ「神とはいったい」
〈革命とか無理〉
リーブラ「それでは本日の道徳教育を始めますね」
しろ「はい!」
コスモス「はーい!」
ケイオス「zzz」
リーブラ「ケイオス?」
ケイオス「はっ!ね、ねてません!」
リーブラ「もう、また夜更かししたのね。これはまたしばらくゲーム没収ですね」
ケイオス「!?!?!?!?!?!?」
コスモス「あーあ、だからいいましたのにー」
ケイオス「も、もうしませんから!おねがいです!」
リーブラ「ダメよ。寝る前にゲームは30分まで、それを破ったら一週間ゲーム禁止。そういう約束でしょ?もう3回目よ、ケイオス」
ケイオス「あうあう・・・・」
リーブラ「このようにルールを破るということはそれだけで罰則があるだけでなく、人からの信用も失います。わかりましたか?」
しろ「なるほど」
アクア「姉さん、1週間はちょっと長いんじゃ・・・・」
リーブラ「そういえば先日アクアも香様の部屋に侵入して下着を盗ってきてたわね」
アクア「用事を思い出したから私はこれで」
リーブラ「逃がすと思っているのかしら?」ガシッ
アクア「いだだだだだだだ!ギブギブギブギブ!わかったから離して!もう逃げないからー!」
しろ(なぜこうなるのがわかっているのにリーブラ様に逆らうのでありましょうか)
〈お姉ちゃんは〉
ケイオス「そういうわけでわたしはゲームできません・・・・」
灯鈴「えー、いいじゃんいいじゃん。こっそりウチでやるのぐらいさー」
コスモス「ダメです!ルールはルールです!コスモスの名にかけて、おねえさまの言うことをまもらせます!」
灯鈴「もー、コスモスは固いなー」
真恵「ウチで約束破ったらお尻ぺんぺんだからなー。日輪怒るとすっごく怖いし」
メアリー「真恵が怒られるようなことするからですよ。宿題やらずに遊びに行ったり」
真恵「帰ったらするつもりだったんだってばー」
翠石「それで、今日の宿題は?」
真恵「あっ、わ、忘れてた・・・・」
リリーナ「今日もおしりぺんぺんですね」
メアリー「自業自得ですね」
真恵「うう・・・・家に帰りたくない・・・・」
灯鈴「じゃあ、今日泊まる?」
真恵「それあり!」
幽「灯鈴、今日の算数の時間に居眠りしていたって聞いたんだけど」
灯鈴「真恵、ケイオス、逃げるぞ!翠石、家に泊まらせてくれ!」
真恵「よろしく!」
翠石「ええっ!?」
幽「あっ、ちょっと!」
〈逃げた先〉
灯鈴「よし、これで大丈夫!」
真恵「あとはほとぼりが冷めるまで!」
ケイオス「隠れるだけ!」
翠石「あうあう、本当に来ちゃったよぉ・・・・」
恩架「んー?なにやってるのー?」
灯鈴「・・・・誰?」
翠石「貧乏神の恩架さん。おねえちゃんやお母さんが忙しい時にご飯作ってくれる神様」
真恵「今貧乏神って言った!?」
灯鈴「宝部家が収入の割にはぜいたくできないのはお前のせいか!」
恩架「失礼な、貧乏神といっても憑りついた家をひたすら貧乏にするわけじゃないんだからね」
ケイオス「と、いうと?」
恩架「要は幸運の貯金みたいなものだよ。普段からちょっとずつもらっておいて、ここぞって時に一気に帰す。だからここ一番で失敗しなくなるようになるんだよ」
翠石「おかげでウチの家族は大きな事故とかを起こしたことが無いのです」
緋石「ウチのおふくろはメキシコで自警団の一員やってるし、おやじは結構危ないとこでボランティアやってるけど毎回無事に帰ってくるしな」
蒼石「あと、ウチの家は食事内容の関係でエンゲル係数が異様に高いから他にお金を使えないだけだ」
真恵「なるほどー。拝んどいたらご利益あるかな?」
ケイオス「なんまんだぶなんまんだぶ」
灯鈴「それは仏様だ」
恩架「でも、悪い子には罰を与えないとねー」
真恵「えっ」
灯鈴「えっ」
ケイオス「えっ」
恩架「翠石ちゃんとか、家族の人たちを困らせる子には~・・・・・邪ッッッッ!!!!」
〈バチ〉
真恵「な、なにをしたの・・・・?」
ケイオス「とくにかわったことはないみたいですが」
恩架「んー、そろそろ来るんじゃないかなー?」
灯鈴「んにゃっ?」
ピンポーン
翠石「はーい!ちょっと出てくるねー」
真恵「こ、この気配は・・・・・に、逃げ・・・・・」
緋石「諦めろ。ここ7階だぞ」
灯鈴「ね、姉ちゃんが、姉ちゃんが怒ってる・・・・」ガクガク
ケイオス「お、おねえさま・・・・・おねえさまが・・・・・」ガクガク
真恵「む、むかえにきた・・・・日輪が、迎えに来た・・・・」ガクガク
恩架「ま、ちゃんと反省しなさいってね。約束は破っちゃだめだぞー?」
〈監視されながら〉
真恵「うう~、お尻が割れそうだよ~・・・・」
メアリー「元々割れてますよね?」
クロ「・・・・・・・・」
日輪「お向かいさんはゲーム1週間禁止らしいし、そっちもやっとく?」
真恵「やだー!今宿題やってるから勘弁してー!」
玖美「日輪厳しすぎー!帰ってきてやるならいいじゃーん!」
真恵「そうだよ!」
日輪「あんたたちは放っといたらやらないでしょうが。メアリーやリリーナを見習いなさい」
アリス「ちなみに日輪はいつもどうしてるの?」
日輪「学校で全部やった」
香「僕もそうしてるよ。というより、ウチの部は活動始まって30分ぐらいは宿題タイムだからやり忘れるってことは中々ないね」
玖美「放送部そんなのないしー、そもそも放課後あんまり集まらないしー」
真恵「あうう、これって何時何分だっけ・・・・・?」
日輪「一番上が12、そこから右回りに1,2,3と続いていくのよ」
真恵「えっと、えっと・・・・」
蓬莱「苦戦してるなー。ま、でも時計は読めないと苦労するってレベルじゃないからな。日常生活に支障が出る」
上海「終わったらデザート用意してるからねー。メアリーは先に食べる?」
メアリー「いえ、真恵を待とうと思います」
真恵「うう、早く終わらせないと」
〈不憫〉
真恵「おいしー!」
メアリー「おいしいです!」
上海「ふふ、作った甲斐があったよ」
クロ「・・・・・・・・」
上海「だーめ、1人一個」
クロ「・・・・・・・・」
オルレアン「クロちゃんって、こういうところは物分かりがいいですよね」
蓬莱「基本素直だよな」
虹香「あの、私の分は?」
アリス「おいしかったよ」
虹香「なんですと!?」
アリス「じょーだんじょーだん。ちゃんと置いてあるって―」
リル「んー♪上海のデザートはやっぱりおいしいわねー♪あ、最後の一個もらっちゃったけど皆食べたわよね?」
上海「え?あ、今日リルさんいたこと忘れてた・・・・」
リル「え?」
虹香「」
リル「あ、虹香、ごめんね?悪気はなかったの」
虹香「いえ、別に、いいですよ・・・・私はこういう運命なんだってわかってましたから」
〈恩に報いる〉
クロ「・・・・・・・・」
虹香「ん、どうしたんですか?」
クロ「・・・・・・・・」
虹香「え、このお菓子を、私に?」
クロ「・・・・・・・・」
虹香「あ、ありがとうございます!クロちゃんがお菓子をくれるなんて!」
クロ「・・・・・・・・」
礼丹「恩返しのつもりなら、そもそも勝手に虹香の分を食べなければいいのでは?」
クロ「・・・・・・・・」
虹香「それとこれとは別じゃないですよ!」
クロ「・・・・・・・・」
虹香「・・・・・半分こします?」
クロ「・・・・・・・・」
虹香「じゃあ、どうぞ。あーん」
クロ「・・・・・・・・」
虹香(こういう反応がかわいいんだよねー。お菓子取られるけど)
〈約束は守りましょう〉
―翌日―
真恵「むー、日輪ももっと優しくていいのになー」
ケイオス「おねえさまもです」
灯鈴「姉ちゃんもなー」
メアリー「日輪お姉さまは十分優しいと思いますが」
真恵「メアリーは怒られないからそう言えるんだよ」
メアリー「怒られるようなことをしてるのは真恵なんですが・・・・」
翠石「日輪さんって怒らなきゃいけないときしか怒らないよね?」
リリーナ「イエス、そのとおり。ちゃんといいことしたら褒めてくれるし」
コスモス「おねえさまだってほめてくれます!おかしもくれます!」
灯鈴「ウチの姉ちゃんもだぞ!」
真恵「灯鈴はこっち側じゃないの!?」
クロ「・・・・・・・・」
真恵「ねー、クロも日輪は厳しいって思うよねー?」
クロ「約束を守らない真恵が悪い」
真恵「!?」
〈叱るということ〉
クロ「人間、怒るという行為にはかなりのエネルギーを使う。だから本当に優しくない人間は全く怒らない」
クロ「その人のためを思うからこそ怒るという行為をする。そしてそれはただの怒りの感情ではない。ちゃんと反省してくれるだろうという期待の感情」
クロ「人はそういった行為のことを叱るという。どうでもいい人間に対しては叱らない。日輪はああ見えてすごく繊細だから、叱り方も毎回考えて、叱ったあとも悩んでいる」
クロ「・・・・もっとも、その姿を真恵に見せることはないと思う。だけど、日輪は決して理不尽には叱らない。だから、日輪に苦労を掛けないためにも真恵はちゃんと約束を守るように」
真恵「・・・・・・・・く、クロがすっごい喋ってる」
メアリー「クロの言うとおりですよ、真恵。日輪お姉さまをあんまり困らせたらかわいそうです」
ケイオス「リーブラおねえさまも、そうなんでしょうか?」
灯鈴「幽姉ちゃんも、なのかな」
翠石「絶対そうだって!」
真恵「うー、でもなぁ、うー・・・・・ボクが悪いのはわかってるけどぉ・・・・・うー」
〈恩人〉
メアリー「クロさんって、誠実じゃないことにたいしては結構怒りますよね」
クロ「・・・・・・・・・」
真恵「ああ、おばさんにビンタしまくってたね。あとシュシュにも」
クロ「・・・・・・・・私が香に憑いているのは、香が命の恩人だから」
真恵「え?な、なにそれ、初めて聞いたよ?」
クロ「はじめて言った。私は影女、影がないところでは生きることができない」
クロ「いつかの夏の日の朝、私はブロック塀の影に潜んでいた。そして、昼になるにつれだんだんと太陽が高くなっていった」
クロ「太陽が真上に来た時、ちょうどブロック塀のところからは影がなくなってしまう。だけど、ブロック塀の影はどこの影にもつながっていなかった」
クロ「太陽が真上に来る、ちょうどその時に、たまたま香が近くを通ってくれた。私は急いで香の影に避難した」
クロ「香自身にそのつもりはなかったのかもしれない。だけど、まぎれもなく香は私の命の恩人」
クロ「・・・・だから、私は香に憑いていくことにした。香が死ぬまで、恩に報いることができるようにする。そのために」
クロ「この服も、私が外を出歩けるように、だけど服が嫌いな私でも着れるようにわざわざ香が作ってくれたもの」
クロ「香は私に命と自由をくれた。だから私は、香を守る。そして、香が大切にしているものも守る」
クロ「香は、日輪のことも真恵のことも大切にしている。だから、日輪に心配をかけないためにも、真恵が叱られないためにも、約束は守ってほしい」
クロ「・・・・・・・・」
真恵「う、うん。わかった・・・・」
灯鈴(重い!重いよ!)
〈理由〉
しろ「なるほど、クロ様はそういう理由で・・・・」
ケイオス「あんなにいっぱいしゃべってるのはじめて見ました」
コスモス「もうびっくりでした」
リーブラ「それじゃあ、しろはどうするの?クロちゃんは当分帰りそうにないけれど」
しろ「クロさまが恩に報いるためにここに残るというのなら、私もそれに付き合いましょう」
しろ「それに、私にもやりたいことができましたから」
アクア「あら、そうなの?」
しろ「はい」
しろ(見ず知らずの私をあんな形とはいえ、受け入れてくれたマギ・フィールド家の皆様。クロ様が恩に報いるというのなら、私もそうしましょう)
しろ(恩を返す。なにができるかはわかりませんが、できることをやっていくとしましょうか)