クレイン「香くん、どうぞこちらに」
瑞姫「お兄様、こちらへどうぞ」
クレイン「・・・・・・」
瑞姫「・・・・・・」
クレイン「本日香くんはわたくしと街に出るのですが?」
瑞姫「お兄様は今日私と映画鑑賞をするのですけど?」
メア「香様、姫がお待ちになられています。行ってあげてください」
クロウ「香さん、まだあちらは時間がかかりそうですのでお茶でもいかがですか?」
香「そうさせてもらおうかな。リリーナは?」
リリーナ「あの人たち元気だなー・・・・あ、じゃあ私もいただきます」
アリス「お兄ちゃん、やんごとなき方々にお誘いを受けて緊張したりしないの?」
香「慣れてる」
―2日前―
クレイン『ハロー、こちら香くんのお電話であっていますか?』
香「もしもし、クレイン?あってるよ」
クレイン『そう、安心しました。まだこういった機械の操作には慣れていなくて』
香「去年は電話すらできなかったじゃないか、すごい進歩だよ。日本語もうまくなったね」
クレイン『うふふ、ありがとうございます。それでは本題に入らせていただきますね』
香(何の用事だろう?本人も忙しいはずなのに)
クレイン『わたくし、本日より外交の関係上来日させていただいているのですが・・・・』
香「え、マジで?」
クレイン『はい、本当です。それにあたって、滞在中に問題が起こらないよう香くんの力をお借りしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?』
香「え?あー、大丈夫だよ。とりあえず会おうか。そうすりゃなんとかできるし」
クレイン『はい。私もそろそろ到着いたしますので、一度こちらは切らせていただきますね』
香「はいよー」
ピンポーン
香「はーい、今出まーす」
瑞姫「お兄様、お久しぶりでございます」
香「あれ?」
瑞姫「どうかいたしましたか?」
香「あ、いや、久しぶりって、先月会ったばかりじゃないか。ていうか、どうして瑞姫がここに?」
瑞姫「折角の連休ですから、お兄様に会いに来てしまいました。いけませんでしたか?」
香「いや、いいんだけど・・・・」
ピンポーン
香「あ、来た」
瑞姫「あら、お客様ですか?」
香「・・・・・・タイミング悪いなぁ」
クレイン「お久しぶりです、香くん」
香「久しぶり、クレイン、メア、クロウ、ロウチェ、オーラム」
メア「お久しぶりです」
クロウ「お久しぶりですね」
ロウチェ「久しぶり!」
瑞姫「・・・・・・あら?お兄様?なぜこの方たちがここに?」
香「今しがた連絡があって」
クレイン「わたくし共は外交の一環として立ち寄らせていただいているのです」
香「瑞姫の方は来るって知らなかったし、クレインもさっき聞いたばかりだし、ほんと偶然だって」
メア「それでは」ギュッ
クロウ「香さん」ギュッ
クレイン「よろしくお願いいたします」ギュッ
瑞姫「はうわ!?な、なにをやっているんですか!?」
クレイン「香くんと直接触れ合った方が早く幸運が移るんですよね?」
香「そんなことないんだけど」
ロウチェ「相変わらず姉様たち香のこと好きすぎだろ」
瑞姫「す、すすすす好き!?」
クレイン「ええ、何か問題でも?」
メア「香様はソフライムの血を受け継ぐ唯一の男性・・・・我々が交わる相手としてこの上ないお方ですから」
クロウ「私は普通に香さんの人間性が好きですよ~?」
瑞姫「は、破廉恥です!お兄様も抵抗してくださいまし!彼女さんがいるんでしょう!?」
香「これ、幽公認」
瑞姫「そうでした!幽さんはすごく懐の深いお方でした!」
ロウチェ「なあ、香。リリーナとか真恵とかは?」
香「リリーナなら家にいるはずだけど・・・・真恵は遊びに行ってる」
リリーナ「呼びました?」ニュッ
ロウチェ「おうわ!?どっから出て来た!?」
リリーナ「相変わらずお姫様らしからぬ言動ですねー」
クレイン「ロウチェ、もう少し落ち着きをもって、それと日本語を使う時は敬語を忘れずに」
ロウチェ「やなこった。めんどくせー。姉様たちより流暢なんだからいいだろー」
香「日本語教育にマンガとアニメなんて使うから・・・・」
ロウチェ「マンガもアニメも面白いからいいだろ!」
クレイン「香くん、妹の無礼をお詫び申し上げます」
香「僕自身そんな偉い立場の人間じゃないしいいっていいって」
ロウチェ「んで、あたしはどこで寝りゃいいの?」
香「・・・・・・ん?」
瑞姫「は?」
クレイン「あら?伝わっていませんか?こちらに1週間ほどお世話になると」
香「いや、聞いてないな」
クロウ「メア?」
メア「・・・・・・・・・・・・腹を切ってお詫びを!」
香「君は何に影響を受けてそうなったんだ」
瑞姫「介錯できるような腕の持ち主なんてくーちゃんぐらいですよね?くーちゃんは・・・・どうせ家にいますか」
香「寝てるよ」
メア「家主である壮司様の許可はとってあるのですが、香様には私の方から言っておくと言ってそのままにしていました・・・・」
クロウ「香さんと直接喋りたいからとわざわざ自分で伝えることにしたのにそのことを忘れていた、そういうわけですね?」
香「なんで僕に・・・・あ、姉さんも母さんも父さんも今いないから一応僕が最高責任者になるのか」
ロウチェ「で、荷物どこに置けばいい?」
香「荷物はとりあえず2階の空き部屋を使えばいいよ。ほら、こっち」
瑞姫「あ、私のはお義母様とにっちゃんに聞いてにっちゃんのお部屋に置かせてもらうことになってるので大丈夫ですよ」
香「日輪も出かけるのわかってるなら言ってくれればよかったのに・・・・」
ロウチェ「オーラムー、持ってくれー」
オーラム「自分で行けばいい」
瑞姫「・・・・・・・!?!?!?!?」
香「あれはアリスみたいなファンタジーな存在だから気にしなくていいよ」
オーラム「マスター、久しぶり」
香「だから僕はマスターじゃないとあれほど」
オーラム「クロウにはそう呼ぶようにいわれている」
香「クロウ?」
クロウ「ご主人様の方がお好みでしたか?」
香「いや、そうじゃなくて・・・・」
アリス「お兄ちゃんはシスコンだからお兄ちゃんって呼ぶのが一番効くよ」
香「いわれのない風評被害はやめるんだ」
ロウチェ「うわ、きもっ」
クレイン「ロウチェ!」
ロウチェ「なんだよ、うっさいなー。リリーナ、向こうで遊ぼうぜ」
リリーナ「えー、しょうがないですねー。特別ですよー?」
ロウチェ「年下のくせに偉そうだな」
メア「ロウチェ様がそれを仰いますか」
―現在―
玖美「公務が終わったからって一国のお姫様が護衛もつけずに外を出歩くのってよろしくないんじゃ・・・・ここ日本だし大丈夫だとは思うけど」
クレイン「護衛についてはメアがいるから大丈夫ですよ」
クロウ「私もメイド真拳をやっていますし、そこらの一般人レベルには負けませんよ~」
瑞姫「め、メイド真拳・・・・・」
メア「バトラー真拳はなかったのが残念です」
日輪「メイド真拳だけで十分パワーワードなんだけどね」
クロウ「この茶葉、ミャンマーで買ってきたものなんですよ。いかがですか?」
香「うん、おいしいよ。いい香りだ」
ロウチェ「香ー、暇ー。もっとゲームないのかー?」
香「玖美、ロウチェの相手してあげて」
玖美「よっし!あたしのゲーム棚を見せてあげよう!きっと面白いのが見つかるよ!」
ロウチェ「ニートは却下。勝てないし」
日輪「玖美、手加減できないもんねー」
香「毎回メアリーが涙目になってるしね」
ロウチェ「その点、香はいいよな!なにやっても勝てる!だから香、やろう!」
香「クレイン、瑞姫。一緒に街に行こうか。メアとクロウも」
ロウチェ「あー!なんでそうなるんだよー!」
アリス「お兄ちゃん、なんだかんだゲーム弱いの気にしてるから」
リリーナ「香さん!私も行きますー!お姫様仲間としてー!」
マリン「あまり街中で姫、姫とさわ・・・・いでも問題ないか。日本だしな」
玖美「姫ちゃんとかいるもんね」
アリス「サークルの姫とかもね」
クレイン「結局ついてきたのね」
ロウチェ「だって暇だし」
メア「香様、私は遊園地なるものに行ってみたいのですが」
香「この街にそんなものないよ」
メア「なんと」
クロウ「メイド喫茶とかいうのも行ってみたいですね~」
香「そっちはある」
メア「なんと」
瑞姫「あの、お兄様、映画・・・・・」
ロウチェ「香!ゲーセン!ゲーセン行きたい!」
香「はいはい、順番順番。映画のチケットはとりあえず予約しておくか」
瑞姫「はい!あの、今話題のラブロマンスがあるって聞いているんですけれど、それが見たくて!」
香「ネット予約で・・・・・・しまったな、この人数だと席が空いてない」
リーブラ「必要がありましたら私の方で手配いたしますが」
香「それじゃあおねがいしようかな。リーブラも一緒に見る?」
リーブラ「お誘いは嬉しいのですが、この後はコスモスとケイオスを連れて水族館に行くと約束してありますので」
香「水族館の魚を食べないように言っておいてくれ」
リーブラ「畏まりました。こちらチケット番号になりますので、該当の映画館にてお使いください」
ロウチェ「・・・・・・・・・誰!?」
瑞姫(私はもう慣れました)
ロウチェ「相変わらず香の周りはやべーヤツだらけだな」
クレイン「ロウチェ、言葉を慎みなさい」
香「否定はできないんだよなぁ。でもみんないい子だよ」
メア「リーブラさんも今回やったことは映画館の席を取ったというだけですからね」
クロウ「行動が常軌を逸していてもやっていることはまともなんですよね」
リリーナ「いきなり出てくるのにさえ慣れればどうってことはありませんよ」
瑞姫「お兄様に害をなさない限りは友好的な方ですし、頼りになりますよ」
リリーナ「害をなそうとしたら首が飛びますけどね」
ロウチェ「えっ」
アリス「しろは頭がはじけ飛びかけたらしいねー」
礼丹「氷の塊をデコピンで砕いたのでしたっけ?」
ロウチェ「・・・・・・・・・あ、あたし、アウト?生きて国に帰れない?」ガクガク
香「さすがにそんなことはしないよ。いくらリーブラでもね」
クレイン「香くんに対してもそうですが、ロウチェは少し傍若無人なのです。言動を慎めばそんなことにおびえる必要もないというのに」
香「言動どうこうで怯える必要があるほどリーブラは怖い人じゃないよ」
アリス「なんだかんだ面倒見いいし優しいしね」
ロウチェ「だ、大丈夫?あたし死なない?」
香「死なない死なない」
~ゲームセンター~
ロウチェ「うしっ!香!あっちで勝負だ!」
瑞姫「お兄様、あっちにクレーンゲームが!あのお人形が欲しいです!」
クレイン「この機械・・・・・ウチの国でも導入できないでしょうか」
メア「本国に持ち帰って検討しますか」
クロウ「ゲームセンターを作っても来る人がいないと・・・・」
リリーナ「まだまだ人口少ないですしね」
クレイン「し、シーランドよりは多いですから!」
香「人口3人と張り合ってどうする」
ロウチェ「あっ、くそっ!負けたっ!香、100円!」
香「はいよー・・・・・しっかし、相手の子強いなぁ」
梨々愛「そりゃりりあはいっつもここ来てるし」
香「ああ、なるほど。道理で」
磊「梨々愛ちゃん、まだやってるの?」
梨々愛「相手が連コして挑んでくるから面白くてねー」
ステラ「いつまでもやってたら次行けな・・・・わひゃっ!?せ、先輩!?」
香「どもども」
磊「あ、どうも、風流先輩」
梨々愛「気付いてなかったの?気づいたからこっち来たのかと思った」
ロウチェ「あっ、また負けた・・・・・」
香「余所見しながら勝つってすごいよね」
梨々愛「そりゃあこんな単調な動きばっかりだとねー。あ、せんぱーい、りりあ喉乾いたなー」
香「はいはい、何飲みたいの?ステラと蘭定さんは?」
ステラ「い、いいんですか?じゃあカフェオレで・・・・」
磊「えっと、私はリンゴジュースで」
ロウチェ「コーラ!」
梨々愛「りりあはー、えーとー」
香「焼肉のたれでいいよね」
梨々愛「せめて飲み物で!」
瑞姫「お兄様はずいぶんと女性のお知り合いがおおいようですね」ムスー
香「家族が父親以外全員女だからね」
リリーナ「妹の友達も妹の友達の友達もみんな女の子ですもんね」
ステラ「私としてはなんで梨々愛が先輩と知り合いだったのか甚だ疑問なんだけど」
梨々愛「実は空手の先輩後輩なんだよ」
ステラ「えっ、そうなの?」
香「とはいっても梨々愛が入ってきたころには僕は辞めちゃったじゃないか」
梨々愛「未だに来てるじゃんかー。愛先輩に言われてさー」
香「引きずり込まれてるだけだよ」
梨々愛「あとはねー、夢華がねー、先輩と知り合いだったんだよねー」
香「知り合い、っていうか2,3回ご飯連れて行っただけだよ」
メア「世間一般の目で見るとそれは知り合いというレベルを超えているのでは」
香「って言っても後輩の友達ってだけだからなぁ。やっぱり知り合いだと思うんだけど」
梨々愛「あー、いけないんだー。そんなこといったら夢華泣いちゃうよー」
香「なんでそうなるんだよ」
瑞姫「お兄様、今度は何を致したんですか?場合によってはにっちゃんに報告を」
香「僕自身は誓ってなにもやっていない」
磊「先輩はちょっと女の子に対する遠慮がないだけですもんね」
ステラ「大人の余裕だと思う」
クレイン「うふふ、香くんはモテモテですね」
ステラ「・・・・・・・・先輩、ちょっと聞きたいんですけど」
香「うん?」
ステラ「このお方ってオーラム王国のお姫様だったりしません?」
香「あー、これ言っていいの?」
クレイン「あら、あんなマイナーな国のことをよくご存じでいらっしゃいますね」
クロウ「祖先も含め、我々の努力のたまものですよ」
メア「世間への認知度も上がっていると言うことでしょうか。少し気分が高揚します」
ステラ「反応から察するに、本物かぁ・・・・・」
瑞姫「わ、私だって姫です!」
リリーナ「私もですよ!」
ステラ「先輩の周りってどうしてこうこんなすごい人ばっかり集まるんですかぁ・・・・・・太刀打ちできないよぅ・・・・」
梨々愛「なんでステラはそんなこと知ってたの?りりあ、おーらむ?って国初めて知ったんだけど」
ステラ「行ったことあるから」
ロウチェ「おお!ウチの国に来たことあるのか!酔狂な奴もいるもんだな!」
ステラ「お母さんがファッション関係の仕事してるから、そのつながりでちょっと・・・・こっちのちっちゃい子は?付き添い?」
クレイン「妹のロウチェです」
ロウチェ「おう!あたしは姫だぞ!崇め奉れ!」
クレイン「ロウチェ!申し訳ありません、妹が失礼を」
ステラ「あ、大丈夫です。玖美も似たようなもんだし」
香「妹がいつもご迷惑をおかけしています」
ステラ「い、いえ!先輩にはお世話になっていますし!」
アリス「みんな、そろそろ映画の時間が迫ってるよ」
香「あ、そうか。それじゃあ、僕らはここで。またね」
ステラ「はい!また会いましょう!」
磊「さようなら~」
梨々愛「まったねー!」
香「どう?二人とも今日は満足した?」
瑞姫「はい!私、お兄様と映画が見られて満足です!」
ロウチェ「ま、そこそこ楽しかったかな」
クレイン「香くんにエスコートされてドキドキしました」
メア「我が国に建設すべき建物の候補をリストアップでき、大変有意義でありました」
クロウ「姫様たちが楽しそうでよかったです。もちろん、私も楽しかったですよ」
香「で、そっちはどうだったの?」
玖美「オーラムとクロの相手疲れた・・・・・」
虹香「秘蔵のお菓子全部食べられました・・・・・」
日輪「ふたりは満足そうよ」
クロ「・・・・・・・・」
オーラム「日本のお菓子はおいしい。本国でも売り出すべきだと思う」
クレイン「輸入だとコストがかさみますから、工場誘致をできたらいいんですけどねー」
メア「領土が狭いのがなんとも・・・・・・」
クロウ「ウチの国、1次産業もあんまりですしね~」
オーラム「安く輸入する方法を考えた方がいいかもしれない」
クレイン「内陸国だからどうしても輸入量が限られてしまうのですよね。海洋国がうらやましいです」
メア「船の力は偉大ですからね」
クロウ「輸送に魔法等を使うのも問題ですし、いい手段があればいいんですけどねぇ」
香(こういうとき改めてリーブラの力がすごいかってのを思い知るな)
リリーナ「いやー、政治に携わるガチお姫様って大変そうですね」
瑞姫「所詮我々は形だけの姫ですしね」
日輪「リリーナはともかくみっちゃんは書類上ですら姫じゃないしね」
瑞姫「民主主義国家って辛い・・・・・」
クレイン「民主主義をとれるぐらいに人口がいること自体が素晴らしいと思うのですが」
メア「人口1万人未満の国住まいの我々にとってはまぶしい話ですね」
クロウ「やはり産んで増やすしか・・・・・・香さん、ちょっと1週間ぐらい私たちの国にいらっしゃいませんか?」
香「やめてくれ、17歳で父親になるつもりはない」
ロウチェ「こういうときはあれだな!先っちょだけ、先っちょだけだから!」
日輪「ロウチェが普段どんな漫画を読んでるのか不安なんだけど」
―滞在5日目―
幽「・・・・・何をしているの?」
香「おうまさんごっこ?」
ロウチェ「こら!椅子が喋るな!」
リリーナ「ロウチェさん、どうしても女王様の気分を味わってみたかったとのことです」
幽「香くんがいいなら、私が口出しすることじゃないとは思うけど・・・・」
香「あ、こら!おなかを蹴らないでくれ!痛い!」
ロウチェ「ふんだ!卑しい愚民は黙ってはいつくばって従ってればいいんだ!おーっほっほっほ!」
幽「これは女王様のイメージが間違ってないかしら?」
ロウチェ「あたしが知ってる女王様ってのはこんなもんだ!」
香「まあ本人が満足するまで付き合うよ」
幽「リーブラが怒らない程度にしていた方がいいわよ」
ロウチェ「知ってるもんねー。あのケツでかまな板は香に止められたらそれ以上何もしない!」
リーブラ「誰がケツでかまな板ですって?」メギャッ
ロウチェ「あががががががが」
リリーナ「あ、アイアンクロー・・・・・いたそー」
香「ふう、やっと軽くなった・・・・・いくら軽いとはいっても人一人をずっと背中に乗せるのは辛いな」
ロウチェ「こ、こう、たすけて、かおが、つぶれる」
香「リーブラー、ほどほどにねー」
リーブラ「畏まりました。ほどほどに抑えておきます」
ロウチェ「いだいいだいいだい!顔が!顔が変形する!なんで止まらないんだー!?」
リーブラ「これが私のほどほどです」
香「ま、たまにはお灸をすえないとね」
幽「香くん、腰は大丈夫?」
香「大丈夫大丈夫。あとで真恵か玖美にでも押してもらうよ」
幽「必要があったら桜を呼ぶけど・・・・・」
香「それはまた今度でいいかな。さて、リーブラはそろそろやめようか」
リーブラ「畏まりました」スッ
ロウチェ「わーん!なんでもっと早く止めないんだー!香のばかー!」
オーラム「そういうわけだからお菓子の工場を作りたい」
ルーチェ「んー、そうは言われてもですね、あっちで工場作る予算も利益の見込みもあんまりですからねー」
クレイン「他国への輸出の拠点、という形でも難しいでしょうか」
ルーチェ「ウチのお菓子で人気なのってだいたいもう工場拠点があるっていうのも問題なんですよね。オーラム王国に作っても、どうしても利益が・・・・あ、いや、なんかいけそうなのあったかもしれないです。ちょっとここで待ってください」パタパタ
メア「・・・・・・・流石に難色を示していますね」
クロウ「もともとが無茶な話ですからね~」
オーラム「マスターがセッティングしてくれたこの機会をモノにしたい。そしてお菓子食べ放題を我が国に」
クレイン「お菓子食べ放題はともかく、大企業の誘致に成功すればウチのGDPも上がるはずです!国の発展の基礎は人口と技術力です!」
クロウ「天界・魔界との貿易ルートをうまく使えそうな企業も少ないですしね」
オーラム「ルーはどっちにも理解がある魔物。ここで逃したら次を探すのは厳しい」
クレイン「救国の祖であるソフライム様の力を借りられれば百人力です!」
ルーチェ「おまたせしました。これ、まだ外部に出してない資料なんで絶対に口外しないでくださいね」
クロウ「そんなものを我々に見せて大丈夫なんですか?」
ルーチェ「私としてもオーラム王国のために出来ることはしてあげたいと思っているんです。もちろん、会社に赤字を出さない範囲で」
ルーチェ「お兄ちゃんは、まず第一に自分たちを、その次に自分が助けたい人を守れと言っていましたから」
クレイン「ソフライム様がそんなことを・・・・・」
オーラム「ここにいるのは私以外ソフライム」
メア「いや、そうですけれども」
クロウ「私たちの場合先祖が勝手に名乗ってただけですし」
クレイン「救国の祖であるソフライムの名を名乗っているのは、この名を未来永劫受け継いでいくためです。そこに他意はありません」
ルーチェ「あれはオッドさんにちゃんとした名前がなくてお兄ちゃんが名前をあげるとか言っちゃったのが原因でして」
オーラム「当時を知らない人間が勝手に解釈した結果クレインの話している内容になってしまった。私はちゃんと訂正した」
メア「では、そろそろ資料の拝見を・・・・」
クレイン「ただいま帰りました」
リーブラ「ロウチェさん、背筋が曲がっていますよ」
ロウチェ「ちょ、ちょっとだけじゃんか!見逃してよ!」
リーブラ「香様に対して働いた狼藉を見逃す代わりに徹底的にマナーを仕込めと言われましたので」
アリス「ロウチェさん、そのような話し方ははしたないですよ。あまり声を荒げない、それだけで印象が変わりますからね」
玖美「ロウチェ様も一国の姫である身ですから、マナーを身につけておかないと後々に困ってしまいますからね」
リリーナ「我々王族というものは国民の象徴として否が応でもその一挙手一投足を注目される身。それ相応のマナーというものも身につけなければいけないのです」
クレイン「どうやら、妹がご迷惑をおかけしているようですね。申し訳ありません」
リーブラ「いえいえ、とんでもない。私は私でこれでも楽しんでいるので大丈夫ですよ」
メア「我々はロウチェ様相手にどうしても強く出られませんから、正直助かります」
クロウ「なんだかんだお姫様ですからね~。やっぱりマナーは身に着けておきませんとね~」
リーブラ「私もマギ・フィールド家の長女として必要最低限のマナーは叩き込まれていますから。ノブレス・オブリージュですよ」
ロウチェ「なんだよそれぇ、あたし知らないぃ・・・・」
幽「【高貴さは義務を強制する】よ。そして、【貴族が義務を負うのならば、王族はより多くの義務を負わねばならない】としたのがファニー・ケンブルの手紙」
クレイン「リリーナさんが言った通り、我々は王族ですから人々の規範とならねばならないのです。ロウチェ、あなたも我々に付いてきている以上は公での振る舞いをしなければなりません。いい機会だと思ってしっかり勉強してください」
ロウチェ「こぉー、たすけてぇ・・・・」
香「もうちょっとがんばったら今日は僕がオムライスを作ってあげるよ」
ロウチェ「う・・・・・じゃあがんばる・・・・・」
オーラム(これが飴と鞭というもの。王族相手でも物怖じしない彼らでないとできないこと。私の言うことも聞いてくれればいいのに)
―7日目―
ロウチェ「みなさま、おはようございます。今日も素敵な朝ですね」
オルレアン「はい。朝の陽ざしに当てられて、庭の花々も喜んでいますわ」
ロウチェ「・・・・・・・」
オルレアン「本日の朝食は私がご用意させていただきますので、しばしお待ちを」
ロウチェ「・・・・・・・だー!あたしにこの空気は無理だー!」
クレイン「リーブラちゃんがあれだけ指導してくれたのに・・・・」
ロウチェ「あたしにはこんなの向いてないんだって!リーブラ厳しいし!」
瑞姫「あら、あの程度で厳しいなどと・・・・」
日輪「あんたの家もたいがい甘いでしょうが。蝶よ花よと育てられてきたんでしょうが」
瑞姫「でも、お稽古の先生方はみんな厳しかったです!」
ロウチェ「だよな!なんか教える奴って皆厳しいよな!」
メア「ロウチェ様はやることなすこと全部嫌がって逃げるから厳しくなるのですが」
クロウ「姫様はわがままですからね~。指導する側も熱が入っちゃうんですよね~」
クレイン「理不尽に叱るということはなかったはずです。品行方正にしていれば叱られることなどありませんよ」
瑞姫「たしかに、作法さえ身に着けてしまえば叱られることはなくなりましたね」
日輪「身の丈に合った振る舞いをしろってことなのよ、結局」
ロウチェ「香ー!味方がいないー!」
香「はいはい、みんなそれぐらいで。ほら、ロウチェ。顔洗っておいで」
ロウチェ「ん」
クレイン「はぁ、今のままではあの子の留学なんて夢のまた夢ですね」
瑞姫「え、こちらにいらっしゃるんですか?」
メア「ロウチェ様はそう希望していらっしゃいます。だからこそ、我々もそれ相応の教育を施しているつもりなのですが」
オーラム「ロウチェは逃げてばかりで中々勉強が進まない。なんで留学したいのかもわからない」
クロウ「姫様は香さんに懐いてますからね~」
メア「クロウ、それはどういう」
クロウ「さて、どういうことでしょうかね」
玖美「すけこまし」
日輪「たらし」
蓬莱「ロリコン」
香「僕自身が何かした覚えはないんだけど?」
上海「無意識でやるから質悪いんだよ!」
アリス「でもそんなお兄ちゃんが好き!」
礼丹「愛しています」
オルレアン「結婚してください」
世界「愛人でいいですから」
香「マジでやめてくれ。好かれるの自体はいいけど、僕には幽がいるから」
アリス「この辺のアプローチは全部幽公認だよ」
香「知ってるよ・・・・・止めてくれよ、幽・・・・・」
クレイン「それでは、一週間の間お世話になりました」
メア「また時間が空けば、こちらにもいらしてください」
クロウ「その時は私の手料理を振る舞いますからね~」
香「うん、楽しみにしているよ」
瑞姫「あ、あの、それって、私も・・・・」
クレイン「ええ、歓迎いたしますよ、瑞姫ちゃん」
瑞姫「はい!ありがとうございます!」
クレイン「ほら、ロウチェ。あなたからも何かないのですか」
ロウチェ「・・・・・・・えっと、その、うん」
リリーナ「ロウチェさん!日本はいいところですよ!あと風流家!」
ロウチェ「し、知ってるよ!3年!3年経ったらこっちに通うから!待ってろよ!」
香「うん。またいつでもおいで。待ってるよ」
アリス「部屋はまだまだ余ってるし、お父さんなんかまた増築しそうな勢いだし・・・・」
瑞姫「先月改装したばかりですよね!?」
礼丹「壮司はなぜあんなに家を改装したがるのでしょうか・・・・・」
クロ「・・・・・・・・・・」
メア「さて、そろそろ行かないと遅れてしまいますね」
クレイン「はい。みな様、また会いましょう!」
クロウ「また今度、ですね~」
ロウチェ「・・・・・・またなっ!」
香「うん、またね」
リリーナ「はい、またです!」
アリス「ばいばーい!まったねー!」
礼丹「二度と来るな」
クロ「・・・・・・・・・・」
礼丹「いだだだだ!ま、またいらっしゃい・・・・・く、クロ?そろそろ放していただけるとうれしいのですがあっちょっ私の関節はその方向には曲がらな」
日輪「ふー、急に静かになった気がするわね」
玖美「まあまあ、みんな元気そうでよかったよ」
日輪「お姫様が来日して私たちの家に泊まって、なんて非日常感すごいはずなのにぜんぜんだったわね」
メアリー「そもそもお姫様いますし」
真恵「なんだかんだウチの家お金持ちだしね」
マリン「城に行ったりもたまにするし、結局のところ慣れてるってことなんじゃないか?」
蓬莱「だろうなー。アタシも上海とオルレアンで慣れたし」
上海「そっか、よく考えたら私も割とお嬢様だよね。家出したけど」
オルレアン「割と自分がお嬢様している自覚はありますよ。むしろ、そう振る舞っている部分もあると思っています」
世界「と、本人は言っていますが大概は天然ですよね」
蓬莱「うん」
上海「真面目に間が一番しっかりしてる説まであるもんねー」
オルレアン「そんなことありません!私もしっかりしてます!」
虹香「あの、すいません。私のお菓子が減ってるんですが、どなたか知りませんか?」
オーラム「いただいてます」
オルレアン「私はしっかりしています!だからちゃんとこういうことは咎めます!めっ!」
オーラム「許可は取った。クロに」
虹香「それは許可って言わないんですよぉ!」
日輪「・・・・・・・・・・」
玖美「・・・・・・・・・・」
日輪「もしもし、兄さん!?オーラム忘れてるんだけど!?」
オーラム「置いていかれた」
日輪「え、もう飛行機行った!?どうすんのこれ!?ああ、アリスに届けさせて・・・・」
マリン「鏡をどこでもドア扱いとはな」
玖美「あー、うん。やっぱりこれがいつもどおりだね、ウチの家は。これぐらい騒がしいのがちょうどいいや」