玖美「自由研究って言ったってなぁ、なにすればいいかわっかんないよ」
日輪「姉さんか母さんの研究でも手伝ってみれば?私はそれでやりすごしたけど」
玖美「どっちも人体研究じゃんか!あんなのアタシわかんないよ!」
日輪「姉さんはともかく、母さんは教授だけあって教えるのうまいわよ?」
玖美「てか、そんなのやったら親の七光りだと思われるじゃん!」
日輪「使い方が間違ってるわよ。国語の勉強ついでにマリンの研究見てみるとかは?」
玖美「なんでそんなハードル高いのばっかりだすの!?日輪はアタシをそんなに出来る子だと思ってるの!?」
日輪「あんたはやればできる子だと思ってたんだけど」
玖美「うぐっ、褒めてもらってるのに心が痛い・・・・・・」
日輪「ちなみにやればできる子っていうのは普段はダメって言ってるのと同じだからね」
玖美「褒められてなかった!」
玖美「ってことでー、どうしたらいいかな?」
蕾「どうしたも何も、やればいいんじゃない?3つも候補があるんでしょ?」
玖美「アタシの記憶では去年日輪は筋肉と関節の動きを基に作れる舞の限界を研究してた」
蕾「え、なにそれなにそれ。すっごく気になる」
玖美「最終的に巫女服着て剣もって踊ってたよ。もう拍手喝采だったよ。すごかったよ」
鈴火「日輪さんって本物の巫女なんだよね?なんか呼び寄せたりしなかったの?」
玖美「日輪曰く『舞って言うのは神に捧げるもの。わざわざ呼ばなくても届くのよ』だってさ」
蕾「声真似うまーい」
鈴火「玖美も玖美で多芸だと思うんだけどなぁ。なんか極めてみたら?」
玖美「なんでとりあえず極めるって言う発想が来るのかアタシにはわからないんだけど」
蕾「ちなみに、幽さんはどんなことしてたの?」
鈴火「んー、中一でセミの解剖、中二で蜻蛉の解剖」
玖美「思ってたのと全然違う!?」
鈴火「中三で独自の占いを作ってたかな」
玖美「虫はどこにいった!」
蕾「うちのお姉ちゃんは一年で手縫いのエプロン、二年で手編みのセーター、三年で手縫いのスマホカバーを作ってたかな」
玖美「手縫いのスマホカバーってとこにすごくひっかかるんだけど」
鈴火「まあみんな得意なことやってるよね。私は太宰治の作品からみる心境の変化を書くつもりだけど」
蕾「私は向日葵育ててるよ。観察日記つけて、いろいろ試してるの」
玖美「うぬぬ、アタシの特技ってなんだ・・・・・・なんだ・・・・・・」
鈴火「さっきの声真似もそうだけど、玖美って観察得意だよね?蕾と一緒にやってみたら?」
玖美「あー、だめだめ。花の観察とか夏の日差しを浴びなきゃいけないじゃん。死ぬよ?ガチで」
蕾「あー、そっか。大変だよね、そうなると」
鈴火「虫の観察とかも難しいだろうし、室内で出来る系のなにかで玖美の観察が生きるもの・・・・・・」
玖美「うーん?」
蕾「あっ、そうだ。人の観察はできるんじゃないの?」
鈴火「っていうと、道行く人たちがどんなことしてるかとか?」
玖美「外に出るのパスー」
蕾「そうじゃなくて、室内で!玖美ちゃんってコネはたくさんあるんだから、色んな人のお仕事見学みたいな!」
玖美「それいいね!いただき!」
鈴火「あー、それ面白そうかも。やるときは私もついていっちゃだめ?」
玖美「これからいろいろ相談してみるけど、人次第だと思うなぁ」
蕾「それじゃあ、今から電凸電凸!私もかけれそうなところにはかけるから!」
鈴火「ついていくんだから私もある程度手伝わないといけないよね。私もちょっと聞いてみるよ」
玖美「オッケー。んじゃ、電話電話ー」
蕾「もしもし、お母さん?」
鈴火「もしもし、お母さん?」
玖美「そういやこの二人花屋と古本屋の娘だったね」
玖美「というわけでやってきました一店舗目。ウチのお兄ちゃんのバイト先!」
蕾「なんかきらきらしたすごく上品そうな宝石屋さん・・・・・・ど、どうしよう?私、私服で来ちゃったけど大丈夫?」
鈴火「大丈夫だよ。香さんが働いてるところだし、多少は多めにみてくれるって」
玖美「ってことで入りまーす。おっじゃまっしまーす!」
蕾「ああっ、待って!まだ心の準備が!」
鈴火「ああいう物おじしないとこ羨ましいなぁ」
リーリア「ジュエリーショップ『ローザ』へようこそいらっしゃいました。風流玖美様でお間違いないでしょうか」
玖美「あれ、叔母さん?なんで?」
蕾「え、知り合いなの?」
鈴火「え、リーリアさん?あれ?」
蕾「こっちも!?」
リーリア「・・・一応店員モードで接してるんだからいきなり叔母さん呼びはやめて欲しいかな」
玖美「え?あー、ごめんなさい。お仕事見学なのにため口はだめだね」
リーリア「まあいいけどね。今はお客さんいないし。玖美ちゃんから連絡があったのは鈴火ちゃんと、花見さんでしたっけ?」
蕾「は、はい!は、花見蕾っていいます!今日はよろしくお願いします!」
鈴火「よろしくおねがいします、リーリアさん」
リーリア「はい。今日はしっかり見学していってくださいな」
玖美「あの、お兄ちゃんは?」
リーリア「香くんは外出中なの。それに、お仕事見学ってバイトに任せるわけには行かないの。こういうのは社員がやるってなってるんだ」
鈴火「え、リーリアさんここの社員なんですか!?」
リーリア「はい、そうですよ。当店は水晶薔薇白雪がオーナーを務めて、水晶薔薇冠光が店長をしているジュエリーショップです」
蕾「なんだか、個性的な名前ですね」
リーリア「本名はスノーホワイト・クリスタルローズです」
鈴火「この家系の人、全体的に名前が長いの」
玖美「そうそう。フロウラルフロスト・フレイアムフロウとかいうわけのわからない人もいるし」
蕾「へぇ~。あ、えっと、リーリアさんはどうなんですか?」
リーリア「私はリーリア・ソフライムと言います。本当は最初に名乗るべきだったんですけど、出ばなをくじかれちゃいました」
玖美「う、ごめんなさい・・・・・・」
ポラリス「Hey, Ms.Leeria!香の妹ちゃんたちは来てるー?」
玖美「え、だ、誰?」
リーリア「バイト1号のポラリスです」
ポラリス「Yes!I'm Polaris!Polaris=Flaidalier!気軽にポーラって呼んでね!」
玖美「何このアメリカ人」
リーリア「っぽく見えるんだけど出身はイギリスなの」
鈴火「えー!?」
蕾「えっと、ポラリス、ふらえ?」
ポラリス「Flaidalier」
玖美「フレィディリア」
鈴火「フレデリア」
蕾「ふ、ふれでりあ!」
ポラリス「OKOK!いい発音!そのまま続けて!もっとフレンドリーな感じで!」
玖美「フレデリさん!」
鈴火「フレちゃん!」
蕾「ふれでりあさん!」
ポラリス「Perfect!もう何も言うことはないわ!それじゃあ次は」
サリス「ポーラ、さっさと着替えてきなさい。もうすぐ時間よ」
ポラリス「あ、そうだった。また後で!See you again!」
玖美「・・・なんだったんだろう?」
サリス「妹がご迷惑をおかけしました。私当店の社員で、サリス=フレデリアと申します」
鈴火「あ、私は灯火鈴火です」
蕾「花見蕾です!」
玖美「風流玖美でーす」
サリス「オーナーから直々にお話があるとのことですので、奥まで来ていただいてよろしいでしょうか?」
玖美「え、な、なんだろう・・・・・・まあお兄ちゃんもいるしいっか」
鈴火「制服姿のお兄さんが見られるんですか!?」
蕾「オーナーさん、どんな人かな~」
リーリア「1人食いつくところに不審な点がありますね」
玖美「というわけでやってきました店の奥!」
鈴火「お店、というよりはなにかの工房みたいな感じ?」
蕾「ちょっと生活感もあるね」
サリス「こちらの部屋にオーナーがいます。寝てたらたたき起こしてもらってかまいません」
鈴火「いいんだ・・・・・」
サリス「では、私は業務に戻りますので、ここで失礼します」
玖美「はーい。ありがとうございましたー」
玖美「んじゃ、入りますか!ノックしてもしもーし」コンコン
鈴火「・・・・・返事が無いね」
蕾「本当に寝てるの?」
玖美「っぽい。寝息が聞こえる」
鈴火「とりあえず入ってみる?」
蕾「じゃないと進まないしね」
玖美「ってことで失礼しまーす!」
玖美「寒っ!この部屋寒っ!」
鈴火「冷房効きすぎってレベルじゃないよ!ところどころ霜張ってるし!」
蕾「なななにににこれれれれ」
玖美「白雪さん!起きて!アタシたちこのままじゃ凍え死んじゃう!」
白雪「んんーん・・・・・・?あぁ、玖美ちゃんか・・・・・・おやすみなさい・・・・・・」
玖美「寝ないでー!」
鈴火「と、ととりあえず魔法で火を起こすから、それ中心に集まって」
白雪「火気厳禁!」クワッ
鈴火「起きた!」
白雪「・・・・・・あら?」
白雪「あーあーあー、ごめんなさい、完全に忘れていたわ。サリスちゃんに出勤のタイミングで連れてきてとか言ってたような・・・・・・」
鈴火「やっと温まってきた・・・・・・私はともかく病弱な玖美と寒がりな蕾がいるんだから気をつけてください!」
玖美「ココアあったかい・・・おいしい・・・」
蕾「えっと、あなたがオーナーさんのスノーホワイトさん?」
白雪「はい、白雪と呼んでください。長ったらしい名前はあまり好きではないので」キリッ
鈴火「白雪さん、今更きりっとしても初対面で寝てたんだから意味ないよ」
白雪「そ、そんなことないわよ。まだまだこれから、挽回のチャンスは・・・」
蕾(あ、この人多分残念な人だ)
玖美「それで、話ってなんですか?」
白雪「そうそう。折角宝石屋の見学に来てみたんだし、ちょっとぐらいきれいな宝石を触りたいと思わない?」
玖美「そりゃ触りたいですけど・・・・・・え、触らせてくれるんですか?」
白雪「はい。といっても、店売りの商品を触らせるわけには行きません。とても高価なものですし、万一があったら困りますから」
鈴火「まあ、そうですよね」
白雪「ですが、商品棚に並べる前なら問題ありません!ここにカット前のまだ形が整っていないものがありますので、自由に手に取ってみたりしてくださいな」
蕾「おおー!それじゃあさっそく・・・・・・」
玖美「・・・・・・これ、本当に調える前?」
白雪「はい。とはいっても、原石ではありませんよ?加工しやすい状態にまではしてあります」
玖美「なるほどなるほど・・・・・・こりゃすごいや。表面に傷とか全然ないし」
鈴火「うわー、こっちのこれとかすっごいきれい!赤くて透き通ってて・・・・・・ルビーですか、これ?」
白雪「はい。今鈴火ちゃんがもっているのがルビーで、玖美ちゃんがもっているのがペリドット。花見さんが持っているのはアレキサンドライトですね」
蕾「わぁ・・・・・・私、宝石なんて初めて触った・・・・・・なんていうか、感動する・・・・・・」
玖美「これを綺麗に切って、お店の方に並べるんですよね?」
白雪「はい。とはいえ、破片が飛んだりだとか細かい粉が舞ったりするので作業の工程をお見せすることは出来ませんが・・・・・・」
鈴火「玖美とか吸い込んだらその場で死にそうだね」
玖美「そこまで弱くないし!」
白雪「まあ決して体にいい物ではありませんから。ちなみに、カットだけしたものがこちらになります」
蕾「うわ!これ、ダイヤモンドですよね!?うわー、綺麗・・・すごい・・・・・」
玖美「え、これ白雪さんが切ったんですか?」
白雪「ええ。切ったというよりは削ったといった方が正しいかもしれませんが・・・・・・」
玖美「表面の凹凸が全然ない・・・・・・本当に、なんていうか静かな水面みたいな感じで各所がまっ平らだ・・・・・・」
鈴火「これが、プロ・・・・・・ごめんなさい、私いままで白雪さんの事誤解してました」
白雪「え?」
鈴火「もっとぐーたらで普段すっごいサボったりしてるのかと・・・・・・でも、ちゃんとやってるんですね」
白雪「うーん、口に出さなければもっとよかったのにね」
玖美「いやー、アタシあんなにいっぱい宝石見たの初めてだよ」
鈴火「お兄さんに会えなかった・・・・・・」
蕾「香にぃ用事で出かけてるって言ってたし仕方ないよ。それで、次はどこにいくの?」
玖美「んー、そろそろお昼時だし、お昼ご飯食べに行こ。お仕事見学しつつごはん食べるって言ったら学園長がお小遣いくれたし」
鈴火「学園長に直で言ったんだ」
玖美「玖美ちゃんその辺はぬかりないのです。ってことでいっぱいもらったから高級レストランでもなんでもイケるよ!」
蕾「おお!」
玖美「行先は別だけどね。レストランにコネないし」
蕾「そっか・・・」シュン
鈴火「それで、どこにいくの?」
玖美「メイド喫茶」
玖美「やってきました2店舗め!」
鈴火「メイド喫茶『ハミング』!」
蕾「私、こういうところに来るのはじめてなんだ。前々から行きたいとは思ってたんだけど・・・」
玖美「そう?アタシはなんかいか行ったことあるよ?」
鈴火「ここも知り合いの店だよね?あれ、メイド喫茶に知り合い?いたっけ?」
玖美「入ればわかるよ。とつげーき!」
蕾「いえー!」
礼丹「お帰りなさいませ、おじょうさ・・・まぁっ!?」
玖美「え、礼丹!?」
礼丹「く、くくく玖美!?ど、どうしてここに!?」
鈴火「あれ、礼丹さん?」
蕾「あれ?知り合いって礼丹さんじゃないの?」
玖美「違う違う違う!礼丹がいることは知らなかったって!え、なんで?」
礼丹「それはこちらのセリフです!どうしてわたくしの勤め先に玖美が―」
葵「あれ、れいたんどうしたの?あ、お帰りなさいませお嬢様。三名様でお間違いないでしょうか?」
玖美「え、あ、うん。あ、フレアさんに、玖美が来たって言ってください」
葵「かしこまりました。れいたん、お席へのご案内お願いします」
宇佐見「れいたん、がんばれー」
礼丹「は、はい。ではお嬢様方、こちらへどうぞ」
礼丹「わざわざちょっと家から離れたお店を選んでいるというのに、どうしてここに来るんですか!」
玖美「いや、ほんとにたまたまなんだって。そもそもアタシはフレアさんに会いに来たんだし」
礼丹「ふれれでしたらただいま厨房に入っておりますのですぐには来られないと思いますが・・・・」
鈴火「じゃあ礼丹さんでよくない?」
蕾「私たちはお仕事見学に来たんだしね」
玖美「それもそっか。じゃあ指名料2000円払うんで礼丹がここ専属で」
礼丹「ふぇぇ!?」
玖美(礼丹って女神なのになんていうかへたれというか弱いというか)
鈴火(お姉ちゃんに襲い掛かっては返り討ちにされてるしね)
蕾(愛ちゃんによく捕まるし)
礼丹「あなたたち失礼なこと考えていませんか?」
ふれれ「いらっしゃいませ☆ふれれだよー!ご注文のふわとろ☆オムライス3つ持ってきたよ☆」
玖美「おお、ふれれモードのフレアさんだ・・・・・・」
フレア「あー、玖美。一応うち本名禁止なんだけど。てか毎回言ってるじゃん、これ」
玖美「メイド喫茶のメイドさんはオンオフがすごいっと」メモメモ
鈴火「あれ?ふれれはれいたんが玖美と同じ住所なのとか気付かなかったの?」
ふれれ「相変わらずりんりんは適応力がすごいね☆」
フレア「ぶっちゃけると風流家の住所とか詳しく覚えてない。ていうか他人の家の住所覚えてるやつとか今どき中々いないっしょ」
蕾「住所使うのとかマップアプリ使うときと年賀状送る時ぐらいですしね」
玖美「アタシ外でないからマップアプリとか使わないし年賀状もお兄ちゃんとかに相乗りさせてもらうから使ったことない」
ふれれ「と、いうことでれいたん、あとはよろしくね☆ふれれはキッチンにもどりまーす」
礼丹「え、ちょ、店長、そんな!後生ですから!」
玖美「指名料」
礼丹「あうう・・・・・・資本主義社会が憎たらしいです・・・・・・」
鈴火「りんりん、れいたんおいしくなる魔法かけてほしいなー」
蕾「つぼみんもー!」
玖美「さあさあれいたん、りんりんとつぼみんとくみちゃんのために魔法をかけてちょうだいな☆」
礼丹「あなたたち今すぐにでもここで働けますよ・・・・・・コホン。それでは、おいしくなる魔法をかけさせていただきます」
礼丹「おいしくなぁれ、おいしくなぁれ、もえもえきゅん!」
ピコン
玖美「この動画幽さんに送りつけよっと」
鈴火「私お兄さんにー」
蕾「愛ちゃんに送っておきますね」
礼丹「香と女狐はともかく愛はだめです!やめてください!」
玖美「やっちゃえ!」
蕾「送信完了っと」
礼丹「ああああっ!わたくしの、わたくしの威厳がぁ・・・・・・また信仰が減っちゃう・・・・・・」
玖美「何を言ってるのかよくわからないけど礼丹に元々威厳なんてないから大丈夫だよ」
玖美「そういえば、どうして礼丹がバイトしてるの?神様だし働くのなんて屈辱でしょ?」
礼丹「玖美の神に対する見方をなんとかしたいところですが、とりあえずまあ置いておきます」
礼丹「来月、リルと壮司の結婚記念日じゃないですか。なんだかんだいいながらわたくしもあのお二人にはお世話になっていますので」
鈴火「プレゼントでも買おうと思ったわけなんだね」
蕾「うわー、健気ー。結婚記念日とか忘れてる玖美も見習いなよ?」
玖美「覚えてるよ!だってその日はいっつもふたりでイチャイチャしてるもん!子供そっちのけで!」
鈴火「あれ?ここって働くときになんかマイナンバーとかそういうのいらないの?」
蕾「あー、そうだね。そこのところどうなの?」
礼丹「・・・何を勘違いされているかはわかりませんが、わたくし自身はきちんと廻谷礼丹としての戸籍をもっていますよ。日本国籍のものを」
玖美「えっ、礼丹ってギリシャ出身でしょ?なんで日本国籍?」
礼丹「今のわたくしはギリシャ神話の女神アストライアーではなくて、廻谷礼丹という一個人ですから」
礼丹「ちなみに車の免許も持っていますよ。ペーパーですけど」
玖美「お兄ちゃんに憑りついてる女神様が意外とアグレッシブなんだけど」ヒソヒソ
鈴火「あー、ほら、アリスもたまに浮遊してるの見かけるし、基本暇なんじゃない?」ヒソヒソ
蕾「その点クロちゃんってすごいよね。基本香にぃの影の中にひそんでるんだもん」ヒソヒソ
玖美「あれは寝てるだけだよ」ヒソヒソ
礼丹「聞こえていますよ。わたくしは香の側にいたいだけです。そのためならば努力は惜しみませんから」
玖美「で、家事は?」
礼丹「できません!」フンス
玖美「なんでドヤ顔なのさ」
玖美「礼丹、調理とか下手すぎて厨房入るの禁止なんだってね」
蕾「ドジっ子とかそういう部類なのかな?」
鈴火「萌えポイントとして見るかどうか・・・・・・さ、午後からはどこいくの?」
玖美「あっちのビルの中」
蕾「おおー、あのビルかー・・・・・・え?」
鈴火「え、おっきくない?すごくない?え、あれ?なんか見覚えあるけど、あれ?」
玖美「そうそう、あれ」
玖美「ルーチェ叔母さんが経営してる会社、アザラシ製菓の本社だよ」
蕾「うぇぇぇぇぇぇっ!?あ、アザラシ製菓って、日本のお菓子のシェア率30%を誇る大企業だよね!?」
鈴火「ホワイトすぎて逆にブラックって言われるあのアザラシ製菓だよね?」
玖美「やけに詳しいね。そうそう、この近辺の街の小学校の見学先第1位のすごいとこ」
蕾「知ってるよ!だって私行ったもん!来たもん!あ、そっか、だから見覚えが・・・・・・」
鈴火「なるほどー。ってことは私も着てるはずなんだけど・・・・・・4年前かー」
玖美「懐かしいなー、ここはじめてのおつかいで来たんだっけなー」
蕾「ええ!?」
玖美「ウチの家のはじめてのおつかいはみんなここなのです。家からだと横断歩道が少ないし途中にスーパーあるしでいろいろと都合がいいんだよね」
鈴火「あー、ルーチェさんいるんだったら灯鈴もいけるんじゃないかなー」
蕾「ていうか、改めて玖美ちゃんが結構いいとこのお嬢様だってことを自覚したよ」
鈴火「あの家一人一部屋使っても余ってるから貸し出して軽いシェアハウスみたいになってるしね」
玖美「ささ、というわけでれっつらごー!」
玖美「おじゃましまーす!14:30から見学の予約してた玖美でーす」
クリス「あ、玖美ちゃん。久しぶり、元気だった?」
玖美「いえすいえーす!クリスさんもどう?ちゃんとお部屋片づけてる?」
クリス「うっ・・・・・・そ、そろそろ香くんに出張してきてもらいたいなーって」
玖美「あいあいさ、お兄ちゃんに言っとくよ。またいつものお菓子でいいから」
クリス「はーい。フローラにも言っておくわ。あら、そちらの二人は?」
蕾「お、お久しぶりです!4年前に一度学校の見学できました、花見蕾です!」
鈴火「同じく、灯火鈴火です」
クリス「蕾ちゃん、と鈴火ちゃん・・・・・・ああ!思い出した!最近サンタの存在を疑い始めてる二人!」
鈴火「え?」
蕾「え?」
玖美「クリスさん、本業はサンタだから」
クリス「本業じゃなくて種族だって。改めまして、私当館受付担当のクリス・サンタクロースです」
鈴火「え?え?ほ、本物のサンタクロース?」
蕾「え、サンタクロースって迷信じゃないの?ネットでも煽りにしか、あれ?」
クリス「ネット社会になってサンタクロースが迷信説が子供たちにもすぐに伝わるようになって私は悲しいわ。サンタはここにいるのに!」
玖美「あ、フローラさん来た」
クリス「力説をスルーされた・・・・・・」
フローラ「玖美ちゃん、お久しぶり。お二人ははじめましてでしょうか。私フローラ・ジェラムと申します」
蕾「は、花見蕾です!」
鈴火「灯火鈴火です」
フローラ「それでは社長室までお連れ致しますので、こちらへどうぞ」
蕾「しゃ、しゃちょうしつ・・・・・・あわわ・・・」
鈴火「うー、いくら相手がルーさんってわかってても緊張するー・・・」
玖美「ルーさん、今日はどんなお菓子くれるかなー」
フローラ「流石に玖美ちゃんはもう慣れてるわね」
玖美「ルーチェ叔母さん!やっほー!」
鈴火「いぇーい!ルーさんおっひさー!」
蕾「緊張するとか言ってたのはどの口なの!?」
ルーチェ「やっほー。玖美ちゃん、灯鈴ちゃん。それと、花見さんであってますか?」
蕾「は、はい!」ガチガチ
ルーチェ「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。経営者って言っても、私は名ばかりですから」
玖美「うっそだー。向こうから単身日本に来て女手一つで会社立ち上げてここまで大きくしてるのにそれはないわー」
ルーチェ「玖美ちゃん、お口チャックです」
玖美「おくちちゃっく」
ルーチェ「では、改めまして自己紹介を。私はルーチェ=ソフライムと申します。リルちゃんの叔母で、午前に会っていたリーリアの姉です」
鈴火「あれ?じゃあ厳密には玖美の叔母ではない?大叔母だよね?」
ルーチェ「そうですね。とはいえ、大叔母さんと呼ぶのも舌を噛んでしまいそうですし。叔母さんで通してもらっているんですよ」
玖美「ってことで、今日はよろしくおねがいしまーす!」
鈴火「よろしくおねがいします!」
蕾「よ、よろしくおねがいします!」
ルーチェ「こちらこそ、よろしくおねがいしますね」
ルーチェ「まずはこの部屋、社長室です」
玖美「うん、たまに来てるね」
鈴火「なんていうか、本当に豪華だよね」
蕾「なんだかいろいろと高そう・・・・・・」
ルーチェ「無駄に広いでしょう?これ、全部ただの見栄のために作ったんです」
蕾「え」
ルーチェ「一応これでも社長ですからね。カッコいい部屋にしたいなーって思って作ってもらいました私は普段あまり使わないですけど」
玖美「叔母さん、いっつも会社のどこかでお話してるもんね」
鈴火「それって、会議してるってこと?」
ルーチェ「それもありますが、社員のみなさんとよくお話をしますよ。私、こういう見た目ですからけっこうぽわぽわしてるって言われて」
ルーチェ「なので、せっかくなので肩ひじを張りすぎている人たちにぽわぽわをお裾分けしにいってるんです」
蕾「ぽわぽわ・・・・・・」
ルーチェ「自分ではしっかりしているつもりなんですけどね。こう、できる女を演出したいのにできないのが悩みです」
鈴火「ルーさんは昔から癒し系だっておばあちゃんが言ってたなー」
蕾(そういえば、この人うちのお母さんより若い見た目だけど歳はもっと上なんだよね。玖美とか鈴火のお婆ちゃん世代って何歳ぐらいだろ?)
ルーチェ「次はこの部屋、会議室です」
玖美「おおー・・・・・・ふつーの部屋だね」
鈴火「まあ、会議室だし」
蕾「普通じゃない会議室って・・・?」
玖美「いや、製菓会社だし、こうお菓子でできたたりしないかなって」
ルーチェ「その案は没にされたんですよ」
玖美「ええっ!?」
ルーチェ「やりたかったんですけどね、ビスケットの机とか飴の椅子とか」
ルーチェ「『会議中に机が無くなったら困る』って言われたんです」
鈴火「心配するところそこなんだ・・・・・・虫が湧くとかそういうのじゃないんだ・・・」
ルーチェ「衛生には気を使っていますから」
蕾「プロ意識が高い?低い?よくわからないです・・・」
玖美「うーん、正直飽きた」
ルーチェ「ええっ!?」
玖美「いや、よく考えたらアタシここ何度も来てるし」
蕾「私は結構新鮮で楽しかったけど」
鈴火「でもここ選んだの玖美だよね?」
玖美「ちゃんとメモとったりして写真撮ったりすれば自由研究っぽくなるかなって思ったけど、アタシメモとかとらなくてもたいてい頭に入るし絵も描けるから写真いらないことに気付いたの」
ルーチェ「・・・このまま返したらソフライムの名折れです。三人とも、こちらへ来てください。とっておきのものをお見せしましょう」
蕾「と、とっておき?」ゴクリ
鈴火「なんだろう?」
蕾「・・・・・・すごかったね!」
玖美「あんな隠し玉があったなんて思わなかった!」
鈴火「でもあれ、私たちにみせちゃって怒られないのかな?」
玖美「大丈夫なんじゃない?叔母さんが一番偉いんだし」
鈴火「それもそっか」
蕾「やっぱり、玖美の親戚だけあって一筋縄じゃ行かないね」
玖美「いや、血縁ないし」
鈴火「ソフライムさん家って義理の姉妹が多くてよくわからないんだよね。風流さん家もだけど」
玖美「正直メアリーとかアリスを妹ですって言い張るのは無理があると思う」
蕾「でも、妹なんだよね?」
玖美「妹は妹だけど最近姉としてのメンツが保ててないので大きな声でアタシが姉ですって言えない」
鈴火「自覚してるなら直せばいいじゃない」
玖美「それができたら苦労はないよ」
鈴火「それじゃあ、今日はこのあたりで」
蕾「次は明後日だよね?待ってるよ」
玖美「うん。ふたりとも、まったねー!」
―翌々日―
玖美「やってきました、花見家!」
鈴火「いえーい!」
蕾「いえーい!午前はよろしくね、2人とも」
玖美「まっかせて!」
草華「確か見学なのよね?一応店員用エプロンもあるけど付けてみる?」
玖美「あ、付けたい付けたい!」
鈴火「私もー」
草華「じゃあ二人分持ってくるわね。ええっと、二人のサイズのはどこにあったかしら・・・?」
蕾「玖美の分はお姉ちゃんと同じでいいんじゃない?鈴火は私が昔使ってたのがあると思うよ」
鈴火「なんでこの二人こんなに大きいんだろう・・・・・・」
玖美「成長期だから?」
蕾「お日様をたくさん浴びてるから?」
鈴火「おうこらこちとら同い年の陸上部なんだけど?」
玖美「大丈夫大丈夫これから大きくなるって。胸以外は」
蕾「成長には個人差があるし、幽さんも大きいんだからきっと大きくなるって。胸以外は」
鈴火「このっ!憎たらしい!乳めっ!」ギュウウウ
玖美「痛い痛い痛い!ちぎれちゃうー!」
蕾「ちょ、ひっぱらな、やめ、痛いっ!」
鈴火「ここか!ここがいいのか!ああ!?」
草華「・・・・・・これは、止めるべき、なのかしら?」
幽「いや、止めなさいよ」
鈴火「すいません、お騒がせしました」
幽「まったくね。時間が空いたから様子を見に来てみれば・・・・・・」
草華「いえいえ、こちらも妹が・・・・」
蕾「あんなのただのじゃれあいだよー」
玖美「個人的に驚きなのはこの大きさを片手で掴む鈴火の握力なんだけど」
鈴火「私、中学組の中で一番パワー系な自信あるよ?」
幽「勢い余って鉢植えを壊さないように気を付けなさいね」
鈴火「大丈夫だって。そもそももちあげたりしな、わわっ!すべっ」
草華「鈴火ちゃん、危ないっ!」
ガシッ
幽「だから気を付けなさいって言ったのに」
鈴火「ご、ごめんなさい・・・・」
草華「大丈夫ですか?どこか打ったりはしてませんか?」
鈴火「う、うん、平気・・・・」
蕾「鈴火のドジがこんなところで・・・・」
草華「鈴火ちゃんを店内に配置しておくの、不安になってきました・・・・ちょっと蕾と一緒にティッシュ配りしに行きません?」
鈴火「露骨に追い出されようとしてる!?」
蕾「この暑い中外に出るの!?」
玖美「あー、うん。がんばれ。乙」
幽「それじゃあ、私は家で待っているから。また午後に」
玖美「はーい。まったねー」
蕾「あー、暑かった・・・・死ぬかと思った・・・・」
鈴火「途中でお兄さんがジュース差し入れてくれてよかったね」
蕾「ほんと、香にぃ最高!」
玖美「そりゃそうでしょ。なんてったってアタシのお兄ちゃんなんだから!」フンス
蕾「でもうちのお姉ちゃんもすごいよ!谷間にお芋入れてると焼き芋になるんだよ!」
鈴火「なんかやわらかくなってそう!私のお姉ちゃんはまあいろいろフォローしてくれてるんだよね。さっきみたいに」
玖美「薫おねえちゃんはいろいろとヤバい。日輪は厳しい!」
鈴火「みんな玖美に甘いから、ちょうどいいんじゃないの?」
蕾「この子、口ではこう言ってるけど結構日輪さんには甘えにいってるんですよ。うふふふふ」
鈴火「まあ、そうなのね。おほほほほ」
玖美「その似非お嬢様やめない?本物のお嬢様と言うのはそのように品のない笑い方はいたしませんの。声を大きく出して笑うなど言語道断ですわ」
蕾「でた!お嬢様玖美!」
鈴火「持ってる日傘とか手袋とか全部相まって本物っぽい!」
玖美「あら、私こう見えてもそれなりの教育は受けていますのよ。なんせお偉い人達に囲まれて育ってきましたので」
鈴火「そのコネがすごいんだよね。それで、お昼はどうするの?」
玖美「日輪のバイト先の喫茶店。今日は日輪がいるはずだから」
蕾「あー、あそこかぁ。あそこのコーヒー、おいしいんだよね」
玖美「お店の名前は紅茶館なのにね」
日輪「いらっしゃいませ。三名様でよろしいでしょうか?」
玖美「やっほー、日輪。見ての通りだよー」
日輪「かしこまりました。ではお席へご案内いたします」
鈴火「日輪さん、なんか対応が事務的だね」
蕾「プロ意識高いから。分け隔てないんだよ」
日輪「ご注文が決まりましたらお呼びください」
玖美「あ、待って。あたしランチAで」
鈴火「え、決めるの早くない?じゃあ私も」
蕾「ランチBセットスープドリンク付きで。ドリンクはオレンジジュース」
日輪「かしこまりました。ご注文繰り返させていただきます。ランチAセットが2つ、ランチBセット日替わりスープ・オレンジジュース付き。以上で間違いないでしょうか?」
玖美「大丈夫だよ」
日輪「かしこまりました。料理が出来上がるまで今しばらくお待ちください」
玖美「うーん、やっぱ面白味に欠けるなぁ」
鈴火「でも、ああいうところカッコいいよね。私絶対気が抜けちゃうしなぁ」
蕾「私も私も。なんていうか、クールな感じがいいよね」
玖美「日輪の私服すごいよね。へそ出しパーカー。あれほんとカッコいい」
蕾「カッコいいのに女らしいっていうのもうね!ウチのお姉ちゃんは可愛いのが好きだからなぁ。私もだけど」
鈴火「ウチのお姉ちゃんはキレイ系だよね。なんていうか、清楚っていうのかな」
玖美「日輪もそうだけど、薫おねえちゃんもカッコいい系なんだよね。カワイイ系は正直アリスが一番精通してる」
蕾「アリスちゃんのはなんていうかすっごくメルヘンだよね。ああいうのも好き!」
鈴火「ただアレで外を歩くのは勇気いるかな。本当に自分に自信が無いと着れないよね」
玖美「アリスは自信に満ち溢れてるからね。ちなみにメアリーの服はアリスが、真恵の服は日輪が見繕ってます」
鈴火「だからあの二人同い年なのにあんなに服装違うんだ。面白いなぁ」
蕾「なんとなく個人的な見解なんだけど、真恵ちゃんは将来かっこかわいい系になりそう」
鈴火「メアリーちゃんはすっごいお上品になってそうだよね」
玖美「2人とも髪のばせばいいのになぁ。絶対かわいいのに!」
蕾「そのときは是非呼んでね!」
鈴火「灯鈴も連れて行くね!」
玖美「あー、おいしかった。支払いは日輪がやってくれたし、ほんと様様だよ」
鈴火「ああいうことさらっとできるのかっこいいよね」
蕾「やっぱりいいお姉ちゃんだよね」
玖美「ってことで到着しました!鈴火の家!」
鈴火「いらっしゃいませー」
蕾「実際、古本屋さんってどんなことするの?」
鈴火「まあそれは中で話そうよ。そと暑いし」
玖美「だねー。お邪魔しまーす」
幽「いらっしゃいませ。・・・あら、お帰りなさい」
鈴火「ただいまー。ウチは制服とかエプロンとかないから服はそのままでいいよ」
玖美「あいあいさー」
蕾「お邪魔しまーす」
香「お邪魔してます」
鈴火「ふぇっ!?お、おおお兄さん!?どうして!?」
幽「暇そうだったから来てもらったの。やる気が出るかと思って」
香「今日はバイトがないからね。ここでゆっくり本を読ませてもらってるんだ」
蕾「香にぃがいる・・・・つまり、私がなにかやらかしたらすぐにお姉ちゃんに連絡がいく!」
玖美「アタシは連絡が行く以前にすでにいるんだよなぁ」
香「まあ邪魔するつもりはないし、ただの置物とでも思ってくれたらいいさ」
幽「そういうわけだから、いつも通りふるまえばいいのよ」
鈴火「は、はい!頑張ります!」
蕾(鈴火、香にぃがいるとテンパるよね)
玖美(わかりやすいよね)
幽「古本屋と言っても、客商売だから基本的にはお客さんの対応がメインになってくるわ」
幽「だから、本の分類や整理、あとは本を売りに来る人もいるからその時の精査が主な仕事ね」
玖美「なるほど。ただ一日中本を読んで過ごせばいいってわけじゃないんだ」
鈴火「ウチに置いてるのは結構貴重なものも多くて、非売品もあるの。資料とかで使いたい人がいればレンタルはするよ」
蕾「へー。あ、この古そうな本とか?」
幽「それは1700年代に書かれた日本の地理の本ね。複製されてないものだからプレミアがついてるわよ」
玖美「ちなみに、値段に直すとどれくらい?」
幽「億はくだらないわ」
玖美「ええっ!?」
香「そういうものは骨とう品みたいなもので、コレクターがいるからね。それくらいお金を出しても買いたいって人がいるのさ」
玖美「なるほど・・・・そんな貴重な本が街のちっちゃい古本屋に・・・・」
幽「一応老舗だから。この店、歴史自体は古いのよ。遡れば江戸時代まで遡れるの」
鈴火「へー、そうなんだ」
幽「・・・鈴火は特に知っておいてね」
香「この町は結構自営業が多いけど、その中で一二を争うぐらいの場所なんだよ、ここは。対抗馬、って言っていいのかわからないけど、テトラさんの店はかなり昔からあるって話しだ」
玖美「あのコスプレ屋が!?」
蕾「昔から!?」
香「そうそう。なんでも、今も昔も貸衣装店だけど、時代に合わせて趣向を変えてるだけだって本人は言ってたよ」
幽「一応ちゃんとした晴れ着も借りれるの、あそこは。成人式用の衣装とかはあそこで借りればいいわ」
香「灯火家も風流家も一応家のがあるけどね。お世話になるのは蕾とか草華かな?」
蕾「晴れ着かぁ。そっか、お姉ちゃんもあと2年で成人だもんね」
香「幽の晴れ着、楽しみにしてるよ」
幽「ふふ、なら式に行く前に会いに行かないとね。それとも、会いに来てくれる?」
香「こっちから行かせてもらおうかな。他の男に見られる前に見ておきたい」
玖美「そこー、イチャイチャすんなー」
鈴火「はぁぁ~、お兄さんすごいなぁ・・・博識でかっこいい・・・」
玖美「アタシとしてはイチャイチャするのにこっちをだしに使うなって気分なんだけど」
蕾「本当に仲いいよね、あの二人。やっぱもう結婚とか決めてるのかな」
玖美「お、お兄ちゃんが結婚・・・・家を出ていく・・・・?や、やだ!そんなのやだ!」
鈴火「ウェルカム!どうぞウチを継いでください!」
蕾「ここまで反応が真逆だともはや面白いよね」
玖美「も、もしかして今日お兄ちゃんが店にいたのは予行演習・・・?」
鈴火「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!勝利確定!」
蕾「私、鈴火ちゃんが分からなくなってきたよ」
玖美「そんなこんなで到着です。今日の晩御飯、居酒屋『煌』!」
鈴火「え、私たち未成年だよ?大丈夫なの?」
蕾「玖美ちゃんの知り合いだから大丈夫だと思う・・・・・・けど?」
玖美「まあ常識的に考えて中学生だけで居酒屋ってダメだよね」
蕾「じゃあどうするの」
玖美「ってことで大人を召喚しました!そろそろ来るよ!」
「呼ばれて飛び出て・・・・・・なんでしたっけ?」
蕾「ジャジャジャジャーンですね」
「そうそうそれそれ。ジャジャジャジャーン」
ムム「どうもー。ムムでーす」
鈴火「・・・・・・誰?」
玖美「バルクの店長さん」
蕾「ああ、あのコスプレ屋さんの」
鈴火「・・・・・・あの老舗の貸衣装店の?」
ムム「はい、そうです。僕コスプレレンタル店『Valk』の雇われ店長をやっております、ムムと申します」
蕾「へーっ。すごく若そうに、ていうか私より年下に見えるのにすごいなぁ」
玖美「ちなみにムムさんはドッペルゲンガーだよ」
鈴火「ああ、あの出会ったら死ぬって噂の」
蕾「・・・・・・ええっ!?」
ムム「玖美ちゃん、人の正体を簡単にばらさないで欲しいなぁ。ドッペル界隈ってそのあたり大変なんだから」
玖美「でも、今から変身するんでしょ?」
ムム「まあね。どう見ても大人な見た目にならないと年齢確認とか面倒だからね」
鈴火(私と同じくらいの身長なのに、私より胸が大きい・・・)
澄江「いらっしゃいませ。あら、玖美ちゃん。いらっしゃい」
玖美「4人だよー」
澄江「ええ。聞いてるわ。奥の席に行ってもらえるかしら?」
玖美「はーい」
ムム「じゃあ今日も一日お疲れ様ということで、乾杯!」
玖美「かんぱーい!」
鈴火「かんぱい!」
蕾「かんぱい!」
ムム「んっ、んっ・・・・・・ふー。おいしい~」
玖美「いやー、ムムさん今日は来てくれてありがとね」
ムム「別にいいよ。明日は休みだし、1人で寂しくご飯食べるよりかはこっちの方がいいからね」
鈴火「そういえば、玖美とムムさんってどんな関係なんですか?」
ムム「んー、ウチのオーナーのテトラが玖美ちゃんの妹?のアリスちゃんと幼馴染で、そのよしみかな」
蕾「じゃあ、ここの居酒屋の人とは?」
玖美「澄江さんはね、お姉ちゃんの同級生なの。同じCQC部だったんだって」
鈴火「出た、相変わらず謎のCQC部」
蕾「その部活がある学校っていうのがまずすごいよね」
澄江「あったんじゃなくて作ったのよ~。はい、これお通し」
玖美「なんでそれを作ろうと思ったの?」
澄江「若い頃は私たちもバカだったからね~。日本に一つもないだろう部活を作ろうってことで選んだのよ~」
鈴火「もっとマシなのなかったんですか?」
澄江「そうねぇ。当時は私と、薫と、海の三人で色々案を出し合ったのよ。人間大砲部とか、ハンドパワー部とか」
蕾「わぁ、全部頭おかしい」
澄江「最終的にCQC部と海上歩行部とラーメン部で争った結果CQC部になったの」
玖美「ラーメン部が一番まともそうなのがアレだよね」
鈴火「海上歩行・・・・?」
ムム「そういえば玖美ちゃん、明日はウチに来るんだよね?」
玖美「そそ。ムムさんはいないんだよね」
ムム「明日は一日オフだよ。暇だったら様子を見に行くぐらいかな」
玖美「まあアリスを連れて行くから大丈夫だよ。あの店はアリスの知り合いが多いし」
鈴火「明日かぁ。是非とも行きたいところなんだけど、陸上部の練習があるんだよね」
蕾「バレー部も。そういうわけだから、明日は一人でがんばってね」
玖美「ふっふっふ・・・・そうなることは想定済みだよ!すでに助っ人は用意してある!」
鈴火「え、誰?蒼石?」
蕾「地海は違うよね。あの子も玖美と違って忙しいし」
鈴火「よく考えたら蒼石も蒼石で水泳部の練習があるし違うかな」
玖美「私の交友関係をあんたたちだけだと思ってもらっちゃ困るんだよね。ま、今度写真送るから」
鈴火「よろしくー」
蕾「よろろー」
ムム「よろしくねー」
玖美「え、ムムさんも?あ、つららさん。鳥皮ポン酢一人前」
つらら「はーい」
―翌日―
ステラ「ねえ、可愛い服がいっぱいある店って本当なんでしょうね?」
玖美「もちもち!玖美ちゃんそういう嘘つくタイプじゃありませんので」
アリス「あのー、玖美?私ついてくる必要あった?」
玖美「オーナーさんが是非連れて来いって」
アリス「やだー!私アイツ苦手なのー!会いたくないのー!」
玖美「はーいわがまま言わなーい。幼馴染なんでしょー」
アリス「アリスちゃんの幼馴染は香と愛と草華とアクアとその姉!あいつらはただの腐れ縁だ!」
ステラ「玖美ー、これうるさい」
玖美「だってさ。徳島先輩が怒ってるから静かにして」
ステラ「ステラって呼びなさい!」
玖美「おっじゃまっしまーす!」
幸野「あ、こんにちわん、玖美ちゃん」
玖美「こんにちわん!」
ステラ「おお、犬っ子・・・・」
ニケ「げっ、本当に来た」
ステラ「おお、痴女っ子!」
ニケ「痴女じゃないわよ!これ制服なの!」
アリス「いやー、その服は痴女って言われても仕方ないと思うなー。水着より肌面積広いじゃん」
ニケ「あたしの意志じゃないのよ・・・・これは着せられてるだけなの・・・・」
テトラ「ハーーハッハッハ!よく来たな、アリスとその姉よ!それと、うさぎ!」
ステラ「うわ!痴女が増えた!」
ニケ「あたしを一緒にしないで!」
玖美「どうでもいいけど名前のとこカタカナ多いね」
幸野「肩身が狭いね」
アリス「じゃあステラちゃんのとこ徳島にしておくね」
徳島「え、こら!戻せ!徳島言うな!」
テトラ「そうかそうか!貴様は徳島というのだな!覚えたぞ!」
徳島「忘れて!覚えないで!」
玖美「ってことでここがコスプレレンタルショップのValkだよ」
テトラ「アリスの姉ということで今日は無料で衣装を貸し出そうじゃないか。はっはっは!」
ステラ「この服、シンデレラの・・・・あ、こっちは眠り姫の?」
アリス「ねえ、帰っていい?」
ニケ「オーナー、帰りたいです」
テトラ「それは無理な相談だな!すでに魔を通さない聖結界を店内に張ったところだ!今日は最後まで付き合ってもらうぞ!」
アリス「こいつのこういうとこ嫌い!」
ニケ「はあ、まともな職に就きたい・・・」
玖美「ねえ幸野さん。アタシ着物着てみたい。ドレスは着たことあるけど、そっちは着たことないんだよね」
幸野「はーい。テトラさん、奥借りるねー」
テトラ「ああ!存分に使うがいい!ふむ、そうだな。折角だからスワンのやつも呼ぶか」
アリス「やーめーてー」
ステラ「あ、あの、これ着てみたいです!」
ニケ「うん?あ、今はやりの魔法少女の服ね。フィッティングルームはそっちにあるから好きに使っていいわよ」
アリス「さっきから気になってたんだけどこの店に敬語っていう概念はないの?」
テトラ「ああ!必要ないからな!なんせこんな店見知った客しか寄り付かない!」
アリス「自分でそれを言うか。ああもう!ツッコミはアリスちゃんのキャラじゃないのに!」
玖美「てことで、これがその時の写真だよ!」
日輪「へぇ。キレイじゃない。やっぱ素材がいいのよね」
玖美「えっへっへー、着物の方がドレスより着やすかったんだよねー」
薫「日輪、その写真あとで焼き増ししてね」
日輪「もうしたわ。これが保存用、これが姉さん用、これが観賞用」
薫「ナイスよ!さっすが私の妹!」
真恵「なんか動きにくそー」
メアリー「私も着てみたいです!」
アリス「今度はアリスちゃん絶対に行かないからね!絶対だよ!」
香「そう?残念だな、アリスの着物姿見たかったのに」
アリス「や、見せたいのはやまやまなんだけど、私知っての通りガリガリだから着物合わなくて・・・・・・」
香「そうかな?お正月には着てくれたじゃないか」
アリス「いや、あれは凄く癪だけどテトラに任せたからで、でもお兄ちゃんがどうしてもっていうならすっごい癪だけどやっても・・・・・・」
蓬莱「さすが兄貴、扱いが慣れてるな」
香「まあね」
上海「あれ、玖美ウチの店とか行ってないの?地海いたでしょ?」
玖美「玖美ちゃんさすがに親同士の仲が悪い所に押しかけるほど図太くない」
オルレアン「リルさんと美鈴さん、仲がよろしくないですからね。ね、上海ちゃん」
上海「あーあー、知らなーい。私が帰らないせいだとか知らなーい」
カノン「職場見学、大変有意義だったようで。あとはこれをまとめる作業ですね」
玖美「あ・・・そうだった・・・」
虹香「これだと、結構な量の文章も書かないといけないですよね。感想とかもそうですし」
玖美「あうぐっ、わ、忘れてた・・・・ま、マリン・・・・」
マリン「そこは私が手伝うところではないな」
リリーナ「まさか小学二年生に振ったりはしないですよね?」
小梅「筆でいいのなら・・・・」
世界「申し訳ございません。フェア教諭より手伝いを禁止されています」
香「ま、そこは自分でやりなよってことだ。あと一踏ん張りだろ」
玖美「あうう・・・・今度はもっと楽なのにするー・・・・」