Department of Orthodontics, Tokyo Dental College
25 December, 2020 (No.13)
『美久会の始まりと継続』 美久会会長 山口 秀晴
山本義茂先生が、昭和58年(1983年)11月に美久会会員名簿を作製し、その中に次のような文章がありました。
「美久会とは、東京歯科大学矯正学教室のO.B(O.G)会ですが、美久とは故榎本美彦先生の“美”と故斎藤久先生の“久”からなっており、両先生の偉業をたたえて命名したものです。発足は昭和12年です。この間、会長には立原健彦先生、吉井三郎先生のもとで、矯正学教室とともに発展をとげ今日に至っております。現在の役員は次の通りです。
会長 山本義茂
幹事 大内英男、飯田精一、延島三男、大川倬司、窪田勝信、根津 浩
幹事(学内)瀬端正之、原崎守弘
幹事 西口定彦、山口敏雄(東北歯科大学教授)
顧問 立原健彦、吉井三郎」
その注釈で、前回の名簿作製は、昭和36年11月30日であり、榎本美彦先生の言葉『名簿に寄す』が載っているので紹介します。
「誰かが云ったように『歴史とは過去との対話である』とするならば、此一冊の名簿は、吾々に無限に語りかけて来る多くのものを持って居るし、それにつれて様々の瞑想を見る者の心に抱かせる。
此小冊子は語るだろう!過去に在室された諸君の涙ぐましき努力と研鑽の跡を、更に其背景となった教室の、苦難と忍耐、発展、拡充の各時代の様相を、そして又、今はこの名簿に其名を留めない偉らかった先輩を惜しむ哀愁をも!
『温故知新』=吾々は今更の様に、人の情操を呼起す此言葉の美しさと温かさを感じ、この小冊子を通じて之を享くることに限りなき悦びを覚へるのである。」
この昭和36年に配布されたものと思われる美久会会誌(コピーしたもの)があります。
「美久会誌」 創刊号 (第一号、非売品)
美久会会則
第一条 本会は美久会と称し、矯正歯科学の進歩発達と会員相互の親睦ならびに共済をはかるのを目的とする。ーーー(第十一条までつづく)
附 則
第十二条 本会則は昭和三十六年十月一日より実施する。
会えの御協力についてお願い
さきに、斎藤先生の御退職あり、来春は、山本教授の海外出張研究ありとて、美久会も大いに力にならねばならぬ時期に遭遇した訳です。「眠れる獅子」は眼を覚まし、ここらで母校教室に一つ積極的な後援の手を差し延べ、かつ会員相互の親睦交流をより一層深めたいものです。ーーー私達役員が呼び掛け、第一回の労を取らさせて頂きました。ーーー第二回会誌発行に当たってはより充実したものを会員諸兄の御力でと念じております。ーーー 役員一同」
これによりますと、美久会は昭和12年にでき、東歯大OB達が引き継ぎ、昭和36年10月1日に会則が実施されているようです。そして山本先生が昭和58年に名簿を発表し、瀬端先生がそれを継承されてきました。このように永い歴史のある、思いで深い会ですが、しかし第二回会誌はまだ出ていないようです。後ほど追記します。
2001年(平成13年)に一色泰成教授が大学を定年退職し、私が講座主任を引き継ぎました。翌年の12月に医局と美久会との合同忘年会を行うことになり、医局の行事を理解してもらうため、Newsletter 第1号(2002年)を発刊しました。その内容は、私から「講座主任となって」、千葉病院医局長片田先生から「千葉便り」、水道橋病院医局長長谷部先生から「水道橋便り」、袋田温泉への医局旅行の写真などがあり、美久会からは会長瀬端先生の「美久会この頃」、奥羽大学教授西口先生から「大内英男先生」の追悼文が記載されました。
Newsletter第2号からも同じような内容で忘年会の時に発刊され、医局行事の写真や医局旅行の写真があり、美久会総会式次第などが追加されました。瀬端会長からは、第5回まで楽しい文章を書いて頂きました。
講座主任は、2007年に私から末石研二教授に引き継がれました。その10月に瀬端先生が逝去され、急なことであり、美久会の会長が決まっていなかったので、副会長の椎名統治先生が会長代行をすることになりました。年の瀬もあり忘年会をやれなかったので、末石教授の計らいで翌年3月に美久会総会を行い、Newsletter 第6号を発刊し、末石教授が先生の追悼文を書かれています。その年の12月、Newsletter 第7号を発刊し、椎名先生が美久会会長の挨拶「思い出すまま」を載せています。その時の美久会総会で、私が美久会会長に推挙されました。
美久会の行事として、講演会を行うこと、医局との連携を密にして親睦を図ること、ゴルフの懇親コンペ美久会杯を行い、末石教授と相談してNewsletterの代わりに会誌を発行し、医局の行事を併記することになりました。そして、美久会会誌第1号を12月に発刊し、前半を美久会の記事、後半を医局の内容でまとめました。ところが、先輩から「美久会会誌は以前に発行されているよ」と言われ、調べたところ、前記のように昭和36年に出版されていたのです。忘年会の会場でそのことが明確となり、その年の会誌を第2号とすることになりました。
その後順調に毎年12月に発行し、昨年は第12号を発刊しました。その中に書かれていた編集者の有泉大先生の疑問『幻のナンバー7』、このような変遷があったことで理解してくれるものと思います。私も第1号の会誌を持っていませんので、もし持っている方がおられるなら是非見せて頂きたいと思います。なお、美久会誌の出版は医局でやってもらっていますので、担当の先生には大変でしょうが、心より感謝いたしております。
東歯大の矯正学講座は、昨年末石先生から西井康教授に引き継がれ、研修課程の教育内容が改善
され、千葉歯科医療センター・育成咬合系部長は野嶋邦彦先生、水道橋医局長は石井武展先生のもと、進歩発展してきております。今年は、コロナ禍のため美久会講習会が延期され、12月の忘年会は中止となりました。美久会の会長改選を行うに当たり、総会ができないため、メールによる役員会で次期会長に末石先生を推薦することになりました。そして、会員の先生達に賛否の判定を行ってもらうため往復ハガキを送りました。
今回は、美久会の歴史を書き、会の流れについて説明しましたので少し長くなってしまいましたが、これからも美久会をよろしくお願いいたします。
『矯正歯科に関わって50年の感慨と私見』 美久会副会長 鈴木 敏正
私は昭和44年(1969)に卒業し矯正学講座に採用されました。以来、令和2年(2020)で51年が経過しました。その間に実に多くの変遷があり、経験してきたことへの感慨や私見を述べたいと思います。
私たち矯正医は日々の臨床に加えて、複合的視点からの展望が必要です。それらは ①矯正学・矯正臨床の学問的・技術的進歩、②矯正治療の社会への普及と施策、③他学科との学際的関連、④一般科学の進歩や医学・医療の進歩との連携、⑤社会情勢・国家施策などへの対応と考えられます。
私がこの51年間に経験してきた日本矯正界の出来事は、およそ次のようなことでした。
①米国の診断法、治療予測、治療技術(マルチブラケット法、他装置)の導入、
②研修教育制度の実施、
③顎変形症の外科的矯正治療法の確立と保険導入、
④唇顎口蓋裂治療法の確立と保険導入、
⑤学会認定医制度の制定、
⑥国による歯科標榜制度や専門医制度の制定などです。
また個々の優れた進歩としては、
①矯正器材の改良進歩、
②矯正臨床へのコンピュータの応用、
③筋機能療法による改善、
④アンカースクリューの使用などが上げられます。
以上のような日本矯正界の出来事は複合的視点からの展望から現在と未来を考えていく必要性を示唆しています。
今まではこのようでした。現在はどうでしょうか。矯正歯科に関して、歯科統計(厚生労働省ホームページ 平成28年(2016))を見ると、日本での現状を知ることができます。 歯科医総数 101,551人 男77%、女23%で、このうち
*主たる診療科および1診療科のみ(総数101,551人)
矯正歯科 3,760人 3.7%
(小児歯科 1,995人 2.0%、歯科口腔外科 4,087人 4.0%)
*診療科(複数回答) (総数101,551人)
矯正歯科 20,393人 20.1%
(小児歯科 39,586人 39.0%、歯科口腔外科 27,570人 27.1%)
*広告可能な専門資格(複数回答)(総数101,551人)
口腔外科専門医 2,080人 2.1%、歯周病専門医 1,181人 1.25%、歯科麻酔門医 363人 1.2%、
小児歯科専門医 1,261人 1.2%、歯科放射線科専門医 186人 0.2%、取得資格なし 96,791人 95.3%となっております。
また、矯正歯科医年収 (Webより引用・信憑性に欠けるが参考として)については、一般開業歯科医:700万、矯正歯科医:700万円、小児歯科医:680万円、口腔外科医:1,200万円などの記載があります。
このように、私が卒業した51年前は矯正開業が危ぶまれる時代だったことを思うと、矯正治療が社会へ普及し、専門的診療が行われるようになってきたことは大発展だと思います。
しかして、矯正界を変革し、未来を作っていくためのトピックスとして何があるでしょうか。
①統一専門医制度の導入 矯正歯科統一専門医試験が2020年10月5〜8日実施されました。将来的に広告可能な矯正専門資格が制度化されるでしょう。
②これからの矯正学・臨床の進歩は、遺伝子解析・治療、iPS細胞治療などの基礎研究、臨床の診断・治療におけるデジタル技術、AIの利用などが考えられます。
③現在でもデジタル技術の矯正臨床への応用は、顎骨の3次元モデル解析、顎骨の移動シミュレーション、歯の配列(セットアップモデル)、アイデアルアーチの製作、CADCAMによる装置製作などが上げられます。
しかしながら、問題点として今後解決すべき課題としては、
①成長発育のコントロール、
②口腔機能不全の改善、
③歯牙移動の急速化、
④歯の再生、
⑤矯正治療普及の社会施策(矯正治療の保険導入は疑問)、
⑥専門化を図る
などが上げられます。今後の進歩発展を期待したいと願います。
時代は刻々と変革されています。若い先生方へお伝えしたいことがあります。それは「IKIGAI 生きがい」ということばです。
この意味を表す表現は英語になく、最近はこのことばが「スシ」や「モッタイナイ」などのように英語となっているそうです。日本人にはことばの意味が自明に理解されますが、これが世界に広まったのは心のあり方や目的意識を大切にする考え方があるからと言われます。
NHKのテレビ番組の映像を引用します。この図に表されているように矯正が好きになり、矯正が得意になり、矯正によって社会から必要とされるようになり、収入が得られるようになって、矯正によってご自分の生きがいを見出す人生となって欲しいと祈念いたします。(興味のある方はWebで調べてください)
『コロナ禍での旅あそび』 卒後研修課程第1期 茂木 悦子
私のリタイア前後の主な出来事は、夫のイギリス留学、私の開業、病気、そしてコロナ禍です。山口会長から美久会だよりに何か書くようにという指示があり、自粛時の話など考えましたが、いっそのこと思いっきり変えて非日常の話、何回か行ったイギリスの交通事情のおもしろかった体験をお話しします。
まず、イギリスの鉄道です。ロンドンのパディントン駅から鉄道でおよそ2時間半の南西部の町、ブリストルへ行ったときのこと。ブリストル・テンプル・ミーズという中世風のロマンチックな響きの駅を目指します。驚いたことに出発時刻5分くらい前まで乗り場が決まりません。アナウンスなどはもともとありません。ひたすら緊張して電光掲示板を見つめ、パッと表示されたとたんすぐさまその番線めざして走り出す、と思いきや、我々以外はだれもあせっている様子はなく悠然と歩いています。かといって真似していたら乗り遅れることになってしまうのです。
またある時、姉たちを連れてブリストル周辺の見物をしようということになり、バース
(Bathと書きます、お風呂の起源になった町だそうです)という近くの町へ行こうと駅に着くと、きょうはストライキでバースまでの列車は走っていません、バスもありません、といいます。どこか近くのいいところはないかと聞くと、ウエストン・スーパー・メアという町なら鉄道で行けますよと教えてくれました。フーン、じゃあそこへ行ってみるかということになり、列車に乗り込んだとたん、列車変更だというのです。乗客全員整然と別のホームへ移動。直前に変わるなんて特に珍しいことではないんですね・・・
またある時は、アガサ・クリスティーの記念館を見に列車でトーキーという町へ行き、見物して駅に戻ると、時間は夕方6時ごろでしたが、もう駅の扉には鍵がかかっていて本日は終わり、と書いてあるのです。えーっまだ明るいのに・・仕方がないのでその日宿泊するプリマスまではバスとタクシーで行きました。
また、ビートルズの町リバプールとマンチェスターへ行った時のこと。帰ろうとして駅に行くと静かでひと気がありません。
朝からストライキで列車は動いていないというのです。バスが途中まで行くような事を聞いてとにかく途中まで行くと、そこからは列車がロンドン近郊まで行くと言います。
降りたバス停から駅までは案内もなく、何となく人が歩いて行くほうに駅があり、そこから列車に乗ってとにもかくにもロンドンへ向かいました。文句を言ったりする人はいませんでした。
またある時は、これもひどかった。空路ですが、エジンバラへ行き、グラスゴーからブリストルに戻るとき、空港でなんと延々8時間も待たされました。
雪の季節でもないのに・・これなら陸路で戻れたんじゃない?ブリストルには深夜に着いて、そこからはさすがに市内までバスが出ており、あとはタクシーで帰りました。
いやーしかし、パック旅行がうらめしい。ただ、自力の旅行も何とか切り抜けられるものだし、苦労はあっても列車の旅はその土地の人を観察できるから面白いんですよね。それに訪れた町は素敵でした。
ブリストルは由緒ある町でかつ人々はやさしい。ウエストン・スーパー・メアではどこまでも歩いていけるような干潟に遭遇し(写真1)、
またリバプールは言わずもがな、聖地を訪れたという感動がありました(写真2)。
その後、夫はブライトンに移りましたが、こちらも、狭い街並みをぬって2階建てバスや2台繋げたバスがビュンビュン走る個性あふれる魅力的な町でした。
ロンドンタクシーやテムズ川に浮かぶ船などは語れませんでしたが、地方都市でのこんなあぶなっかしい旅でもいろんな感動に巡り合い、アフターコロナにはまた行きたいな、などと性懲りもなく思っています。
『Withコロナ』で求められる「新しい矯正医」
卒後研修課程第23期 田中 千元
医局は西井康先生が教授になられて2年目に入りました。
2020年皆さまはどんな年でしたでしょうか? 世間はコロナ一色、生活様式から仕事の仕方まで変わった年になりました。
矯正歯科会においては何と言っても国際矯正歯科学会議世界大会・アジア太平洋矯正歯科会議・日本矯正歯科学会学術大会でのオンライン聴講ではないでしょうか。
始まる前はオンライン?と関心が下がってましたが、実際に参加して充分学会としての役目を果たせる事が分かりました。(スライドは自分の画面で見ることが出来て、通常の学会よりむしろ見やすく、自分の空いた時間に好きな発表を見れる、しかも同じ発表を再度見ることが出来る。(そう何度も見ないかもしれませんが)
これは体験して初めて知れたことでした。もちろん学会関係者のご尽力によるものであり、非常に感謝しております。オンライン聴講、経験してみて初めて知った利便性。
何事もやって初めて見えてくるものがあると実感しました。コロナ下でオンラインというキーワードが俄然注目され生活も変わりましたが、矯正界でも初診相談のオンライン化なるものが始まっているようです。
どこまで適応できるかはこれからの課題でしょうが、今後、矯正歯科治療という医療現場に加えて、PCを利用した診療が必要になってきます。日々、乗り遅れないようアンテナを張り巡らせてないといけないと思いました。
私のクリニックではPCの活用という点では皆さまのやられているような利用に留まっておりますが、実は今年初めより重い腰を上げて、外科手術併用矯正治療時のシミュレーションを3DCTと3Dフェイススキャン画像を利用して3次元的にVTOを立てて口腔外科医とカンファを行い患者に提供し始めました。
実際に利用して分かりましたが、今までの情報では不足部分があり、このシステムを始めてから結果として患者の満足度や理解が深ました。
やる前は『こんな複雑で面倒なものを、わざわざ、、、』と否定してきましたが、始めることで見える世界に感動を覚えました。
もちろんこのシステムは費用がかかり保険では回収できませんので趣味と割り切るしかないですが。しかし何事もトライ!だと思います。
今、流行りのインビザラインも何だかんだと言うのは簡単ですが、試してみないと語れないと思います。これからの時代に備えるには、矯正歯科医は新しいPC力という技術を手に入れないといけないと感じました。
私はアメリカンフットボール部だったのでトライではなくタッチダウンの方が好きですが、トライ、トライの人生でありたいと願います。
これからの医局を盛り上げるために少しでも外からも尽力できればと思います。
最後に私の好きなイングリッドバーグマンの言葉を贈らせて頂きます。
『私が後悔することはやらなかったことであり、できなかったことではない。』
『認定医審査を通して』
卒業研修過程第40期 水野 高夫
私は昨年度の日本矯正歯科学会認定医審査を受け、認定医として矯正歯科のスタートラインに立つことができました。これもひとえに指導医の先生方のおかげだと心より感謝しております。
認定医審査の資料を作成していると、研3修了時にケースをまとめていたことを思い出しました。当時、先生方からご指導を頂いたケースが、認定医のケースとしても申請することができ、東京歯科大学歯科矯正学講座の卒後研修過程の質の高さとそこで3年間実際に学ぶことができたありがたみを改めて感じさせられました。
認定医審査の症例報告では、大学病院で経験させて頂いた多くの症例を改めて見返す貴重な機会となりました。見返す中で反省点も多く、矯正治療の難しさを身をもって学ぶことができました。
また、様々な症例の治療に関われたことで。治療技術だけではなく診断技術の重要性に改めて気付かされました。
認定医審査を受けることで、矯正歯科医としての未熟さを実感することとなりましたが、症例のフィードバックや口頭試問などでの指摘を受け、今後目指すべき矯正歯科医としての道筋を見つめ直すことができました。
私は現在、地元の長野県上田市にて父の開業する医院で臨床の全般を担当しております。父のキャリアに比べればまだまだ未熟な部分は多々ありますが、患者さんの悩みに寄り添いながら、今後も認定医としてさらなる高みを目指し、地域への社会貢献と東京歯科大学歯科矯正学講座で学んだ歯科矯正治療の素晴らしさを長野から発信して参ります。
今年は新型コロナウィルス蔓延による影響で大変な状況ではございますが、美久会の先生方はお変わりなくお過ごしでしょうか。私は新幹線などの公共交通機関で他県に出ることもなくなり、家とクリニックの往来がほとんどで閉鎖的な日々を送っております。例年であれば、学会、美久会講演会、研修修了式や忘年会などで美久会の先生方とお会いして、お話をする機会がある訳ですが、そのような行事を行うこともできず、非常に寂しい気持ちで一杯です。
コロナ禍によって日本中で苦しい状況が続き、歯科業界は感染リスクの高い業種であるとメディアで報道されております。
歯科矯正分野は歯の削合や観血処置が一般的な歯科処置と比較すると少ない分野ですが、油断することなく院内の感染対策をしっかり行い、受診される患者さんのために自身が出来る最大限の対応をこれからも心がけたいと思います。
最後になりますが、この状況が一日でも早く終息へ向かいますことと、先生方お一人おひとりのご健康をお祈り申し上げます。
■ 会費納入のお願いと納入方法についてのお知らせ
美久会の活動原資は会員の年会費です。会員全員にとって有益かつ魅力的な会に発展していけるよう役員一同努力しております。会員皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
1 会 費 ・年会費 : 3,000円/年
2 会費納入方法 年会費納入方法は2つから方法を選べます。
① 忘年会、講演会、その他の集会時に現金でのお支払い
② 会計口座へのお振り込みでのお支払い(ご都合により集会等にご出席できない先生)
美久会会計口座:三菱東京UFJ銀行
神保町支店 普通0040163
東京歯科大学美久会
振込は、医院の名称ではなく個人名でお願いいたします。振込の方は振込用紙を持って領収書に代えさせていただきます
■ 逝去会員
下記の会員が逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し心からご冥福をお祈り申し上げます。
令和元年12月17日 一色泰成 先生 (享年84歳)
令和2年7月5日 宮原理子 先生 (享年50歳)
■ 第12回美久会講演会 延期
■ 美久会役員
会長 山口秀晴
副会長 鈴木敏正 荒川幸雄
専務 吉井賢一郎
庶務 石山智香子
会計 山崎康博
監事 末石研二 新倉良一
幹事 茂木悦子 中川路健司 福増一浩 延島ひろみ
大内仁守 平久忠輝
『変革の波』
歯科矯正学講座
主任教授 西井 康
本年を一言で表すと変革の波が押し寄せてきた年であると思います。日本では、本年の初め頃から影響が出始めた新型コロナは、近年の歴史のなかでこれほど世界中にあまねく影響を与えた出来事はなかったでしょう。初めての緊急事態宣言、学校の閉鎖、夏でもマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保が叫ばれ、テレビでは連日感染者数の報道、ネット上での批判コメント、感染者へのいわれなき差別など暗い話題が本年の前半を占めていました。人々の恐怖心と群集心理が合わさると、ネガティブな思考が際限なくエスカレートすることを身にしみて感じました。
その中で、我々は大きなライフスタイルの変革を強いられております。多くは我慢を伴うものでありますが、この中でも良い変革もありました。大学では対面授業ができず否応なくWeb授業への移行が求められました。はじめは、いろいろなトラブルがありましたが、そのうちたくさんのノウハウが蓄積し、今では学生から対面授業より集中できるとの評価をもらっております。また大学が水道橋に移転してから医局が大きく2つに分かれました。このため講座会というものが物理的に不可能でした。しかしWebのおかげで講座会が開催できるようになり医局間での情報共有、意思の疎通が図れるようになりました。金曜発表会での内容も美久会の皆様にライブ配信できるようにもなりました。各スタディークラブの先生方におかれましては、慣れない中いち早くWebで研修生のレクチャーを試行していただき心より感謝申し上げます。
また来年の3月9日には、新千葉歯科医療センターが始動しはじめます。新センターでは、以前の水道橋病院のように合同医局となり、チェアー数も大幅に削減され勤務形態もフレックス制となります。それに伴い研修課程にとって大きな変革の波がやってきます。1975年より諸先輩方のご尽力により設立され現在でも脈々と続いている研修課程を何としても存続していく所存でございます。このため現在、新たな時代に即した研修課程の規定やカリキュラムを作成中でございます。カリキュラム作成に当たりレクチャーをしていただいております美久会の皆様にご意見をいただきたく存じます。その際にはご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
学会の方に目を向けると、2026年には日本矯正歯科学会が設立100周年を迎え、そのときの記念大会を本講座が主管となることができました。学会での受賞やまた私を含め、日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、日本顎変形症学会、日本口蓋裂学会等への役員、委員として多くの講座員を配置させていただいております。美久会会員の皆様へのフィードバックとしていち早い情報を提供して参りたいと思います。また本年は矯正界においも大きな変革がありました。20年来の懸案事項であった矯正統一専門医が第1歩を踏み出し、第1回統一専門医試験がコロナ禍の間隙を縫って行われました。賛否はございますが広告可能な専門医への大きな一里塚となります。これは大学の講座においても大きな変革であり、基本研修機関においては専門医在籍が必須となります。他大学では大きなハードルである専門医の在籍も本講座においては、数名の取得が見込まれており本講座の臨床レベルの高さが再確認できました。美久会の皆様におかれましてもこの波に遅れないよう是非とも取得をされるようお願い申し上げます。
さて、年の瀬も迫る11月26日に歯科界においてここ数十年で最も大きなニュースが報道されました。皆様もご存じのように東京歯科大学と慶應義塾大学との統合合併です。超少子高齢化時代に向け、当大学の生き残りにかけた非常に戦略的な決断であると思います。詳細はまだわかっておりませんが、大きな変革であることは間違いないところです。この変革の波にどのように立ち向かっていくべきか、美久会と講座が手を取り合い来たるべき波に対峙したいと存じます。今後とも変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
来年も美久会、講座そして皆様お一人お一人にとって良い年でありますよう、そして皆様のマスクなしの笑顔が直接見れますよう、心より祈念申し上げます。
『新千葉歯科医療センターの開院に向けて』
千葉歯科医療センター
育成歯科系部長 野嶋 邦彦
今年は新型コロナウィルスの感染拡大により、私達の日常は一変しました。初めての経験で、先行きが見通せない現状に、不安やストレスを抱えていらっしゃる方も多いことと思います。その影響で一年に一回色々な先生方とお会いし、お話しする機会であった忘年会も中止となり、寂しい限りです。
千葉歯科医療センターでも、緊急事態宣言の発出に伴って、4、5月は患者さんを全員キャンセルし、有給、レジデントだけで緊急診療体制をとりました。そして、6月から徐々に患者数を増やし、いまはほぼ通常と変わりない診療体制になりました。
しかし、未だに呑みニケ-ションは禁止されています。また、大学の会議、講義がオンラインが当たり前となってきました。勿論、矯正歯科内の講義、医局会、症例検討会もしかりです。このような状況はいつまで続くのか?冷静さを失わず、周囲を思いやる気持ちを大切に力を合わせてこの難局を乗り越えなたいと思います。
このような状況下でも、新千葉歯科医療センターは12月末の竣工に向けて順調に進捗しています。5階の渡り廊下から日に日に変化する姿を見ることができます。その後、診療、設備機器の搬入・設置、外構工事を行い、来年3月1週目に引っ越し、3月2週目の開院を予定しております。現在はその運営方法が議論されている段階です。
ご存じのように新センターは規模が小さくなり、ワンフロアにチェア40台となり、合同医局となります。また、診療時間は昼食休憩なしで夜まで延長し、土曜日の午後も診療することになりました。そのため、人員の配置、居場所の確保、資料の保管場所、分析・診断、講義・実習、ラボの時間の確保など解決すべき問題が山積しています。“働き方改革”との兼ね合いでどのようにやり繰りするか頭を悩まします。
医局においては、今年度研修課程46期生として新人12名を迎い入れました。大学院生を含めて約40名の大所帯で運営しております。しかし、4月の緊急事態宣言を受けて新人は入局してすぐに自宅待機となり、講義・実習は大幅に遅れましたが、どうにか7月の配当に間に合いました。常勤医の私、坂本先生、有泉先生、森川先生、飯島先生、レジデントの草場先生、武笠先生の他に、非常勤として西井先生、立木先生、客員教授として末石先生、茂木先生に臨床指導のお手伝いを頂いております。
そして、水道橋の先生方にも臨床講義をして頂いております。さらに、多くの矯正OBOGの手弁当でのオンライン臨床講義、タイポドント実習指導などのご協力を得て、このような状況下でも質の高い卒後教育が維持されていると思っています。深く感謝申し上げます。
12月の現時点で、新型コロナウィルスの流行が“第三波”の様相を呈しています。皆さまもお身体にはくれぐれもご留意ください。一日も早い収束を願い、来年は普通の暮らしができることを祈っております。
5階渡り廊下から12月4日に撮影した竣工間近の新センター
『水道橋病院矯正歯科の今年を振り返って』
講座幹事
水道橋病院 矯正歯科医局長
石井 武展
本年度の水道橋病院は、千葉で基本研修を終えた高橋、河角の2名のレジデントを迎えました。COVID-19に対する東京都の緊急事態宣言を受け、4月と5月は休診となりましたが6月以降は段階的に診療を再開し、ようやく本来の大学病院の機能を回復してきております。
緊急事態宣言発令後の大学病院では、日替わりで出勤し電話や手紙を用いて大規模な予約変更を実施しましたが、大きなトラブルも無く調整ができました。感染予防を徹底しようにも、大学病院は人員が多く、かつ特殊な環境下であるため、マスクやグローブ、防護衣の不足から充分な感染予防ができず、個々の先生方から様々なご意見を頂戴しても科学的根拠の評価や病院運営側と相談しながら非常に難しい判断を教授や衛生士及び感染予防対策委員会と日々相談、問題解決及び決定するのは非常に厳しい状況でした。
本年度は、COVID-19に翻弄される形で、まだまだ流行の波が来ることを考えれば、今以上に張り詰めた状況であることに変わりありません。全てのスタッフの皆様の協力があって今があることを実感しております。
最後に私見となりますが、人は危機的状況になった時に真価が問われるというのは本当だと思います。同じ職場で働く一人一人に事情や家庭があり、自身の思いもあるかと思います。
しかしながら、大学病院で働くということは、如何に自我を押し殺し、客観視できるか?皆を幸せにできるか?ということなのかなと思います。
来年は、COVID−19にひるむことなく、斬新なアイディアとチームワークで乗り切りたいと思います。
『2020年を振り返って』
千葉歯科医療センター 矯正歯科
助教 飯島由貴
今年はコロナの影響でいつもと違う一年でした。緊急事態宣言が出ていた時はセンターも休診となり、有給とレジデントで急患対応や電話対応をしていました。学生の講義や実習はオンラインでしたが、画面越しでのワイヤーベンディングの指示は難しかったです。
研修生の印象実習やバンド・ボンド実習、タイポドントはオンラインというわけにはいかず、感染予防に気をつけながらいつもより距離と時間をとって行いました。来年は新しい千葉歯科医療センターへの引っ越しもあり、変化の一年になりそうです。
突然ですが、新しい千葉歯科医療センターを撮り続けていたので、その写真を紹介します。
『令和3年を迎えるにあたって』
客員教授 末石研二
最後に美久会会誌に原稿を載せたのは、定年退職の前年(平成30年12月)であり、2年ぶりということになります。皆様、如何お過ごしでしょうか。教授の任にあった際には、美久会会員ならびに歯科矯正学講座医局員の皆様には大変お世話になり、本当にありがたく感謝しております。現在は客員教授として水道橋病院及び千葉歯科医療センターにて診療にあたっています。
そのような中、大学へのCOVID-19の影響はとても大きく、診療では4・5月は急患対応体制となり、通常の診療はできませんでした。その後の診療再開でも医局員が分担して患者対応にあたりました。
学生教育ではオンライン授業の体制を構築し、臨床基礎実習も学生が在宅で実施するという変革がなされました。研究も口科研に入れない日々が続いたと聞いております。学会もオンラインになるなど、多くの事がありました。
そして、西井教授を陣頭に水道橋の石井医局長、千葉の野嶋診療系部長・有泉医局長をはじめとする全医局員の真摯な対応があったこと、そして現在も続いている事を皆様に御報告致します。今後もパンデミック後の教育、臨床、研究を模索する日々が続くものと思います。
さて、本題に入ります。歯科矯正学教室(講座)のOB会である美久会は昭和12年に設立され、立原健彦先生、吉井三郎先生、山本義茂先生、瀬端正之先生、山口秀晴先生の各先生が会長の任にあたってきたと理解しています。この度、山口秀晴美久会会長よりお話があり、美久会会長の任を辞したいので次期会長を受けて欲しいとの事でした。現役員会からの推薦もいただきましたので、皆様にお諮りし、お許しを得ればその任にあたりたいと思います。
美久会はその会則にもあるように、「歯科矯正学の進歩発展と会員相互の親睦ならびに共済をはかるのを目的」としています。もちろん東京歯科大学歯科矯正学講座の発展を支えることが大命題と思います。
2023年には慶応義塾大学歯学部歯科矯正学講座になっているかもしれませんが、教室、講座出身者としての立場は揺らがないと考えています。第100回日本矯正歯科学会の主管が予定されている講座を一致団結して支え、また会員相互の共済に関して果たすべき役割があるか、その点も検討していきたいと考えております。
「親睦」も忘れず、コロナ時代の方策を検討していきましょう。皆様と共に明るい年を迎えることを祈念いたします。
2018年4月から卒後教育研修委員会を拝命し、今年で3年目になります。
卒後教育研修委員会の仕事は、基本研修及び臨床研修施設が適切に運営されているか、そして臨床研修施設の新規申請を審査することにあります。
現在、基本研修機関が31施設、臨床研修機関が343施設あり、本講座OB・OGの33施設が臨床研修機関になっており、認定医取得を目指す研修医の指導にあたって頂いております。
研修機関には指導医、臨床指導医および研修医の氏名、新患数及び延べ患者数の実態報告が義務づけられております。
今年はCOVID19の影響で実施されませんでしたが、毎年、基本研修機関3施設、臨床研修機関2施設の実地調査が行われ、私は2018年、2019年と東北大学の五十嵐教授と溝口教授の講座の研修の実態について調査を行う機会を得ました。
両講座とも綿密なカリキュラムが組まれ、講義資料も充実しており、医局の規則(規約)もしっかりと明文化されており、見習うことが多いと感じました。
またもう一つの仕事は大会前日のサテライトセミナーの前に行われる生涯研修セミナーについて検討することです。矯正以外の内容が多く教養講座的な講演で、このセミナーを受講すると5ポイントを得ることができます。
今年もオンディマンドで聞かれた先生方も多かったと思いますが、睡眠時無呼吸症候群についてでした。こういった内容(先生)の講演が聞きたいという案がありましたら坂本までお寄せください。
本年度も、日本矯正歯科学会の倫理裁定委員会でホームページ(HP)審査を行いました。
まだ、保留になっておられる同窓の先生方もおられるかもしれません。
今後審査を受ける予定の先生方もいらっしゃると思いますので、日本矯正歯科学会HPの倫理裁定委員会のリンクより「医療広告ガイドライン」を熟読の上、ご自身のHPに問題がないかご確認ください。
本年度、特に違反が多かった部分は、日本矯正歯科学会認定医や臨床指導医は基本的には掲載不可となっているため、掲載する場合には「正しい名称」の上、「限定解除要件」を満たすことが必須であり、その中でも副作用の記載漏れの事例が多く認められました。
また、インビザラインを掲載する場合には、「マウスピース型矯正装置(インビザライン)」とし、【海外技工物のため完成物が薬機法対象外となるため「完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。」】の記載が必要であることをご周知いただきますようお願いいたします。
ロゴやリンクの貼付も不可となりますのでご注意ください。
HPは、患者様が矯正歯科診療を受ける際に正しい情報を得るために利用することを念頭に置き、歯科医院側の集客目的とした「比較優良」「公序良俗に反する内容」を含まないようご注意いただきたく宜しくお願い致します。
何かご不明な点や相談事項がございましたらいつでもご連絡いただければと存じます。
本年より日本矯正歯科学会認定医委員として認定医の審査に携わらせていただきました。
今年はコロナ禍ということで1次書類審査が例年より1ヶ月締め切りの延長がされ、さらに学術大会がオンラインになったことを受けて2次審査が口頭試問から模型写真を含めた書類審査(一次審査でA,B判定の者)・模型提出を含めた書類審査(一次審査でC,D判定の者)へと変更されました。
審査を終えて感じたことは以下の事柄です。
1. 診断、治療方針から治療結果・考察までの流れを意識したレポートが求められる。
これはまさに基本的なことですが、疎かになっていることが多く見受けられました。症例レポートとして一本の理論の芯を通すことを意識してください。研修生は毎週の症例検討会が非常によい機会となりますので、十分に活用するべきであると思います。また全症例に対してセファロトレースの重ね合わせを行なって治療の考察を行いましょう。
2. 歯根の平行性まで仕上げていない症例が多い。
ディテイリング時にパノラマエックス線写真を撮影して、きちんと平行性の確認をしましょう。模型だけでは不十分です。
3. 歯科矯正用アンカースクリューを使用した症例が多く、その中で前歯の舌側移動量やトルクが目標を大きく越えてしまっていることが多い。結果、側貌が後退し過ぎている場合が多く見受けられる。
アンカレッジロスが生じてしまうという観点から、診断時のALDや大臼歯関係は慣習的にシビアに見る傾向があり、治療計画のアンカレッジも大きめの設定がなされます。歯科矯正用アンカースクリューによる固定を行う場合においても、アンカレッジロスに注目するあまり、本来目標としている前歯歯軸・トルクコントロールが疎かになっている傾向があると感じます。
認定医を受けられる若手の先生はぜひ1年毎のセファロトレースの重ね合わせで段階毎の評価を行うことをお勧めいたします。
以上から、やはり研修時代に習得する基本は全国共通で歯科矯正臨床の基礎となるものであり、いかに基本研修が重要かがわかります。認定医審査に臨む先生は今一度基礎に立ち返って症例記録簿を作成してください。
〈主な医局行事〉
令和元年(2019年)
12月12日 美久会総会・忘年会(銀座アスターお茶の水賓館 幹事:坂本先生)
令和2年(2020年)
3月19日 卒後研修課程第43期研修修了式(千葉歯科医療センター) ※中止
4月1日 卒後研修課程第46期入局
5月9日~10日 医局旅行(焼津グランドホテル 幹事:坂本先生) ※中止
6月4日~5日 第44回日本口蓋裂学会総会・学術大会(誌面開催)
6月24日~7月9日 第30回日本顎変形症学会総会・学術大会(ウェブ開催)
7月13日~8月7日 Suyehiro法Typodont 実習(46期)
9月9日~23日 反対咬合 Typodont 実習(46期)
7月9日~16日 第79回東京矯正歯科学会学術大会(ウェブ開催)
9月5日 入局試験(ウェブ開催)
10月19日~29日 Bioprogressive Typodont 実習(45期)
10月4日~6日 第9回国際矯正歯科学会議世界大会・第12回アジア太平洋矯正歯科会議・第79回日本矯正歯科学会学術大会(ウェブ開催)
<学会発表>(国内主要学会)
第44回 日本口蓋裂学会
シンポジウム
末石研二 矯正歯科分野におけるCQおよび推奨について
ワークショップ
坂本輝雄 口唇口蓋裂治療における医科歯科連携を考える 東京歯科大学における医科歯科連携について
小泉絹子 片側性唇顎口蓋裂患者における翼突上顎縫合部形態が顔面の対称性に及ぼす影響
沖野早苗 片側性唇顎口蓋裂患者の外科的矯正治療が選択される顎顔面形態の検討
小出真菜 片側性唇顎口蓋裂患者の上顎前方牽引装置使用後のセファログラムの変化についての比較、検討
第30回 日本顎変形症学会
シンポジウム
西井 康 検査・診断機器の進歩は治療結果の向上に繋がっているか 3Dシミュレーション,CAD/CAMそしてMixed Reality
示説
石井武展 Hemifacial microsomiaにおける副鼻腔および眼窩容積の対称性の比較
林 優希 顔面非対称患者における頭蓋底形態の 3 次元的解析
高橋 諒 軟組織 3D 写真画像を用いた骨格性下顎前突患者における顎矯正手術前後の評価
村瀬千明、市川江里佳 外科的矯正治療が必要と診断された下顎前突症患者と上顎前突症患者の下顎臨床歯列弓形態の比較検討
立木千恵 開咬症例における外科的矯正治療と矯正治療単独の長期経過
第33回日本顎関節学会
ポスター発表優秀賞
石井武展 変形性顎関節症は性ホルモンと機械的刺激により惹起される
第79回東京矯正歯科学会
松本高明 歯科矯正用アンカースクリューに側方荷重を加えた際の骨反応の解析
第9回国際矯正歯科学会議世界大会・第12回アジア太平洋矯正歯科会議・第79回日本矯正歯科学会学術大会
The 9th IOC Residents Forum Award Research Category 1st Prize
石井武展 The short-term effects of osteoporosis treatments on tooth movement during orthodontic treatment
亀井宏和 Relationship between orthodontic tooth movement and Semaphorin,Plexin, Neuropilin
松本高明 Analysis of bone reaction when lateral load is applied to orthodontic anchor screw
ポスター発表
水野周平 Mechanical properties of tendon-bone attachment and surrounding bone with masseter function recovery.
西村達郎 MULTI-SCALE STRUCTURAL ANALYSIS OF BONE AROUND ORTHODONTIC ANCHOR SCREWS DURING GROWTH
症例展示
高橋彩記子 卒後研修過程43期生による症例展示 ケース
河角久美子 卒後研修過程43期生による症例展示 リテンションケース
非常勤講師(敬称略)
今村 雅郎 小太刀 健二 野村 真弓
渡辺 洋一 大塚 淳 渡辺 和也
土屋 朋未 菅沼 與明 福本 恵吾
荒川 忠博 根岸 史郎 大塚 和華
林 正樹 今井 利明 福井 健之
小林 誠 吉井 賢一郎 西村 文邦
市村 賢太郎 北總 博之 小坂 竜也
吉田 章太 東郷 聡司 小泉 儀明 根津 崇
医局員
客員教授 茂木 悦子
末石 研二
《水道橋病院》
主任教授 西井 康
臨床教授 片田 英憲 (衛生士短期大学教授)
講 師 宮崎 晴代
石井 武展 (講座幹事、医局長)
立木 千恵
助 教 安村 敏彦
内山 沙姫
海老澤 朋宏
レジデント
大山 莉奈 戸嶋 翼 戸嶋 未妃
河角 久美子 高橋 彩記子
臨床専門専修科生
岩田 直晃
松野 智美
鍛代 秀人 古川 裕美 飯嶋 彩花
《千葉歯科医療センター》
主任教授 西井 康
講 師 野嶋 邦彦(育成歯科 部長、研3主任)
坂本 輝雄(研2 主任)
助 教 有泉 大 (医局長、研1主任)
森川 泰紀(副医局長)
飯島 由貴(研2副主任)
臨床講師 木村 絵美子
レジデント
草場 岳
武笠 友里香
大学院生 亀井 宏和 永井 航平 松本 高明
ブンポ-ト レクロエンシン 佐竹 奎亮 西村 達郎 水野 周平
研3(44期)
阿部 真由子 大川 敬介 沖野 早苗 小野 紗友美
小泉 絹子 小出 真菜 戸村 拓真 丸山 友貴
研2(45期)
市川 江里佳 岡林 宏樹 戒田 直紀 小林 奈菜美
島村 唯 沈 圭利 下山 圭太 高橋 諒
林 優希 原 瑞紗 原崎 ひとみ
研1(46期)
大澤 雄一郎 太田 健太郎 後藤 千勝 酒井 菜緒
田上 聖章 都丸 宏実 左 原美 三宅 麗
森 瑞貴 森野 響子 山下 悠 山本 楓華
非常勤歯科医師
岡嶋 伶奈
副島 亜貴
小幡 智子
臨床専門専修科生
石川 宗理
大竹 智久 小倉 弘之
吉野 史人
千葉歯科医療センター 矯正歯科 医局長
研1(46期) 主 任
美久会会誌 編集担当
有泉 大
この美久会会誌の形式は、この1年の私の集大成と言えます。
症例検討会、授業、会議、学会、何から何までも強制的にデジタル時代に突入しました。
新しい形式で「0」から作り直すという作業は非常に時間がかかります
しかし、全ての事象に共通することは、人は「慣れる」ことができるということです。
コロナ渦においてAlphabet社のGoogleが提供するコンテンツの有用性を再認識させられました。
世界中のあらゆる人のかなりの情報量が吸い出されたことかと思います。
裏を返すと、情報をコントロールしたい場合のアナログの強みや、デジタルとアナログが逆転することで新たな価値が出てくるようにも感じました。
会誌の作成にあたり、例年通りにMicro Soft-Wordで原稿の編集をし、PDFにて配信を考えていましたが
Webに「慣れて」しまったため、作業途中でページ間の 「区切り」 に非常にストレスを感じ、
「スクロール」で見ること出来ないか考えました。
PDF化してメール添付出来るまでファイルを圧縮すると写真の画質が激悪になることも障害になり
ギリギリまで模索した結果、Webページという答えに至りました。
(配信が年末になり申し訳ありません)
旧時代の
「紙」と「ページをめくる」
選択を捨てた新時代の形です
読みやすさを追求するために
先生方に頂いた原稿の文章を、プツプツと文意と関係なく改行させて頂いたことはお許しください。
千葉での話題は、今や コロナ < 新センター です
移転に伴い、医局から様々な物が出てきましたので、写真を載せておきます
(ついでに千葉校舎の周りの写真も取りましたので御覧ください)
そういえば、昨年の編集後記で『幻のナンバー7』について書きましたが
荷物整理とともに私の個人棚から発見されました!!
これで、会誌はNo.1から現在までコンプリートされました
機会がありましたら、データを整理して皆さまと共有したいと思っています。
さて、5階建てのビルから2階建ての物件に引っ越せと言われている訳ですが
皆さん、引越する時って
まず間取りを見ますよね? それでその次に内見するじゃないですか?
でも、センターの引越しって新築物件の引越しなんで
間取りだけで契約なんです
なので、全科共有の医局にどのくらい物が置くスペースがあるのか
この12月の現時点でも誰も知らないという状態です。。。。。
一番の問題は、患者ファイル、患者模型の保管場所が間取り上、用意されていないこと
このことについては、新センター建設前から再三 要求してきましたが
取り合ってもらえませんでした。
「千葉病院」を「稲診」化させれば、しばらくは模型保管場所の心配はないかと思っていましたが
大学はこちらが思っている以上に早く、古い千葉の建物を取り壊したいような空気を感じます (自分は慶應ってガラじゃないんで、嬉しくないです)
模型のことは
認定医取得後に統一専門医を申請するときに、研修生と10年目くらいの先生たちに直接降り掛かってくる問題だと思います。
全ての模型を保管することは現実的には不可能で
優先順位としては
法的な縛りがある保険患者模型
その次に、自費模型となるため
久々に
大学に自身のケースを探しに来てみたら
お目当ての模型に辿り着くまでに
① 患者名を思い出す
② 患者番号を調べる
③ 守衛さんに鍵を借りて、旧センターに入る
電気供給がストップしているため
④ 階段で5階まで行く
⑤ スマホのライトで模型を探す
⑥ 廃棄されていなければ、見つかる
というステップを踏まないといけなくなると思います。
5〜6年分の模型は、旧学食に移動できそうですが、それ以前の物については限界量を超えている可能性が高く、保管の保証ができないと考えています。
外に羽ばたかれた若手の先生たちは是非、美久会や講座からの連絡を毎回チェックすることをお勧めします。
講座の環境が時代と共に変化していっていますので
在籍時の常識が今では通用しないことも多々あるかと思います。
連絡先等の変更がある場合はご一報ください。
1年を振り返って、今年の苦況はいろいろな面で自分の限界突破が出来た気がしています。
皆さま、今年も1年間お疲れ様でした。
来年も講座、研修生共々よろしくお願い申し上げます。