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ドローン機体への
パラシュートシステム実装

parachute.japan



ドローンが飛行中緊急事態となって墜落の可能性が出てきたときにその対策として弊社では緊急パラシュートを開発しました。
これまでスカイスポーツ用の緊急パラシュートとしてハンググライダー/パラグライダー/パラモーターへの実装経験を積み重ねてまいりましたがドローンへの実装は初めての経験となりスカイスポーツ用との違いについて2017年より模索し、次々と寄せられる新たな情報に混乱しながらも弊社なりの方向性をようやく決定するに至りました。

1:輸送用ドローンへの実装をターゲットとすること

2:固定翼型ドローンへの実装をターゲットとすること

3:マルチコプター型ドローンについてはターゲットではないながらリクエストがあれば対応してゆくこと

以上の3点です。

1:輸送用ドローンへの実装をターゲットとすること
緊急用パラシュートは操作性を有しません。
そのため開
傘したあとは風下へ流されることが避けられませんが、風に流されて幹線道路や住宅密集地へ不時着することは避けたいわけです。
そうなると飛行前の仕込みによってその対策を講じるわけですが まず飛行コースを創造するにあたり輸送型であれば定期航路となる可能性が高くなります。同じコース上を飛ぶことになれば風の影響、無線の電波障害の影響が想定できるエリアの選定が可能となる場合があります。
そうした危険エリアを飛行するときの飛行コース上でもしパラシュートを使用することになれば3次元上のどこで開傘すれば風に流されてどこら辺へ着地するかを予想するための情報を得られる可能性が出てきます。

2:固定翼型ドローンへの実装をターゲットとすること

(1)緊急時の墜落時の機体姿勢が限定された姿勢となります。おそらくは機首を下に向けた姿勢となりますのでパラシュートを打ち出すべき方向にも限定があり、射出後の開傘にまつわるトラブルの可能性を抑制することが可能です。
(2)マルチコプター型に比べてペイロードに余裕があるのでパラシュートシステムの自重による制限が少なくなります。

(3)翼面積に余裕があるのでレイアウト的にパラシュートシステムを配置できる空間が得やすくなります。


3:マルチコプター型ドローンについては
*誤解のないように申し上げますがもし
ご要望があれば検討及び相談を受けさせていただきます。

(1)弊社では汎用でのパラシュートシステムを
用意いたしましたが現段階に限り市場で見られるドローンの設計段階でドローンメーカーによるパラシュート実装を想定に入れた設計をしていないものが多く、配置場所、重量の割り当てにおいて汎用品のパラシュートシステムを後付けで実装することには工夫または改造などシステムをそのまま取り付けられないことが想定されます。
(2)
回転翼のアスペクト(縦横長比)が小さく、マルチローターであることで揚力の不足を補い、反転トルクを同時に制御することで操作性の有利を得ることが特徴ですが、その代償としてペイロードを大きく求めてしまうと操作性に影響を生んでしまいます。
マルチコプター自体がペイロードがないことがメリットであるとも言い換えることができます。
その代償としてパラシュートシステムの自重を搭載することに難点が生まれてきます。
もしもこのペイロードが少ないことを克服しようとして短絡的に長径プロペラを採用すると、それは操作性が非常にクイックで過敏な動きとなり、言い方を変えれば不安定になる特性があります。
(3)機種ごとに機体重心が異なり、またカメラやGPS、測量機器など搭載機器の影響による重心位置の変化も想定されることから緊急時の機体姿勢にバリエーションが多く持たれます。
パラシュートの打ち出し方向には実物と同じ重心位置を持つ模擬ドローンを投下試験をして落下姿勢を検証したうえでのパラシュート打ち出し方向を決定することを理想とします。
最も懸念するべきはパラシュート射出方向が機体姿勢により地上方向へ(真下へ)打ち出してしまうことでパラシュートが打ち出された位置へドローン機体が落下してパラシュートに包まれてしまうことを避けなければなりません。