阿蘇郡西原村と南阿蘇村にまたがる標高1,095mの俵山の麓にある俵山交流館,萠の里のポピーが咲いているという情報に誘われて,比較的空気の澄んだ5月19日(金曜日)に訪ねてみた.阿蘇熊本空港から俵山トンネルを抜けて南阿蘇に通じる県道28号線は昨年の12月末に開通したが,村道を利用した迂回路ということで,行くのを躊躇していたが,急ごしらえとは思えない立派な道路であった.曲がりくねった旧村道とは別に,山林,田畑を切り拓いて作った新道が比較的短期間に実現するには地元の並々ならぬ努力があったものと思われる.マップ上,A, B, C地点の崩壊が甚大,赤点で示した村道の整備と俵山トンネルの開通により南阿蘇へのルートがひらけた.
下右図に示すように大峯を回り,途中から新道に入り大切畑ダム沿いに走り,県道28号線に出るコースである.
交流館の建物はほとんど地震の影響はなかったようである.周辺の道路,橋,ダムなどの損傷が甚大であることを考えると奇跡的である.3月15日11ヶ月ぶりにオープンした売店,レストランはウイークデイではあったが,年配客で賑わっていた.以下の写真はパノラマ写真のつもりで見てほしい.
今年は赤系の花が少ない.
今年は山側斜面のポピーだけで,県道に沿った畑は耕されていた.秋のコスモスが楽しみである.写真中央,駐車場の先に地震に耐えた石鳥居の一部が見える.その奥にお池さんの名で知られる揺ケ池(ゆるぎがいけ)があるが,地震後霊水は枯渇しているとのことである.
萌の里入口の反対側に鳥居があり,その奥300mの弁財天境内に霊水が湧いていた.地震前は遠くから霊水を汲みに来る人で賑わい,一人20リットルまでに制限されるほどであった.地震後に濁っていた池は,現在は完全に枯渇しているとのことである.詳細は関連ブログを見てほしい.阿蘇では,地下断層が水平方向にずれ動いた影響で(九大研究グループの見解),温泉が枯れたため新しい泉源を求めて掘削が行われいる.井戸の湧き水も同様のメカニズムで枯れたものと思われる.パワースポットゆえに,奇跡が起こり再び名水が蘇ることを祈りたい.
今回のルートを走行する間,地震の被害を目にすることは殆どなかったが,唯一気付いたのは西原村役場近くの仮設住宅であった.
適当に撮影した以下の2枚の写真を,パノラマ作成プログラムを利用して,「おまかせ的処理」により自動合成した写真.合成後の画像には上下に欠落部分が生成するので長方形にカットしたが,それなりに使えるようである.
2017.5.21