濵田 恒太朗   Kotaro hamada

狭間に揺れる情景

コンセプト


目の前に広がる世界。僕にとってのリアリティは、都会の喧騒だったりビル群だったりする。


同時に海や山と対峙した時、圧倒されつつも、偉大さや美しさを感じる。全身で感じ取っているもう一つのリアリティ。


前作である「ヨハネの黙示録現場創造ルポ」で描いた作品群の中から、3つのシーンを描く。


背景となる情景は、これまで目にした風景。そのリアリティの中に、ヨハネの黙示録に描かれる世界を表出させる。


ヨハネの黙示録に描かれている世界は、たとえ予言であり、想像上のものであっても、世界中で最も読まれてきた書物のひとつである。そして、人間の歴史において、延長線上に今があり、僕もその延長線上にいる。


今を生きるリアリティとヨハネの黙示録におけるリアリティの狭間。狭間に揺れる情景は、時として、出現したり消えるのでないか。


そうした僕自身の思索の今を表現する試みとして、本作に取り組む。

展示場所


別館2階


プロフィール


濵田恒太朗

1986年生まれ。東京育ち。小さい頃から絵を描くことは好きで、進学の際に、美大への憧れはあったものの、自分には無理だと距離を置く。浪人時代、頭が疲れた時に絵を描いてみると頭がほぐれる感じがあって、再び描き始めることが楽しくなる。その頃は、ペンギンやくじらの絵をポストカードサイズの紙にたくさん鉛筆で描く。社会人になってからデッサンや油絵も始める。予備校時代の恩師の研究会でヨハネの黙示録をテキストとして取り組む場に参加し、そこに描かれている情景や生き物を描くことに取り組んでいる。