おおまかに構想できたところで、いよいよ作成作業に取り掛かります。
外部フィルター(濾過槽)用の容器として理想的なのは、縦長で容量が大きく、ガラス瓶でないことだと思います。
市販の外部フィルターを見ても横に倒れてる形をしたものはないので、縦長がいいに決まっています。
容器の大きさ、つまり容量は間違いなく多い方がいいです。水槽本体を含めた全体の水量が多くなるため、水質が安定しやすくなります。また、ろ材も多く入れられるため、濾過バクテリアの生息数の増量にも期待できます。
世の中には80Lぐらい入るようなボリバケツを使ったりしてる人もいるようです。魚屋でも始めるならまだしも、リビングに置くには見た目にも向いているとは言えませんし、置き場所の問題もあります。穴を開ける場所によっては、水漏れなどの事故が発生したときの洪水量も半端ないと思われるので、程々がいいと思います。
いきなり番外編かよって感じですが、この失敗例を反面教師としていただくために、先に書いておきます。
費用対効果を考慮し、容量の割に安価な容器を探し続ける中で、なかなかいいのを見つけました。
ダイソーのウォータージャグ(\300+税)
商品名はMountain Explorationだそうです。容量は3.8Lあります。
写真は既に3つほど穴が空いていますが、コックを取り付ける為の穴が最初からひとつ開いてました。しかも内径15mmのグロメットをはめて外形14mmのホースを通しても水が漏れない、ちょうどいい大きさでした。容器の下側に開いているので、これは水槽からくる水を取り入れる給水側用ですね。
さっそく、もうひとつのホースの穴を開けます。
おっとその前に、蓋に取っ手がついていたので、これを何とかしないといけません。取っ手は便利ですが、このままではここから空気が抜けてしまいます
取っ手を取り外し、開いている穴にバスコークを突っ込んで穴を塞ぎました。
バスコークは内側から注入すると仕上がりが綺麗です。内側は汚くなっても見えませんからね。
※バスコークは必ず防カビ剤が入っていないタイプを選んでください。
この後、もうひとつのホース用の穴を開けて、次はコンセント用の穴を・・・
と、ここまでは快調だったんですが・・・。選んだポンプが大きすぎて、ポンプの出し入れが結構ギリギリ・・・。ましてや容器内でホースを繋いだり外したりとか余裕がなさすぎて、かなり厳しいことがわかりました。
また、ポンプは下に置かないと、ポンプを入れた後にろ材の出し入れがほぼ不可能だということにも気づき、コンセント用の穴を下に開けて・・・。でもやっぱり厳しい・・・。
諦めよう・・・。
300円もしたのに・・・
でもね、一回り小さいポンプならいけると思います。将来、小さめのフィルターが欲しくなったときのため、捨てないでとっておこうかな。多分使わないけど。(今は、穴は開いてますが小道具入れとして重宝してます。)
加工済みの写真しかなくてすみません。
税込みで980円もしましたが、いろいろ探し回った結果、しっかり密閉できるシールド容器の中では、これが最安でした。
穴を開ける場所を決めたら、次はどれくらいの大きさの穴が必要なのか、つまりどんな方法でそこにホースを繋ぐのかを考える必要があります。
僕の場合は、短く切ったホースをグロメットに通し、その短いホースにホースジョイントニップルを嵌めて、そのホースジョイントニップルの反対側に、水槽に続くホースを繋ぐという方法をとろうと思います。
ホースジョイントニップルとは、こんなやつです。
ちなみに今回使ったのは、濾過槽の外側にL字型、内側にステンレスのストレート型を使いました。詳しくは後述します。
※ホースジョイントニップルだと長いので、今後は「ホースニップル」という文言で統一します。
わざわざホースニップルを介すのは、濾過槽の掃除のときとか、メンテナンス性が悪くなるのを避けるためです。また、グロメットもゴム、ホースもゴムということで、水漏れのリスクも軽減できる期待が持てます。
つまり、開けるべき穴の大きさは、「グロメットを嵌め、そこにホースをギリギリ通せるだけの大きさ」となります。
いよいよ穴を開けていきます。緊張します。
まずは小さい穴を開け、その穴ををホジホジと広げていきます。必要な工具は、最初の穴を開けるためのドリルと、リーマーという穴を広げる工具になります。
ただ、僕の場合はドリルを持っていなかったので、プラスチックに穴を開けたい時はいつも、熱したハンダゴテをひと刺ししてます。でもこの方法はおすすめしません。まず異臭が発生しますし、ハンダゴテにも溶けたプラスチックがくっついてしまい、そこからまたしばらく異臭が漂いますし、ハンダゴテにとってもよくないでしょう。また、開けた穴の周りにも、溶けたプラスチックがバリとなって残ってしまい、リーマーでホジホジしてもこのバリはいつまでも残ります。
※なので最近やっとドリルを買いました。まだ使ってませんが。
ドリルで開けた場合は、そこまでの頑固なバリはつかないかもしれません。でも、後でグロメットをはめる時、少しでもバリが残ってるとやっかいです。そんな時はスクレーパ(バリ取り)を使います。
リーマーを選ぶときは、自分が開けたい穴の大きさに対応できるかどうか気をつけてください。今回はホースの外径が14~15mmなので、直径20mmの穴が開けられれば余裕ですね。
ちなみに、リーマーの使い方は簡単です。ドリルで開けた穴にリーマーの先端を突っ込んで、手でグリグリ回していくと、少しずつ穴の縁が削れていく仕組みです。非常に簡単でキレイに穴を開けることができます。調子に乗って回しすぎると、穴が大きくなりすぎてガバガバになってしまうので、少し削ってはグロメットを嵌めてみる。まだ嵌まらないと思ったらまた少し削るといった感じで、慎重に進めましょう。
グロメットがギリギリハマるぐらいの穴が空いても、そこにホースを突っ込めるほどの穴ではないでしょう。まだまだ削っていく必要があります。くれぐれも慎重に。
コンセント用に穴を開けますが、コンセントを濾過槽の外に出すために、コンセントの先っぽが通るだけの大きさの穴を開ける必要があるでしょうか。そうなると、ホースニップル用の穴よりも遥かに大きい穴が必要になり、加工が大変です。
そこで、コンセントの先っぽをちょん切って、コードだけ先に穴に通し、ホームセンターで売っているコンセントに付け替えることにしました。こうすれば、必要最小限の穴の大きさで済みます。
でも、今にして思えば、もっといい方法がありました。もっとコードの真ん中の方(ポンプ本体に近いところ)で切って、切った部分の双方にコネクターをつければよかったです。そうすれば元々ついていた美しいコンセント部分がそのまま使えますし、作成中、濾過槽からポンプを出し入れしたくなった場合でもコネクターを外すだけなので楽です。次回作る機会があったらそうしよう・・・
ちなみに、コネクター部分は濾過槽の外に出るようにしないと漏電してしまうので、短く切りすぎないように気をつけてください。また、コネクターが通るぐらいの穴の大きさは必要です。
ポンプに限らず、世の中の電源コード(の断面)は、ホースのように円形ではない場合が多いです。僕が買ったPF-701も楕円になっていました。電源コードもメンテナンス性を考えて、容器に接着したりせず、グロメットを通して美しく、脱着可能にしたいものですが、その楕円形状が災いして、小さめのグロメットを用意しても、そのままでは水が漏れてしまいます。
また、小さいグロメットは、容器を噛む溝の部分(右の写真参照)が薄く、よほど壁の薄い(ペットボトルのような)容器でないとうまく取り付けられません。
そこで、美しい仕上がりへのこだわりがゆるぎない僕はこうしました。
はい、美しくはなりませんでしたね。
短く切ったホースの中に、電源コードを通し、ホースと電源コードの隙間にバスコークをこれでもかと流し込みました。これでホース用に開けた穴と同じ大きさの穴で通すことができ、グロメットも同じ大きさのものが使えます。上の方に貼った写真を御覧ください。同じ大きさの穴が3つ開いてていい感じですね。
美しく仕上げられなかった敗因は、ホースの両側からバスコークを流し込もうとしたことです。片方からバスコースを流し込んだ後、もう片方から流し込む際に、さっきのバスコークが空気に押されて流れ出てしまったのです。
ちょっと考えてみればわかることですが、この時は「密閉性」に気を取られすぎて、そこに気が回りませんでした。残念です。
なので、これを真似しようと思った方は、片側からのみバスコークを流し込むようにしてください。それだけでちゃんと密閉されるはずです。どうせならポンプ側のみ施工することをおすすめします。そうすれば外側からバスコークが見えなくてよりきれいに仕上がると思います。
結果的に、電源コードはこうなるはずです。
濾過槽内に水を汲み入れる際に、内側のホースニップルにろ材が干渉しないようにします。
でないと、ニップルがろ材に押され、容器がゆがみ、そこから水が漏れる可能性があると思われるからです。できるだけ、ホースニップル部分には負荷をかけたくありません。
給水側ホースは濾過槽の下部につなぎますから、ろ材を入れる際に、少し底上げすればいいことになります。そこで、100円ショップでよく売られている、猫よけ用のトゲトゲネットを濾過槽の底面の大きさ分だけ切り取り、底に敷くことにしました。
容器の底の形に合わせてカットします。手前側にある切り欠きはホースが当たらないようにするためです。
これを容器に入れるとこうなります。ホースにも干渉せずぴったりです。
トゲトゲは下向きにセットします。そもそも猫が入ってくるような場所じゃないので大丈夫です。
こうすることで、ろ材がホースを押さえつけることもなくなり、水槽内から引き取った物理的なゴミ(魚の糞や水草の欠片、ソイルなど)を下に貯める事ができるので、ろ材が汚れるのを防いでくれる効果も期待できます。
これで外部フィルターは完成です。